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ライター 影井公彦

2018.1.29

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アーティストと終焉

先日、スレイヤーがラストツアーの発表を行った。
これが解散に繋がるツアーなのか、それともツアーだけはやめて創作だけはするのかはわからないが、世界ツアーはどうやらこれで最後のようだ。
その数日後にはなんとエルトン・ジョンもツアー活動から離れるとの発表をした。

この2つの発表で思ったのは
「まさかこんな日が来るとは」
だった。

自分が年齢を重ねるのは容易に想像がつくのだが、アーティストが年齢を重ねている事実には想像がつかない。
初期のアーティスト写真を見て、現在の最新の映像を見てやっと
「歳くったな」
と、思うぐらいだ。
加齢による衰えがない場合は、この現象に拍車をかける。
永遠にバンドが続くのだと思ってしまうのは、ファンの勝手な願いだということを、アーティストの引退やベテランバンドの解散で思い知らされる。
残念だ。
しかし、これはとても幸せなことなのだということを僕らは知っておかねばならない。

自分の話で恐縮ではあるが、自分の中で重大な2つのバンドは、解散も引退もしなかった。
1つはバンドがバラバラになり、今も名前を変えてバンドは存続しているが、改名前の曲はやらないという状態。しかも、改名前のライブではトラブルがおきたのでお世辞にもキレイな終わり方をしていない。
1つはメンバーの死による永久的な活動停止。
停止前にライブが行われたのが唯一の救いではある。

こういった正式な解散、引退をせずに終わってしまうアーティストは無数にいる。
そんな中で、スレイヤーやエルトン・ジョンはファンの前に来て、ライブをするというのだ。
しかも、ただ1回のライブで終わりにするのではなく、ツアーをやる。
これは、幸せなことだ。
勿論、スコーピオンズのように、最後のツアーをしている最中に
「これだけ楽しいことは止められないから、解散止める!」
と言い出すこともあるかもしれないが、その時は良かったと胸を撫で下ろせばいい。

解散や引退を迎えるならば、ファンとしてはその終わりを見て、力の限り泣けばいい。
それだけ本気になれたのだから、恥じることはないのだ。
一緒に走ったその日々を、忘れることはない。

これから先、こういったことは増えていくのだと思う。
僕はその1つ1つの終焉がちゃんと訪れることを願うばかりだ。

SLAYER 『Angel Of Death』

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