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ライター 影井公彦

2018.2.27

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鬼気迫る演奏とは?

音楽を聴いていると『すごい』と思う瞬間が山ほどある。
それがどんな『すごい』なのかは、聴くたびに違ってくるし、聴いている人の趣味によって違う。

「こんな演奏ができてすごい」
「こんな歌詞を思いつくなんてすごい」
「こんなに下手なのに思いだけでこんな風に聴かせるなんてすごい」
といった風に『すごい』の指針はバラバラである。

そんな中、鬼気迫る演奏に触れて『すごい』と思ってしまう時がある。
そういった演奏に触れることは、そうそうない。
しかし、出会ってしまうと思い切り引き込まれてしまう。

自分の人生の中で、鬼気迫る演奏を何度か見たことはあるが、忘れられないのはこの楽曲だ。

Johnny Cash / Hurt

俳優や歌手として活動し、作家もしていたというジョニー・キャッシュによる、ナイン・インチ・ネイルズ(以下NIN)のカヴァー。
残念ながら彼は2003年に亡くなっている。
この曲『HURT』は亡くなる前の年に発表されており、この曲を聴いたNINのトレント・レズナーは『涙が出た。背中を押された気持ちになった』と語っている。
物悲しく、暗い雰囲気の曲で、最後の部分でピアノの音がどんどん大きくなって……スッとジョニー・キャッシュの声だけになるところがたまらない。
後付けではあるのだが、この曲をカヴァーした時に、ジョニー・キャッシュ氏には『終わり』が見えていたのかもしれないと、勝手に思ってしまう。
だからこんなにも鬼気迫る演奏ができたのではないか、と。
命の灯が燃え尽きる前に、全てを自分の中で燃やして天へと昇っていくような演奏だ。
とても静かな曲なのに、本当に圧倒される。

これ以外にも、NirvanaのMTV Unpluggedでの演奏でも同じような『すごさ』を感じてしまう。

『ぶっカフェ!』という坊主達がカフェで働く漫画があるのだが、その中で
「実は『生』が偶然で『死』が必然」
ということを言っているシーンがある。
必然の『死』を見つめた時、自分は何を思うのでしょうか……?
ふと、そんなことを考えたというお話でした。

ではまた、次回お会いしましょう。

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