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COLUMN シーンの中にいる人たちの言葉

思春期プラスティネーション

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ライター兼作家 影井公彦

愛知県在住。昼間は会社員、夜はカタカタと小説・シナリオ・レビュー等の文字書きしてる人。90年代ヴィジュアル系のことを語らせると朝までノンストップで話しまくってしまう。現在は音楽をジャンルレスに聴くため、CD棚がえらいことに。

2017.3.30

メタルしようか?/影井公彦

OUTRAGEデビュー30周年!

出勤の際に音楽を聴くことが多い。
社会人となると当たり前になる光景であり、音楽を生業にしてない人間としては、通勤の際に音楽を聴くのは譲れない時間である。

毎日違う音源を聴くのだが、最近METALLICAの新譜を聴いて
「なるほど……」
と、首をヘドバンするかのごとく頷かせていた。
彼らの2枚組のこのアルバム、50代を迎えた彼らが放つ初期の匂いがたまらなくいい。

「死ぬまでキッズなんだよ」

という言葉が聞こえてきそうなほどだ。
そんな彼らのアルバムを聴いていると、あのバンドが思い浮かんだ。

METALLICAのカーク・ハメットが雑誌で彼らの名前を見かけて
「彼らもまだ頑張ってるんだ!よろしく言っておいてくれよ!」
と、言っていた名古屋の4人組。

ここまで言えば誰かわかるだろう。

そう、名古屋の『OUTRAGE』である。

MY FINAL DAY(XXX Edit)

結成年がMETALLICAと1年しか違わない彼らも2枚組の作品(新曲入りのベスト盤)をリリースしたのだ。

XXX BOX
www.amazon.co.jp/XXX-BOX

今回はこのベストアルバムではなく、彼らを深く掘り下げた映画『SHINE ON -TRAVELOGUE OF OUTRAGE-』について書いていこうと思う。

「シャイン・オン -トラベローグ・オブ・アウトレイジ-」予告編

この映画が公開されたのが2010年。
内容はドキュメンタリーとなっており、OUTRAGE結成から、橋本直樹(vo)の脱退、3人編成での活動に、橋本直樹の復帰、復帰後のアルバム『OUTRAGE』の発売とそれに伴うツアーまでを追いかけている。

4人のメンバーとそのスタッフや家族のインタビューを踏まえて語られるOUTRAGEの歴史は、月並みな言い方だが感動を覚える。

橋本直樹氏の脱退による人気の低迷、それに伴うバンドの不協和音……。
その当時の僕は大学生。
彼らの活動は雑誌などで見ていたので、何の気なしに
「活動は順調かなー」
と呑気に思っていた。
しかし、現実は違っていたのだった。

バンドの裏側をこれでもかと見せられる今作は、雑誌やライブで見る4人とは違うものを見られる。
そこで思うのは、彼らの生活のリアルさである。

日々の仕事で生活をし、土日祝にライブ。
長期の休みを使ってのレコーディング。
華やかなロックンローラーの道とは違う、地味ながらも生き様を詰め込んだ彼らの生き方が心に刺さる。

どうしても『ロック』というと派手で破天荒な生活を思い浮かべるが、そんなものはこの映画にはない。
日々の生活の上で奏でられる彼らの音楽には、現実的な重さがある。
『耐え抜け!』と叫ぶ彼らの『RISE』という曲はまさに、日常生活での応援歌だ。

RISE

この映画を観た後は『さあ、明日も「普通」を頑張ろうか』という気分にさせられる。
彼らだって普通を生きている。
日常生活だってロックなんだよ。
そういったことを気付かせてくれる。
だから、僕はこの映画が大好きだ。

今年のOUTRAGEは30周年で色々と動くそうなので、これを機会に是非とも彼らの音に触れてほしい。
前回のアルバム『GENESIS I』では日本語のカヴァーもしており、これがまた面白い。
英語での歌に拒否反応のある人も、まずはこれを聴いてみてほしい。
カヴァーは70年代の曲を中心にやっているのでメタルというよりもロックに近く、聴きやすいだろう。

GENESIS I
www.amazon.co.jp/GENESIS-I-DVD

この中の『御意見無用(ザ・モップスのカヴァー)』を聴くと、踊りだしたくなる。

御意見無用

阿波踊りのリズムを使って作られた曲らしく、聴いていると楽しくなってくるのだ。
日々の耐え抜くことや何かを無くすことに疲れたら、この曲を聴いて『いいじゃないか』と笑いとばして過ごすと毎日が楽しくなること請け合いである。

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