COLUMN シーンの中にいる人たちの言葉

思春期プラスティネーション

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ライター兼作家 影井公彦

愛知県在住。昼間は会社員、夜はカタカタと小説・シナリオ・レビュー等の文字書きしてる人。90年代ヴィジュアル系のことを語らせると朝までノンストップで話しまくってしまう。現在は音楽をジャンルレスに聴くため、CD棚がえらいことに。

2017.4.20

Nagoyakei My Dear/影井公彦

lynch.が復活をした。
4人での覚悟を見せた写真を見て複雑になりながらもグッとくるものがあった。

現在のlynch.はベースがいない状態となっており、なんだかROUAGEを連想するな、と思っていた。
実際、葉月氏はイベントでROUAGEのカヴァーをしており、Twitterでもたまに話題に出てくる。

さて、そんな葉月氏がこんなことを言っていた。

https://twitter.com/hazuki_lynch/status/689463448686604288

なるほど、確かにそう思う。
lynch.の闇の部分は今までの名古屋系のそれとは違っている。

名古屋系といえば、Merry Go Roundに黒夢、Silver Rose。
その後にROUAGEにLaputaと続いてkeinにLamielにPoisonous Dollと続いていく。
黒服に身を包み、決して明るくない世界で独自の世界を築く彼らの音は、毒々しくて美しく、そして地獄のように甘い。
特にこの中でもMerry Go Roundの描いている独自世界は他の追随を許さない。
窒息してしまいそうな息苦しさの中で見える天国、とでも言おうか。
脳みそに送られる酸素が足りなくなった時に見せる快楽の世界。
その世界にハマると病みつきになる。

Merry Go Round-桜の満開の木の下で

彼らは2004年に解散をしてしまい、その後、voの真(かずま)氏はsmellsをやっていたが、その後に活動休止。
そして現在、ギターにaie(deadman、the god and death stars等々)ベースにkazu(元蜉蝣、STEREO.C.K、the god and death stars)、ドラムにSakura(元 L'Arc-en-Ciel、ZIGZO等々)という布陣で、gibkiy gibkiy gibkiyというバンドをやっている。
その中の『I LOVE YOU』を聴いたのだが、素晴らしかった。

I LOVE YOU trailer movie

色々な歌で使われる『I LOVE YOU』という言葉。
それが彼らの手にかかれば、深い闇の中から人の形を成していない『何か』に囁かれるものと成り得るのだ。

少し話を戻そう。

今の名古屋系は昔の名古屋系と一緒なのかと言われたら、私は『違う』と答える。
しかし、そこにネガティブな意味はない。
何故なら、今現在いるバンドは名古屋系を深化させているのだから。
同じものをなぞるのではなく、深く潜ることで新しい道を切り開いていく……。
深さを増せば増すほど、息苦しくなる、しかし、それすらも気持ちよくさせる名古屋系。
名古屋系の遺伝子を受け継ぐバンドたちの今後が見逃せないし、見逃したくもない。

さて、今日もまた深く潜りましょうか。

『名古屋系に触れたい』と思った方は、上に挙げたバンドの音源を探すといいかと思います。
有名所は説明不要だと思いますので、その中でもマニアックな『Poisonous Doll(ポイゾナス・ドール)』をオススメしておきます。
彼らの音源はデモテープ、オムニバス盤への提供曲、ライブ会場限定販売音源、公式音源となっております。
その中でも比較的容易に手に入るのは、3曲入りの公式音源『醗酵ホルマリン』のみかと思いますので、是非とも探してみてください。
ドロッとした粘っこい音のスープの中に埋もれるのが楽しくなりますよ……?

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