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ライター ツボイ

2018.2.21

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a flood of circleが、いまアルバムタイトルを『a flood of circle』にした理由

「(アオキ)テツの加入が前作を超えるきっかけになった気がする(佐々木)」

前編では、佐々木亮介(Vo/Gt)のソロがニューアルバム『a flood of circle』の制作に与えた影響を紐解いた。後編では、収録曲10曲の深い部分に迫りつつ、先日正式加入が発表されたアオキテツ(Gt)にスポットを当てて、アルバム制作へどう取り組んだかを語ってもらった(何と今回が初インタビュー!)。最後には、a flood of circleの今後の展開にも触れているので、ぜひ最後まで読んでいただきたい。
※a flood of circleインタビュー前編はコチラ(http://tracks-live.com/interview/afloodofcircle-2/)

−今回アルバムタイトルを自身のバンド名『a flood of circle』にすることは最初から決められていたんですか?

佐々木亮介(Vo/Gt): アルバムのタイトルを『a flood of circle』に決めたのは最後です。3人でこれぞa flood of circleという作品を作ろうと『NEW TRIBE』が出来たから、(アオキ)テツ(Gt)が入った後はどんなバンドにしたいのかというアイデンティティーのようなことを真面目に考えました。このバンドは何なのかを1年かけて作ってきて、これがa flood of circleの完成形ですという作品ができたから、結果的に『a flood of circle』とうタイトルがしっくりきましたね。

−アオキテツさんが正式加入したことで、バンドとして新たなスタートを切るという意味もセルフタイトルには込められているのかなと思うのですが

佐々木: テツが入ったことで新しいスタートになるのは間違いないですね。一緒に成長できる仲間としてテツを迎え入れているし、テツもそう思って入ったと感じているんで、それが今の俺らのキャリアにとってすごく良かったなと。『NEW TRIBE』でこれ以上どうすればいいのか分からんくらい、いいものできたと思ったので、テツの加入はそれを超えるきっかけになった気がします。

−さらに、今作にはUNISON SQUARE GARDENの田淵さんプロデュース曲『ミッドナイト・クローラー』が収録されています。正直、おっ!てなりました

佐々木: そうですよね。結構昔から付き合いあるんですけど、最近あんまりつるんでるイメージないのかもしれない。たぶん、どちらのファンもまずびっくりしたと思う。そこはしてやったり感がありますね。

−楽曲はUNISON SQUARE GARDENらしさが結構出ているなと

佐々木: 田淵カラーがすごく強いんですよ(笑)。普通はプロデュースした人のイロってそこまで分からないじゃないですか。でもこの曲は、めっちゃユニゾンだなって(笑)。

HISAYO(Ba): でも、フラッドのこともめっちゃ理解してくれてるなと一発で分かった。今のうちらだけでは作ることができないa flood of circleのいいところをどんどん入れてきていて。a flood of circleはここだよっていうのを改めて教えてもらったような気もします。

−やっぱり外の血が入ると気付く面もいっぱいありますよね

HISAYO: そう。だからデモを聴いたとき、笑えるくらいa flood of circleの感じが入ってるなと思いました。

佐々木: ちゃんと昔のネタも随所にね。デビュー前からの知り合いだし、その当時に対バンもしてる。俺たちの歴史を知った上で曲を書いてくれているなと。デビューした頃、いしわたり淳治さんにプロデュースをお願いしたのは、本当に知らない世界や知らない引き出しを開けてもらうためだったんですけど、田淵さんに関しては外の人なんだけどフラッド愛がすごいから、a flood of circleのいちファンとしてこういう曲が聴きたいと言ってくれて一緒に曲を作り始めたので、信頼してできたし面白かったですね。

渡邊一丘(Dr): 田淵さんから全部のパートが入ったデモが送られてきたんですけど、それを聴いた瞬間、俺これ叩くのかーと思って(笑)。

一同:笑

HISAYO: 叩いたことのないものがいっぱいあったよね。

渡邊: それって俺からは絶対に出てこない発想なんだけど、a flood of circleにとって必要なリズム。すごく勉強になったと同時に、ユニゾンのドラムの(鈴木)貴雄さんはすごいなと(笑)。まだまだこんなもんじゃないだろうなと思ったら、ユニゾンはすごく切磋琢磨してるんだなと思って。そういうメンタリティー的なところも勉強になりましたね。

−同時に、自分たちの武器も改めて確認できたんじゃないですか?

佐々木: 確かに再確認したかもしれない。『Where Is My Freedom』のような、今までにない血を入れながら作った曲ばかりに目がいっていたんで、いやフラッドはここでしょと引き戻してくれた感じはあるかな。そこで初めてテツと一緒にギターを録ったんで、その影響もすごくあると思う。

−その『Where Is My Freedom』と『One Way Blues』は近しいものがあります。どちらも渡邊さんの言う、ダーク寄りの曲かなと(インタビュー前編にて)

佐々木: そうですね。この曲は近いものがあるので、今までのアルバムだったらどっちかを外していたと思います。この曲を作っていた頃、確かダークというキーワードに寄っていて、このアルバムだったらこれくらいはいこうぜみたいな感じがあったかな。あと、エンジニアのザブの得意技というのもありますね。

−そういったテンションの高い筋肉質な曲もあれば、『再生』のように佐々木さんの歌から静かに始まる曲もあって振り幅が広いですよね

佐々木: この曲は、最初バンドで始まっていたんですよ。でも、アレンジした姐さんが一人で歌から始めた方がいいと言ってくれて。

HISAYO: 佐々木くんの声でドキッとしたいのがあって。佐々木くんの声はうちらの武器だと思っていたので、最初におっ!て思う感じがあったらいいなと。

佐々木: 『再生』の始まりや『Wink Song』のラストは、姐さんのアレンジがかなり効いてますね。

HISAYO: 私はデモをまとめる係なんですよ。みんなでスタジオに入る時間がなかったんで、勝手に切り貼りして(笑)。

佐々木: そうそう(笑)。でも、その手があったかみたいなこともあって、すごく聴いていてびっくりしました。たぶんそれは、スタジオに集まっているだけでは思いつかなくて、客観的に姐さんが自分のものとして作る時間があったからだと思いますね。あと、『再生』のテツのギターのフレーズはすごい。

アオキテツ(Gt): 『再生』は結構元のデモとは違ったっすね。言い合いもしたし。

渡邊: 歌とギターの関係性がすごくシビアだから、そのバランスでめっちゃ頑張ってたよね。

アオキテツ: 『再生』は特にそうですね。

−『再生』も好きですが、個人的には『Rising』が1番好きです

佐々木: おっ!ナベちゃんの曲。アツい曲ですよね。

渡邊: マジっすか!嬉しいです。……なんて言おうかな(笑)。

HISAYO: 急にモジモジするし(笑)。

佐々木: ナベちゃんが8年ぶりに書いた曲ですね。昔はインナーな曲が多かったんだけど、結構アツい歌詞を書いてきたのでびっくりして。こんなことを言うんだみたいな。

渡邊: 8年ぶりだからデモを出すのにすごく緊張して(笑)。この曲はギターのリフで始まるんですけど、それはテツのギターのデモを…。

アオキテツ: デモのギターソロを録って送ったら「これカッコいいからイントロにも入れよう」って。

渡邊: そう。テツのギターがすごく良かったんで勝手にサンプリングして。

アオキテツ: だから、データが返ってきたら知らないイントロがついていて(笑)。

−アツい歌詞が生まれたきっかけもお聞きしていいですか?

渡邊: 俺の中での頑張ろうソングなんですけど…。何て言ったらいいんだろう。

HISAYO: デモ前に歌詞も見せてくれなかったよね。

渡邊: 歌詞のハードルが高くて。しかも、俺が歌って録ってるから。

佐々木: デモバージョンはナベちゃんが歌ってるんですよ。

HISAYO: 私、それ聴いてない(笑)。

佐々木: 恥ずかしがって俺にしか聴かせてないよね。

渡邊: 符割を理解してもらうために亮介には聴いてもらって。曲は、諦めないでほしいなっていう内容です。

−すごく伝わります。背中を押してくれる曲ですごくいいなと思いました。あと『Summer Soda』も気になったんですが、今までのバンドになかった感じですよね

佐々木: 確かに今まであまりないタイプの曲かもしれないですね。自分の中で最近ラップがブームで、90年代のグランジっぽいのがラップの中で流行っていて、それを経た後のものを今バンドでやるというテーマが自分の中にあって。それを全部説明しないでみんなでやってもらうという。

渡邊: オルタナとかグランジ以降の歌を聴かせる曲というイメージは、俺もすごくありました。独特な雰囲気が逆にいま新しくてすごくいい曲だなと。最初に言ったデモを選ぶタイミング(インタビュー前編にて)で、姐さんと結構最初にこの曲を上げましたよね。

HISAYO: うん。そして、すぐに取り掛かったよね。こういうキャラクターの曲は絶対あるといいなと思いました。

佐々木: 姐さんは、この曲でミュージックビデオを撮ろうって言ってたくらい気に入ってましたもんね。

HISAYO: うん。映像も映えそうだなと思って。

佐々木: これこそ、ソーダからテツがひらめいて、フェイザー(エフェクター)でシュワシュワしたソーダ感のある音を出してくれて。これは、テツがいたからできたことだよね。

−そのアオキテツさんが今回正式に加入されたということで、ここからはテツさんにスポットを当てようと思うんですがいいでしょうか?

佐々木: 当てたってください。初インタビューじゃない?

アオキテツ: 初です。

佐々木: そうだよね。今、インタビュー童貞を捨ててるところ(笑)。お手柔らかにお願いします。

一同:笑

−まずお聞きしたかったのが、ライブ中に佐々木さんがこれまでのギタリストの名前を全部出して「テツ!その全員を越えてこい!」って言ったのを…

HISAYO: 確かにMCで言ってた。クアトロだったっけ?

アオキテツ: 梅田のクアトロで言ってたっす。

HISAYO: 「岡ちゃーん」から入ったよね。最初、寸劇が始まったかと思って(笑)。

一同:笑

−(笑)。その言葉を聞いてどう思われたのかを聞きたいです

アオキテツ: すげぇ吠えた記憶はありますね。

佐々木: 吠えた!?(笑)

アオキテツ: ライブの時すげぇ吠えるんですよ。うおぉぉぉ!って。

HISAYO: オフマイクで、だよね。

アオキテツ: 思いっきりオフで。すごく客を睨みながら。

渡邊: 吠えずにはいられない心境だったってこと?

アオキテツ: そうかも。

佐々木: エモいテツが出てきた(笑)。

−では、今回のアルバム制作で思い出に残っていることはあります?

アオキテツ: 結構のびのびと弾かせてもらったので特には。でも、『Rising』は割と得意な方のギターだったなと。すごく気持ち悪い音をいっぱい入れました。

渡邊: 俺の曲に気持ち悪い音をいっぱい入れたの?(笑)

アオキテツ: デモが送られてきた時はサウンドだけだったから、結構気持ち悪い音を入れまくったんですけど、歌詞を見たらすげぇ前向きだったから、やっちゃったって(笑)。

HISAYO: ギリギリまで隠されてたからしょうがない(笑)。

渡邊: でも、俺的にはサウンドのイメージをヘビーでダークにしたかったから良かったかな。その中で前向きなことを歌いたかったから。

−先ほど佐々木さんが『One Way Blues』や『Where Is My Freedom』はテツさんがいなかったらできなかったとおっしゃっていましたが

佐々木: ギターのリフは自分が書いているのも結構あるんですけど、なるべく任せたかったんですよね。特にギターソロのところは。俺としてはテツのカラーを出してほしいのもあったし、自分では思いつかないことをしてほしいのもあって。何というか、一緒に鍛えながら作った気がしますね。

HISAYO: 正直、初めてテツと一緒にやるレコーディングだから、最初は佐々木くんがギターのフレーズを考えて、それをテツに弾いてもらうのかなと思っていて。それが、もう全曲、考えてもらうにしても半分くらいとか、かなり鍛えるモードに入ってた。

佐々木: だから、ぶっちゃけギターソロが1回あがってきても「ここはもっと変えてほしい」と、かなりビシビシやったよね。でも、一緒に作ってる感じがしたからそれは良かったと思うけど。

HISAYO: 絶対許さないというか、妥協しない感じでバチバチやってたから、テツもどんどん出していって。だから自信満々なものができたと思います。

−テツさんは今話が出た佐々木さんとの制作についてどう感じていました?

アオキテツ: とりあえず家で、わーっと作って出して、佐々木くんから「もうちょいこうしてほしい」って言われて、やり直す感じでしたね。一曲一曲に佐々木くんがメールで影響を受けたみたいなリストを送ってきたんですよ。

佐々木: 曲のイメージリストね。

アオキテツ: それを聴きながら作りました。最初の方は全然イメージできん曲もあったすけどね。

−そうなんですね。自信を持って出したのに、変えてほしいと言われたこともありました?

アオキテツ: ありましたけど、良くなるんやったら全然変えますね。

HISAYO: くそー、佐々木ーみたいなのは?

佐々木: 絶対言わせようとしてる(笑)。でも、そういう意味では『再生』の裏のメロディーのフレーズは我を通したよね。

アオキテツ: そうですね。ライブでもそうですけど、ここは譲れないって部分は我を通してるっすね。

−俺は合っていると思った部分は我を通すってことですね

アオキテツ: そうですね。

佐々木: 基本的にギタリストはスーパー生意気であってほしいんで、いいと思いますね。生意気にきたら叩き潰すけど(笑)。

一同:笑

佐々木: でも、バンドの面白いところってそこだと思うんですよ。助け合いも戦いもしなきゃダメだと思っていて、つらい時間があるからいい曲が生まれると思う。

−お互いが助け合い戦える環境っていいですね。では最後にお聞きします。アオキテツさんが正式加入し4人体制となった今年、どんな年にしたいですか?

HISAYO: 改めてテツが入ることでもう一回バンドを作ることになるので、すごく楽しみですね。ここからバンドがどう転がっていくのか、どう育っていくのかがすごく楽しみだし、この1年ですごく変わりそうだと思っています。

渡邊: 今回のアルバムについて考えると不思議な気持ちがあって。時々“もしもこの知識のまま高校生に戻れたら”とか思うじゃないですか。今回のアルバムもそれなんじゃないかと。もし、いまの状態でバンドを組み立ての頃に戻れたらという気持ちも少しあるアルバムになったと思っています。その頃の気持ちを思い出して、貪欲に成長していきたいなと思っています。

アオキテツ: 録り終わって満足とか、ライブして満足とか、あんまりしたくないから、いま曲や詞もちょくちょく書いています。

佐々木: 今テツも曲を書いてるよね。俺は2020年くらいまでにこうなっていたいというところまで考えています。そこから考えると、a flood of circleの今年はすげぇ大事で、ここからが一番面白い気がするんですよ。どこへ行ってもケンカを売れるし、勝てるバンドになれると思っているんですけど、それも全て今年にかかってる気がして。今のツアーが終わった後の『a flood of circle』のツアーがすごく重要になると思っているので、そっちこそ観に来てほしいですね。まだまだやりたいことがたくさん詰まっているので、ここにきて夢と希望でいっぱいですね。今年はそれを楽しみたいなと思います。

「ミッドナイト・クローラー」ミュージックビデオ

■リリース情報

『a flood of circle』
8th Album
2018.2.21 発売
初回限定盤(CD+DVD) 3,500円(+tax)
通常盤(CD) 3,000円(+tax)

■LIVE情報
New Album “a flood of circle” Release Special Party
-アオキテツ正式加入式典-
日時:4月7日(土)
場所:東京 渋谷CLUB QUATTRO
時間:OPEN 17:00 / START 18:00
金額:3,800円(1Drink別)

“a flood of circle TOUR -Here Is My Freedom-”
4月20日(金) 千葉 千葉LOOK
5月06日(日) 神奈川 横浜F.A.D
5月13日(日) 静岡 静岡UMBER
5月14日(月) 三重 四日市CLUB CHAOS
5月16日(水) 京都 京都MUSE
5月18日(金) 福岡 小倉WOW
5月19日(土) 大分 大分club SPOT
5月25日(金) 岩手 盛岡CLUB CHANGE WAVE
5月27日(日) 福島 郡山HIPSHOT JAPAN
6月01日(金) 香川 高松DIME
6月02日(土) 高知 高知X-pt.
6月08日(金) 石川 金沢vanvanV4
6月09日(土) 長野 長野J
6月15日(金) 愛知 名古屋CLUB QUATTRO
6月16日(土) 大阪 大阪umeda TRAD
6月23日(土) 福岡 福岡CB
6月24日(日) 広島 広島SECOND CRUTCH
6月29日(金) 北海道 札幌cube garden
7月01日(日) 宮城 仙台CLUB JUNK BOX
7月08日(日) 東京 東京マイナビBLITZ赤坂
※4月20日~6月9日までは対バンあり
※6月15日~7月8日はワンマン

■オフィシャルWEB
http://www.afloodofcircle.com

■プロフィール
2006年結成。ブルース、ロックンロールをベースにしつつも、多種多様な音楽的要素を吸収しながらAFOC流のロックンロールに昇華させたサウンドとメロディ、そして佐々木亮介の強烈な歌声が話題となる。今までにFUJI ROCK FESTIVAL’07をはじめ、全国各地のフェスにも数多く出演。全国ワンマンツアーを行いながら精力的に活動を続け、邦楽シーンの中、「ロックンロールバンド日本代表」としての地位を確立している。バンド結成10周年を迎えた2016年には、ベストアルバムのリリース、自身初となる海外ツアーの開催、2年ぶりのワンマンツアーを開催。2017年1月には待望のニューアルバム『NEW TRIBE』をリリースし、ツアーファイナルのZepp DiverCityのライブ映像を10月にリリース。そして、2018年2月21日にニューアルバム『a flood of circle』をリリースする。

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