1. トップ
  2. インタビュー
  3. a flood of circle トリプルA面シングル『13分間の悪夢』インタビュー

ライター ツボイ

2018.11.6

262 good

a flood of circle トリプルA面シングル『13分間の悪夢』インタビュー

「今のa flood of circleは、ただがむしゃらに進むのではなく、逆転勝利の“勝利”の部分に向かって歩けている気がする」

長く不在だったギタリストというラストピースにアオキテツが加わり、4人体制となったa flood of circle初の音源となるシングル『13分間の悪夢』が、トリプルA面にて11月7日にリリースされた。その3曲は、前作でもタッグを組んだUNISON SQUARE GARDENの田淵智也氏がトータルプロデュースしており、それぞれが別の雰囲気を持ちつつもバンドの今を感じられる作品となっている。今作はどのようにして生まれたのか。フロントマンの佐々木亮介(Vo/Gt)に話を訊いた。

―11月7日にリリースされるシングル『13分間の悪夢』は、アオキテツ(Gt)さん加入後初となるシングルであり、さらにトリプルA面というトピックな作品です。収録3曲の雰囲気も違って絶妙なバランスですね

佐々木亮介(Vo/Gt): 今回のシングルに関しては、いい曲ができたから出したのではなく、このタイミングで出すことを決めていました。2月にリリースしたアルバム『a flood of circle』の後にテツの加入を発表してすぐツアーに入ったその勢いを、そのままシングルとして出したかったので。それからどういう曲を作るのかを考えたので、最初3曲のバランスはあまり考えていなかったんですけど、UNISON SQUARE GARDENの田淵さんにプロデュースをお願いすることになって、曲のバランスが見えてきた感じです。

―前回のアルバム『a flood of circle』に田淵さんプロデュースの曲がありましたので、その流れもあってお願いされたんですか?

佐々木: そうですね。前回のアルバムで田淵さんにお願いした『ミッドナイト・クローラー』で、俺もメンバーもスタッフも盛り上がったのはあります。それに、田淵さんはストイックなんですけど、愛されキャラでもあって(笑)。ストイックになり過ぎてお互いにダメ出しするより、みんながいい部分をピックアップしていった方が建設的ですよね。田淵さんはその流れを作るのがすごく上手い。みんなが気持ち良くやれるので田淵さんにお願いしました。

―田淵さんの影響は1曲目『夏の砂漠』で感じました。キャッチーでギターリフも心地良く、清涼感を感じる曲に仕上がっているなと

佐々木: 周りから「ユニゾンっぽいね」と言われます。リフもメロも自分で書いているのでそう言われるのは面白くて、田淵さんと一緒にやることによって俺もそっちへ寄ったのかなと(笑)。

―かもしれないですね(笑)。でも、今までのa flood of circleにはない雰囲気の曲だとは思いました

佐々木: 1stアルバムに『春の嵐』というテンポが速くて明るい曲が収録されているんですけど、それからはほぼそのような曲を作っていなかったので、自分ら的にも新鮮でした。田淵さんがフラッドの良さってここもあるんじゃない?と、この引き出しを持っていたことに気づかせてくれました。

―歌詞もその明るいメロディにぴったりの前向きで背中を押してくれる内容です。歌詞が生まれた背景をお聞きしてもいいですか?

佐々木: 日本でロックフェスに出演するとバンドは元気だなと感じるけど、海外の音楽やチャートの動きを見ると、バンドの表現は弱い時代に入ってきている気がするんです。バンドがどんどん端へいっている。それをもう一回真ん中に持っていきたいという逆転劇を演じる気持ちがポジティブなパワーになっている気がします。だから歌詞も『夏の砂漠』と『美しい悪夢』では明るい曲とダークな曲で逆に感じると思うんですけど、実は歌詞で歌っていることは繋がっています。

―『夏の砂漠』はバンドのことも書かれているのかなと思ったのですが…

佐々木: 歌詞については照れちゃうから細かく説明しませんが、一人称だけどバンドの曲として書いているイメージはすごくあります。ソロ活動もしているので、今回改めてバンドの良さやバンドが活きる曲を書きたいなと。そのバンドを前向きに進めようとする気持ちが歌詞になっていると思います。

―アオキテツさんが加入したことで演奏面でも変化はありました?

佐々木: 前回のアルバムでは、まだテツが入ったらどうなるか実験している状態だったんですけど、ツアーで手応えを掴んだのでギターの大事なところは全部「テツよろしく」って投げています(笑)。その分俺は今までとは全く違う時間の使い方ができるようになりました。ずっとアウトプットしなきゃと過ごしてきたので、インプットとアウトプットのバランスが良くなってきた感じがします。

―アオキテツさんの加入や田淵さんと作品を作ることがバンドにいい影響を与えているんですね

佐々木: そうですね。チームでやっているからいろんな意見が出るのは当然なんですけど、今まではリーダーとその他の人のどちらかを取らなきゃと思っていて、それが上手くいかない原因だったかもしれないと。田淵さんやテツが入ってからは、リーダーも他の人も納得する第三案を探そうとなってきて、AがBだけじゃなくAもBもあるけど、それを超えたCを考えよう、常に上を目指そうという気持ちで物事に向かえているので、すごくいい雰囲気だと思います。

―その雰囲気が『夏の砂漠』を生んだかもしれないですね。その次の曲『美しい悪夢』は真逆のサウンドで、イントロのホラーっぽい感じが好きです。この曲のアイデアはどのようにして出てきたんですか?

佐々木: ダークでホラーっぽい曲にしたいというのはありましたが、自分の頭の中にあったのは、今やっている人がほとんどいないサイコビリーに、ケンドリック・ラマーの『HUMBLE.』という割とダークな曲を混ぜたら面白いんじゃないかというアイデア。ロックンロールを新しくしたいという思いもあったので、田淵さんにそのアイデアを話しました。

―ケンドリック・ラマーはアメリカのラッパーですよね。どうしてサイコビリーとラップの融合を考えたんですか?

佐々木: ロックンロールにはいろんな解釈や捉え方もあれば歴史もあるので、昔からあるサイコビリーに現代的なラップを混ぜることによって、これまでにないサウンドになるのではと。それを形にするには、サウンドもちゃんとアップデイトされていないと説得力がないので、そこは田淵さんと話し合って作っていきました。

―メンバーの皆さんの反応はいかがでした?

佐々木: この曲は演奏がめちゃくちゃ難しいんですよ(笑)。バンドらしさを活かしたかったので、各楽器のソロが全部ちゃんと入っています。バンドの見せ所をちゃんと作った分、演奏のハードルがすごく上がっちゃって(笑)。みんなヒーヒー言いながら、自分たちの曲をめちゃくちゃ一生懸命練習していましたね。

―それが伝わってくる聴き応えある曲になっていると思います

佐々木: こってり楽しめると思います(笑)。その反動で次の曲がシンプルになったという。

―『DEAR MY ROCKSTEADY』ですよね。この曲のイントロは、Queenの『We Will Rock You』のオマージュと捉えてよかったです?

佐々木: はい。『夏の砂漠』と『美しい悪夢』が出来上がった後、田淵さんと別のアイデアの話をしていたとき、田淵さんから『We Will Rock You』ではなくDragon Ashの『I LOVE HIP HOP』が出てきたんですよ。でもこれって、Joan Jett and the Blackheartsの『I Love Rock N' Roll』という元ネタがあって、さらにその元が『We Will Rock You』というストーリーがあると思うんです。田淵さんはその元ネタをすっ飛ばして『I LOVE HIP HOP』が好きだったんですよ。田淵さんらしいなと思いつつも、そのストーリーがいいなと思ったし、フラッドにはシンプルな曲があまりなかったので面白いかもとこの曲ができました。

―確かにシンプルです。そしてアンセムっぽいですね

佐々木: アンセムにしようというのは目標としてありました。サビは合唱で歌えるイメージで作ったところはあります。

―この3曲で『13分間の悪夢』というタイトルですが、これは3曲で約13分だからですか?

佐々木: 最初は3曲の中からひとつ選んでシングルにしようと思っていたんですが、3曲ともいいからトリプルA面がいいんじゃないかという意見があったので、全体を包括したタイトルにしようと。先に今回のツアーが3本だから『a flood of circleの3日間の悪夢』というツアータイトルに決めていたので、それだったら不吉な数字がいいから『13分間の悪夢』にしようと田淵さんのアイデアで決まりました。

―なるほど。さらに、ボーナストラックでライブ音源が8曲も入っています。豪華ですね

佐々木: バンドって長く一緒にいる前提でやってるじゃないですか。だから長い目標を一緒に共有できるし、逆転劇とはこの瞬間起きることじゃなくて、どこかで演じるために積み重ねいくイメージなので、それを一緒にできる人がいるのは嬉しいですね。ライブ音源には古い曲がいっぱい入っていて、そういう曲のイントロが鳴るとファンが湧くんですよ。今までギタリストがころころ変わる状況の中では古めの曲を披露する機会が少なかったので、それがテツが加入することによってできるようになったのは嬉しい。この12年の間でこのアルバムだけが好き、この時期だけファンだったという人もいると思うんですけど、今はテツのおかげで全部の歴史を見せられる気がでしているので、新曲も聴いてほしいけど昔の曲も聴いてほしいですね。

―ライブ音源にはシングル曲が入ってないんですよね

佐々木: そうなんですよ。ライブトラックは1曲もシングル曲がないんですよ。裏ベスト的な選曲になっているかもしれないです。

―確かに。そして、名古屋RAD HALLでライブが行われる11月14日には、今年7月8日のマイナビBLITZで行われたライブDVDも発売されます

佐々木: アルバムのツアーファイナルの映像です。実はこの時にレコーディングや曲作りの準備をしていたので、ツアーはファイナルだけど、自分たちの次のストーリーへ向かって行く第一話の終わりみたいな感じがあったので、ワクワクしたままやれました。

―そうだったんですね。東名阪で行われるツアー『a flood of circleの3日間の悪夢』はタイトルからも今までとは違うライブが見られそうです

佐々木: この3本だけのセットリストにしようと思っています。悪夢感を感じ取れるディープなセットにしようかなと。1曲目からそれくる!? という曲を放り込んで一気に悪夢っぽい世界に引きずりこもうと思っていますので楽しみにしていてください。

―それは楽しみです。そしてその後、3月からは『A FLOOD OF CIRCUS 大巡業 2019』も始まりますし、休みがないですね

佐々木: 春までにアルバムを出すと宣言しているので、ここで新曲も聴かせられると思います。本当に情報多いですよ、俺たちは(笑)。

―確かに。置いて行かれないようにしなければいけないですね(笑)

佐々木: 無理してやってるわけじゃなくて、ガンガン行こうぜというのがみんなのモードというか気持ちなので、立ち止まらずに行こうかなと思っています。

―今後も期待しています。では最後にシングルを楽しみにしているファンへ向けてメッセージをお願いします

佐々木: テツが入ってからのストーリーがすごく気に入っていて、少年漫画で例えると、完成された常勝軍団の勝利をずっと見ているよりも、まだこれから何か起きるかもという方がしっくりくるんですよ。そういうストーリーを今a flood of circleも歩めている気がしているし、それもただがむしゃらに進むのではなく、逆転勝利の“勝利”の部分に向かって歩けている気がします。今このストーリーに参加してくれると同じ夢を見られると思うし、見せたいので、ぜひ入ってきてほしいです。この3曲はバラバラだから、どんな人の入り口にもなると思うのでぜひ聴いてください。

a flood of circle『夏の砂漠』

a flood of circle『美しい悪夢』

■リリース情報

『13分間の悪夢』
Triple A-Side Single
2018.11.7 発売
2,000円(+tax)
01. 夏の砂漠
02. 美しい悪夢
03. DEAR MY ROCKSTEADY
-Live Bonus Track-
04. ブラックバード 05. ロックンロールバンド 06. アンドロメダ 07. YU-REI Song 08. Quiz Show 09. Sweet Home Battle Field 10. Diamond Rocks 11. 世界は君のもの


『Here Is My Freedom THE MOVIE- 2018.07.08 LIVE at マイナビBLITZ赤坂-』
LIVE DVD
2018.11.14.発売
2,315円(+tax)
※ライブ会場限定発売(500枚限定)
01. Where Is My Freedom 02. Blood & Bones 03. Lightning 04. Dancing Zombiez 05. FUCK FOREVER 06. GO 07. Leo 08. Summer Soda 09. 再生 10. Rising 11. The Beautiful Monkeys 12. ミッドナイト・サンシャイン 13. One Way Blues 14. New Tribe 15. プシケ 16. シーガル 17. ミッドナイト・クローラー 18. Wink Song 19. 見るまえに跳べ 20. ベストライド 21. I LOVE YOU

■LIVE情報
a flood of circleの3日間の悪夢
11月14日(水) 愛知 RAD HALL
11月15日(木) 大阪 Banana Hall
11月17日(土) 東京 渋谷CLUB QUATTRO

a flood of circle presents「A FLOOD OF CIRCUS 大巡業 2019」
2019年
03月09日(土) 京都 磔磔
03月10日(日) 兵庫 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
03月14日(木) 岩手 Club Change WAVE
03月15日(金) 宮城 SENDAI CLUB JUNK BOX
03月21日(木祝) 福岡 INSA
03月22日(金) 福岡 INSA
03月29日(金) 大阪 Shangri-La
03月30日(土) 大阪 Shangri-La
04月04日(木) 愛知 CLUB UPSET
04月05日(金) 愛知 CLUB UPSET

a flood of circle presents「A FLOOD OF CIRCUS 2019」
2019年
04月13日(土) 東京 TSUTAYA O-EAST

■オフィシャルHP
http://www.afloodofcircle.com

■プロフィール
2006年結成。ブルース、ロックンロールをベースにしつつも、多種多様な音楽的要素を吸収しながらAFOC流のロックンロールに昇華させたサウンドとメロディ、そして佐々木亮介の強烈な歌声が話題となる。今までにFUJI ROCK FESTIVAL’07をはじめ、全国各地のフェスにも数多く出演。全国ワンマンツアーを行いながら精力的に活動を続け、邦楽シーンの中、「ロックンロールバンド日本代表」としての地位を確立している。バンド結成10周年を迎えた2016年には、ベストアルバムのリリース、自身初となる海外ツアーの開催、2年ぶりのワンマンツアーを開催。2018年2月にセルフタイトルのアルバム『a flood of circle』をリリース。サポートギターのアオキテツがメンバーとして加入し、4月からレコ発全国ツアーを開催。2019年には自身のフェス「A FLOOD OF CIRCUS 2019」の開催が決定。

関連キーワード

RANKING

RECOMMENDED

KEY WORD

WRITER


トップへ