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INTERVIEW 旬のアーティストインタビュー

2017.8.10

asobiusがアルバム『YES』で表現した自分たちらしい原点回帰

「今回は自然に湧いたものを大事にしました(甲斐)」

3rdアルバム『YES』を7月19日にリリースし、9月にはその作品を引っ提げた東名阪ツアーを控えているasobius。今回はその曲作りにおいてのこだわりを中心に、メンバー全員に語ってもらった。初出しの話題満載のインタビューになったので、これを読んでからじっくり曲を聴き直し、メンバーのこだわりを確かめてほしい。

取材・文 坪井

—7月19日にリリースされた3rdアルバム『YES』は新体制初の作品となりますが、今作を作るにあたりテーマを設けました?

甲斐一斗(Vo):前作では日本語の曲が増えて、どんどん盛り上げていこうという曲が多かったんですけど、去年の8月にギターの杉本君が抜けたタイミングで、もう一回原点に立ち返ろうという話になりました。そして、全部英語詞の『diamond tears』という曲ができたんです。原点回帰と進化をコンセプトに作っていった感じです。

—これまでの経験が根底にある上での原点回帰になると思いますが、進化というのは具体的にどのような部分になります?

甲斐:僕が曲を作っているんですけど、今までよりもっとみんなと共有しやすいようにしたいなと。僕たちの原点はシューゲイザーやエレクトロニカなどの音楽で、今までそれをシンプルにまとめてきたんですけど、今回はそこにスタジアムロックの要素を入れました。自分たちの持ち味と言われる壮大な世界観にスタジアムの大きな所という、イメージを共有しやすい要素を加えていったのが進化の部分です。

—それについてメンバー間で話し合いもされたんですか?

髙橋真作(Gt):日本語詞じゃなくて英語詞だけでいきたいという大事な部分はもちろん話し合いました。英語詞にしたからといって、今までが間違いだったとは一ミリも思っていません。日本語詞の方が意味を理解してくれるのは分かった上で、英語の発音で歌っている甲斐君のボーカルの方がカッコいいよねという話をみんなでしました。ちょっと自分たち本位にはなってしまうかもしれないですが、俺たちの楽曲のカッコ良さをきっちり飲み込んだ上で、自信を持って出せるようにしようという話はしました。

—日本人だから日本語の方が伝わりやすいのは当たり前ですが、英語詞でもポイントポイントで分かりやすい単語を使っているので、伝わる部分もあると思います。そもそもタイトルの『YES』は誰でも知っている単語ですし

甲斐:タイトルは最初2曲目の『sons of the sun』にしようと思っていました。レコーディングスタジオのロビーで「タイトルは『sons of the sun』でいいかなー」って言ってたら、高橋君が「俺『YES』にしたいんだけどいいかな?」って。そうしたら、みんなが「いいじゃん!」って(笑)。今作は肯定感のある歌詞がすごく多いんですが、その中でもそれが1番出ているのが『YES』なので結果的に良かったと思います。

髙橋:確かに『YES』はめちゃくちゃ肯定感出てるね。

甲斐:このアルバムを一言で表すなら何?って言われたら、『YES』という感じもしますので良かったです。『sons of the sun』は、新体制になってからのバンドのストーリーを書いた曲なので、最初はそれを見せたかったですけど…。

髙橋:「長い!」と思って(笑)。

一同:笑

髙橋:もちろん『sons of the sun』にしたい気持ちを分かった上で、「長いな」と思って。

海北真(Ba):『YES』は日本語みたいな英語だし、分かりやすいよね。

—確かにそうですね。そのアルバムについてお話を伺いたいんですが、リリースから日にちが経っているので、ファンもすでに聴き込んでいると思うんですよ。だから、今回はみなさんに“この曲のここを聴いて欲しい!”という部分を教えていただけたらと思います

髙橋:基本的にうちのCDは立ち位置で聴こえるようにお客さん目線で作られているんです。だから、お客さんから見てステージの右手側の自分のギターと、左手側の脱退したギターの音が違うはずなんですよ。でも、今回は両方とも自分が弾いているので、その違いを前の作品と比べてほしいですね。その中で『yes』という曲に関して、実はBメロは前のギターの音を残してあるんですよ。去年、前に録っていた音を差し替えたんです。でも、Bメロは前のギターの音の方が良かったので左側だけ残しました。それ以外は自分が弾いているので、ギターの左右の音を意識して作品を聴いてもらえるとちょっと面白いかもしれないです。

石川直吉(Dr):MV曲になっている『tonight』ですが、ドラムのこだわりとして、スネアドラムの「パン」の部分をこの曲では一発しか叩いてないんです。これは、なかなかないアプローチだと思います。他の曲では100や200は当然のように叩く中で、この曲は四つ打ちというかずっとバスで四つを踏むのがビートの基軸にありながらフロアタムを多用してちょっとスタジアム感を出したかったんです。曲を作ってくださった一斗さん(甲斐)の時点では、スネアが全くなかったんですよ。でも、面白そうだから一発だけ叩きました。たぶんこのインタビューを待っていた気がするんですよね(笑)。1曲にスネア1発だけというのは、本当に今まで言ってなかったので、やっと言えてうれしいです。その音がどこなのか探してほしいですね。確実に「パン」という音でしかないので。

髙橋:しかもミックスの時にその音を上げたよね。

石川:上げました。強調しています。せっかくの1発なので。その音が、曲の何分何秒のどこで使っているのかを注目して聴いてほしいですね。聴けばきっと分かると思います。

髙橋:これは意外と面白いですね。

石川:聴いてくれる人にクイズです(笑)。

海北:ベースで言うと、『never never』と『YES』のベースは一年前にレコーディングした音が入っています。ベースは差し替えなくても大丈夫だと思ったので、今回のアルバムには、一年前に録ったものと新しく録ったものが混在しています。

甲斐:ボーカルは、今回のアルバム全編を通して「アー」や「ウー」と歌っているところが多いです。そこが一緒に歌えるポイントだったりするんですけど、「ウー」で終わっている曲が何曲あるか数えてみてほしいです。聴いてみるとすごくあるはずです(笑)。

—数えてみます(笑)。そして今作は、これまでなかった四つ打ちの曲が数曲入っていますよね

甲斐:僕は今までキック四つで鳴る楽曲を作るのが嫌いだったんです。

髙橋:「それがいいんだよ」って言ってるのに、頑なにやらなかったよね。

甲斐:それが新しい体制になったことで、そろそろやってみようかなと自然に自分の中で思って何曲か作ったんです。四つ打ちをカッコ良く昇華できる準備が自分の中で整ったかは分からないけど、それまでは他のバンドと同じような感じになっちゃいそうで避けていました。それが、今回僕ならこうしますみたいな形で昇華して曲ができたんだと思います。そういう意味でも、使命感があって作った曲は1曲もないです。

—そうなんですね。どちらかというと曲は湧いてきた感じですか?

甲斐:そうです。被りがないと思います。盛り上げなきゃという思考に囚われるとそういう曲が増えたりするんですけど、今回はバラードやミドルテンポの曲が多めなので、自然に湧いたものを結構大事にした感じです。

—その中で『flash』はフィギュアスケートの演技のために書いた曲だそうですが、イメージはどこから湧いてきたんですか?

甲斐:曲から何かを作るのではなく、何かのために曲を作ってみたいと思ったんです。家の近くにあるスケートリンクへ行って、そこで練習している子達を何となく見ながら自分の中でイメージを固めていきました。フィギュアの演技時間は級数によって決まっていて、その時に練習していた子達は5級だったので、演技していい時間が3分なんです。そこからフィギュアスケートの選手生命の短さと、女の子が少女でいられる短さを掛けて、さらに3分という演技時間の短さの中で展開がたくさんあるようドラマを作って、書いたのが『flash』です。だから、歌い方もちょっと女性っぽい歌い方をしているんです。

—なるほど。『walking in the rain』も女性のような声ですが、曲に合わせて結構声色も変えているんですね

甲斐:自分の中でいろいろなキャラクターを持ちたいというのはあるので、曲ごとや曲の中でもセクションで表現を変えたりしています。

—その声色も含め、『flash』のように短い曲の中でたくさんの展開を作ると、曲をまとめるのが難しいと思うんですよ

甲斐:僕は結構バタバタと畳み掛ける曲が好きなんです。デビューする前は曲がすごく長かったんですけど、「短くまとめなさい」と言われてから努力して短くしていくうちに、コンパクトにまとめながら展開は崩さないことができるようになりました。

—そのasobiusの曲が体感できるライブ「asobius tour 2017 “we need YES” が9月に東名阪であります。どのようなライブになりそうですか?

髙橋:自分的には、今回のツアーは仲のいいバンドだけを呼んでいるので楽しみですね。どのバンドともバチバチにやり合いたいんですよ。正に「対バン」という名の通りVS(バーサス)なので。「俺らこんだけいいライブするけどね」というのを見せつけられたら、「ぜんぜん飛び越えるけどね」。というライブをしたいです。その空気感も楽しんでほしいですね。

—カフカ、Hello Sleepwalkers、PELICAN FANCLUBの3バンドは音楽性も違いますから、その土地土地で面白いライブが観れそうですね

髙橋:だから、全通していいと思うんですよ。ポップだったりオルタナだったりハードロックだったりするので、絶対に空気感も変わると思います。

石川:そこを受けた俺らのライブも変わると思うしね。

髙橋:そう、絶対変わる。表情もパフォーマンスも変わると思うんですよ。だから全通してもらって、どこの公演が一番楽しかったかを聞きたいね。

—全通する人いそうですね。では最後に、そのライブへ来てくれるファンへメッセージをお願いします!

甲斐:asobiusは、みんなと一緒に歩んでいけるアーティストを目指して活動しています。遊びに来ていただければ、悩みなどを吹き飛ばして一緒に歩いていけると思いますので、ぜひ来てください。

髙橋:歌える部分を意図して増やしているので、みんなで歌っていい空間を共有しましょう。

甲斐:『yes』とか丸暗記してほしいよね。

髙橋:何か一曲を丸暗記して一緒に歌えるといいですね。

海北:それいいね。曲を暗記して、みんなで歌ってスタジアムを作ろうぜ!

asobius『tonight』 Music Video

■リリース情報

『YES』
3rd Full Album
2017.7.19 発売
2,500円(+tax)

■LIVE情報
asobius tour 2017 “we need YES”
9月09日(土) 東京 TSUTAYA O-nest w/カフカ
9月16日(土) 愛知 名古屋ell.SIZE w/Hello Sleepwalkers
9月18日(月祝) 大阪 Live House Pangea w/PELICAN FANCLUB

■オフィシャルWEB
http://asobius.com

■プロフィール
甲斐一斗(Vo)、髙橋真作(Gt)、海北真(Ba)、石川直吉(Dr)。透明感あふれる甲斐の声と激しくも美しく緻密に構築されたサウンド、独特で叙情的なメロディセンスと世界観で多方面から注目を浴びる。2013年5月29日にミニアルバム『Rainbow』をリリース。同9月発表のタワーレコード限定ワンコインシングル『starlight』が各メディアで注目を集め、全国にその名が知れ渡る。2014年3月に1stアルバム『pray&grow』をリリース。2015年2月に発売した3rdシングル『window』が「い・ろ・は・す」〜ビッグドロップ篇〜CMタイアップに決まり、より知名度をアップさせる。同年4月に2ndアルバム『ultrarium』を、2016年4月にはミニアルバム『parade of life』をリリース。そして、新体制初となる3rdアルバム『YES』を2017年7月19日にリリースした。

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