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ライター フルタ

2017.12.13

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CHAIが1stアルバム『PINK』でみんなの個性を包み込む

「CHAIの4人は見たままで分かるくらい完璧じゃないから。だからこそ、歌えると思ってる (マナ)」

“コンプレックスはアートなりー!!”のコンセプトのもと、ジャンルにとらわれない独自の音楽と衝撃的なライブパフォーマンスで話題をガシガシと集める名古屋出身のオンナバンドCHAI。2017年は、アメリカで開催される世界最大規模のショーケース「SXSW」や「FUJI ROCK FESTIVAL」に出演を果たし、著名アーティストも大プッシュ!そんな彼女たちが10月25日に1stフルアルバム『PINK』をリリースした。CHAIというバンドについて、初のフルアルバム『PINK』について、マナ(Vo/Key)とユウキ(Ba/Cho)に話を訊いた。

―まず、CHAIについて4人の出会いから教えてください

マナ(Vo/Key):もともと友達だったんだよね。ユウキ以外の3人は学生のころバンドしたり遊んだりしてたの。その後にユウキと私が出会って、ユウキが可愛かったから私がナンパした。

ユウキ(Ba/Cho):ナンパされた(笑)。音楽の趣味が合ったんだよね。私はバンド経験なかったんだけど、マナから「バンドやるんだけど、やる?」って誘われて「いーよー」って。ノリだったよね(笑)。

―本当に軽い感じで始まったんですね(笑)。東京で本格的にやろうと決めたのは?

マナ:はじめは遊びだったからね(笑)。「東京に出たい!」って言ったのは私。でも、みんなも思ってたと思う。

ユウキ:思ってた。音楽でご飯を食べたいって。

―お互いにそういうモードになっていたんですね。学生のころからよく4人でいたんですか?

マナ:4人で集まるのはバンド活動の時だけだったかな。だから、その頃より東京に出てからの方がもっと仲が良いかも。同じ方向を向いたからかもしれない。

ユウキ:そうだね。音楽でご飯食べたい、アーティストになりたいって同じ方向を向いたからね。コンセプトを決めたのもその時。発信するものがなきゃアーティストじゃないよねって、みんなでCHAIの武器は何だって考えて“コンプレックス”っていうコンセプトが生まれたの。

―それから“コンプレックス”についての曲を書くようになったんですね

マナ:そう。それまでは歌詞なんてなんでもいいと思ってた。意味がありすぎるのもなんか重いなって思ってたから。だけど、アーティストになるからには何かちゃんと発信しなきゃって。一生懸命考えた。

ユウキ:そう、CHAIだから伝えられるのはコレだって。完璧じゃないからこそ良いんだよって。

―ふたりが思うコンプレックスの克服方法は?

マナ:いやー、もう勘違いすることが大事だよね。私たちコンプレックスいっぱいあるからね。とくにドラムのユナが一番変わった。昔は輪郭がコンプレックスで、隠したがってたの。髪の毛で隠しすぎてニキビだらけになっちゃって、さらに隠したがるっていう悪循環。だから、可愛いから出した方が良いって褒めまくった。みんなで毎日「出せ出せ」って言ってたら、ようやく出してくれた。そうしたらニキビも治って綺麗になってきたんだよね。

ユウキ:そう!本当に可愛いから。もったいなかったの。可愛いからって言い続けたら変わって、ニキビも治って、気持ちも明るくなるし。褒められるって嬉しいよね。褒めると逆に気にしちゃうこともあるんだけど、褒めまくる。お互いに。で、褒められたら「ありがとう」って素直に受け入れる。

マナ:そう。全部認めるの。大事!

ユウキ:そうしたら、いい意味で勘違いできて「あ、これでいいんだ」って思える。ポジティブバカかもしれないんだけど。ポジティブの方がずっといいから。それでどんどん変われたし、それってすごいことだと思ったから。それをみんなに伝えたいと思ったのも“コンプレックス”をテーマにしたひとつの理由だよね。

―“コンプレックス”をコンセプトに本格的に活動を始めて、手応えを感じたのはいつですか?

マナ:ライブで一緒に歌ってくれたりすると、広まってきたのかなーって思う。あと、『sayonara complex』を演ると涙目になったり、泣きながら物販に来てくれたりする子がいて「あ、響いているのかな」ってすごく感じる。

ユウキ:男の人も女の人も歌ってくれるよね。はじめは女の子が多かったんだけど、男の人も増えてきたし、どっちにも通じているんだって思うとめっちゃ嬉しい!

―4人からはすごくポジティブなパワーが伝わってきます。1stアルバムのタイトル『PINK』に込めた想いを伺ってもいいですか

マナ:ピンクをもっと身近な色にしたいの。ピンクって大人になったら着られない色になってて。小さい頃あんなに着ていたのに。だから、あんまり似合わなそうなCHAIが着てかっこよく演奏して見せることで、みんなが「CHAIが着てるんだったら私も着ていいんだ」って思ってほしくて衣装でも着てるの。だから、CHAIの最初のアルバムは『PINK』しかないだろうと思ってたの。

ユウキ:そう。ピンクって本当は強い色だし、パワーもある色だし、かっこいい色だから。かっこよく着たいし、かっこよく着られる色だよって見せたいし、気づいてほしいと思って。

―確かにピンクって強い色だと思います。今回のアルバムの中で、個人的に好きな曲を1曲選ぶとしたらどの曲ですか?

マナ:『フラットガール』!

ユウキ:私は『ウォーキング・スター』かなー。

マナ:『フラットガール』は、私が思春期の頃に一番言われたかったことを言ってくれている曲だから。歌いながらじんわりきちゃうぐらい。あの頃こう言われていたら、私はこんなにネガティブにならなかったんだろうなって思う言葉がすごく揃ってる。だから、聴くと歌ってもらってる気分になるの(笑)。それに“I’m not perfect.”って、このアルバムのテーマだから。今回のアルバムの総まとめの曲。CHAIの4人はもう見たままで分かるくらい完璧じゃないからさ。だからこそ、歌えるのかなと思ってる。

―『ウォーキング・スター』は今までのCHAIの曲とは雰囲気が違いますよね

ユウキ:そう。3月にアメリカに行って、SXSWに出たり全米8都市ツアーをしたりしたんだけど、アメリカで「あ、世界ってもっと広いんだ」って実感したの。それで、日本に帰ってきて「耳で聴いて広い大地をイメージできる曲を作りたいね」ってメンバーで話してできた曲が『ウォーキング・スター』。グラミー賞を取るアーティストの曲って、行ったことのない世界を想像できるような広さのある曲だなって思うから。みんなでアフリカの広い大地を想像して作った。アフリカ行ったことないんだけど(笑)。やっぱりグラミー賞を取りたいから、洋楽を意識したのが一番出ている曲かな。今までのCHAIっぽくない曲かも。

―アメリカの経験が反映されているんですね。今後のCHAIにつながっていく曲だと思います。曲づくりは、メロディと歌詞どちらから作りますか?

ユウキ:曲はマナが作って、歌詞は私がつけることが多いんだけど、メロディが先。メロディの方が大事だと思っているから。音楽として聴けるか、音楽として好きかどうかを大事にしてる。CHAIは洋楽が好きなんだけど、英語の意味が分からなくてもみんなで泣いたり、グッときたりするから。言葉の意味より音で心が動くって実感してるから、歌詞は曲が全部できた後につけるの。その時に伝えたいこととか、一番気にしているコンプレックスとか、メンバーの旬の話題とか。

―洋楽をすごく意識しているんですね。影響を受けたアーティストは誰ですか?

マナ:めっちゃいる(笑)。こういう曲作りたいって3曲くらい題材の曲があって、そこから刺激されて1曲ができるの。いい曲は全部みんなで共有してるから、あの曲のここが良いとか曲を作るときはいつもニュアンスで会話してる。

―CHAIは予定調和にとらわれないメロディも特徴ですよね

マナ:決まり切った流れをあえてこだわってやっていないからね。Tom Tom Club、CSS、DEVO、Basement Jaxx、みんなそうだけど、好きな洋楽は全然決まっていない流れで展開してくから。でも、すごく自然に聴こえてプログレ感もないし、そこを目指したいと思ってる。とらわれたくないよね。

―基本的にはマナさんが作ったメロディに、みんなでアイディアを加えてくのですか?

マナ:そう、スタジオに入ってアイディア出しながら作っていく。『ハイハイあかちゃん』はゼロの状態でスタジオに入った。ゼロから作った方が良かったりする時もあって。『ほれちゃった』『フラットガール』『ウォーキング・スター』みたいなメロディアスな曲はメロディから作った。『あのコはキティ』と『ハイハイあかちゃん』はスタジオでゼロから作ったね。

―今回のアルバムの曲はそれぞれ個性があって主張が強いですよね

マナ:そう!全部主張のある曲にしたかったの。

ユウキ:『PINK』は初めてのアルバムだから、数を埋めるためみたいな曲は入れたくなかったの。全部メインになるくらいパンチの強い曲の集まりにしたかったんだよね。

―歌詞の担当はユウキさんが多いようですが、担当はどうやって決めていますか?

マナ:できた曲が洋楽っぽくて難しかったりすると全部ユウキに任せる。メンバーの中で本を読めるのがユウキしかいなくて、3人とも本読まないから単純な言葉しか知らなくて。だからユウキ以外が書いた『かわいいひと』も『ボーイズ・セコ・メン』も単純な言葉しか並んでないと思う。

ユウキ:メロディに沿って流れるような歌詞にしたい曲は私が担当してる。洋楽っぽいメロディを崩さずに日本語を当てるのがすごく難しくて。でも、『sayonara complex』はみんなで考えた。これはちょっといままでのCHAIにはなかったタイプのいい曲すぎて、何を言ったら伝わるのか言葉選びが難しかった。バラードすぎるような言葉を選んでもCHAIっぽくないなーって。だから、みんなで考えたね。

―『sayonara complex』はCHAIを代表する名曲だと思います。初期のCHAIを代表する『ぎゃらんぶー』の言葉のセンスも秀逸ですよね

マナ:これはもうユウキしか書けない!

ユウキ:あれはもうなんていうか、ノリだよね(笑)。ただ韻を踏むっていうのをやりたくて。ラップとしてはでたらめだと思うんだけど。韻を踏んでみたかった曲(笑)。

―初めて聴いたときは衝撃でした(笑)。ユウキさんはジャケットや歌詞ブックのイラストも手がけていますよね

ユウキ:イラストを描くのが好きで。バンドだからもちろん曲がメインなんだけど、見せ方にもこだわりたいって思っていて。ライブも、作品も、グッズも、アー写も、全部。目で見てアートを感じるものが好きだから、歌詞ブックもめっちゃ頑張った。「PINK」の歌詞ブックは1曲に対して1つのイラストがあるんだけど、全部その曲のイメージで描いた。

―1曲目の『ハイハイ赤ちゃん』のイラストは悪そうな赤ちゃんですね

ユウキ:『ハイハイ赤ちゃん』は、マナとカナが掛け合いで歌っている曲なんだけど、双子の赤ちゃんってすごいヤバいだろうなーって思ったの。可愛いけど、無意識にママを困らせてるんだろうなって。それですごく悪い赤ちゃんを描きました。よだれもわざと撒き散らしてるんじゃないかって(笑)。

―他のイラストもユニークです。ライブの見せ方もすごくこだわっていると思います

マナ:いろんな感情をそのライブの場で持ってほしいから、演出にはこだわってる。笑ってほしいし、泣いてもほしいし。アメリカに行って“エンターテイメント”っていうものをすごく感じたから、最近はもう自分を全部出そうと思ってる。もっともっと伝えようって意識が変わった。そうしたらやっぱりお客さんに伝わってきたから。

ユウキ:アメリカに行く前と後で「変わったね」って言ってくれる人が多いの。アメリカで、ライブって魅せるってことが大事なんだってことをすごく思ったの。CDとはまた違うから。観て楽しい、聴いて楽しい、踊って楽しいみたいな。エンターテインメントを意識して日本でやったら、変わったねって言ってもらえた。アメリカの経験が身になってるってすごく感じる。

―ライブの演奏もかっこいいですよね

マナ:良かった。ライブは生だし、まず音がカッコよくないとって思うから。ギターもベースもドラムもみんな男を意識して音を出してるよね。

ユウキ:音に女っぽさはいらないと思ってるの。衣装はピンクを着たりしてるんだけど。そりゃ男の方が力はあるんだけど、かっこよさってそこじゃないから。音に関しては負けたくないの。4人でカッコいいんだぞっていうのを見せつけたい。CHAIって反骨精神の塊なの(笑)。

―現在まさにツアー中ですが、名古屋はソールドアウトでした。名古屋では12月23日にも『年末調整GIG』に出演されますね

マナ:ツアーは名古屋のワンマンから始まったんだけど、名古屋でワンマンすることも初めてだったし、ライブでは初めて演る曲も多かったし、初めてづくしですごく楽しかった。

ユウキ:『年末調整GIG』はすごく好きなceroさんと対バンできるの!一緒に出演するのは初めてだからすごく楽しみ。あと、最近、ママと小さい子どもで「CHAI好きー」ってライブに来てくれたりして、それもすごく嬉しい。いろんな人に来てほしい。

マナ:『PINK』をいっぱい聴いてもらって、いーっぱいいろんな人に来てほしいなー♡

ユウキ:ライブはCDとはまた全然違うから。笑かせたいし、泣かせたい。もうびっくりさせたいから、『PINK』を聞いてライブにも遊びにきてください。

CHAI『ほれちゃった』Official Music Video

■リリース情報

『PINK』
1st Album
2017.10.25発売
初回限定盤(CD+新感覚前向きコンプレックス図鑑「COMPILEX」) 3000円(+tax)
通常盤(CDのみ) 2400円(+tax)

■ライブ情報
「年末調整GIG meets カクバリズム15th」
12月23日(土) 名古屋 DIAMOND HALL

■オフィシャルHP
http://chai-band.com

■プロフィール
ミラクル双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された『NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド』。誰もがやりたかった音楽を全く無自覚にやってしまった感満載という非常にタチの悪いバンドで、2016年の春以降、突然いろんな人が「CHAIヤバい」と口にしはじめ、ある日突然ノンプロモーションなのにSpotify UKチャートTOP50に代表曲『ぎゃらんぶー』がランクイン! 2017年の春にはSXSWに出演し、初の全米8都市ツアーも開催。FUJI ROCK FESTIVAL 2017“ROOKIE A GO-GO”では前代未聞の超満員。2017年衝撃度No.1アーティストとしてかなり話題沸騰となっている。

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