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INTERVIEW 旬のアーティストインタビュー

2017.3.3

CIVILIANが『生者ノ行進』に込めた意思とは

「自分たちが歩んできたバンドとしての歴史を込めることができた(コヤマ)」

昨年Lyu:Lyuから改名し、メジャーデビューも果たしたCIVILIAN。胸に刺さる言葉と独自の世界観で支持を得てきた彼らが、初のアニメオープニングテーマを手掛けた。今作にはアニメの内容だけでなく、バンド自身のこれまでとこれからの意思表明の意味も込められている。その今作について、CIVILIANのメンバー全員に話を訊いた。

取材・文 坪井

—3月1日にリリースされるシングル『生者ノ行進』収録の表題曲は、アニメ『ALL OUT!!』の主題歌です。曲はアニメのお話を頂いてから作ったんですか?

コヤマヒデカズ(Vo/Gt):お話をいただく前から何曲か新曲を作っていましたが、『生者ノ行進』はアニメのお話をいただいてから作りました。

—お話を頂いてから原作マンガは読まれました?

コヤマ:全巻読みました。スポーツマンガは昔からあって、有名な作品もたくさんありますよね。僕も小学生の頃『SLAM DUNK』が大好きでした。『ALL OUT!!』はラグビーのマンガなんですが、ルールを全く知らなくても、スポーツの熱さやチーム内の人間関係、結束力などが描写されていて感動しました。

—曲を作るにあたり気をつけたことはありますか?

コヤマ:作品の内容に沿いつつも、自分たちの曲としてちゃんと通用するものを作りたかったのがまずありました。アニメのタイアップ曲ですが、自分たちの新曲として出さないと、自分たちの音楽ではなくなってしまうので。『生者ノ行進』は、アニメのオープニングテーマとして機能しつつ、自分たちの新曲として勝負できるものになったと思っています。

—疾走感があってキャッチーで、スポーツアニメにぴったりな曲だと思ったんですが、曲を作る上で意識したことはありますか?

コヤマ:分かりやすさとキャッチーさを意識しています。僕はもともと歌詞を詰め込むタイプで、歌詞を書いてからそこに合うメロディをつけていたんですが、今回は言葉の力だけではなくメロディの力を自分の中でもっと信じたかったので、歌詞を減らせるだけ減らしました。

有田清幸(Dr):作り方が変わって、バンド演奏のアレンジ側でやれることが増えたと思います。今回ドラムに関しては好き放題やらせてもらっている所が多いですね。芯の部分は変えずに自分のアイデンティティあるフレーズを入れちゃってます(笑)。アレンジは任せてくれるんですが、デモの段階で結構設計図が出来ているので作りやすさはありますね。

コヤマ:昔から宅録が好きだったのもあって、曲の雰囲気ややりたいことを時間をかけてじっくり考えるのが好きなんですよ。それに、はっきりしていた方がやりやすいだろうなと思う部分もあるので。

純市(Ba):ガイド的なものがあって、それを自分らしくする感じで曲を作っています。これまでは長い曲が多かったんですが、今作はシンプルで伝わりやすいと思いますね。

—イントロからアニメのオープニングっぽさがあって、グッと掴んでくる感がすごくあるなと

コヤマ:僕はアニメがすごく好きでよく見るんですが、どのように曲が始まったらオープニングテーマとして熱いかを念頭に置いて作りました。始まった瞬間の1音目、歌い出しの一言目がすごく大事だと思っているので、その部分は結構意識していますね。

—タイトル『生者ノ行進』は、どのようないきさつでつけられたんですか?

コヤマ:いくつかあった候補の中から最終的に『生者ノ行進』になりました。曲のテーマは自分の人生を歩くなんですが、誰でも生まれてから今まで大小いろいろな失敗を重ねてきていると思うんです。1度も失敗したことのない人はたぶんいないと思っていて。例えば映画は、何か出来事があっても“THE END”という文字が出てきて終わりますが、僕らの人生はその先も続いていく。だから、失敗したことよりも、その後どうするかの方が大事。立ち上がるか立ち上がらないかだと思うんです。今の自分の現実に立ち向かっていく人達の歌であり、生きている限り歩き続けることを“行進”と表現しました。

—自分たちと重ねている部分もあるように感じたんですが、いかがですか?

コヤマ:アニメのオープニングが半分、もう半分は自分たちのことを歌っています。僕らも色々な失敗をしてきたし、上手くいかない時期がありました。それもあって、今までバンドのことをそのまま歌う曲を作らなかったんですが、昨年CIVILIANに名前を変えてメジャーデビューしたことで、このタイミングでもう一回自分たちが歩んできたバンドとしての歴史を込めようと思っていました。
それがこの曲でできたと思いますね。

—バンドにとって意思表明した曲でもあるんですね。2曲目の『君は君であることを』は、最初のフレーズが刺さります。どのようなイメージで書かれたんですか?

コヤマ:この曲は僕らがCIVILIANになる遥か前、3人で集まってライブをやり始めて1年も経っていない頃に作った曲です。歌詞やアレンジも当時のまま入っています。当時の自分が、おそらくその時思っていた誰かに対して書いた曲だったかなと。

—初期の頃の曲だったんですね。どうして昔の曲をこのタイミングで収録しようと思ったんですか?

有田:俺が言い出したんです。この曲は、アマチュア時代ライブハウスに出ていた頃、最初に自分たちで録音したデモにしか収録されていないんです。好きでずっと聴いていたんですが、タイミングが合わずこれまで入れられなくて。今回カップリングをどうするって話になったとき、「もし2人が良ければ入れたいんだけど」って言ったら、「いいんじゃない」と。それもあって、曲は当時のままで、レコーディングも当時使ってたドラムセットを持ってきて録っています。懐古主義ではないんですが、ちゃんと差をつけたもので今のクオリティに+αできたらなと思って録りました。

—思い入れの強い曲だったんですね。コヤマさんは、歌ってみて当時と今では感じも違います?

コヤマ:あらゆる面で上手くなったとは思いました。作っている側は、どうしても最新が一番いいと思ってしまうんですよ。だから、過去の作品ってあまり出しくない。やることが決まった時、ギターも歌詞も全部変えたいとレコーディング直前までずっと迷っていたんですが、最終的にこの状態のままでもいいことに、回りの意見もあって気付きました。単純にいい曲だなと思えたのでそのままにしています。

—純市さんはこの曲に関してどのような思いがあります?

純市:実はずっとこの曲の存在を忘れていて(笑)。2008年ぐらいに作った曲なので全然覚えていなかったけど、やってみたら「いい曲だね」みたいな(笑)。多少フレーズは変わっていますが、当時のままのプレイをしているので、同じフレーズでも凄く上手くなったなあと。

—昔の曲も今演奏することで今の自分たちを感じられますね。そして3曲目『サクラノ前夜』は、コヤマさんのソロ名義ナノウのカバーですが、こちらは前作の流れもあってですか?

コヤマ:そうですね。前のシングルでもカバーしています。それを作り終わった時に、今後も機会があったらやりたいという話が上がっていたので、今回入れました。この曲を選んだのは、1番バンドとして表現しやすかったからですね。

—ボーカロイドの曲をバンドで演奏するは難しい側面もあるかなと思いますが

コヤマ:そうですね。ボーカロイドで作られた過去の曲は、バンドとして演奏することを全く想定していないです。バンドでやらないことをやろうと思ってボーカロイドを始めたので、『サクラノ前夜』も後に実演奏して自分で歌うことを考慮していません。逆にそれが、雰囲気も違って良かったんじゃないかと。

—演奏するにあたり大変なこともあったんじゃないですか?

有田:元曲を聴くと、単純に手が2本じゃ足りないんですよ(笑)。でも、コヤマからきたものは、バンドオンリーのシンプルなものになっていたので、それほど大変ではなかったんですね。

コヤマ:特別な音を使わず、本当に3人の音だけでやった方が意味あるんじゃないかという感じですね。

純市:僕は大変でした。テンポも速いし個人的には詰め込んだ部分もあって。ライブでは頑張らないとなって感じですね(笑)。

—そのライブが東名阪で行われるんですよね。名古屋は5月18日(木)のell.SIZEですが、名古屋の印象を教えてください

コヤマ:実は、僕らの初ライブは名古屋なんですよ。

有田:東京のバンドなんですが、まさかの結成1発目が名古屋という(笑)。

コヤマ:今のバンドを組む前、当時仲の良かったバンドに呼ばれて1人で名古屋でライブする予定だったんです。そのライブに行く途中でバンドを組むことが決まり、せっかくだから3人でやろうって話になって。名古屋のお客さんは、真剣に観てくれて、ちゃんと聴いてくれているなという印象ですね。

有田:名古屋はツアーや企画の初日が多いので、自ずと新曲を演奏するタイミングにもなるんですよ。だから、いつも緊張している印象が強いですね(笑)。自分にとって気合いを入れる場所になっている気がします。

—何かと名古屋に縁があるんですね。では最後に、シングル『生者ノ行進』を手に取るファンへ向けてメッセージをお願いします

コヤマ:僕らが元々やってきたこと、歌詞を書く上でずっと守ってきたものをしっかり出しながら新しいことにも挑戦しているので、それを聴いてもらえたらうれしいです。また、ライブでこの曲を歌う時、みんなも声を出してほしいなと思います。今までの自分たちの曲は投げつけるばかりでしたが、今回はみんなと一緒に作っていける歌だと思うので、好きになってもらえたらうれしいです。

CIVILIAN 『生者ノ行進』(テレビアニメ「ALL OUT!!」オープニングテーマ)Short Ver.

■リリース情報

『生者ノ行進』
2017.3.1発売
初回生産限定盤(CD+DVD) 1667円(+tax)
通常盤(CDのみ) 1111円(+tax)
期間生産限定盤(CDのみ) 1667円(+tax)
※アニメ“ALL OUT!!”書き下ろし紙ジャケ+“ALL OUT!!”オリジナルカレンダー

■LIVE情報
CIVILIAN ONE MAN TOUR「Hello,civilians.〜2017名古屋編〜」
5月18日(木) 名古屋ell.SIZE

CIVILIAN ONE MAN TOUR「Hello,civilians.〜2017大阪編〜」
5月19日(金) 心斎橋 Music Club JANUS

CIVILIAN ONE MAN TOUR「Hello,civilians.〜2017東京編〜」
5月25日(木) 渋谷CLUB QUATTRO

■オフィシャルHP
http://civi-l-ian.com

■プロフィール
ボーカロイドプロデューサー・ナノウとしても知られるコヤマヒデカズ(Vo/Gt)、純市(Ba)、有田清幸(Dr)による3ピースロックバンド。2008年、コヤマが同窓生の純市、有田に声をかけて結成。2009年よりLyu:Lyu名義で活動を開始。2010年にリリースした1stミニアルバム『32:43』から毎年作品をリリースしている。2012年には「SUMMER SONIC2012」の大阪公演にも出演。そして、2016 年にバンド名を「Lyu:Lyu」から「CIVILIAN」へ改名。同年8月3日、1stシングル『Bake no kawa』をリリース。11月23日リリースのシングル『愛/憎』にてメジャーデビュー。そして、2017年3月1日にメジャー2ndシングル『生者ノ行進』をリリース。

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