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INTERVIEW 旬のアーティストインタビュー

2017.1.24

『CINEMA』で魅せたココロオークションの新たな顔

「メンバーそれぞれの呼吸を感じられる作品になりました(粟子)」

昨年メジャーデビューし、大型フェスへ出演など躍進を続けるココロオークション。夏の短編小説MVシリーズなど夏のイメージの強い彼らが、冬の1月11日に2ndミニアルバム『CINEMA』をリリースした。バンド初の冬をテーマにした楽曲からパンクテイストの曲まで、新たなバンドの側面が見られた今作について、フロントマンの粟子(Vo/Gt)に話を訊いた。

取材・文 坪井

ーメジャーデビューされた昨年はどんな1年でした?

粟子真行(Vo/Gt): 環境が変わりました。やっていることはあまり変わらないんですが、チームが増えて僕たち4人だけの音楽じゃなくなったので、責任や使命を感じるようになりました。

ーライブでの反応も変わりました?

粟子: ライブの規模感が大きくなって、初めて行く街でも既に僕らのことを知ってくれてる手の挙がり方を肌で感じました。また去年は、ずっと出たかった「RUSH BALL」というフェスに出ることができたんです。初めて観に行った夏フェスに9年後、自分が出演できたことに感動しました。

ー初めて観に行った地元のフェスに出演できたのは感慨深いですよね。そんな1年を経ての2ndミニアルバム『CINEMA』ですが、今作を作るにあたりコンセプト等の話し合いをメンバー間でされました?

粟子: コンセプトの話はせず、フルアルバムを出すつもりでたくさん曲を作っていました。10曲ぐらい構想が固まった頃、冬に5曲入りのミニアルバムをリリースする話になったので、それからこの5曲を選んで肉付けしていきました。

ー夏のイメージのあるココロオークションですが、冬のリリースに合わせて季節感を意識しながら曲作りされたんですか?

粟子: 確かに僕らは夏の曲が多いのでそのイメージだと思いますが、今作は冬にリリースするので冬の曲も作りました。僕らの曲は「情景に合うね」と言ってくださる人が多いので、冬の曲を作ってもいい感じになるだろうなという青写真はありましたね。

ーその今作についてお聞きします。リード曲『星座線』は手紙のような歌詞だなと思ったんですが、どのような背景から生まれたんですか?

粟子: この曲は、いま振り返るとラブソングだなと思います。サビの「満天の星」は、僕が実際に見た景色です。去年出演した野外フェスの時、夜の山の上で見た満天の星が忘れられなくて絶対歌詞にしようと思い、その星の景色をテーマにして作り始めました。歌詞を書いている途中で、離れてしまった誰かを応援できるような曲になったらいいなと思うようになり、今の歌詞になったんです。

ー前向きだけどちょっと寂しさも感じる歌詞ですね

粟子: 今見えている星は何億年も前の光で、それを同じ時間軸で考えたら今は存在していないかもしれないですよね。今は会えなくても、出会えたことに意味があるんだということを書きました。基本前向きなんですが、ちょっと寂しさもあるところにキュンとしてくれたらいいなと思います。

ー虚しさもありますね。次の『スノーデイ』はイントロから冬の曲を感じさせますが、冬の曲は初めて作ったんですか?

粟子: 初めてですね。その分、書きやすかったです。例えば夏の曲が3曲あったら4曲目は、過去に使っていない表現を使わなければと縛られちゃったりすると思うんですが、冬の曲は初めてだったので、そういうのもなく書きやすかったですね。

ー詞は粟子さんの経験を元に書かれているんですか?

粟子: 経験ではないですが、「冬が来なければいいのに ずっと毛布にくるまっていたいね」の部分は完全に僕の気持ちです(笑)。映画をよく観ていた時期に制作していたんですが、どんな嫌いな冬でも大切な人が横にいたら悪くないなと思って。また、この曲は結構描写が多く、「寒いねって 君はマフラーに顔を埋めて そうだねと 僕が差し出した 手を握ったんだ」とそれだけなんですけど、そこにグッとくるというか日常に潜んでいる幸せに気付けたらいいなと思って書いています。

ーこの前半2曲は冬だと思うんです。だからこそ3曲目の『M.A.P』のインパクトがすごい

粟子: びっくりしたでしょ(笑)。

ーはい(笑)。もちろん狙いがあって3曲目に厚みのある曲を置いたんですよね

粟子: 同じようなテイストの曲が続くのは面白くないと思いましたし、ココロオークションはいろいろな音楽を取り入れているバンドなので、立体的に僕らを見てほしいなと思い『M.A.P』を入れました。この曲は、ココロオークションがメロコアやパンクをやったらどうなるんやろ?という発想からスタートして、ベースの大野くんがトラックを作り、僕が歌詞とメロディを乗せた感じです。

ー大野さんから上がってきたトラックを聴いた時はどう思いました?

粟子: 初めは「はやっ!」って思いました(笑)。BPM198で最速なんですが、カッコ良かったですね。どうなるんかなという不安もあったんですけど、僕が歌詞とメロディを乗せるとココロオークションの曲になるので、新たな発見ができて良かったです。

ーパンクを意識されているからかコード進行もこれまでと違いますね

粟子: この曲のコードはシンプルです。ココロオークションはテンションコードが多く、アドナインスやサスフォーといったおしゃれなコードを使いがちなんですが、この曲はC、G、Emが多いですね。また、普段はオープンコードで弾くことが多いんですが、この曲に関してはレスポールで歪ませて、パワーコードで弾いています。僕は爽やかなコードを使いがちなので、今回大野くんにトラックを作ってもらったのは良かったですね。

ーココロオークションの新しい一面を感じられるサウンドになっています。感情が書かれた生々しい歌詞もサウンドにマッチしています

粟子: この詞は完全に自分の中のことです。なりたい自分とそこになかなか辿り着けない自分とのギャップにもがき苦しんでいる感じです。好きで音楽をやっていたはずが、いつの間にか何のためにやっているのか分からなくなって、何でこんなに苦しい思いをして曲を生み出さないといけないんだろうという悩みで。悩んだ分それが上手く吐き出せたし、歌入れでも「届け!」という気持ちを全部乗せて歌いました。

ーその気持ち伝わります。そして『ジグソーピース』は、パズルではなくピースという言葉に意味を持たせていますよね

粟子: この曲は人生をテーマに書きました。死ぬほど悩んで嫌だったことも、振り返ったら何でもなかったり、それがいい経験になったりすることがあると思うんです。だから、人生が終わった時に自分を客観的に眺めると、全部必要なことだったんだろうなときっと思えるはず。という仮説なんですが、前作の『CANVAS』に入っている『Rainbow』という曲で、いいことも悪いことも全部自分なんだと心の底から思えた経験があったので、人生というテーマの時に最期までちゃんと描こうと思いました。

ー特に命が終わる時がパズルの完成という部分にグッときます

粟子: 生きているうちは完成しないんですよね、きっと。命が終わった時にやっと完成するのかなと思うんです。

ーサウンドは詞とギャップがあって電子音で可愛らしく、ピースという言葉にハマります

粟子: ピコピコした可愛い音が、散らばっているピースを一つ一つ集めている感じを表しているかもしれないです。今までのココロオークションになかったサウンドですね。

ー『M.A.P』と『ジグソーピース』は、ココロオークションとしてサウンド面で挑戦した曲でもあるんですね

粟子: 特にこの2曲は大野くんにトラックを作ってもらったのが大きいですね。『星座線』と『スノーデイ』は、僕が持ってきた弾き語りを彼がアレンジして打ち込みでトラックを作る流れだったんですが、この2曲はイントロのリフは僕ですけど、彼から挙がってきたものも多くて。その意味で新しいチャレンジをいっぱい詰め込めたと思います。

ーなるほど。そして最後『地球の歩き方』ですが、「僕は宇宙の旅人」という言葉から始まってロマンチックですね

粟子: 何気ない普通の人の一生の話なんですが、そういうふうに考えるだけですごくロマンチックでドラマチックになるなと思ったんです。

ーこの歌詞はどのような経緯で生まれたんですか?

粟子: 最後の方に出てくる「life is beautiful」という言葉が一番最初にあって、そこから膨らませていきました。

ーサウンドもカントリーっぽくて詞にマッチしています

粟子: カントリーというかブルーグラスというか。この曲も今までのココロオークションのサウンドになかったものを取り入れてみました。

ー新しいことにチャレンジされている5曲を収録した『CINEMA』ですが、タイトルはどのようにして決められたんですか?

粟子: 実は『星座線』の仮タイトルが『CINEMA』だったんです。冒頭のストリングスのリフが最初にあって、劇場で流れてそうだと思ったのと星空の歌から、『CINEMA』という仮タイトルにしていました。この曲を主体に、収録する5曲を選び、曲順も決めて通しで聴いたら、全部でCINEMAなんじゃないという話になったので、このタイトルにしました。特に今回は1曲1曲に物語があり、それぞれ別の人格の主人公がいて、人生について考えさせられる歌が多いし、人生のエンドロールに『地球の歩き方』が流れたら素敵だなと思ったので『CINEMA』というタイトルがぴったりだなと。

ーオムニバス映画みたいな感じなんですね。実は初めて聴いた時、ココロオークションの曲ってこんな感じだったっけ?と思ったんですよ

粟子: 今回エンジニアさんが変わって、レコーディング方法も変わったんです。今までとは全く違うミックス方法になっているので、今回はメンバーみんなの顔が見える盤になったと思っています。テイクもあまり録っていなくて、ちょっとミスっても熱量があればOK、ちょっとリズムがずれてもそのままみたいな。だから、今回歌も全く直していません。いま聴くとちょっとずれてんな、ちょっと低いなと思うんですが、長年愛されている音楽や名盤と言われるものを改めて聴くと全然直していない。人の温もりを感じられるんですよね。そういう意味でも前作の『CANVAS』とは全然違うココロオークションの顔が見れるし、メンバーそれぞれの呼吸を感じていただけると思っています。

ー温もりを感じる作品になっているんですね。そして、自主企画「PREMIUM AUCTION」を開催されます。名古屋は2月24日(金)にCLUB QUATTROですが、対バンも楽しみですね

粟子: BRADIOと夜の本気ダンスとの3マンです。がっつり盛り上げて踊れる一日になると思います。両バンドともめっちゃ好きなんですよ。夜ダンとやるのはめちゃくちゃ久しぶりですし、BRADIOも全国のサーキットでよく会ってはいたんですけど、対バンは初めてなので、めちゃくちゃ楽しみにしています。

ーすごく楽しそうな企画ですね。名古屋のお客さんはどんな印象ですか?

粟子: アツいですね。ココロオークションで初めてモッシュが起こった場所が名古屋なんです。まさかのモッシュ!僕らは聴かせる系やけどって(笑)。そういう意味ですごくアツい街ですね。ちなみに、去年一番来た街が名古屋なんですよ。毎回楽しみに待ってくださる方がたくさんいるのでうれしいですね。

ー最後にライブへ来てくれるお客さんに向けてメッセージをお願いします

粟子: めちゃくちゃいいアルバムが出来たと思っています。『CINEMA』からたくさん曲をやりますし、昔の曲もやろうと思っていますので、是非遊びに来てください。よろしくお願いします!

ココロオークション「星座線」MV

■リリース情報

『CINEMA』
2nd Mini Album
2017.1.11 発売
1574円(+ tax)

■LIVE情報
PREMIUM AUCTION Vol.0
1月29日(日) 北海道 札幌COLONY

PREMIUM AUCTION Vol.1
2月17日(金) 東京 渋谷CLUB QUATTRO

PREMIUM AUCTION Vol.2
2月24日(金) 愛知 名古屋CLUB QUATTRO

PREMIUM AUCTION Vol.3
2月25日(土) 大阪 梅田CLUB QUATTRO

■オフィシャルHP
http://cocoroauction.com/

■プロフィール
群雄割拠盛り上がる関西イチゼロ世代バンドシーン代表。アグレッシブなロックナンバーからキャッチーなキラーチューンまで、幅広い音楽性やライブパフォーマンスが全国のライブフリークから支持を集める。2014年発売の『七色のダイス』は初の全国流通盤ながら「タワレコメン」に選出。YouTube上で発表した夏の短編小説MVシリーズ『蝉時雨』『夏の幻』『雨音』が口コミで話題を集め続け、累計再生回数は270万回を越える。そして、2016年4月に1stミニアルバム『CANVAS』でメジャーデビューを果たし、リード曲『フライサイト』は全国ラジオFM/AM35局でパワープレイを獲得。年末には東名阪の冬フェス「COUNTDOWN JAPAN16/17」「RADIO CRAZY」「MERRY ROCK PARADE」に出演した。

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