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ライター ツボイ

2018.10.30

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ヒステリックパニック Mini Album『Hypnotic Poison』インタビュー

「ヒスパニというバンドは、良くも悪くも歌詞やメロディに毒っ気があると思っていた(とも)」

今年の5月にEP『666(TRIPLE SICK'S)』をリリースしてから5ヶ月、10月31日に早くも新作となるミニアルバム『Hypnotic Poison』をリリースするヒステリックパニック。その作品には、タイトルにある通り、一度聴いたら頭から離れないような中毒性のあるフレーズが詰まった楽曲が収録されている。昨年12月に配信限定シングルとしてリリースされた『Shut up』に加え、SNSでも話題になったアニメ『けいおん!!』のカバー曲『GO! GO! MANIAC』も収録。その今作は如何にして生まれたのか。とも(Vo)、$EIGO(Gt/Cho)、おかっち(Ba)の三人に話を訊いた。

―10月31日のハロウィンの日にリリースされるミニアルバム『Hypnotic Poison』を聴かせていただきました。最後まで気が抜けなくて、中毒性のあるフレーズの多い作品だなと感じました

とも(Vo): タイトルは“催眠効果のある毒”という意味ですし、今作は“中毒”をテーマに掲げていたので、そう言っていただけたのは狙い通りに作れたのかなと思います。

―どうして今回“毒”をテーマにしようと?

とも: ヒスパニというバンドは、良くも悪くも歌詞やメロディに毒っ気があると思っていたので、今作を作る前にそれをメンバーに提示したら「いいんじゃない?」と。そこからみんなで中毒性のある曲を作っていった感じです。

おかっち(Ba): 今回は曲を作る前にテーマの提案があったので珍しかったですね。

$EIGO(Gt/Cho): 作る前にテーマをもらったので、楽器陣も毒っぽいフレーズなどのニュアンスが上手く付けられたと思います。

とも: 前回のEP『666(TRIPLE SICK'S)』までは、タイトルやコンセプトを後からメンバーに説明する方が多かったんですけど、それに収録されている『Love it!』の歌詞をみんなに見せた時、おかっちから「うさぎだったらもうちょっとこうしたのに」って言われたので、今回は作る前からある程度の軸を決めようと。

おかっち: そんなこと、ぽろっと言ったかもしれない(笑)。

―“毒”をテーマに曲作りした今作の1曲目『絶対×絶命』は、イントロからワクワクさせてくれます

$EIGO: オープニング感ありますよね。

とも: 今回は全部ライブを想定して作ったので、ライブで曲が始まった時にワクワク出来るか否かを全員で話し合いました。その結果、ライブでぶち上がるんじゃないかというイントロが作れ、さらにその曲がアルバムの1曲目になったので、作品を期待させるイントロになったと思います。

―曲はスピーディーで展開も結構変わるヒスパニらしい曲になっていますね

とも: 忙しいですよね(笑)。ヒスパニのコロコロ変わる展開の中でも、コロコロ加減が…

おかっち: ひとつひとつのスパンが短い。

とも: そう。よく言えば要素が多くて悪く言えば雑みたいな(笑)。さっきのフレーズは帰ってこないの?という感じがあったので、その忙しなさを歌詞にも反映しました。メロから感じた焦りを精神的なところへ持っていき、こういうピンチがあるんじゃないかという歌詞を乗せました。

$EIGO: 僕らは、サビなどメロディ部分の歌詞だけ先にもらって、ともがやるラップやシャウト部分は僕らに見せてくれないんですよ。「見せて」と言っても「嫌だ」と言うし(笑)。だから、サビを見て「辛いのかなぁ、病んでるのかなぁ」って(笑)。

一同:(笑)。

$EIGO: でも歌うと、<絶対絶命>や<崩壊寸前>、<現在進行形>という日本語の楽しさがあって、歌うという観念ではすごく楽しい曲になってると思います。

とも: 割と口が気持ちいい曲だよね。あと最近、Tack朗(Gt/Vo)が低い声で歌いたがるんですよ。<オワタ \(^o^)/ 詰んだ>の後の歌詞はちょっといい感じの部分なので、事前に「俺ここカッコ良く歌いたいんだけど」って言われて(笑)。

一同:(笑)。

とも: 自分のパートやみんなで歌うところはふざけるんですけど、Tack朗が歌う部分はカッコ良く歌いたいという希望もあったので、いつものヒスパニよりは真面目です。ちょうどその落ちサビがキーになってるし、ストーリー的にもそこが落とし所だったので、カッコ良く締めに向かっていく感じになっています。

―構成的にもカッコいい部分なわけですね。次の曲『俺は赤ちゃん』は、その真面目さとは逆で歌詞に意味があるんだろうかと(笑)

とも: その反動が出た(笑)。

一同:(笑)。

―ただ、サウンドはカッコいい

$EIGO: 歌詞を見なかったら普通にカッコいい曲なんですけど、歌詞を見たらバカだなぁと(笑)。

一同:(笑)。

とも: 今まではポップが共通認識だったんですけど、ベクトルをちょっと変えて今回はカッコいい曲を作ろうとなったので、この曲意外は歌詞も割と真面目になっています。他でふざけられなかったフラストレーションを全部ここに持ってきた感じです。ヒスパニとしてゴリっとした曲も欲しいしアホな曲も欲しいので、ある意味この曲はいつものヒスパニっぽい。アルバムだったらこういう曲1曲あるよねの2018年バージョンです(笑)。

―そう捉えると納得かも(笑)。そして次の曲『Venom Shock』は今作の軸となる曲じゃないかと

$EIGO: そうですね。この曲をリードにしようという話になりましたし。この曲はメンバー全員で作ったんですけど、元々のテーマがとにかくヤバくて最強にカッコいい曲を作ろうで…。

とも: アルバムで必要な曲を並べていったときに、真ん中ぐらいにすげぇカッコいい曲を作ろうぜというところから始まって、無事にカッコいい曲が作れたので言ってみるもんだなと(笑)。

一同:(笑)。

とも: この曲は5人でゼロから作ったので、今のヒスパニのやりたいことを5人でちゃんとできた。誰かが作ったものだとその人の質感が出ちゃうんですけど、この曲はちゃんと5分割されている感じがあるので、ヒスパニ印が一番濃くてテーマの“毒”を一番分かりやすく表現していると思います。

$EIGO: この曲はギターが速いんですよ。それでも、いけなくはないスピードなんですけど、ライブ中ってテンション上がるから、テンポもちょっと速くなるじゃないですか。そうなると弾けなくなるので、いつもこの曲をやる前にみんなで集まって「いつものテンポで」って(笑)。

おかっち: リズムが速くなるとちょっと厳しい曲ですよね。

とも: 最初に「今回はシンプルにしようぜ」と言ってたのに、最初にできた曲がこれだからね(笑)。

一同:(笑)。

―全くシンプルじゃないですね(笑)。急に三拍子にもなるし…

とも: バラードで三拍子はあったんですけど、普通のノリの中にいきなり三拍子をぶっこんでくるのは今までなかったし、ラップで三拍子もなかったので、純粋に作っていて楽しかったです。やっち(Dr)も「三拍子やろうぜ」ってノリノリだったし。

―最初に『Venom Shock』ができたから他の曲も影響を受けたのかもですね。そして『ノット・イコール』は、おかっちも作曲に加わっていますが、どのように曲を作っていきました?

おかっち: 基本的には僕と$EIGOさんとで作った感じですけど…。

$EIGO: ミクスチャーの曲を作りたいと、初めおかっちと二人で作った曲があったんですけど、みんなから「これは違う」って言われて(笑)。

おかっち: 前作で僕がプレゼンした時は「何か違う」と見送りになったんですけど、今回カッコいい曲を並べようとなったので「いけるんじゃない?」と、二人で作り直してできた曲です。ここに至るまでに2、3曲ボツってますけど。

$EIGO: 今思うと難産な曲だったと思います。作った当時から俺とおかっちはビビッときていて「ライブでやったら絶対にカッコいい」と言ってたんですけど、他の三人は「う、うん…。こういうの昔あったよね」みたいな(笑)。

一同:(笑)。

おかっち: そうそう。

$EIGO: 今作でやっと収録されたので、7ヶ月ぐらいかかりました。

―その思い入れのあるサウンドに乗った歌詞は結構ギリギリだなと思ったのですが、おかっちさんはどう思いました?

おかっち: 「ふざけないでくれ」と要望を出したので…。

とも: 今思うと、俺いろんなメンバーから今回釘を刺されてる(笑)。

一同:(笑)。

おかっち: ふざけてないから良しです。

とも: 最初「デリヘルの曲を書いていい?」って言ったら「ダメ」って(笑)。

一同:(笑)。

とも: あくまで個人的な話なんですけど、自分はあまり神様を信じていないことをいつか書きたいなと思っていて、今回のテーマの毒とちょっと皮肉めいた歌詞がマッチするなと。書き出したら結構するする書けたし、サビの$EIGOのメロディのハマりもすごくいいので、個人的には一番気に入っています。

$EIGO: この楽曲で唯一サビと言われるセクションを歌っているんですけど、元々はこのメロディではなくギターで符付けしたようなフレーズがあって、それをそのままやるのは嫌だなと。それで、自分で歌ったものをレコーディングしてプリプロしてみんなに聴かせました。その時は微妙な反応だったんですけど、上ハモを歌っているTack朗とのハーモニーが絡むと絶対にすごい効果が生まれると、自分の中では完全に出来ていて。実際出来上がったらいい感じになったし、みんなも「ヤバいね」という反応だったので良かったですね。ただ、歌詞は言いたいことはすごく分かるけど最初はもっと言葉がストレートだったので、一緒にニュアンスを変えました。

とも: そうだったね。この曲が一番デモの段階から完成までの間で進化していった曲なので、一番振れ幅が大きかったですね。最後にマスタリングスタジオで聴いたら「やべぇ」となったし、一番バンドサウンドとしてシンプルでガツンとくると思うので、バンドマン受けも良さそうな気がします。

―それ分かる気がします。そして、アニメ『けいおん!!』のカバー曲『GO! GO! MANIAC』ですが、そもそもどうしてカバーしようと思われたんですか?

おかっち: 去年のFREEDOM NAGOYAで初めて公開したんですよ。来てくれた人にサプライズ的にやったら、案外反応が良くて。

とも: 俺は見えてたけどね(笑)。

一同:(笑)。

とも: 俺がやりたいと言い出したんですけど、演奏がめちゃめちゃ難しんですよ。それをボーカルの立場で言うので、結構みんなから「えー」って言われる。特にやっちは言いがちなんですけど、彼のアニメ好きをこちょこちょっとくすぐったら、「やるやるー」って(笑)。

一同:(笑)。

とも: 原曲では『けいおん!!』の中のボーカルの女の子が一人で歌ってるんですけど、トリプルボーカルを1曲の中で上手く活かせる画も最初から浮かんでました。現曲の一番ポップなところをヒスパニ流にカバーしたので、他の曲がカッコいい分、『ゴーマニ(GO! GO! MANIAC)』はポップさが際立っていい感じです。大森祥子さん、Tom-H@ckさん本当にありがとうございます。

―ちゃんと許可も得られたんですね

とも: ダメ元で出したので、正式にやっていいと言ってもらえたのは、楽曲も作品も大好きな人間からして単純に嬉しかったですね。

$EIGO: 男性ボーカルでやれと言われても、なかなか他のバンドではできないと思うんですよ。演奏もさることならがやっぱり女性なのでキーが高い。

とも: 女の子でも歌えない人いるからね。

$EIGO: そうなの?そう思うとTack朗くんすごいね。

一同:(笑)。

―(笑)。大好きな曲をアレンジするのは楽しかったですか?

$EIGO: 相当楽しかったです。

とも: ヒスパニは結構アレンジ好きなので。

$EIGO: むしろ得意な分野だよね。

とも: 今までもライブで、レッチリやでんぱ組.incさんのカバーをやらせてもらいました。いい意味で自分のものにできるし、原曲の良さを残しつつアレンジできるバンドなので、そこは強みだなと改めて思いました。それに、自分たちの作品にカバー曲が入るのは今回が初めてなので、それも新しいと思います。今後も許していただけるならカバーはやりたいですね。

―アニメファンからの反応もあるかもしれないですね。そして最後の曲『夢遊病』は、今作の中で一番ストレートでシンプル。ちょっと青春パンクっぽいですよね

とも: ヒスパニのアルバムの最後は歌詞も楽曲もストレート気味なのが多いので、今作もその例に習ってという感じですね。

$EIGO: 元々これに近しい楽曲をプリプロして作ったんですけど、そこから派生した曲です。

とも: Tack朗がサビのメロだけ持ってきて、「これをどうしても俺は次の作品に入れたいんだ。でも、後は何も考えてないから誰か助けてくれ」と(笑)。

おかっち: 丸投げでしたね。

$EIGO: そうだったね。大雑把な軸だけ作って、みんなで組み合わせて作った。

とも: Tack朗が持ってきたものに対して$EIGOがイントロのギターをパッと弾いたのは覚えてる。「これでガーッといってBPMこれぐらいで疾走して、サビはツービートでドカーンとやるのがいいんじゃない」って。Tack朗も「いい、さすが$EIGO」って(笑)。

一同:(笑)。

$EIGO: いつもTack朗が歌うところはハーモニーとして僕もコーラスで歌うのでこの曲も歌ったんですけど、いい歌詞でしたね。センスあるなと思うフレーズがいくつかあって、中でも<「夢」で「遊」ぶ 「病」に罹り 寝ても覚めても未だ遊び足りない>の部分が、自分たちのことも表してるし、お客さんたちのことも表していていいなと。「夢」は自分たちのバンドのスタイルとして、「遊」はライブハウスの遊ぶ。さらに、俺らの演奏も掛かってる。ともはダブルミーニング、トリプルミーニングという意味が二つ三つある言葉をよく使うんですけど、それが分かりやすく伝わってきていいなと思いながら歌っていました。

とも: 普段あまり褒められないので嬉しいです(笑)。

一同:(笑)。

―その歌詞はどのようなイメージで書かれたんですか?

とも: 歌詞のネタは以前からありました。今回カッコいい曲を作ろうと言った時に、Tack朗は自分たちが15、6歳の時に聴いてもカッコいい曲を作りたいと言っていて、持ってきたのが青春パンクライクなメロディの曲で。それが夢とかを歌っても恥ずかしくない感じだったので、歌詞もストレートでいいことを書けたらなと思って書きました。アルバムの最後としてすごくいい曲だと思います。

おかっち: 実は全員で歌ってるところがあるんですよ。<あの日から寝惚け眼の僕らが 思い描いて見てる朧な夢>の部分。ここは落ちサビなんですけど、曲ができた時はヒスパニでよくあるTack朗さんが一人で気持ち良く歌うというのがあって、今回もカッコ良く歌いたいと言ってたんですけど、当日全員で歌った方がライブの画が見えるとなって。ライブっぽく全員でシンガロングする感じになるかなと思ったら、合唱コンクールみたいになって(笑)。

とも: ファンの子が聴いたらどう思うか。笑うのか、すごくいいと思ってくれるのか(笑)。

一同:(笑)。

おかっち: こういういい歌詞で全員で歌えるパートがあるのは、ライブでいいアクセントになるのかなと。ヒスパニってそういうのあまりなかったので、ちょっと楽しみですね。

とも: 『お別れ会』をやると最後のサビをみんな歌ってくれるよね。Tack朗もエモTack朗になって「歌ってくれー」って。だから、たぶんライブで『夢遊病』をやるとそういう感じなると思います。Tack朗一人だけエモい感じに(笑)。

―それが観られるかもしれないワンマンツアー『どくどくツアー』が11月から始まります。ファイナルの年明け名古屋はもはや恒例ですね

とも: 2013年から1月4日(金)は絶対にやっています。今作は全曲ライブ向けになってるし、まだ2曲ぐらいを1、2回お披露目しただけなので、ここからツアーで曲を育てていくのが楽しみです。

$EIGO: 僕ら楽器陣もローチューニングとノーマルのチューニングをちょっと前からやっていて、さらに今回のミニアルバムで7弦ギター、5弦ベースでやる楽曲が4曲追加されたので、今までやってこなかったスタイルのライブができるんじゃないかと思っています。

―名古屋でのライブを楽しみにしています。最後に作品を楽しみにしているファンへ向けて一言ずつお願いします

おかっち: 今回は自分たちの中でもカッコいい曲ばかり作って入れたので、構えず聴いてもらえたら素直にカッコいいなと思える作品になっていると思います。ぜひ聴いてライブを体感してくれたらなと思います。

とも: 去年ぐらいからライブをずっと意識した楽曲作りが主流になってきて、今回も例に漏れずになっています。今回はワンマンなので、いつものごとく天国ゾーン地獄ゾーンがあて、おとなしく観れるところも、がっつり暴れるところもあるので、作品を聴いて終わりじゃなく、その足でライブにもツアーにも遊びに来ていただけたら嬉しいです。

$EIGO: ライブハウスで待ってます。

ヒステリックパニック『絶対×絶命』 You Tube Ver.

ヒステリックパニック『Venom Shock』 You Tube Ver. 字幕歌詞付き

■リリース情報

『Hypnotic Poison』
Mini Album
2018.10.31 発売
2,100円(+tax)

■LIVE情報
ヒステリックパニック【どくどくツアー(ワンマン)】
2018年
11月15日(木) 北海道 札幌DUCE SAPPORO
11月17日(土) 宮城 仙台enn2nd
11月28日(水) 東京 LIQUIDROOM
11月30日(金) 石川 金沢AZ
12月07日(金) 福岡 DRUM Be-1
12月11日(火) 大阪 梅田CLUB QUATTRO
12月16日(日) 香川 高松DIME
2019年
01月04日(金) 愛知 Zepp NAGOYA

■オフィシャルHP
http://www.hystericpanic.com

■プロフィール
本のラウド・ロック・シーンをぐっちゃぐちゃに引っ掻き回すラウド・ロック・モンスター・バンド。2012年の結成以来、その音楽センスとライブパフォーマンスで破竹の進撃を続ける、名古屋出身の5人組。超絶ハイトーン×凶悪スクリーム×極上コーラスのトリプルヴォーカルが織りなす唯一無二のハーモニーは中毒性抜群。ラウド、エモ、ハードコア、メタル、J-POPとジャンルの垣根を気軽に飛び越え、ヒステリックパニック(通称「ヒスパニ」)が新たに生みだす、これが最新式のエクストリームなJ-POP!

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