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ライター ツボイ

2017.12.11

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Ivy to Fraudulent Gameがメジャー1stアルバム『回転する』で示した才能

「自分が音楽を鳴らす意味の言葉を、このタイミングで出すことに意義を感じている(福島)」

圧倒的なライブパフォーマンスと求心力で多くのファンを魅了し、注目度の高いバンドIvy to Fraudulent Gameが、遂に12月6日リリースの1stアルバム『回転する』でメジャーデビューを果たす。より繊細で緻密となった福島由也(Dr/Cho)のサウンドに、熱量を自在に操る寺口宣明(Vo/Gt)の歌が乗った完成度の高い楽曲は、間違いなくシーンに一石を投じるだろう。ライブで欠かせない4曲も再録された全9曲収録の今作について、福島と寺口の2人に話を訊いた。

―お久しぶりです。前回インタビューさせていただいたのは『行間にて』の時でしたから、約1年半ぶりですね。早速ですが、12月6日にリリースされるメジャー1stアルバム『回転する』を聴かせていただきました。率直な感想、サウンド面も歌も成長したなと

福島由也(Dr/Cho): 『行間にて』の時から成長している実感は自分たちの中にもあるので、そう言っていただけるのは本当に嬉しいです。歌もそうだよね。

寺口宣明(Vo/Gt): そうだね。だからそう言っていただけると嬉しいです。

―詞曲は全て福島さんが作られていますが、音作りの面で特に成長を実感したところはどこですか?

福島: やっていることはそんなに変わっていないんですが、イメージを再現する手段が分かってきたのもあって、自分の納得いく形に持ってけるようになったところです。

―では、今作はどのようなイメージを持って制作されました?

福島: 自分が感動できるか、本当にいいと思えるかという判断基準の中で曲を作って、それを最終的に作品にまとめるというプロセスなので、具体的なイメージを持ってアルバムを作ったというというよりは、自分が本当にいいと思える要素を積み上げてく感覚で作りました。

―なるほど。アルバムの1曲目『Contrast with your beauty.』はインスト曲ですが、作品の序章のような雰囲気があります

福島: この曲は作品をまとめ上げる段階で作ったんですけど、次の『最低』という曲に繋がるようなアプローチにしたくて、タイトルもそれに付随するようにしました。

―その『最低』はループするピアノが印象的です。どのようなイメージで音作りされたんですか?

福島: この曲は僕のやりたいように作ったところはあります。バンドサウンドにこだわった訳でもないので、ドラムを叩いていなければベースも入っていません。でも、そうやって何にも囚われずに曲を作ることにすごく意味がある気がして。枠組みの中で作るんじゃなくて、自由にやることはいいことだなと思うんです。

―自由とは言え、葛藤や苦悩を感じる歌詞とサウンドが上手くハマっているなと思うんですよね

福島: 詞は常に書き溜めていて、自分が本当に思っていることだけを書いています。今回たまたま書いていた曲と作っている音のイメージが一致した感じですね。これを1曲目にした理由は、最後に『革命』という曲が入っているんですが、その曲の<飼い慣らせ不安をこの歌で〜>というアルバムの最後の歌詞と、最初の『最低』の一節目にある自分に対しての不安の気持ちから生まれる<最低 最低>という歌詞が、アルバムが回転した時に一つとして成り立つようにしたかったからで、そこはすごく意識しました。それが『回転する』というタイトルの一つの意味合いでもあります。

―タイトルにはそのような意味もあるんですね。『最低』はピアノがメインの曲だから寺口さんの声がすごく耳に届きます

寺口: 『最低』はピアノと自分の声だけというシンプルな曲なので、さらっと歌うだけでは成り立たない。聴く人にどうグッとこさせるかは考えました。すごくいいテイクが録れていると思います。歌声に関してはこの曲が一番気に入っていますね。

福島: こういう曲とノブ(寺口)の歌声は相性がいいですよね。作った時も一番イメージができて絶対にハマる感じはありました。そこをちゃんと超えてきてくれたなと思います。

―前回のインタビューで、寺口さんは「歌い手として表現する側なので演じている」とおっしゃっていましたが、それは今も変わらないですか?

寺口: 多少の変化はあります。正直『行間にて』をリリースした時期は演じていた部分もあったんですが、ミニアルバム『継ぐ』を出してライブも重ねて、そしてメジャーデビューというところまできた今はそういう意識ではないですね。あの時は演じることも必要だったけど、今はその必要はなくて、普通に思うようにステージの上でもCDでも歌うことができるようになった。福島の作る曲を自分に落とし込めるようになったと思います。

福島: 演じずに歌ってもちゃんと成り立つようになってきたのは、バンドにとっていいことで、必然的にリンクしてきたのはすごくいいなと思っています。それが、前回のインタビューからここまでの期間で成長した部分かなと。ノブが一人のシンガーとして成り立ってきたのはすごい強みだし、ちゃんと歌が真ん中にあるバンドになってきたことが確信になってきた感覚がありますね。

―そういう意味でも『最低』はバンドの成長を感じられる曲でもあると思います。次の曲『何処か/somewhere』はバンドサウンドで疾走感があり、『最低』からガラッと変わりますね

福島: サウンドはスピード感のあるロックになっています。確かに『最低』とは雰囲気の違う曲ですね。今回新曲は3曲なんですけど、その中でも幅を見せようとは考えました。

―その幅の部分にもなると思うんですが、今作にはライブでずっと歌ってきた『青写真』『dulcet』『+』『アイドル』の4曲を再録しています。どうして今回その曲を4曲も入れようと?

福島: 僕たちの曲は曲調がバラバラなので、バンドを一枚で表現するにはアルバムじゃないと伝わらないなと思っていました。そこで、今までの自分たちを形成してきた曲を入れることで、今までとこれからを見せられたらいいなと過去の曲を半分近く入れました。

―曲は作った当初より成長していると思うので再録って意外と難しいと思うんですが、すんなりできました?

寺口: 今回再録することの難しさを知りました。どの曲もライブでアレンジを変えてきたので、それをうまく落とし込めたらもっとカッコ良くなるんじゃないかと思っていました。特に『青写真』と『アイドル』は、僕らのライブの中でもテンションがピークになるところの曲なので、その2曲をこのタイミングで入れたくて。実際にやってみたら、熱量というか理屈じゃないライブの良さをCDに入れる難しさを実感しました。最初のオケを聴いた時、キレイすぎて正直あまり良くなかったんです。音はいいけどカッコ良さがない。このまま入れたら僕らのライブに来ているお客さんは、ライブの方がカッコいいと思うんじゃないかと。それがどうしても嫌だったので、普段はレコーディングの時にギターを弾かないんですけど、ライブの時のようにギターを弾きながらライブと同じようなテンションで録ったんです。そうしたら結構変わって、ライブの良さとCDの良さとのいいバランスが生み出せたと思います。

福島: 今あるイメージのさらに上へ行かないと再録する意味はないので、すごく難しかったですね。

―ライブで成長していった曲を、ライブのテンションで録るのは確かに難しいと思います

福島: ライブだと音が飽和するなど、ある意味雑味がある。完璧じゃないけど、何かそれがいいみたいなものがありますよね。それを入れるのは本当に難しい。

寺口: 俺の中での一番大きな答えは、弾く人間のテンション感ですね。座って弾いているより、ステージ上でライトに照らされ大勢の人に見られながら弾いている方が絶対に興奮するじゃないですか。

―その感じ分かります。印象的なのは『アイドル』の<嘲笑ってる>の部分の歌い方。すごく生感があります

寺口: ライブでやっていなかったらその表現になっていなかったですね。ライブテイクかと思われるぐらいの生々しさは入っていると思うので、聴いてほしいです。

―こういった曲が入っているので、今作でIvy to Fraudulent Gameを初めて知った人はちょっと驚くかもしれないですね

福島: 確かに。ハッとするかもしれない。

寺口: そういう一枚での振り幅の広さが、俺たちの武器だと思っています。たぶん一曲目から聴いた人は、ちょっと驚くかもしれないですね。

福島: いい意味で緩急があるというか、トータルで聴いた時にドラマ感があると思います。

―そこに通ずる部分で、『何時か/sometime』から『革命』への流れはドラマ感があるなと

福島: そうですね。作品としてまとめる意味も含めて『革命』に繋がるようになっていて、いつの日か起きる革命に向けてというイメージで作りました。

―夜明け前というイメージですよね。そしてリード曲にもなっている『革命』ですが、メジャー感のある開けた曲ですね

福島: 暗めの曲が多い中、この曲はポップで明るい響きの曲ですね。実は、今の自分たちのムード的にスピード感のあるロックバンドらしい曲がいいなと思っていたので、『何処か/somewhere』を最初リード曲のイメージで作っていました。だから、『革命』は本当に自由に書いてやりたいように作った曲です。

寺口: 元々『革命』はリード曲にする予定ではなかったんですよ。

―そうだったんですね。歌詞の内容から、これからへの決意を感じましたので、メジャーデビュー作でもある今回のために作ったのかと思いました

福島: 今回自分が音楽を鳴らす意味を言葉にできた実感があって、それをこのタイミングでやることに意義を感じています。僕としてはそれが決意になる感覚ですね。

寺口: 曲調は俺たちの中でも一歩踏み出したところにあると思っていますが、メロディも歌詞の決意という部分もメジャーへ行くからというだけで捉えてほしくはないですね。

福島: 歌詞もメジャーへ行くから書いたわけではなくて、前々から書いていたものなので。

寺口: ギターリフも福島が二十歳ぐらいの頃からずっと弾いていて、それがたまたまこのタイミングで曲になっただけです。

福島: 音楽を鳴らす意味を書いた言葉を、このタイミングで出すことに意義を感じているだけで、このタイミングだからこの言葉が出て来たわけではないんですよね。

―ギターリフや歌詞は結構ストックされているんですか?

福島: フレーズなどの断片は常にたくさんストックしています。それを自分が納得できる形へ構築するのにめちゃくちゃ時間が掛かるので、曲のストックは常に一曲もないですね。

―そうなんですね。前回のインタビュー時から思っていたんですが、お二人の温度感がちょうどいいなと。寺口さんはテンションや生感を大事にしていて、福島さんはそれを裏で静かにしっかり支えている。そのバランスがバンドの空気感を生んでいるのかなと思います

福島: お互いやりたいようにやっていて、それがいい化学変化を起こしているんだと思います。

寺口: 人間は違うけど、彼は俺の歌がいいし、俺は彼の曲がいい。それ以上俺が寄ったり、福島が寄ることがないのがいいのかなと。

福島: そこがリンクするというのは、性格は違えど根本的な部分や見ているところは一緒なのかもしれないですね。

―そうじゃないと作品が成り立たないと思います

福島: そうですね。

―その絶妙な距離感を保っているのがバンドの良さかもしれないですね

福島: 距離感って言葉で形容されることは多いですね。バンドとしても(笑)。

寺口: だから離婚しないんですよ(笑)。

―なるほど(笑)。今回ジャケ写は航空写真になっていますが、この街は地元ですか?

寺口: 俺らはずっと地元群馬県のスタジオでやっていて、今回も群馬のスタジオでレコーディングをしました。そのスタジオを中心にした写真をジャケットにしています。すごく気に入っています。

福島: どこまで行っても、またここに戻ってこれるような原点的な作品にしたかったので、それも上手く表現できていると思います。

―確かに伝わります。そして、12月9日(土)からワンマンツアーも始まります。いま準備中ですか?

寺口: そうですね。セットリストもやっと決まって。

福島: 昨日ね(笑)。

寺口: うちのバンドは曲によってチューニングが全然違うから、セトリを作るのも一筋縄ではいかなくて。昨日やっと固まりビジョンもできてきたので、早く披露したいですね。

―アルバムもリリースされて曲も増えているので、やれることも増えますね

福島: 確かに曲の幅は増えていますね。全体のドラマ感でライブを完成させるので、『革命』などの新曲でその中にもう一個ストーリーができた感覚もあります。

―ツアーも楽しみにしています。では最後に、今作『回転する』を手に取る人たちへメッセージをお願いします

福島: まずはアルバムを聴いてほしいですね。どう感じるかはみなさんの自由ですが、ちょっとでも引っ掛かったらライブにも来てほしい。音源とはまた違った類の感動を与えられる自負があるのでぜひ来て貰いたいです。

Ivy to Fraudulent Game『革命』MusicVideo(Short Version)

■リリース情報

『回転する』
1st Album
2017.12.6 発売
完全生産限定盤(CD+DVD) 2,800円(+tax)
通常盤(CD) 2,300円(+tax)

■LIVE情報
全国ワンマンツアー
2017年
12月09日(土) 北海道 札幌COLONY
12月16日(土) 宮城 仙台MACANA
12月17日(日) 新潟 CLUB RIVERST
2018
01月13日(土) 福岡 Queblick
01月14日(日) 広島 広島CAVE-BE
01月20日(土)香川 高松DIME
01月21日(日) 石川 金沢vanvanV4
01月27日(土) 大阪 梅田CLUB QUATTRO
01月28日(日) 愛知 名古屋CLUB QUATTRO
02月03日(土) 東京 マイナビBLITZ赤坂

■オフィシャルWEB
http://www.ivytofraudulentgame.com/

■プロフィール
2010年10月に群馬県にて結成された4人組ロックバンド。福島由也(Dr)が全楽曲の作詞作曲を担当。楽曲の世界観をリアルに表現する寺口(Vo/Gt)の唄を軸としたライブパフォーマンスの圧倒的な求心力は多くのファンを魅了する。2016年4月の記念すべき全国デビュー作品は、オリコン週間インディーズチャート3位を記録。そして、渋谷CLUB QUATTRO追加公演ソールドアウト含む全国24箇所、5000人以上を動員した全国ツアーを大成功させた。2017年3月8日に2ndミニアルバム『継ぐ』をリリース。そのミニアルバムを携え、恵比寿LIQUIDROOMワンマンを含む、計20本の全国ツアーを大成功に収めた。12月6日、ビクターエンタテインメントのレーベルGetting Betterより、1stアルバム『回転する』をリリース。12月9日から最新作を携えた初の全国ワンマンツアーを開催。

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