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INTERVIEW 旬のアーティストインタビュー

2017.2.21

黒猫チェルシーが『LIFE IS A MIRACLE』で立ったスタートライン

「今しか作れなかったものが出来た自信がある(渡辺)」

黒猫チェルシーが約4年半ぶりにオリジナルアルバム『LIFE IS A MIRACLE』をリリースした。4年半という時間に感じた、得た様々なものを自分たちの音楽に昇華し、メンバーそれぞれの感覚を持ち込んで作られた今作は、今の彼らが伝わる傑作だ。その作品について、ボーカルの渡辺大知に話を訊いた。

取材・文 坪井

ーオリジナルアルバムは4年半振りですが、この間に曲はずっと作られていたんですか?

渡辺大知(Vo):はい。今年の3月で結成10年になるんですが、その内の4年半ってほぼ半分になるんですよね。その時期に、自分たちの曲というかバンドで出す音を見つめ直すことができて。そのおかげで、自分たちが元々好きな音楽や、4年半の間に影響を受けた音楽を今の自分達の音楽に昇華できました。アルバムは、1年半から2年くらい前から少しずつ作っていた曲の集大成ですね。

ー2年くらいで今作を作り上げたんですね。今作のタイトル『LIFE IS A MIRACLE』は、制作当初から決めていたんですか?

渡辺:アルバムのタイトルは、曲が出揃ってレコーディングも終わってから付けました。全体的に人生を旅しているような、人生の色々な場面を曲に置き変えて旅をしていく感じが、アルバムを通して出ているなと。旅がキーワードになるねという話から、8曲目に入っている『LIFE IS A MIRACLE』をタイトルにしました。

ー収録曲の中でも『LIFE IS A MIRACLE』は重いサウンドの曲だと思うんですが、その曲をタイトルに選んだ意味を教えていただけますか?

渡辺:この曲は、古き良きアメリカンロックの渋さに、重くても重厚感というより軽さのある感じが出せたと思っています。黒猫チェルシーの持ち味にギターリフがあるんですが、その部分をフューチャーした曲だなと。そういう意味で今回のアルバムのキーになると思ったし、ライブの中心に据えても、どっしりしっくりくる曲だから選びました。

ー全体的にギターリフがすごく耳に残りますし、泥臭いロックというかルーツミュージックを今っぽい感じに仕上げているので聴きやすさもあります。その中で、NHK朝の連続テレビ小説『まれ』の中で組んでいたバンドlittle voiceの曲も収録されていますが、黒猫チェルシーの作品に入れたのはライブでも歌っているのもあります?

渡辺:そうですね。ドラマがきっかけで曲を作り、シングルとしてリリースもしているんですが、おっしゃる通り自分たちのライブに必要不可欠な曲になっているので、黒猫チェルシー名義としてちゃんと出したいなと。今回収録できて嬉しいですね。

ーそのlittle voiceをやられたことで、音楽へのアプローチも少し変わってきたのかなと感じるんですがいかがですか?

渡辺:そこは意識的に変えていった部分もあります。10代でデビューしたんですが、その頃はバンドを使って遊んでいる感じで。今もその感覚はありますが、22歳になって「音楽したいな」と思うようになったんです。バンドというより、僕自身がちゃんと歌を歌いたいと思うようになって。それは、CDを出していない間にあったいろいろな出会いの影響が大きいですね。例えば、改めてちゃんとボブ・マーリーを聴いたら、レゲエというよりシンガーとしてのボブ・マーリーの歌声に多大な影響を受けた。今までは、ただメロディに言葉を乗せていただけなんじゃないか、一生懸命でも歌になっていなかったんじゃないかって。自分の口から言葉と歌で伝える責任感をすごく考えさせられたのもあって、今回のアルバムでは特に歌を歌うことを意識しました。歌に心を入れることと、もっと自分自身が歌う意味。誰かっぽさではなく、自分の書いた言葉を自分に一番近い形で出せるのが1番ロックなんじゃないかと。見栄や甘さ、ヘタレな部分もあるけど、強く思っている部分もあるということをそのまま自然に出せることがカッコいいなと思うようになったんです。そこが今までと今回とで大きく変わった部分。今しか作れなかったものが出来ている自信がありますね。

ー確かに、これまでの作品と今回の作品では楽曲の印象が変わった部分もあります。よりフォーク寄りになったなと

渡辺:僕らはガレージロック寄りのイメージだったと思うんですが、今回の作品はフォーク寄りのイメージがすごくあると思います。今作には、メンバーそれぞれが自分のスタイルや好きなもの、好きな感覚を持ちこんでいて、それぞれの演奏家が自分の好きなように料理する曲の作り方をしたんですが、今回のアルバムでそれがつかめたので、いいアルバムができたなと思うと同時にようやくスタートラインに立てたなという感覚もあります。結成10年目、26歳にしてなんで遅いんですけど(笑)。こういうのが俺らに合っていると思えた曲ができたなと。例えば2曲目の『スター・トレイン』の曲の感じ。キャッチーでせつなくて、でもそこに重いギターが乗っている。こういうのって俺らに合っていると思うんですよ。他にも『グッバイ』や『海沿いの街』というミディアムテンポのバラード曲を中心に据えて、堂々とロックとして演奏できるのも強みにしたいと思っています。

ー曲を書いている方たちがやりたいことや好きな事を突き詰めた結果だと思うので、全体的に楽しさも伝わります。個人的には、古き良きフォークソングの歌える曲『また会おう』が今っぽくなくていいなと

渡辺:音楽を始めたきっかけが関西のブルースバンド憂歌団ですし、ずっと吉田拓郎さんなどを聴いていたので、ルーツが完全にそこなんですよ。『また会おう』は、自分が一生歌える曲を作りたいなと思って作った曲で、演奏面は憂歌団を意識しています。今こういう曲を演奏しているバンドっていないと思うんですよね。この曲には、ロックをあまり聴かない人にとってのロックへの入口になってほしいなという思いも込めています。

ーこの曲も含め、これまでと声の出し方も変わったなという印象を受けたんですが、ご自身はどうお考えです?

渡辺:自分に近いものを生み出したいと思うようになったのもあり、歌と向き合いつつ、今回結構地声に近い出し方をしている曲が多いです。『海沿いの街』は、特に意識して要所要所に地声を入れているというか、歌う時の声の出し方と地声のミックスみたいな感じです。イメージとしては、喋っているみたいな、散歩しながら一人で口ずさんで思わずでちゃった声。そのあたりは、まだ模索中な所もありますが。

ーそういう部分も含め、ファンが今作を聴くと「変わった」と感じるかもしれないですね

渡辺:そうですね。このアルバムで良くも悪くも印象は変わると思うんですよ。今後僕らがやるべきことは、「変わった」で終わるのではなく、僕らを知っている人には「なるほど、変わったのはこういう理由だからか」と肌で感じてほしいし、ワクワクしてほしいので、今回できたことをどう継続していくか、どう道を切り拓いていくか。そこをちゃんと見せたいと思っています。今回意識的に変えたと言いましたが、それに対してちゃんと覚悟を持ってやれたと思っているので、次は間髪入れずに出したいですね。

ー次回作も期待しています。そして、4月からツアーも始まります。名古屋は5月28日(日)ですが、お客さんの印象はいかがですか?

渡辺:名古屋は男性が他の県より多いイメージがあります。男のロックバンドに憧れ、影響を受けた僕としては、男の人に来てもらえるのは結構嬉しいですね。名古屋はツアーの前に、3月の「IMAIKE GO NOW」にも出演するので、そちらにも男の子に来てほしいですね。

ー男からウケる男のバンドってカッコいいですよね。「IMAIKE GO NOW」もワンマンも楽しみにしています。では最後に、この作品を手に取ってくれるファンに向けてメッセージをお願いします

渡辺:今回はジャケットやパッケージにもすごくこだわって作っています。今はダウンロードも簡単に出来るので、音楽がより身近な存在になっている半面、手にする喜びは薄れてきていると思っています。楽曲はもちろんジャケットもすごくいいものができたので、是非手に取って、音楽を手に取れる喜びを感じてほしいですね。

黒猫チェルシー 『海沿いの街』Short Movie

■リリース情報

『LIFE IS A MIRACLE』
2017.2.22発売
初回生産限定盤(CD+DVD) 3650円(+tax)
通常盤(CD) 2750円(+tax)

■LIVE情報
黒猫チェルシー TOUR 2017「LIVE IS A MIRACLE」
4月07日(金) 福岡県 福岡DRUM SON
4月09日(日) 兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
4月13日(木) 石川県 金沢vanvanV4
4月14日(金) 群馬県 高崎TRUST55
4月21日(金) 静岡県 浜松MESCALIN DRIVE
5月12日(金) 宮城県 仙台enn 2nd
5月20日(土) 北海道 札幌COLONY
5月27日(土) 大阪府 梅田Shangri-La
5月28日(日) 愛知県 名古屋・池下CLUB UPSET
6月04日(日) 東京都 東京キネマ倶楽部

■オフィシャルHP
http://www.kuronekochelsea.jp

■プロフィール
渡辺大知(Vo)、澤竜次(Gt)、宮田岳(Ba)、岡本啓佑(Dr)。2007年に地元神戸にて結成。2010年『猫Pack』でメジャーデビュー。以降、精力的にライブやツアーを行い、2014年には初のベストアルバム『Cans Of Freak Hits』をリリース。その演奏力とライブパフォーマンスを武器に、大きな支持を集める。2015年8月には渡辺大知(二木高志役)が出演した、NHKドラマ『まれ』から飛び出したバンドlittle voice(リトルボイス)としても、シングル発表&全国ツアーを敢行。各地SOLD OUTになるなど、大きな反響を呼ぶ。2016年2月にレベール移籍後初シングル『グッバイ』をリリースし、全国7都市ツアーを敢行。さらに6月にはアニメ『NARUTO』EDテーマ、『青のララバイ』を発売し東名阪ワンマンツアーを実施。そして、2月22日(猫の日)に3枚目となるオリジナルアルバム『LIFE IS A MIRACLE』をリリース。

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