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INTERVIEW 旬のアーティストインタビュー

2016.11.19

LASTGASPが『stair』で踏み出した飛躍への階段

「失敗を恐れずにもっともっと挑戦していきたい(岡田)」

7月にリリースした3rdシングル『GO e.p.』のファンキーなビートは、LASTGASPの可能性を感じさせた。そこから4ヶ月、11月9日にミニアルバム『stair』がリリース。新たなトライによって生まれた振り幅の広い曲が収録されている。彼らの持ち味はそのままに、新たな一歩を踏み出していこうという決意が見える今作について、岡田勇希(Vo/Gt)に話を聞いた。

取材・文 坪井

ー11月9日にリリースされたミニアルバム『stair』は、7月にリリースされた『GO e.p.』から約4ヶ月振りです。今作はどのようなイメージで作られました?

岡田勇希(Vo/Gt): 『弱虫ペダル』のタイアップ曲が今までの俺たちらしい曲だとしたら、今回はよりアウトプットして、J-POPまではいかないですが、いろいろな人にすっと聴いてもらえるような作品を目指して作りました。

ー具体的にどのようなことに取り組みました?

岡田: 今まではスタジオに入って僕がギターで弾き語りをしながら作っていたんですが、今回は僕とアレンジャーさんとで、曲のイメージを作りながらゼロから制作しました。出来上がったオケに対して僕が自由に歌って、このAメロは良かったから次はサビっぽいものを作ってみようという感じです。今回は新しいトライをしているので、僕らも予想していなかった曲ができました。特に『GO』がそうで、この曲をお客さんに投げかけたらどんなリアクションがくるんだろうと、ちょっと不安もありましたが、ふたを開けてみたらすごくライブで映える曲だった。これは俺たちらしくないよねと、自分たちで振り幅の壁を勝手に作っていたところがあったので、今回の『GO e.p.』と『stair』でその壁を壊せたかなとは思いますね。

ーLASTGASPらしさの枠の中で曲を作ることは、ある意味バンドのイロを作ることにもなると思います。でも、その枠を越えて新しいことに挑戦することは、自分たちの音楽がブレないかという不安もあったんじゃないですか?

岡田: ストレートなメッセージ性や、シンプルな楽曲でノリやすく、勢いのある曲というイメージは、お客さんより僕たちの方が思い込んでしまっていたように思います。信念を貫く、スタンスを崩さないという意味で、今まではそれがいいことだと思っていたんですが、逆にいえば似たり寄ったりな曲になってしまっているんじゃないかと。ここでそれをぶち壊して、本当に全く知らない引き出しからもらったものを、「それって本当に大丈夫ですか?」と思いながらもカタチにすることが出来たので、すごく楽しかったですね。

ーアレンジャーさんが入ったことが大きかったんですね。その今作『stair』には、新曲『アンダースタンド』と『羽根』が収録されています。これまでのLASTGASPらしい曲とは違う雰囲気の2曲ですが、みなさんの曲を聴いている人たちは『弱虫ペダル』から入っている人も多いと思うんです。聴いた人たちからのリアクションはいかがでした?

岡田: 実は、『弱虫ペダル』のタイアップをやらせてもらっていましたが、僕たちのイメージとは裏腹に、最初の頃はお客さんの数に比例していませんでした。でも、『弱虫ペダル』で知りましたという人が少しずつライブにも来てくれるようになって、ある時期からすごく増えたんです。その状態になった今『stair』をリリースしたんですが、僕たちが思っているよりすごく素直に受け止めてもらえているなと。僕たちは『stair』は新しい挑戦だと打ち出しているんですが、聴いてくれる人たちからはそうではなく、「いい曲だよね。カッコいい」という感想が多いですね。

ー楽曲に対してシンプルにカッコいいというリアクションだったのは、自信に繋がりますよね

岡田: そうですね。『アンダースタンド』と『羽根』は、僕らの中でどうだろう?という不安もあったのですが、『stair』のリリース日にツイッターで、「感想を言ってくれたら返信します」と投げ掛けてみたんです。そうしたら、特に『アンダースタンド』や『羽根』が好きという、新しい曲に対していいリアクションがたくさん返ってきて驚きました。それぐらいシンプルに聴いてくれているんだなと改めて思って、もっと挑戦していいんだという自信になりました。

ーその『アンダースタンド』ですが、ヘヴィなサウンドが際立ったこれまでにはない楽曲ですね

岡田: 普段聴いている曲や好きなアーティストを思い返してみたら、重いサウンドに歌モノのメロディラインの曲が結構好きな事に気付いたので、今回そのような曲を作ってみようと。ローチューニング、ドロップチューニングの曲は、昔1曲だけ作ったんですが、チューニングが変わるので、なかなか30分尺のライブに入れられなかったんです。今回は、ライブの幅を広げる意味でもそのテイストの曲を作ろういう思いからトライしました。

ー葛藤や迷い、思いがせめぎ合っている歌詞の世界観も今までになかったと思います

岡田: これまでは、学生時代の青臭い感情やもやもやした気持ちを書いてきましたが、その時よりも大人になった葛藤がこの曲にはありますね。現実的な痛みや悩みという、少しだけアダルトになった葛藤を詞に入れたかったのもあります。

ーなるほど。そして『羽根』はガラリと変わり、ポップス要素のある曲に仕上がっています

岡田: ゴリゴリのJ-POPにしようぜというノリで作った曲です。歌詞もより聴いてくれる人に投影できるものにしたくて、卒業をイメージしました。歌詞だけ読むとネガティブなところもたくさんあるんですが、逆にそういうマイナス要素がくることで、どうすればプラスになるかを考える。詞では、僕らは飛べないからちょっと怖いんだよという気持ちを歌っているんですが、その感情って飛びたいと思っているから生まれるものですよね。そういう裏腹な気持ちを表現したいなと思って言葉も選んでいます。

ー優しめな言葉使いかなと思います。そして、イントロの軽やかなギターの音が耳に残りますが、こういう始まり方もあまりないですよね

岡田: そうですね。今までだったら、ガシャーンと始まるところをゆっくりふわっと始めました。全体的にもメロディックなギターラインで、同期も入れるなど、いろいろと取り込んだ曲になったとは思いますね。

ー新しいバンドの姿が見える2曲ですね。そもそもこの2曲は、『stair』のために作った曲なんですか?

岡田: 実は『GO e.p.』と『stair』は同じ時期に作っているんです。レコーディングも同じ時期に終わっていて。アルバムを作るタイミングで、1回ゼロからたくさん曲を作ったんです。7、8曲ぐらい新しい曲を作った中から、今回『アンダースタンド』と『羽根』の2曲を選びました。その時期はとにかく曲を作っていたので、レコーディングをしながら曲に対しての思いが高まってきた感覚がありますね。リリースした今、自分が曲に追いつく感覚がちょっとあるので、そういう意味でも新しい感じかなと(笑)。

ー確かに新しい(笑)。タイトルの『stair』ですが、直訳すると「階段」という意味ですよね

岡田: 正確には「stairs」なんですが、そこも含めて気に入っています。ぱっと見は階段でも、踏むのは一段ずつだと思うので、一段一段上へ登っていく意味も込め、あえて“s”を付けず一段という『stair』にしました。このアルバムはもちろん、この先もっと売れたいと思っているし、カッコいいアーティストになりたいと思っています。今作はその一段という意味もタイトルに込められています。

ー今作の初回限定盤には、『Believer』のMVと9月に開催した自主企画フェス「the Last resort」のドキュメンタリー映像が収録されたDVDが付きます。そのフェスを振り返ってみて今どんな思いですか?

岡田: 中部国際空港が近いため飛行機が飛んでいたり、日が沈んでいくのと一緒に空の色が変わっていくローケーションがすごく素敵でした。こういうフェスをしたかったと素直に思えた半面、悔しい思いもたくさんあります。この先バンドを続けていく上でいい経験をさせてもらったと思うし、すごく意味のある一日だったなと思います。

ーまだ2回目ですが、ぜひ毎年開催してほしいと思っています

岡田: そうですね。ずっと続けたいとは思っています。僕らが夏といえば「the Last resort」でしょと自信をもって言えるようにならないといけないですね。

ー期待しています。では最後に、今後バンドとして挑戦していきたいことを教えてください

岡田: まだやっていないことの方が多いと思うんです。いろいろなものを取り入れて音楽をやっているつもりだったんですが、思っている以上にやれてないこと、表現できていないことがたくさんあると思うので、それらを貪欲に取り入れて、僕たちの音楽を聴いてくれる人に発信していきたいと思っています。トライ&エラーではないですが、失敗を恐れずにもっともっと挑戦していきたいですね。それを続けていけば、今よりも大きな会場でもっとたくさんの人に会える気がするので、挑戦する気持ちを持ってこれからもやっていきたいなと思います。

LASTGASP「Believer」MV【公式】

■リリース情報

『stair』
Mini Album
2016.11.9発売
初回限定盤(CD+DVD) 1944円(+tax)
通常盤(CDのみ) 1389円(+tax)

■LIVE情報
LASTGASP ONEMAN TOUR 2016「stair」

11月20日(日) 愛知 名古屋RAD SEVEN
11月23日(水祝) 大阪 心斎橋BRONZE
12月17日(土)、18日(日) 東京 渋谷CHELSEA HOTEL

■オフィシャルHP
http://lastgasp.jp/

■プロフィール
愛知・岡崎発の新世代ロックバンド!! すべての作詞&作曲を手掛ける岡田勇希(Vo/Gt) の等身大かつメッセージ性の強い楽曲が支持を受けて、インディーズながら人気アニメ『弱虫ペダル』の主題歌に抜擢される。2013年に1stミニアルバム『Serendipity』、2014年には2ndミニアルバム『Point of No Return』をリリース。2015年7月に1stフルアルバム『the Last resort』をリリースし、2016年は7月に3rdシングル『GO E.P.』を、11月9日に3rdミニアルバム『stair』をリリースした。

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