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INTERVIEW 旬のアーティストインタビュー

2016.8.23

lovefilmが奏でる生まれたばかりの美しさ

「全曲聴いて、今後このバンドはどんなカラーになっていくんだろうと想像してほしい(石毛)」

2015年に活動を休止したthe telephonesの石毛輝と岡本伸明が、モデル/女優として活躍する江夏詩織をボーカルに迎え、高橋昌志(Dr)と4人で新バンドlovefilmを結成。8月3日にリリースされたデビュー作となる1stアルバム『lovefilm』はもちろん、出会いからバンド結成まで、ボーカルをとる石毛輝と江夏詩織の2人に話を聞いた。

取材・文 坪井

ーまずはlovefilmが生まれたきっかけから教えてください

石毛輝(Vo/Gt/Prog): これまでに、the telephonesというバンドと並行してソロプロジェクトで3枚の作品をリリースしました。4枚目は女性ボーカルを入れる構想があったんですが、2015年にthe telephonesが活動を休止したのを受け、ソロプロジェクトも先延ばしになったんです。そこで、そのアイデアを新しいバンドに持って行こうと思って、まずは15年来の友達のノブ(岡本伸明)と、僕とノブがプライベートでDJをしている下北沢のライブハウスの店員のマサシ(高橋昌志)を誘いました。そして、いよいよ女性ボーカルを探そうとインスタグラムを見ていたらしっし(江夏詩織)の写真に目が留まり、共通の友達を介して声を掛けたのが始まりです。

ーどうして江夏さんに惹かれたんですか?

石毛: まず、人に薦められるのではなく自分で見つけたかったのと、あまりバンド経験のない人の方が僕自身も刺激を受けていいなと思ったんです。探すにあたり、1番重要視したのは感性で、写真がメインのインスタグラムはその部分が出やすいと思って見ていました。そこで見たしっしの写真がすごく良かったのと、アップされていたピアノを弾いている動画も見て、音楽的素養もありそうだなと思ったんです。

ー江夏さんはピアノの演奏をインスタで結構発信していたんですか?

江夏詩織(Vo/Gt/Synth): ピアノは子どもの頃から13年ぐらい弾いていたんですが、早くから東京で一人暮らしを始めたので、しばらく弾いていませんでした。たまたま実家へ帰った時、ほこりまみれになっていたピアノがあったので、懐かしくなって久しぶりに弾いた動画をアップしました。

ー石毛さんから声を掛けられてどう思いました?

江夏: 最初は共通の知り合いから、the telephonesの石毛さんからお仕事の話をしたいという連絡があったよと言われたので、ジャケット撮影やPV出演の依頼かなと想像していました。連絡をとってみたら、「バンドを組むことに興味はありませんか?」と聞かれて、バンド?ウソでしょ!? どうして私がthe telephonesの人とバンドを組むの?「DISCO!」って言うのかな?とまず思いました(笑)。the telephonesの曲を聴いたことはありましたが、石毛さんにお会いしたことはなかったので、最初はどういう意味で私を誘ってくれたんだろうと疑問で。石毛さんからは、「インスタグラムを拝見しました」と言われたんですが、私のインスタグラムからDISCOは想像できないのになぁと思いました(笑)。でも、話を聞いてみたかったし、こんな面白い出来事はもうないだろうなと思って、連絡を取ったその日にお会いしました。いろいろと話を聞いたら、DISCOじゃなくてカルチャー寄りのバンドと言うことが分かったんです(笑)。私も石毛さんと同じような音楽が好きだし、気も合うなと感じたので入りたいと思ったんですが、まだ曲も聴いていないのでその時は一旦保留にしました。

ー江夏さんに話をする時点で曲のイメージはあったんですか?

石毛: そうですね。何となく頭にはありましたが、最終的にはメンバーを決めてからさらにイメージした方がいいと思っていたので、6、7割の具合で挑みました(笑)。僕も最初は、ナンパと思われたらどうしようかなと緊張しましたよ(笑)。

ー紙一重ですよね(笑)。正式に江夏さんの加入が決まったのはいつ頃ですか?

江夏: 今年の1月ぐらいですね。でも、最初にお会いしたのが12月だったので、1ヶ月ぐらいで決まりました。決まるまでの間に何度かリハーサルをしたんですが、最初はカラオケボックスで歌唱力のチェックを受けました(笑)。

石毛: そうなんです(笑)。カラオケでの歌声が抜群だったので、ノブと昌志に紹介して、そのままスタジオに入りました。二人もスタジオでしっしの歌声を聴いてガッツポーズをしていましたね(笑)。

ー江夏さんはボーカルとして歌を歌うと思っていました?

江夏:歌は好きですがボーカルをしたことがなかったので、私でいいのかなとは思いました。カラオケでの歌のテストの時は、オーディションで審査されている感覚だったので、めちゃくちゃ緊張したんですが、そのあとのスタジオでは楽器を鳴らしながらだったのですごく楽しかったです。

ー江夏さんの加入が決まって本格的な曲作りを始めたんですね

石毛: そうですね。このメンバーでいこうと決めた1月、2月で曲を作りました。

ーそうして完成した1stアルバム『lovefilm』ですが、すごく懐かしく青っぽさを感じる楽曲が詰まっているなと思いました

石毛: 僕はティーンエイジャーの頃、90年代のアメリカとイギリスの音楽がすごく好きで、the telephonesを組むまではグランジバンドを組んでいました。the telephonesは海外で流行っている音楽を早めに取り入れるスタンスだったんですが、次にバンドを組むなら同じ海外で流行っている音楽でも、Best Coast、Wavves、FIDLARのようなバンドの感じがいいなと思っていたんです。僕のルーツにあるオルタナやグランジでしっしが歌ったら面白いと思ったし、今いそうでいないバンドになりたいなと。時代はどんどんリバイバルしますが、まだ90’sリバイバルは日本でそこまで行われてないと思ったので、早めにやろうと今回取り入れました。

ー江夏さんは石毛さんが作ったその楽曲を聴いてどう思いました?

江夏: 最初に石毛さんとお会いした時に「好きなバンドは何ですか?」と聞かれて、SUPERCARと答えたんです。私もちょっと昔の音楽がすごく好きだったので、石毛さんからデモをもらった時は普通に聴きたいなと思う音楽だったし、それを自分が歌うんだと思ったら、すごくうれしくてワクワクしました。

ー歌詞もちょっと昔の雰囲気を感じますし、サビは繰り返しが多いですね

江夏: 本当だ。確かに繰り返してる。

石毛: いま気付いたの(笑)? 韻は踏むようにしているので、言葉は変わっているけれど語感は同じように聞こえるというのが結構好きなんです。

ーなるほど。そして2曲目『Don’t Cry』は江夏さんのシャウトが印象に残ります

石毛: この曲は、そのためにある曲です。

江夏: 最初シャウトしてと言われて「ええっ!!」そんなこと出来るのかなと思ったし、女の子がシャウトするのってカッコいいのかなという疑問もありました。でも、ライブでは思っていたよりお客さんが盛り上がってくれますし、自分の中で可能性を広げてもらえた曲だなと思っています。

石毛: 元々シャウトの入っていない曲だったんですが、ある日スタジオで、ベースのノブがしっしに今までのお芝居で言ったセリフの中で、何かひとつ教えてと言ったんです。そこで彼女が「影でこそこそやってんじゃねぇよ!」と、舞台の感じで言ってくれたので、何も悪いことをしていないのに男3人がビビって、本当に怒られている気持ちになったんです(笑)。その時に、楽曲に取り入れようとひらめきました。

ーそのカッコいい曲と、3曲目の『Kiss』とでは曲調がガラっと変わります。今作は全体を通していろいろな要素が入っていますね

石毛: 僕のソングライティングは入れたがりなんです。それから引き算をして作っていきます。一筋縄ではいかない曲をキャッチーに聴かせることが、このバンドの良さだと思います。いろいろなことをしているんだけど、気付かれないのがいいですね。

ーいろいろな楽曲がある中で、江夏さんはどの曲が好きですか?

江夏: 『Goodbye,Goodnight』と『Kiss』が好きですね。『Kiss』はPVにもなっていますし、lovefilmっぽくて情景が画に浮かびます。映像もすごく素敵に撮ってもらったので、PVが出来てからもっと好きになりました。

石毛: この曲はビデオを録ってから格が上がったと思いますね。

ー今は映像から入ってくる人も多いと思うのでPVはいいきっかけになりますよね

石毛: 映像から入ってきた人が、アルバムの1曲目と2曲目を聞いたら「あれっ?」と思うんじゃないですかね。「何か叫んでない?」みたいな(笑)。

ー(笑)。詞曲を作っている石毛さんの満足度が高い曲も教えてください

石毛: 6曲目の『Holy Wonder』と『Kiss』は満足度の高いレコーディングが出来ましたね。『Holy Wonder』は、歌が始まるまでのイントロ部分に時間を掛けるという謎の作業をずっと家で行っていました。いろいろな種類のノイズを混ぜているんですが、その細かい配置に命をかけましたね。僕は作曲家ですが、予算がない仕事ではエンジニアっぽい事もしているので、その両方を満たしているのが『Holy Wonder』なんです。単純に楽曲としてメロディ展開がいいのは4曲目の『Vomit』だと思います。ちなみに、『Kiss』は自分を投影しているので好きですね。30歳を超えてもこういう気持ちが抜けないんですよ(笑)。大人になれないんです(笑)。

ー(笑)。そして7曲目の『Honey Bee』は何を言っているのか分からない部分がありますね

石毛: そうなんです。その部分はノブが叫んでいます。レコーディングの時はスタジオが爆笑の渦になりました。歌詞ではないんですが、空耳的な感じで最初の言葉が「ドカーン」に聞こえるんですよ(笑)。2016年にもなってこの言葉はなかなか聴けないだろうなと思って、採用になりました(笑)。

ーたぶん歌う度に言うことが変わりますよね(笑)。そして、今作は10曲で40分未満と短い作品になっています

石毛: そうなんです。個人的にバンドの最初の頃は短い方がいいと思っています。12曲入りも考えたんですが、10曲であっという間に終わっちゃったからもう一回聴こうとなる方がいいなと思いますね。ファーストアルバムなので全曲聴いて、今後このバンドはどんなカラーになっていくんだろうと想像してほしいです。

ーそして、今作のツアー「~lovefilm 1st tour“livefilm”~」が11月に東名阪であります。ワンマンなんですね

石毛: はい。フルで演奏しても40分なん、それまでにバッチリ新曲も作ります(笑)。

ーぜひお願いします(笑)。江夏さんはこれまでに何回ライブをされました?

江夏: 5回です。まだちょっと不安要素もあるんですが、でも確実に一歩一歩成長が出来ているかなと思います。最初にステージに立った時は、頭が真っ白になってコードも忘れそうで、本当に必死でした。あまり記憶がないぐらい緊張しましたが、最後の方はすごく楽しめていたと思います。

ーどんなツアーになりそうですか?

石毛: それを作っている美しさが最初のツアーには絶対にあると思うので、まだこなれる前の我々を見に来てほしいですね。僕もライブの立ち位置もまだ変わっていくだろうし、4人の空気感も面白いので、それを味わってもらいつつ新曲も楽しみにしてもらえればと思います。

ーでは最後にファンへ向けてメッセージをお願いします

石毛: the telephonesの活動を休止し、lovefilmとしてシーンに帰ってきました。すごくいいバンドだと自信を持って言えるので、ぜひみなさんCDを聴いてツアーに来てほしいと思います。

江夏: アルバムをリリースして、次はワンマンに向けてがんばっていくので、曲を覚えてライブで一緒に歌ってほしいです。一緒に楽しめるライブにしたいので、ぜひ11月のワンマンに来て下さい。

lovefilm Kiss(MV)

■リリース情報

『lovefilm』
1st Album
2016.8.3発売
初回生産限定特別価格 2000円(+tax)
通常盤 2600円(+tax)

■LIVE情報
~lovefilm 1st tour“livefilm”~
-ONE MAN-
11月18日(金) 名古屋 ell.SIZE
11月19日(土) 大阪 Shangri-La
11月23日(水・祝) 東京 代官山UNIT

■オフィシャルHP
http://lovefilm.jp/

■プロフィール
現在活動休止中のthe telephonesの石毛輝(Vo/Gt/Prog)、岡本伸明(Ba/Synth)を中心に江夏詩織(Vo/Gt/Synth)、高橋昌志(Dr)の4人で結成。2016年3月14日に初ライブ「preview of film」を開催。8月3日(水)に1st Album『lovefilm』をリリース。

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