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ライター ツボイ

2018.11.21

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LUCKY TAPES 1st Album『dressing』インタビュー

「やりたいことはまだ全然尽きていないし、100%満足していない(高橋海)」

10月3日にメジャーデビュー後、初となるフルアルバム『dressing』をリリースしたLUCKY TAPES。デビュー曲『22』のほか、BASI(from 韻シスト)とCharaをフィーチャリングゲストに迎えた新曲などが収録。ポップスを軸としながらも、ファンクからジャズ、ロックまでバラエティに富んだ聴き応えのある作品となっている。その今作について、全ての楽曲の作詞作曲を手掛ける高橋海(Vo/Key)に話を訊いた。(インタビューは10月11日に行いました)

―アルバム『dressing』のリリースから一週間ほど経ちますが、周りからの反応はいかがですか?

高橋海(Vo/Key): ちょうど一昨日、インスタグラムのストーリー機能を使ってアルバムの感想をみんなに投げ掛けたら、ものすごい数のリアクションが返ってきて、「これまでの作品の中で一番いい」と言って下さる方もたくさんいました。

―その今作ですが、ファンクからジャズ、ロックまでバラエティに富んだ曲が並び、聴き応えのある作品だと思ったのと同時に、これまでとは違う印象も持ちました。今作を作るに当たり、テーマなどは設けられたのでしょうか?

高橋: 形になりそうなデモを次々と曲にしていったので、テーマ設定や狙いは特になかったです。様々な音楽性の曲が集まったのも、一つの枠組みに沿って作っていないからだと思います。

―『Balance』など過去の曲も収録されていますが、いくつか候補がある中でこれらの楽曲を選ばれたのはなぜですか?

高橋: 新曲との相性は一番考えました。毎回作品の流れにはこだわっているので、突然別の世界観が飛び込んでこないように、コード感やテンポ感、使っている音色なんかで、流れが綺麗になるように。さらにそこへ、ストーリー性を持たせたりして、曲順にも意味を含ませていたりもします。EP『Virtual Gravity』に収録されている『シェリー』は、ライブで毎回演奏するし、人気曲でもあると思うんですけど、流れにそぐわないと思ったので今回は収録していません。

―作品の流れに沿った曲を選ばれたということですね。さらに今作は、高橋さんがセルフプロデュースされているんですよね

高橋: 作詞・作曲・編曲は今までもやってきましたが、今回はサウンドメイキングからフレージング、さらには先ほど話したような曲順やフィーチャリングアーティスト、ビジュアルなんかに関してもデザイナーさんと共に一緒に作っていきました。そういった意味でも、個人としてやりたいことや表現したいことが色濃く出ている作品になったかと思います。

―やりたかったことはできました?

高橋: 今までの中では一番できたかと思います。ただ、やりたいことはまだまだ全然尽きていないし、100%満足することは恐らくないので、作品を重ねるごとに色々なことにチャレンジできたらいいなと思っています。

―今作では、BASI(from 韻シスト)さんとCharaさんをゲストに迎えられていますが、曲ができてからオファーされたんですか?それとも…

高橋:もともと繋がりがあったお二人なんですけど、今作の制作過程の中で、CharaさんとBASIさんの声が頭の中で鳴ったのでオファーさせて頂きました。

―そのBASIさんとの曲『COS feat. BASI』はしっとりしたメロウな曲で、BASIさんのラップがすごくハマっています。ラップの部分はBASIさんにお願いされたんですか?

高橋: 自分が書いても、BASIさんの気持ちいいフロウに合わなかったら絶対に良くないと思ったので、リリックは書いて頂きました。

―上がって来たものはイメージ通りでした?

高橋: あまり曲のイメージは詳しく伝えずに、お願いする部分以外の歌詞と今までレコーディングしたトラックを投げていたんですけど、『COS』というタイトルからという、まさに自分が言いたかったことを言葉にして下さったので、パズルのピースがはまったような感覚でしたね。

―感じ取ったんですね。そして、Charaさんとの曲『Lonely Lonely feat. Chara』は、正直Charaさんの使い方が贅沢だなと思いました。Charaさんはがっつり歌っていないですが、それはイメージされたのが最後の部分だったからということですか?

高橋:頭の中でイメージ出来たのが、ちょうどこの展開の20秒、30秒だったということです。

―なるほど。この曲のAメロで高橋さんのラップっぽい歌い方は今までになく新鮮でした

高橋:自分なりにラップをしているつもりではいますが、どうしても音程が付いてしまって、これをラップと呼んでいいのかは分からないです(笑)。

―言葉のハマり具合が良くていいリズムを生んでいたと思います

高橋: ありがとうございます。LUCKY TAPESを始めた頃は歌うことに苦手意識を持っていたんですけど、最近ようやく歌で表現できることが広がってきている気がして。音源を聴いたら分かると思うんですけど、最初の頃は歌も楽器の一部みたいな感覚で作っていたから、MIDIで入力された信号のように、線で音符をただ追っているだけみたいな。だから抑揚もアクセントもなく、ただ音程でメロディを作っているだけでした。言葉や歌のニュアンスでリズム楽器のようにグルーヴを作れることが分かって、その手段のひとつにラップがあるなと。

―サビ始まりの曲だからこそ、Aメロのラップはフックになっていいなと思います。そして『Gossip』はロックなギターが印象的な重めのサウンドで、今作の中でアクセントになっていますね

高橋: 個人的にはゆったりとしたグルーヴのチルアウトできるテンポ感の音楽が好きなので、そういった曲でまとめた作品にしてもいいなと考えていたりもしたんですけど、ライブを考えたときに迫力のある場面も欲しいなと思って。

―この曲が真ん中にあるのもいいバランスだなと思いました。そして最後の曲『ワンダーランド』は恋愛の曲だと思ったのですが、そういった歌詞は珍しいなと

高橋: 単なる恋愛ソングを書くのは苦手なんですけど、恋愛って人生に似ている部分もあるから、いろいろな捉え方のできる恋愛ソングだったら書けるかもしれないとチャレンジしてみました。

―ちょっと切なさも感じます

高橋: 終わることを知りながら楽しもうとしていることを感じられるとよく言われます。特に最近、日常の中で今まで当たり前だったものが当たり前じゃなく見えたり、そこに存在すること自体に感動したり、そういった瞬間も書きたいなと。

―その雰囲気は感じます。この10曲で『dressing』というタイトルですが、タイトルに込めた意味をお聞きしてもいいですか?

高橋: ドレスには「着る」「着こなす」という意味があります。人間は生まれた時は何も色づいていない状態で生まれてきて、そこから着る服や聴く音楽、使う言葉、関わる人など、その人の色々な選択によって色や味が形成されていくという意味が込められています。

―その色という部分はジャケットのアートワークにも反映されていると思いました。独特な色使いですが、こだわりました?

高橋: アルバムタイトルからも、今回クリアジャケットには絶対したくて。配色についてはデザイナーの若井はるかさんと一緒に試行錯誤しながら決めていきました。

―すごくインパクトがあります。現在ツアー中ですが、いかがですか?先日の浜松公演の前にベースの田口さんが急病でドクターストップがかかったとお聞きしましたが…

高橋: 当日、ドクターストップがかかったのでライブを中止にする選択もあったんですけど、「今日の浜松公演楽しみにしています」「昨夜から静岡に向かっています」など、楽しみにしてくださっている方からのメッセージやツイートを見たら、後日振替公演を演るにしても今日は中止にせず、残りのメンバーで出来ることをしたいなと。

―どのような編成でやられたんですか?

高橋: 初めてのアコースティック編成でやりました。リハーサル時間も限られていて、アレンジを新たに作る余裕もなかったのですが、今回の件でチームの結束力を身を以て感じましたね。ライブは基本、毎回同じサポートメンバーで回っているのですが、一人欠けたことによって生まれた音の隙間を埋めるアプローチ方法をみんなが考えて動いてくれて。限られたリハーサル時間でもなんとか形にすることができました。

―すごい結束力ですね。お客さんからの反応はいかがでした?

高橋: 不満を抱いたり納得しない方も少しはいるかなと思っていたんですけど、みんなすごく満足して下さったみたいで。中にはチームの結束力を感じ取って「感動した」と言ってくれた方もいたり。昨日は、会場一体がいつも以上に温かく見守ってくれている感覚がありました。

―特別な1日になったんですね。明日(10月12日)は名古屋ですが、お客さんの印象をお聞きしてもいいですか?

高橋: 最初みんなシャイでなかなか心を開かないけど、きっかけひとつでベタベタというか、すごく愛を感じるリアクションをしてくれるところが好き。

―そして、12月にはjizueのツアーの対バンで名古屋に来られますね

高橋: jizueとはメンバー同士も仲が良いので、よき日になること間違いないです。

―どんなライブが観られるか楽しみにしています。最後に、今後の展開についてお聞きしてもいいですか?

高橋: 今はまだアルバムを作り終えたばかりで空っぽの状態なので、まだ次の動きなんかはあまり考えられていないのですが、今年初めに行ったアジアツアーでのリアクションが想像以上だったので、国外も視野に入れた活動をしていきたいという気持ちが高まっています。

■YouTube

LUCKY TAPES『Lonely Lonely feat. Chara』Official Music Video

■リリース情報

『dressing』
1st Album
2018.10.3 発売
初回限定盤(CD+DVD) 3,700円(+tax)
通常盤(CD) 2,700円(+tax)

■LIVE情報
12月07日(金) 愛知 名古屋CLUB QUATTRO w/ jizue

■オフィシャルWEB
http://luckytapes.com/

■プロフィール
高橋 海(Vo/Key)、田口恵人(Ba)、高橋健介(Gt)の3人組。2015年に1stアルバム『The SHOW』をリリース。翌2016年にEP『MOON』、2ndアルバム『Cigarette & Alcohol』をリリースし、多数のフェスにも出演。2017年9月にEP『Virtual Gravity』をリリースし、そのツアーファイナルにてメジャーデビューを発表。ホーンセクションや女性コーラス、パーカッションなどを加えた総勢9名のライブパフォーマンスは、国内はもとより中国や台湾、タイ、韓国などアジカ各国でも高い人気を集める。2018年5月23日にリリースしたメジャーデビューEP『22』と、それに伴う東名阪ツアーも各所で高評価を受け、10月3日にメジャー1stアルバム『dressing』のリリースとバンド最大規模となる全国ツアーの開催を発表。

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