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ライター ツボイ

2019.4.26

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ミツメ New Album『Ghosts』インタビュー

「バンド10年の活動で辿り着いた作品です」

4月3日に約3年ぶりとなるニューアルバム『Ghosts』をリリースしたミツメ。前作とは違い、シンセサイザーの多彩な音色が押し出された今作は、ミツメにしか描けない音風景が全編に漂う。その『Ghosts』はどのように作られ完成したのか。川辺素に話を訊いた。
※インタビューは4月22日(月)に行いました。

―アルバム『Ghosts』がリリースされて20日ほど経ちますが、改めてどのような作品になったと思われます?

川辺素(Vo/Gt): 今作はフレッシュな気持ちでイチから作りたいと思っていたので、初めはシンプルにしようとしていました。でも、バンドを10年やっているとちょっとずつ出来ることが増えてくるんですよ。それを上手く仕上げの段階で取り入れ、作り込めました。いい作品になったなと思っています。

―周りからの反響はいかがですか?

川辺: 友達から「アルバム良かったよ」という連絡がきました。今までより多い気がするのでうれしかったです。

―そういう連絡はうれしいですよね。その今作を聴いてシンセサイザーの多彩な音色が印象に残りました。前作とは違うアプローチだと思うのですが、変化には何かきっかけがあったのでしょうか

川辺: ギターの大竹(雅生)くんが、ギターやシンセサイザーなどのアプローチを考えているんですけど、彼が最近買った機材をアレンジでふんだんに使いました。曲のアレンジはハードウェアに影響される部分が結構あって、机の上にあった新しい機材をひたすら入れた結果そうなったのかなと。前回はギターの同じ音色でやり続けることがテーマのひとつだったので、「次は同じことしたくないよね」という話はしていて。そこにシンセが自然に入ってきたので、今回は大々的にフィーチャーする形になりました。

―だからシンセの音がメインになっているんですね。曲の作り方も結構変わったのではないでしょうか?

川辺: 前作のリリース後に、作業スペースみたいなものをミツメで持つようになったのは大きかったですね。それまでは僕の狭いアパートに4人が集まって、布団の上に座ったりしながら作業していたので。作業スペースは半地下になっていて、ドラムは叩けないですがギターを鳴らすぐらいなら大丈夫なので、そこに集まってみんなでアレンジできるようになりました。アイデアが浮かんだ時に試しやすい環境になったという意味では、作り方は変わったと思います。また、すぐ近くにリハーサルスタジオもあるので、思いついてからタイムラグがあまり無く試せるのもいいですね。格段に制作がしやすくなったのは、アルバムの出来に直結していると思います。

―何よりも制作環境が変わったんですね。その思いついたアイデアはどのように形にしていったのでしょうか

川辺: パソコン上でアレンジを進めていくのですが、僕がギターと簡単なコード進行の分かる伴奏とボーカルを入れたトラックを作り、それをずっとリピートで流し、他の3人がリアルタイムで楽器をそのトラックに乗せる。それを繰り返してまとまってきたら録音する感じです。せーのでアレンジするのではなく、何回も重ねて詰めていきました。何周もしている間に思い付いたことをその場でするので、瞬発的なアレンジと吟味を同時にやっていくという。だから、理路整然と考えたというより、その場で思いついた即興みたいな部分も多く残っていると思います。

―今回アウトロの長い曲が多めだなと思ったのですが、そのように作っていることで長くなっていったところもあります?

川辺: そうですね。「長い方が気持ちいいね」となって延ばした曲もあります。頭で考えて構成をしっかり練りつつ、それに囚われすぎないでジャムのいい部分としっかり構築していくことを両立しながら作っていくので、頭でっかちになり過ぎない音像というか、何か気持ちいいなというアウトロを求めました。

―なるほど。そのアウトロで一番気になったのが『ターミナル』です。結構色んなことをしているなと感じたのですが、浮かんだアイデアを詰め込んだ感じなのでしょうか

川辺: 『ターミナル』はアルバムの中で一番古い曲です。前作を作り終えて、次はどうしようかと思考錯誤している間にできた曲だったので、だいぶ詰め込んだかもしれないです。次のモードを探るために色々やってみた結果、ミツメ史上一番長い曲になりました。でも、段々シーンが変わっていくような曲に出来たとは思います。それも、アレンジをみんなでやりながら「途中ベースシンセじゃなくて弾く方に変えよっか」みたいな感じで作れたのが良かったなと。

―なるほど。もちろん試行錯誤されているので苦しい時もあるとは思いますが、お話を聞いていると楽しそうですね

川辺: やっぱりできた!っていう時間が一番楽しいのはありますね。自分達が聴いたことのないものができた時は、本当に楽しい瞬間でした。

―そうですよね。『ターミナル』は、『エスパー』『セダン』の2枚のシングルよりも前に出来た曲なんですね

川辺: そうですね。前回のアルバムを2016年6月に出して、それから半年くらい経ってから次のアルバムに向けて曲を作っていた最初の頃に出来た曲なので。実は最初、『ターミナル』をシングルにしようと言っていたんですけど、「ゆったりし過ぎてるからシングルって感じじゃないと思う」と言われて。そっかーみたいな。やっぱり4人でやっていると、客観性が失われますよね。

―確かにそれはあると思います。それで『エスパー』がシングルになったんですか?

川辺: その時はまだ出来ていなくて。かなり曲を作って新曲会議もしたんですけど、中々たどり着かず、シングルをこの時期に出したいねというギリギリのタイミングでようやく出来たのが『エスパー』だったんです。

―その『エスパー』と『セダン』を先行シングルでリリースされて、今回のアルバムリリースという流れになりますが、この2枚のシングルはアルバム制作に影響はありました?

川辺: 『エスパー』をアルバムに入れたかったので、作った20曲くらいの中からアルバムの収録曲を決めるときに『エスパー』が入ることを念頭におきつつ選びました。『エスパー』が浮かない曲の流れでアルバムを構成していったので、かなり影響はあったと思います。

―今作の軸は『エスパー』なんですね。それに合わせてコンセプトも考えられていったのでしょうか

川辺: コンセプトという大きなものは特に作りませんでしたが、ひとつのまとまりという意味では、全部トーンや質感が揃ってくるような仕上げ方にはしていきました。全体的に不在感のある曲が浮かび上がってきたので、自然に導かれていくようにコンセプトらしきものができたという感じです。

―その中で『Ghosts』というタイトルをつけたのはなぜですか?

川辺: 「不在というか誰かがいないみたいなことを表現したいね」という話になって、歌詞も考えていきました。僕的には時間をテーマにしていたんですけど、アルバムとして表現するにあたり、あまり時間だけを表現しているわけでもないし時間により過ぎたものはしっくりこなかったんです。そんな時に、人が想像する中において、いない存在として浮かび上がってくるものにゴーストがあるというところから、大竹くんが「Ghostsってどうかな」と言ってくれて、決定しました。

―全体的に不在感っていうのは確かに感じます。ジャケット写真にも不在感がありますし

川辺: ジャケットはトヤマタクロウくんっていう、ずっと一緒にやっている写真家の友達の写真です。彼がひとり旅でどこか寂しげな個展を開いていて、その冊子も発行しているのですが、その中のカナダ旅行に行った時に撮ったという1枚です。彼から「すごく気に入っている写真があるんだ」って教えてくれた写真でもあります。ちょうどジャケットの打ち合わせをしている時でもあったので、「ジャケットに使わせてもらってもいい?」って聞いたら、「いいですね」と言ってくれたのでこれに決まりました。

―この写真に惹かれたポイントを教えていただけます?

川辺: 何か欠けてる感じがあって。真ん中に何か…。

―そこに何かがありそうな気がします

川辺: そうそう。人それぞれで浮かび上がる姿がここにあるんじゃないかなと思って。

―そう思うとすごくマッチしたジャケットですね。そして、今作のツアーが5月26日(日)から始まりますが、どのようなツアーにしたいですか?

川辺: 今週の土曜日くらいから色々なサーキットやフェスなどに出させていただくので、そこで新曲をブラッシュアップしつつ、しっかり仕上げてツアーに臨みたいと思っています。

―ちなみに今回はシンセサイザーを多用されていますが、ライブではどのようになりそうですか?

川辺: ライブならではの迫力がある部分はしっかり表現できているので、アルバムを聴いてくださった人が楽しめるライブになると思います。

―それはすごく楽しみです。では最後に、ツアーを楽しみにしているファンに向けてメッセージをお願いします

川辺: アルバムを気に入ってくださった方みんなが楽しめるようなライブになっているので、ぜひ遊びに来てほしいです。よろしくお願いします!

ミツメ『なめらかな日々』

■リリース情報

『Ghosts』
Album
2019.4.3 発売
CD 2,800円(+tax)
7inch 3,000円(+tax)

■LIVE情報
mitsume tour Ghosts 2019
5月26日(日) 北海道 札幌Bessie Hall
6月08日(土) 台湾 台北Legacy
6月15日(土) 福岡 INSA
6月22日(土) 宮城 仙台enn2nd
6月29日(土) 愛知 CLUB UPSET
7月10日(水) 東京 恵比寿LIQUIDROOM
7月13日(土) 中国 Hangzhou MAO LIVEHOUSE
7月14日(日) 中国 Shanghai MAO LIVEHOUSE
7月16日(火) 中国 Chengdu NU SPACE
7月17日(水) 中国 Beijing OMNI SPACE
7月19日(金) 中国 Wuhan VOX LIVHOUSE
7月20日(土) 中国 Shenzhen B10 LIVE
7月21日(日) 香港 MOM Livehouse

■オフィシャルHP
http://mitsume.me

■プロフィール
2009年、東京にて結成。4人組のバンド。国内のほか、インドネシア、中国、台湾、韓国、アメリカなどの海外へもツアーを行い、活動の場を広げている。オーソドックスなバンド編成ながら、各々が担当のパートにとらわれずに自由な楽曲を発表し続けている。その時の気分でいろんなことにチャレンジしているバンド。2017年12月にシングル『エスパー』、2018年8月にシングル『セダン』をリリース。そして2019年4月3日にアルバム『Ghosts』をリリースした。

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