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ライター ツボイ

2016.10.28

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鳴ル銅鑼が『文明開化』に込めた思いとは

「僕らの音楽を生活の仲間にしてほしい(三輪)」

今年1月にリリースしたフルアルバム『極彩色』から約9ヶ月。10月5日に2nd E.P『文明開化』をリリースした鳴ル銅鑼。3月の名古屋CLUB QUATTROでのワンマンを経験したことで生まれた思い。それをカタチにした今作で伝えたかったこと、さらには地元岐阜への思いをメンバー全員に聞いた。

―10月5日にリリースされた2nd E.P『文明開化』ですが、1曲目の『独立宣言』のポップさにちょっと驚きました

三輪和也(唄/六弦): ポップな曲を書こうと思ったわけではなく、結果的にポップになったんです。名古屋CLUB QUATTROでのワンマンライブの後、ライブに来てくれたたくさんのお客さんや、メンバー、スタッフさんに対してありがとうの気持ちから、歌詞を全部書き換え、メロディも少し変えた結果、ポップというか爽やかな曲になりました。この曲を1曲目にしたのは、『独立宣言』をテーマにしてミニアルバム『文明開化』が構成されているからです。

―メンバーのみなさんはこの曲を聴いてどう感じました?

グローバル徹(四弦): まず、この曲を聴いてポップとは思わなかったですね。そもそも和也にはポップな部分もあると思うんです。2ndシングル『艶』には『五月雨、麗しゅう』という愛をテーマにした爽やかな曲がありましたし、元々そういう面を持ったバンドでもありました。『独立宣言』は、そういう和也の前向きな一面が出た曲だなという印象です。

岩ってぃ(太鼓): 最初は歌詞もなく「ららら~」で歌ったメロディだけを聴いたんですが、その段階でかなりエネルギッシュな曲だなと思いました。この曲を通して予想できる未来が面白そうだという感覚もありましたし、MVを撮る曲になるんだろうなとその時から思っていました。そして、予想通りになりました(笑)。

―メロディだけの時点でメンバーの反応が良かったんですね。歌詞も前向きでモチベーションが高く、強い意志を感じます

三輪: そうですね。この曲は僕の上京したい気持ちから生まれたんですが、歌詞にひと旗あげましょうというモチベーションを込めました。

―そういう意味でも、この『独立宣言』は今作『文明開化』にとって重要な曲になりそうですね

三輪: 独立宣言をしてから文明開化するという順番があるので、『文明開化』という作品に『独立宣言』が入るのは僕の中では自然な流れですね。

―今作には、2曲目『俗』のように鳴ル銅鑼らしい曲も収録されていますが、気になるのはみなさんの初期の曲『軽蔑』が収録されている点。どうしてこの曲を今作に入れようと思われたんですか?

三輪: あそこまで人の悪口だけを詞にする曲は、今の僕には書けそうになくて。『軽蔑』はもう手に入らない音源なんですが、僕の中ではいい曲。今の自分には書けないだろうなというこの曲を、以前の自分よりボーカリストとして成長していると思う今の自分が歌ったらどうなるのかという期待もあって、もう一度録りたい気持ちになりました。

―その気持ちから今作に入れようと

三輪: この曲は一番最初に感じた反骨精神の曲なので、このアルバムにぴったりなんじゃないかなと思って入れることにしました。

―実際に録り直してみてどう感じました?

三輪: 今の方が良くなると思って録ったんですが、実際に歌ってみると以前と今のどちらにも違った良さがあることに気付いて、面白いなと思いました。荒削りだったから『軽蔑』は完成したのかもしれないとも思いましたし、歌う時のテンション感も歌詞を書いた時に歌っている方が生々しいなと。僕はその方が好きですが、今の自分でしか出来ない表現やテクニックがあるから、今作ではそこを聴いてほしいと思います。

―新旧どちらにも良さがあるわけですね。演奏も録り直していますが、その面ではどうですか?

カバ(六弦/歌): 演奏に関してはスッキリした感じはあります。以前の初期衝動的な良さもいいんですが、当時のまだまだだったなという音源を成長した今の時点で録れたのは、個人的にすごくスッキリしました。

三輪: 演奏は前より絶対に良くなっていると思います。プレイヤー3人も『軽蔑』を録り直したいという話をしていました。この曲はすごく難しい曲で、作ったのはいいけれど、みんなに無理をさせていたというか、出来ないことをやらせていたと思うんです。でも今のみんなはそれが出来るから、苦もなく演奏を楽しめたと思います。

グローバル徹: 今回録り直して、本当にすごく難しいことをやっていたんだなと改めて思いましたね。

―そして6曲目『夢の痕』ですが、傷痕の“痕”という字を使われています。あえてこの字を使ったのは?

三輪: “夢のあと”と聞くと、夢を見た後をイメージすると思うんですが、僕は夢を追う過程の中で自分の体中にアザが残るような感覚があるんです。何かに夢中になればなるほど、それ以外の大事なものがどんどんなくなっていったり、心に傷ができていくけれど、自分の夢や目標に向かって真っ直ぐに向き合っていかなければいけない。僕はこれからもいろいろなものを失くし続けるだろうし、大切にできないままきっと失っていくと思う。そういう自分が情けないという気持ちと、そんな自分を支えたいなという気持ちの両方を曲にしました。何かを追いかけることで、止まっていれば見つけられたものも見失ってしまう。そういう経験は誰だってあると思うので、そういう人に寄り添ってくれるといいなと思って書きました。

―その歌詞がバラードという曲調もあってグッと体に沁み入ります

三輪: 僕はどうしても内に入った曲が多くなってしまいがちなんです。音楽で人を元気づけよう、背中を押してあげたいという気持ちもあるにはあるのですが、それよりもありがた迷惑になりたくはない。誰かが立ち止まってしまった時、一緒に立ち止まってくれる曲があってもいいと僕は思っているので、この曲を聴いて一緒に悩んでくれたらうれしいですね。

―最後の曲『この世の全て』にもその感じは表れていますね

三輪: 『この世の全て』は、未来に向かって歩いて行きましょうというメッセージではなく、過去を大切にしましょうという曲です。未来は不確定なので、先のことを考えるとストレスが溜まります。でも過去は美化もできるし、都合良く組み立てられる。過去と現在の自分でしか今の自分を支えることは絶対にできない。何をしてもいいし、どんな道を歩いてもいい。絶対に思い出や過去はあなたを支えてくれるから、いま思った生き方、いま自分が選んだ今日という一日を生きて下さいというメッセージを込めて書きました。

―いまを大切にしてほしいという思いが込められているんですね。最後にふさわしい曲だなと思いました。そして今作のリリースツアーが地元の岐阜から始まります

三輪: 初日に限らず岐阜は必ず入れたいなとは思っていました。もちろん地元というのもありますが、岐阜でバンドを組んでいる若い子たちに、僕らぐらいのレベルの音楽家でもこういうことができることを知ってほしい気持ちがありますので。

―ちなみに、岐阜だけCIVILIAN(ex.Lyu:Lyu)との2マンなんですよね

三輪: ワンマンでもいいんですが、岐阜を2マンにしたのは、僕がカッコいいと思ったバンドを地元の子たちにも知ってほしいからです。

―なるほど。これからもツアーで地元に来ようと思っています?

三輪: 僕は帰ってくる場所として地元があるとは思っていません。地元は常に送り出してくれる側だと思っています。地元の人にはいってらっしゃいというスタイルをずっと持っていてほしいし、僕らはみんなの期待を裏切っていないよという姿を見せたいと思っています。だから、これからも地元でのライブは続けていきたいですね。

―グローバル徹さんはTRACKsのコラムで、岐阜のお店をたくさん紹介されています。全部ご自身がリアルに行っていた、今も行くお店ばかりですよね

グローバル徹: そうですね。岐阜に25年住んでいましたし、地元でバイトもしていましたから、応援して下さる人やお世話になった人が多すぎる。そのみなさんを紹介したいなと思って、コラムで書かせていただいています。それと、岐阜でワンマンライブをした時に、お客さんからどこへ行けばいいのか分からないとよく言われるので、それがきっかけでコラムのテーマを“故郷「岐阜」の自慢話 ~ここへ行けば楽しめる~”にしたんです。観光名所ではなく、本当に好きなお店を紹介しています。

―次回紹介されるお店を楽しみにしています。では最後に、今作『文明開化』を聴いてライブに来てくれるファンへ向けてメッセージをお願いします

グローバル徹: 僕らのライブなどで岐阜へ来た際は、TRACKsの僕のコラムを見てどこかへ行ってみてください! 素敵なお店ばかりです。

岩ってぃ: 『文明開化』を聴いてくれた人たちはワンマンツアーのどれかに来てくれると思っています。鳴ル銅鑼は演出や見せ方にすごくこだわりがあるので、ワンマンでガッツリ見てほしいですね。もともと鳴ル銅鑼を知っている人も初めての人も、一度観ていただければ間違いなくハマると思いますので、楽しみに来てください!

カバ: ライブを純粋に楽しんでください!

三輪: 『文明開化』というタイトルの意味は、このインタビューを読んでいただくことで伝わりやすくなると思います。僕は自分と支えてくれる人たち両方のために音楽をやりたいと思っています。以前よりも寄り添うことのできる曲が増えたと思いますので、絶望しそうになったらこのアルバムを聴いてほしい。そして、僕らの音楽を生活の仲間にしてほしいとも思っています。僕ら4人が発する音をたくさん聴いて、栄養を摂取してほしいですね。

鳴ル銅鑼“独立宣言”Official MV

■リリース情報

『文明開化』
2nd E.P
2016年10月5日発売
1800円(+tax)

■LIVE情報
鳴ル銅鑼『文明開化』リリースツアー

10月28日(金) 岐阜 柳ヶ瀬ants ※2マン
11月13日(日) 東京 渋谷 club乙
11月20日(日) 愛知 新栄CLUB ROCK'N'ROLL
11月27日(日) 大阪 心斎橋LIVE HOUSE Pangea

■オフィシャルHP
http://www.narudora.jp/

■プロフィール
2013年3月結成の岐阜県出身4人組ロックバンド。妖艶な歌声と多方面から影響を受けた楽曲が特徴的で異質。2014年7月に地元岐阜県のライヴハウス、柳ヶ瀬antsで開催された初ワンマンライブ『上等ワンマン』がソールドアウト。『RO69JACK 2014』で優勝し、同年8月に国内最大級の野外ロック・フェス『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014』のステージに立つ。その後ますます勢いをつけ、2015年1月にはZepp NAGOYAにて開催されたイベントで、THE BACK HORN、[Alexandros]のオープニングアクトを努める等、数々のライブイベントに出演。2016年1月20日に初のフルアルバム『極彩色』を発売すると、さらにその活動は加速し、ツアーファイナルの名古屋CLUBQUATTROでのワンマンライブでは大成功を収めた。

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