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INTERVIEW 旬のアーティストインタビュー

2017.9.19

PAELLASがミニアルバム『D.R.E.A.M.』に込めた意志とは?

「もっとたくさんの人に聴いて欲しい、聴いてもらえないと意味がないと思って作りました(MATTON)」

ROCK、R&B、HOUSE、NEW WAVEなど様々なジャンルを飲み込みながら、独自のサウンドを生み出してきたPAELLAS。彼らが9月6日にリリースしたミニアルバム『D.R.E.A.M.』は、初めて日本語詞を取り入れるなどこれまでとは違うアプローチを盛り込んだ意欲作となっている。今作と通じて届けたいものとは?ボーカルのMATTONに話を訊いた。

取材・文 坪井

ーまずはパエリアズ結成の経緯からお願いします

MATTON(Vo):大学のサークルで出会ったbisshi(Ba)と音楽の趣味が合ったので、一緒にPAELLASを結成しました。活動していく中で音楽性が変わり、若干今っぽい感じになった頃にAnan(Gt)と出会ったんですが、すぐに彼が留学したので2人で音源を作って福岡のインディーズレーベルから出させてもらいまいた。留学から帰ってきたAnanが東京で音楽をすると言うので、俺ら3人でもう一回PAELLASを一緒にやろうと2014年の2月に上京し、2015年にサンプラーのmsd.が入り、同じ年の年末にドラムのRyosukeさんが入って今のメンバーになりました。

ー今のメンバーになったのは1年半ぐらい前なんですね。音楽性が変わったということですが、最初はどのような音楽をやられていたんですか?

MATTON:僕はBLANKEY JET CITYが好きで、bisshiはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTが好きでしたし、お互いゆらゆら帝国やNUMBER GIRLも好きだったので、そういう系の音楽をやっていました。僕らが大学生の頃、神戸を中心にサイケデリックのシーンがあって、この界隈の人たちはすごいなと思いながらバンド活動しているうちに趣味が変わっていったんです(笑)。

ーだいぶ変わりましたよね(笑)。きっかけになる、影響を受けたアーティストがいたら教えてください

MATTON:The xxというイギリスのバンドのCDをジャケ買いしたのが始まりですね。こういうミニマルでポップで浮遊感のあるロマンチックな感じを探していたんだと。それからThe DrumsやWashed Outを聴くようになりました。でもbisshiは、Lee PerryやPiLばかり聴いていたので、セッションしても訳の分からないことになっていて(笑)。俺はThe Drumsがやりたいけど、bisshiはダブをやりたかったので、このままだとバンドは解散するだろうなと(笑)。それが急に彼もThe Drumsを聴くようになって、さらにお互い50’sポップスも聴くようになって変わっていきましたね。そこでAnanと出会うんですけど、彼は生粋のインディーキッズで、Girlsや、The Strokes、Foxygenとかが好きな少年でしたね。

ーアメリカのインディーズが好きだったんですね

MATTON:2010年以降からブルックリンで盛り上がっていたアメリカのインディーミュージックが好きでしたね。今はあまり言われないんですけど、活動当初はJoy DivisionやThe SmithsといったUKのバンドが好きそうですねとよく言われました。でも、実はUSにルーツがあるんですよね。

ーなるほど。PAELLASの音楽背景が分かりました。今作を制作するにあたり、前作とここが違うという部分を教えてください

MATTON:前作『Pressure』もその時点のポップなものを作るという意気込みで作ったんですけど、いま聴くとまだ自分たちの部屋にこもっているなと。今作はそれを踏まえて、シンプルにもっとたくさんの人に聴いて欲しい、聴いてもらえないと意味がないと思って作りました。自分たちの好きなメインストリームのポップス要素を無理してるんじゃないというぐらい入れています。曲作りはほぼAnanが担当しているんですが、僕個人としては日本語で歌詞を書いたところが前回と違う部分ですね。

ー今回初めて日本語詞を取り入れたのは、もっと多くの人に聴いてほしいというところからですか?

MATTON:前作のツアーで自分たちの音楽がちょっと広がってるんだなという実感を得られたとともに、伝わっていないんだなというのも感じたんです。日本語ではダイレクトに届くものが、英語だと悲しい曲を悲しい感情で歌っても、ちゃんと伝わっていないかもと感じて。それで自然と日本語になったと思います。あと日本語でカッコ良く作る方が絶対に難しいので、今の自分にとってのチャレンジという面もあります。

ー1曲目『Together』は日本語詞で書かれていますが、実際に歌ってみてイケるなと思いました?

MATTON:若干不安もあったんですけど、歌ってみたらイケるなと思いました(笑)。

ー(笑)。この曲に限らず、PAELLASは高い声がすごく印象に残ります。さらにサビではファルセットも使われていますが、意識して使われています?

MATTON:そうですね。自分のボーカルスタイルも大阪にいた頃はむしろすごく低くて、エルヴィス・プレスリーとイアン・カーティスを混ぜたような感じでした。当時はそこが自分のしっくりくる音域だと思っていたんですけど、2年前ぐらい前から意外と今の高い音域の方が自分も好きだなと。実は、今作は無理やりキーを上げたんですよ。最初にできたものを聴いて、歌う時にどんどん突き抜けた感じを求めていったら結構キーが上がっちゃって、頑張らないといけなくなっちゃって(笑)。

ー(笑)。そのファルセットですが、MATTONさんの声の出し方はR&Bのものとは違って、ふわっとしていると思うんですよ

MATTON:バンド自体がR&Bのテイストはあっても真っ向からやろうという気持ちではなくて、フォークやポップスから影響を受けているのかなと思います。R&Bの中でもカーティス・メイフィールドのようなタイプが好きなので、ふわっとした感じはあるのかなと思います。

ー楽曲についてもお聞きしたいのですが、PAELLASの楽曲の基盤はAnanさんが作られているんですよね

MATTON:そうですね。今作に関してはほぼAnanが作っています。

ー音作りに関してすごくこだわりを感じるんですが、その基盤からどのように作られていくんですか?

MATTON:各々のポジションで音を作っていくんですが、スタジオに楽器だけでなくパソコンも持ち込んで音を決めていく作業みたいな感じです。スネアの音やベースの音など、細かい音色選びに相当こだわっていると思います。

ー今作で特にこだわった音は何でした?

MATTON:スネアの音にはめっちゃこだわっています。隠し味的な音ではなく、メインのシンセベースの音やずっと鳴っているスネアの音にめっちゃこだわりました。出したい音がはっきりしているので、レコーディングの時にタムの音だけが2時間ずっと鳴っていたことも。「もうちょっとスコンって感じなんだよね」「じゃあこんな感じですかね」「スコン(タムの音)」みたいな時間が2時間(笑)。

ーかなりのこだわりですね。確かに音を決めていく作業だと思います

MATTON:自分たちの好きな音楽もサウンドメイクやミックスで時代の音を作っている人たちが多いですし。

ーそういう部分で『MOTN』は、いろいろな細かい音で構成されている曲ですよね

MATTON:『MOTN』は骨格をAnanが作って、ミックスやアレンジはほぼbisshiが全部家でやった感じですね。やかんみたいな音など音響的なアプローチはすごく凝っているので、bisshiの貢献度が高い曲です。最後の『Eyes On Me』もbisshiの貢献度が高い曲ですね。

ーこの曲はニューウェーブ感があって、今作の中でちょっと浮いているように感じました

MATTON:bisshiはニューウェーブ好きで、『Eyes On Me』は80’sのニューウェーブな感じになっています。確かにちょっと浮いているんですけど、エンドロールっぽい曲が欲しいねという話から生まれた曲なんです。僕が昔セッションで作ったデモをずっとプレイリストに残していて、エンドロールみたいな感じで作ってみたらいいんじゃないと提案したんですよ。そこからbisshiが一人でこもって作ってくれました。

ー様々なタイプの曲が収録されていますが、今作を作るにあたりテーマは設けたんですか?

MATTON: PAELLASはあまり作品のコンセプトや大枠を決めて曲を作っていくタイプではなくて、できた曲、その時やりたい曲をやる感じなので、テーマは特に設けないですね。ただ、たくさんの人に聴いてもらいたいという意志はあったので、そのための曲を作っています。それだけでなく、自分たちのインディーな方の趣味を突き詰めた曲もあるので、二極化されているのかなと思いますね。『Together』『Shooting Star』と『Fade』はポップス寄りで、『MOTN』『Eyes On Me』はインディー寄り、『Lying』はその中間って感じですね。

ーなるほど。ちなみに僕は『MOTN』が好きです

MATTON:分かります。僕も同じです。そういう人がいてくれるのはうれしいですね。もちろん『Together』を聴いてほしいと思って作ってはいるんですけど(笑)。

ーそうですよね(笑)。そんなみなさんの音楽を生で聴けるライブツアーが9月8日(金)の大阪から始まります。名古屋は10月4日(水)ですが意気込みを聞かせてください

MATTON:今までは自分たちがその時好きなことやカッコいいものを見せる意識でやっていたんですけど、初めてこの作品は聴いてくれる人や、ライブに来てくれるお客さんにどう届けるかを意識して作りました。ぜひその曲を会場で感じてほしいので、ライブへ来てください。

PAELLAS 『Shooting Star』 Official Music Video

■リリース情報

『D.R.E.A.M.』
Mini Album
2017.9.6 発売
1,600円(+tax)

■LIVE情報
“D.R.E.A.M.” Release Tour
09月08日(金) 大阪 CONPASS
09月16日(土) 東京 渋谷WWW
10月04日(水) 愛知 名古屋ell.SIZE
10月06日(金) 福岡 Kieth Flack

■オフィシャルWEB
http://paellasband.com

■プロフィール
東京を拠点に活動する5人組。あらゆるジャンルの要素を独自のセンスで解釈し生み出すサウンドは、セクシュアルかつロマンチック。都会に漂うメランコリックな情景やその儚さを想起させるライブパフォーマンスも支持され、あらゆるシーンや時代を超えた存在になる可能性を秘めている。

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