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ライター ツボイ

2018.6.7

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polly 1st Full Album『Clean Clean Clean』インタビュー

「新たな自分たちを見てほしい(越雲)」

pollyが5月9日に初のフルアルバム『Clean Clean Clean』をリリースした約20日後となる5月28日(月)に、ボーカル&ギターの越雲龍馬にインタビューした。これまでとは明らかに変わった今作は、一体どのようにして生まれたのか。そして、何が変わり何を見せたかったのか。その答えは、ポツリポツリと一点を見つめながら話す越雲の言葉が教えてくれた。

−1stフルアルバム『Clean Clean Clean』をリリースされてから20日ほど経ちますが、いま振り返ってどんな作品になったと思われます?

越雲龍馬(Vo/Gt): 人間として、音楽人として、この作品を出す上で生活が変わりました。この作品で自分のやりたいことをやり切れた思いがありますし、やっと始まりが見えたような作品になったと思います。

−これまでと今回とでは明らかに変わったということですか?

越雲: 曲の作り方から全て変えたので、そういう面でも始まりだなと思います。

−何か心境の変化があったから全て変えられたと思うのですが、いかがでしょうか?

越雲: 今まで自分たちがやっていた音楽に対して少しコンプレックスみたいなものがありました。それに、インプットしたものがちゃんとアウトプットし切れず、ずっとモヤモヤしていた自分が嫌で。もう、バンド名を変えてイチからスタートしようかという話も出たくらいでした。だから、チームもメンバーも事務所もレーベルも、今作からまた始めようという感じがありましたね。

−そういう話になるほどこれまでの自分に納得がいっていなかったんですね

越雲: もう嫌いに近いです。嫌悪感というより劣等感に近い感じです。

−そこには、もどかしさもあったのではないですか?

越雲: そうですね。もどかしかったし、行きたい場所が明確にあるのにそこへ行く術を知らなくてあがいていました。今となっては消したい過去でもあります。

−そこまでなんですね。では、今回新しく作品を作るにあたって、キーになった曲はあります?

越雲: 『狂おしい』ですね。この曲が出来てから振り切れたので。この曲がキーになって、やりたいことをはめていく作業になりました。

−この曲、個人的に好きです。今作の中において『狂おしい』は少し雰囲気が違いますが、この曲がキーとなったんですね

越雲: このアルバムの中で一番異色であるが故にキーになっているんです。

−なるほど。この曲に限らず歌詞はかなりネガティブですが、普段からそういった感情になりがちなのですか?

越雲: 普段から怒りや劣等、哀愁といったネガティブな感情はあります。それが一番自分らしいというか、親友みたいな感じですね。アウトプットするにあたって一番力になりますし、原動力になっていると思います。

−親友という表現は初めて聞きました。それほど自分にとって身近な感情なのですね

越雲: 考える際、ネガティブな感情の方が先行します。例えば、ご飯を食べる時に「これを食べたら太るな」とか。食べた後の自分を客観視して、そういう自分って醜いなという考えばかりです。

−その感情は以前からありました?

越雲: 昔からそうです。だいぶネガティブです。

−その感情の基盤は同じなのに、これまでと今回とでは曲が違うのですね

越雲: サウンドの作り方から歌詞の書き方まで全て変えましたし、感情をアウトプットする術を得たので、そこが前作との差ですね。

−その得た術についてお聞きしてもいいですか

越雲: まずサウンド面でいうと、海外の音楽をすごく聴くようになって、日本人があまりやらない録音の手法などが斬新で新鮮に感じたんです。そして、それをやりたくなったのがサウンド面で得たものですね。歌詞の面では、小説家の安部公房さんの書き方とマインドがすごく好きで、何かのインタビューで“芸術は抽象的だ”と言っていたのを聞いたとき腑に落ちたんです。具体的である必要はなくて、受け取った側が解釈してそれをどう自分の色にしていくか。それを歌詞にした作品を書きたかったんです。

−受け取る側に委ねるような歌詞だと思います。ちなみに、タイトルが一言になっているのも抽象的ですよね

越雲: タイトルにはいつもすごく悩みます。長くしたくないし、タイトルだけで曲の説明をするのが美しくないと思っているので、タイトルは抽象的にしたいなと。タイトルはタイトルでありたいですね。

−そのタイトルからのイメージで、『バースデイ』は基本的にはハッピーな日だと思います。でも、この曲の歌詞にはあまりハッピー感がないなと

越雲: 暗い話をすれば、一回自分の身も心も殺して生まれ変わりたいなという感情があって、そういう感情を持った時が自分の新たな誕生だなと思ったからです。

−今作とリンクする曲でもありますね。そして、サウンド面は海外のシューゲイザーの印象を持ちました。エフェクトがすごく湿っぽいですよね

越雲: 今作は湿度高めで低体温という、人肌を感じないようにしたいというのがありました。リバーブをすごく使った作品なのですが、リバーブに関してはスケール感を広げるためのリバーブではなく、無機質なものにしたいがために使っています。例えるならばプラスチックみたいな。そういうエフェクトの使い方をしようと思って今作のような作品にしました。

−確かに冷たい印象はあります。そして、これは聴く人にも寄ると思うのですが、どこか懐かしさも感じました

越雲: 僕のルーツにフォークソングがあるので、懐かしい感じはそのメロディラインにあると思います。メロディはフォークソングから来ていて、サウンド面は90年代に流行ったシューゲイズ。その雰囲気にしたいと思っていたので懐かしさはあると思います。

−特にどのアーティストを聴きました?

越雲: まずシューゲイズのバンドには御三家があって、SlowdiveとMy Bloody ValentineとRide。その中で僕はSlowdiveをよく聴いていました。4ADというイギリスのレーベルがあって、そのレーベルのバンドをたくさん聴きましたね。

−その影響を受けているのは分かります。そこに懐かしさも感じたのはフォークのメロディがあるからなのですね

越雲: 日本人のメロディは譲れないと意識して作っていましたし、日本人は歌を先行して聴くのでそこは重要視していました。

−確かに日本では歌が先に頭に入ってくる曲の方が多いと思います

越雲: 歌先行なのは分かっていたので、ボーカルも引っ込んでいます。でも、そういう耳を持っている人たちには、ボーカルが引っ込んでいても大丈夫だなと思っていました。

−そういう気持ちは今作からになります?

越雲: ずっとやりたいなとは思っていました。それが今回からできた感じです。

−まさに新しいpollyの始まりの一枚になりますね

越雲: デビュー盤にしたいくらいです。過去の曲はもうほとんどやらないと、ライブでお客さんにも言いましたし、本当にそれくらいの気持ちです。

−そうなんですね。その今作のタイトルは『Clean Clean Clean』ですが、今までのお話から想像すると過去を消すという意味が含まれているのかなと

越雲: 12曲全部の録音が終わった後に“Clean”というワードが頭の中に出てきて、どうしてもそのワードを使いたいと思ったんです。そこで、海外の好きなバンドがよくタイトルに同じ言葉を3つ並べていたので、『Clean Clean Clean』としました。その“Clean”というワードの奥には、昔の自分たちを一回全部消して、新たな自分たちを見てほしいという思いがあります。

−すごく納得がいきました。この方向性ですでに新曲も作られているんですか?

越雲: 今作を軸として、自分がインプットしてきたものをエッセンスとして取り入れる手法で曲を作っています。6月にツアーファイナルがあるので、その日に新曲をやろうかなと。今作みたいな感じではあるのですが、ミニマルテクノの要素も入れた新しい感じになっていると思います。

−それは楽しみです。では最後に、作品を手に取る人たちへ向けてメッセージをお願いします

越雲: この作品がもし多くの人に聴いてもらえるとしたら、確実に日本の音楽シーンが面白くなっていくと思いますし、我々の音楽に身を委ねてくれたら美しく生きられるかなと思います。

polly 1st Full Album『Clean Clean Clean』トレイラー

■リリース情報

『Clean Clean Clean』
1st Full Album
2018.5.9 発売
2,600円(+tax)

■LIVE情報
polly 1st Full Album Release Tour「Clean Clean Clean」追加公演ワンマン
7月7日(土) 東京 渋谷club乙-kinoto-

CLUB ROCK’N’ROLL 25th ANNIVERSARY!!! Spectacl
8月2日(木) 名古屋CLUB ROCK’N’ROLL
w/ THURSDAY’S YOUTH , さよならポエジー

■オフィシャルHP
https://www.polly-jp.net

■プロフィール
2012年4月宇都宮でバンド結成。 ボーカルギターの越雲龍馬を中心に、ギターの飯村悠介、ベースの須藤研太、ドラムの高岩栄紀からなるロックバンド。 2015年6月、ファーストミニアルバム「青、時々、goodbye」をリリース。 2016年7月、セカンドミニアルバム「哀余る」をリリース。 2017年4月から2ヶ月連続で会場限定シングル「愴」と「想」をリリース。2018年5月9日、初のフルアルバム『Clean Clean Clean』をDAIZAWA RECORDSからリリース。

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