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INTERVIEW 旬のアーティストインタビュー

2017.12.4

RED in BLUEが『Hybridize』で提示した雑種が生み出すオリジナリティ

「いろんなものを掛け合わせて新しいオリジナルを作るぞという決意(高橋祐揮)」

トリッキーかつ様々なエフェクターを駆使した音色で、予測不能なサウンドを繰り出すRED in BLUEが、12月6日に1stフルアルバム『Hybridize』をリリースする。新曲はもちろんライブでお馴染みの再録曲を含めた11曲が収録された今作には、これまでとこれからの彼らが同居。その濃厚で雑多でオリジナリティ溢れる作品について、メンバー全員に話を訊いた。

取材・文 坪井

ーまずはバンド結成のお話からお聞きしてもいいですか?

高橋祐揮(Vo):僕と田口(Gt)がオリジナルメンバーなんですけど、高校生の時にお互いがやっていたバンドで何度か対バンしていて。僕のバンドが高校卒業と同時に解散したので、彼に電話して今のバンドが始まり、何度かメンバーチェンジをして今に至ります。

田口悟(Gt):結局地元広島のメンバーになりました。高橋は広島市内、僕と山崎、サポートベースの磯村は呉市に住んでいて、ドラムの山崎とは高校も大学も一緒で、磯村も高校の頃からの付き合いという、薄くて長い付き合いのメンバーです(笑)。

ーその方が長く続くような気がします。RED in BLUEの楽曲はトリッキーなギターが特徴だと思うんですが、どんなアーティストに影響を受けました?

田口:楽曲を作っている僕が激しく揺さぶられたのは9mm Parabellum Bulletです。それまでは、明るく突き抜けたテンションの高い青春パンクが好きだったんですが、9mmのダークな世界観やテクニカルさをテンションに変えていく感じに衝撃を受けました。サウンド面や音作りにそのイロが出てると思います。

ー12月6日にリリースされるアルバム『Hybridize』を聴かせていただきましたが、確かに9mmに影響を受けているなと感じました

田口:前作までは、9mmにめっちゃ影響を受けていることをバレないようにしていました(笑)。でも、ルーツが見えた方が新しい世代感が出るし、今前線で活躍されているバンドから影響を受けるのは決して間違いではないと思うので、今回のアルバムは影響を受けたバンドの感じを僕らなりに出してもいいんじゃないかと開き直って作りました。

ーその楽曲はどのように作られているんですか?

田口:(高橋)祐揮から歌詞をもらって僕が曲を付けることもあるんですけど、僕が作詞作曲する場合もあります。その時は、まずAメロっぽい歌詞を書いて、それを見ながらメロディが浮かんだら、同時進行で鼻歌と一緒に歌詞を進めていく感じです。それを最終的に引き締めてメンバーに聴いてもらっています。

ーギターのフレーズはバンドの武器でもあると思うんですが、どのように付けています?

田口:サンボマスターのコードやコードの端々にあるおかずやテンションの高さに影響を受けていて、僕はピッチよりもとにかく気持ち先行で小難しいことをやっています。どんどん前に出てみんなでせめぎ合う感じのバンドだと思うので、とにかく音がデカくて速くてカッコ良くみたいな感じですね(笑)。

高橋:男の子の夢でもあるスーパーヒーロー感です(笑)。

ー分かる気がします(笑)。そのギターのフレーズは結構面白くて、音色の幅広さも特徴だと思うんですよね

田口:9mm好きから機材集めが始まったんですけど、ディストーションやオクターバー、コーラスという僕にとってオモチャのようなエフェクターがどんどん増えていく過程でavengers in sci-fiというバンドに出会い、エフェクターボードがすごいことになりました。僕は電子音楽もすごく好きで、シーケンス的な音をリアルタイムで出せたら面白いだろうし、自己満足も突き詰めればお客さんに届くと思って攻めた音作りを心掛けています。ドラムとベースに土台が動かないよう頑張ってもらって、僕は好きなようにやる感じですね。

山崎慧(Dr):もう最悪ですよ(笑)。

磯村駿介(サポートBa):サポートするんじゃなかったって(笑)。

一同:笑

山崎:本当に無茶な注文が多くて。曲を聴くと、ここは手が三本必要なんじゃないか?みたいな人間工学を無視したフレーズだったりするんですよ。

高橋:スタジオでたまにすごく面白い動きをしていて、高速で叩いている姿がヤバい(笑)。でも、無理じゃない?というフレーズもできるようになってきてるんですよね。

田口:歌詞も尖っていこうとしていて、祐揮の歌詞は結構尖っているタイプだと思います。

高橋:ネガティブからのポジティブという感じの歌詞が多いですね。

田口:前作まではほとんど祐揮に歌詞を任せていたんですけど、今回は僕も結構関わっています。やっぱり歌詞が最初に耳に届くと思うので、二人で喧嘩しながらも完成させた曲がいっぱい詰まっています。

ーそう聞くと、みなさんそれぞれに思い入れのある曲もあるんじゃないですか?

高橋:歌詞で言うなら『泥々倍々Day(デイデイバイバイデイ)』は思い入れがありますね。

ーアルバムの1曲目ですね。この曲はタイトルから意味がありそうですが…

田口:タイトルは僕が付けました。自分のやってることが例えダサくても、泥だらけになって貫いたら結果的にカッコいいんじゃないかと。“泥々”でも毎日続ければ“倍々”で良くなっていくという曲ですね。歌詞はAメロBメロでディスっているんですけど、その生き方を貫いたら自分だけは自分の味方でいられるという内容です。

高橋:この歌詞は二人で書きました。僕が書いた部分を田口が直して、その反対もありながら完成しました。レコーディングの直前まで書いていたので、思い入れがありますね。他にも、『衝動』は最初から歌詞がだいぶ変わっていて、気持ちもこもっています。

田口:歌詞は3回ぐらい変えたよね。

高橋:ライブでの自分のスタンスに迷いがあって、どうすればいいのか分からなくなっていた時期があったんですが、一周回って初期衝動でやろう決めたタイミングでこの歌詞を書いたので、『衝動』を歌っている時はすごく気持ちがアガりますね。あと、10曲目の『オミナエシ』も好きですね。

ータイトル名の『オミナエシ』は花の名前ですよね

田口:そうです。花言葉は“忍耐”で、夏の終わりが見頃の花です。『オミナエシ』は漢字で「女郎花」と書くので、字面も花言葉も季節もすごく女性目線の歌詞とシンクロしていいなと。その花が咲いている田舎の夏の景色をイメージして書きました。

ー今作の中でも雰囲気の違う曲ですよね

田口:僕らの中で曲にカラーがあって、『オミナエシ』は青系の曲ですね。先ほど出た『泥々倍々Day』は赤系です。

ー赤系と青系というのは、バンド名のRED in BLUEに合わせて分けているんですか?

田口:RED in BLUEだからというのはないですね。みんなの中でのイメージで分けている感じです。

ーそうなんですね。山崎さんがドラムで大変だなと思った曲をお聞きしてもいいですか?

山崎:『衝動』ですね。ずっとギターが鳴っていて、それに合わせるようにドラムも16分で入ってるんですよ。つまり忙しいということです(笑)。

一同:笑

山崎:この曲は頭から最後まで忙しくて休みもないんですよ。音楽のことを知るより、筋肉を鍛えた方がいいのかなと(笑)。

一同:笑

ー(笑)。でも、そのドラムがあるからギターが映えると思います。ギターのフレーズでお気に入りの曲はありますか?

田口:『ファイヤーバード』ですね。エフェクターをたくさん使った音が入っています。フレージングというより、エフェクター込みで機材につないでアンプから大きな音を出した時に、ちゃんと曲として成立したものが作れたなと。イントロやアレンジにオマージュが入っているので、分かる人はニヤッとすると思います。ちゃんとアーティストさんに許可も取っています。あの人みたいになりたいという次元から一段階上げて表現できた曲ですね。

高橋:歌詞は田口が書いているんですけど、ストーリーがあるんですよ。

田口:制作期間中に『日々ロック』というマンガにハマって、その4巻で耳が聞こえづらい女性にバンドをやっている主人公が自分の曲を届けたいという話があって、それに感化されて歌詞を書きました。最終的にその女性はライブでダイブをしてステージ近くまで行き、主人公のボーカルがその手を取った時に初めてその人の音楽が聴こえた気がするというストーリーなんです。そのダイブしてどこまでも泳いでいくことや、バンドが放っている音がその人の耳まで届くことも泳いでいるところから、あの人の星まで届けという表現に上手くつなげられたなと。距離をM50、M80という星雲で例えるなど、我ながらキザな感じで作れたと思いますね。

高橋:MVもとにかく伝えるんだという感じになっています。

田口:男性はとにかく女性に伝えたい、女性は音楽を知りたいという、届けたいと知りたいに焦点を当てていて、それを祐揮が上手く歌えたと思いますね。

ーこの曲は結構深いんですね。僕はその次の曲『シャンデリア』が好きです

田口:この曲が一番開き直って作りましたね。僕がこういう雰囲気にしたいと提示した曲があって、そのような曲ができたはいいけど本当に大丈夫だと思う?って何回かメンバーに確認しました。その時に、ここまでしっかりやったんなら、逆にリスペクトじゃないかと言ってくれて。でも、思った以上にRED in BLUEの色になっているので、ぜひ聴いてほしいですね。

ー自信もあるということですね。そして、最後の『誰が為』はライブ感があって、終わり方も結構好きです

高橋:この曲はライブで絶対にやりますね。

田口:この曲を作った当時はメロディックパンクのバンドさん達とライブすることが多くて、そのバンドが「最後の曲です!今日も〜」とマイクスタンドにボーカルがかじり付くイメージで歌い出しを作りました。そうなるとジャンプもしたくなり、節々でジャンプシーンを設けたテンションの高い曲ですね。最後アルペジオと歌だけで終わった後、アルバムが一周して「ファーン」というギターの音が聴こえてきて、またライブの始まる感じがいいなと。

ーそこまで考えているんですね。そのアルバムのタイトル名をなぜ『Hybridize』にしたんですか?

高橋:僕らは聴いていただいた通り様々なことをやってるんですけど、それを自分たちで全部融合させてRED inBLUEとして出すんだという決意ですね。いろんなものを掛け合わせて新しいオリジナルを作るぞという意味のタイトルです。

田口:僕たちが掛け合わせる側です。「ハイブリッド」は掛け合わさったものですが、「ハイブリダイズ」は俺らが掛け合わせるという動詞なんです。そして、これを持ってツアーもします。趣向を変えた対バンをレコ発に呼ばせてもらっているので、そういう意味でも化学反応が起きたらいいなと思います。

ー来年1月に東名阪を回って最後に地元の広島でフェスをやるんですよね

田口:はい、広島のクアトロでやります。

高橋:キャパ800です。

田口:そこでイベントをしようという20代のバンドが知ってる限りいなかったので、去年俺らが一番最初にやってやりました。それを続けないといけないと思って今年もやります。

ー来年早々にそのイベントはありますが、それも踏まえて来年の意気込みをお願いします

田口:開いた口が塞がらないようなライブをしたいですね。クオリティは無限に上げていきたいし、理解できなくてもいい。ぶっ飛ばしてライブをやって、それが良かろうが悪かろうがポカーンとなってくれたらいいなと思っています。

高橋:ステージを一つ上げたいですね。自分たちで理想を築いて、それを追っていけるようにしたいです。

山崎:ドラマーとして他が気持ち良く演奏できるかを考えてやっていきたいですね。しっかりした土台があっての歌や暴れるギターがあると思うので。

磯村:サポートで参加させてもらっているので、なるべく原曲のイメージを壊さないようにしつつも、自分らしさもある程度出していければなと思っています。

ーありがとうございます。では最後に、このアルバムを手に取ってくれる人へ向けてメッセージをお願いします

高橋:僕たちが活動してきた5年間が詰まっています。やっとスタートラインに立てた一枚になっているので、斬新なことばかりやっているなと思うかもしれませんが、メッセージを伝えようとする姿勢に芯は通っているので、それを感じ取ってもらえたらうれしいです。

RED in BLUE『ファイヤーバード』Music Video

■リリース情報

『Hybridize』
1st Full Album
2017.12.6 発売
2,130円(+tax)

■LIVE情報
Hybridize Release Tour 2018
1月19日(金) 愛知池下CLUB UPSET
1月20日(土) 東京下北沢ERA
1月22日(月) 大阪心斎橋Pangea

Hybridize Release party [FULL POWER FES 2018]
2月11日(土祝) 広島 CLUB QUATTRO

■オフィシャルWEB
http://www.redinblue.info

■プロフィール
2012年、広島にて結成。リアルタイムにこだわったエフェクティブかつトリッキーで予測不可能なサウンド。それらとせめぎ合う、まるで戦いのように熱く泥臭い感情的なボーカルと爆発的なステージング。一度耳にしたら離れない、懐かしくグッとくるメロディとシンガロングを武器に、広島から全国へ斬り込む。2017年3月には、広島CLUB QUATTROにて、彼女 in the display、ALL OFF、感覚ピエロ、FABLED NUMBERを迎え、RED in BLUE主催フェス『FULL POWER FEST'17』を大成功に収める。さらにE.P.『GOOD LUCK』を日本各主要都市のTOWER RECORDS、ライブ会場にて発売。そして、12月6日に待望の1stフルアルバム『Hybridize』をリリース。

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