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INTERVIEW 旬のアーティストインタビュー

2017.1.7

緑黄色社会が『Nice To Meet You??』で魅せたポップ・センス

「最終的に自分はこう在りたいというメッセージがどの曲にも入っています(長屋)」

緑黄色社会が、1月11日に1stミニアルバム『Nice To Meet You??』をリリース。彼らにとって初の全国流通盤となる今作は、幅広い世代へ届けることを意識した1枚となっている。その独自のポップ・センスを武器に、名古屋から全国へ進出する緑黄色社会のメンバー全員にインタビュー!

取材・文 坪井

ーまずはバンド結成から今に至るまでを聞いてもいいですか?

小林壱誓(Gt/Cho): 僕と長屋、peppeの3人が高校の同級生で、最初の1年間は部活内でコピーバンドをしていました。そのうち、こんなにいいボーカルがいるのにどうしてオリジナルをやらないんだと思うようになって、ベースを探し始めたんです。それで小さい頃から知っていた真吾に声を掛けて今に至ります。

ーそれからオリジナル曲を作り、2013年の『閃光ライオット』に応募したんですか?

小林: そうなんです。実は初めて作った曲で応募しました。

ーそれで準ブランプリを取ったのはすごいですね。10代で注目されたみなさんですが、その後発表した音源はライブ会場限定での3枚。スローペースですよね

長屋晴子(Vo/Gt): せっかく『閃光ライオット』で注目されたのに、自分たちは何をしているんだろうという気持ちがありました。もちろんやる気はあったんですけど、自分たちの中でもどうしていいのか分からない状態で…。

小林: 宙ぶらりんになっちゃった時期があって。

長屋: 普段通り曲も作ってライブ活動もしていたんですけど、ここからどう進んでいいのか分からない。何をすればいいのか分からないという状態になってしまったんです。それがようやくここ1年ぐらいで、曲作りやライブなど緑黄色社会の在り方がやっと掴めてきて。やっと準備ができたので、今のタイミングでリリースしました。

小林: やりたいことに満たない感じがあって3年ぐらい苦しかったけど、このメンバーだからここまでこれたという思いはすごくあります。

ーその時期を経て2017年1月11日にリリースされる待望の新作『Nice To Meet You??』ですが、タイトルの意味は「はじめまして」ですよね。“??”と疑問形にしているのはなぜですか?

長屋: はじめまして何ですけど、「会ったことありませんか?」くらいの近い距離感です。すっと心に入っていけるような曲たちが出来上がったんじゃないかなと思ったので、そういう意味も込めて疑問形にしました。

ーその今作ですが、これまでよりもシンセの音が強くなった気がします

長屋: 昔の音源はピアノ音でやっている曲が多かったと思うんですが、最近はシンセサイザーの音色を取り入れているので、ぱっと聴きの印象もだいぶ変わると思います。

ー打ち込みも増えていますよね?

小林: そうですね。打ち込みが増えたのはドラムの脱退が大きいのかなと思います。その影響でエレクトリックなドラムサウンドになった曲もあります。

ー詞曲は基本的に長屋さんが書いているんですよね。悩みを率直に書いているなと思ったんですが、詞は長屋さん自身の経験ですか?

長屋: 私は自分の行動やあらゆる選択肢で悩むことが多く、後悔することが多いんです。他の人はそんなに考えないことも、深く考えてしまう。そういうのもあって、自分に言い聞かせている曲が多いのかなと思います。

ーそういう意志をサウンドも含め表現されていると思いますが、収録されている5曲それぞれにイロがあって、バラエティに富んでいますね

穴見真吾(Ba/Cho): 曲は幅広く聴けるようになっていると思います。例えば、3曲目の『regret』の入りはそんなに明るい感じではなく、ドラムも打ち込みでサウンド的にも無機質なんですけど、最終的には前向きになる詞なので、それをベースの弾き方で表現しています。

小林: 演奏自体は無機質なんですが、歌詞にすごく表情があるので、そのミスマッチが面白い曲になっています。そんな曲もありながら1曲目の『またね』みたいにギターロックな曲もあるという意味で、いろいろな人に届くようなミニアルバムになっていると思います。

peppe(Key/Cho): そう、全部前向きというところに辿り着くんですよ。

長屋: ぱっと見ではせつなくて下向きと思われる曲かもしれないですけど、最終的に自分はこう在りたいというメッセージがどの曲にも入っています。特に1曲目『またね』は、ダメな自分に気付いているけれど変われなかった自分がいて、もう考えるのを止めようと思った曲。それを決意してからだいぶ前向きになれたというか、昔のことなんてどうでもよくなれたというか、すごく明るい気持ちになれたことで書きました。私は共感してほしくて書いているわけじゃなくて、優先すべきがまだ自分の中で完結しているんです。まずは自分のための曲であって、それに当てはまる人に届けばそれでいいし、そういう人が増えていくのならそれでいいと思っています。

小林: 『またね』に関しては長屋の経験に基づいた歌詞だと思うんですけど、男からすると全然分からない(笑)。女性が書いたものだし女性目線なので、こんなこと考えないよって言ったんです。そうしたらpeppeから「えっ!? 私は一部始終共感なんだけど」って言われて(笑)。

peppe: 私は100パーセント共感で。逆に「なんでわからないの?」みたいな(笑)。

小林: そうなんだと思って聴いていくうちに、Cメロの「抜け殻にきづいたなら 私を探して~」という詞に当るんですが、そこでやっと男である僕が「こんなふうに思ってるんだ」とグッときました。すごくゾワっとしました。その一方で、自分のどこかにある女心みたいなものがくすぐられて、アツくなる感じもしたんです。女性目線の歌詞なのに、男の僕の心の裏をほじくられるような気分になったので面白いなと思いました。

ー男でも理解できる部分があるというわけですね。長屋さんは自分の中で完結しているとおしゃっていましたが、それは『またね』以外の曲でも同じですか?

長屋: そうですね。基本は自分主体で出来上がっている曲が多いので。

小林: でもそれって最近だよね。長屋自身が変わって、僕らからも歌詞に対してすごく素直になったことが分かるようになった。

長屋: 今もそうなんですが、昔は自分のことを話したり相談することが苦手で。昔は、歌詞に関してもどこか探られないように、自分の気持ちを隠して分かる人に分かればいいぐらいの感じで歌詞を書いていました。でも、それだったらステージに立っている意味がないなと思うようになって。歌詞に関しては、最近では素直に自分の気持ちを書けるようになったと思います。共感してほしくて書いてるわけではないけど、共感してもらえることも多くなってきて、結果的に人に伝わることも増えてきました。以前はメンバーも理解できないことが多かったと思うんですけど、最近は伝えられるように意識して書けるようになってきたと思います。

ーメンバーに伝わらないと曲のイメージが分からないから大変ですね。曲はどのように作っているんですか?

長屋: 昔はスタジオに入ってその場で作ることが多かったんですけど、最近は私が弾き語りで作ってきた基盤をみんなに投げて、アレンジを考えてきてもらっています。

ーということは、セッションでは作っていないんですね

小林: そうですが、今スタジオでセッションして曲を作っても面白いかなと思っています。緑黄色社会って、フレーズから始まる曲が多いんですよ。今作では、peppeが作った『Bitter』のフレーズを聴いて「この曲は絶対いい曲になる」という確信が持てたし、『アウトサイダー』も長屋が持ってきた段階でイントロのフレーズが付いていたんですが、「このフレーズだったら超ロックでいい曲になりそう」という話だったり、『またね』は最初から歌始まりで持ってきたんですけど、「つかみがいいじゃん」というつかみ(=フレーズ)勝負みたいなところが緑黄色社会にはあって。そういうビッグバンが起きやすいのって、たぶんスタジオなんだろうなと思うので、やってみたいですね。

ーセッションならではの良さもあると思うので面白そうですね。いま話にも出た『Bitter』は今作で唯一peppeさんが作った曲ですよね

peppe: はい。イントロからサビまで作っていた曲をみんなに聴かせたら即「いいね」となって、そこに長屋が歌詞をつけてくれたんです。私はカッコいいピアノロックみたいなイメージで作っていたんですが、歌詞が乗った瞬間、女の子っぽいかわいい曲になって。すごくいい化学反応が起きたなと思いました。新しい長屋の面をこのメロによって引き出せたのも新しい発見だったし、今作の中でもポイントの曲になっていると思うので、自分たちにとっても新しい曲だと思います。

小林: このpeppeの曲が、緑黄色社会の秘密兵器みたいな感じがしました。全く違う方向から飛んでくるものなので、たぶん聴いた人も驚くと思いますね。

ーみんなとは違う感性を持っている人がバンド内にいるのはいいですね

小林: peppeはポップでかわいくてちょっと洋楽寄りの雰囲気を持った曲が作れる。元々それが体に染み込んでいると思うので、そのセンスが緑黄色社会に入ってきてくれるのはすごくウェルカムですね(笑)。

ー(笑)。先ほどpeppeさんが新しい長屋さんの面を引き出せたと話していましたが、peppeさんのメロだからこそこのような詞が書けたと思います?

長屋: 普段かわいらしい詞を書くことはあまりないので、peppeのメロだったからこそこういう詞が書けたと思います。最近では私以外も曲を作っているので、そこに詞を乗せることはあるんですが、人のメロディだから書ける詞もあるなと。それで私もいろいろな面に気付くこともあるので、こういうやり方もすごく面白いと思います。

ーまさに化学反応ですね。そして最後にライブでお馴染みの『丘と小さなパラダイム』が収録されていますが、どうして過去の曲を入れようと思ったんですか?

小林: これから聴いてくれる人の数よりも、今まで聴いてくれていた人の数の方が少ないと思うんです。その人たちが支持してくれている昔からある楽曲を、あえて全国の人に届ける段階で再構成しました。メロディと歌詞、コード、尺と歌詞も若干変えています。それは新しい挑戦ですね。今までこの曲を聴いてきた人からすると違和感があると思いますが、その挑戦した曲を新しい緑黄色社会の『Nice To Meet You??』という名刺に、載せるべきだと思ったので一番最後に置きました。

ー緑黄色社会の名刺代わりの1枚となる今作に欠かせない曲ということですね

小林: この曲がないと若干不安定な感じがします。全部が新しい曲だと初の全国流通のミニアルバムとして、不安定な印象があると思うんです。

ーそういう意味でも大切な曲なんですね。そして、4月7日(金)にell.FITS ALLで初のワンマンライブも行うんですよね

穴見: そうなんです。初のワンマンをやるんですよ。

小林: 最初のワンマンはどうしても名古屋でやりたかったので、それが実現できてうれしいです。今からじっくり考えてその日を迎えたいと思います。そして、ワンマンが終着点じゃないので、その先のことも考えたいですね。

ーこのワンマンからがスタートだと思うので、そういうライブを見せてほしいなと思っています。では最後に、2017年の抱負をお願いします

長屋: 個人的なことになるんですが、自分の可能性を広めていきたいです。すごく引っ込み思案で新しいことに挑戦することがそんなに得意じゃないんですけど、2017年は自分から新しいことに取り組んで自分ができることを広げていきたいなと思っています。それを私生活もバンド活動も、その他の面でも活かしたい。そうなれば、きっともっと自分も楽しくなる気がします。

小林: 時間はすごいスピードで流れていくけど、そのひとつひとつをちゃんと記憶に残してじっくり見つめたいと思います。2017年は全部体に刻みたいですね。

穴見: 個人的な話になるんですが、男としてカッコ良くなりたいです。僕も引っ込む部分があって、言えばいいところで言えないことが多いので、2017年はさらっと言えるようになりたいです。

peppe: 2017年の最初に出せたミニアルバムに自分の曲が入って、その曲で新しい面が見せられたのは自分の中で本当に大きくて自信になりました。いま作っている曲でも、バンドに新しい風を入れられたらと思います。2017年は私の曲でバンドを飛躍させます!

緑黄色社会 「またね」 MV

■リリース情報

『Nice To Meet You??』
1st Mini Album
2017.1.11発売
1500円(+ tax)

■LIVE情報
緑黄色社会 ワンマンライブ
4月7日 名古屋 ell.FITS ALL

■オフィシャルHP
http://www.ryokushaka.com/

■プロフィール
2012年活動開始。ボーカル長屋晴子の力強く透明で時に愛らしい独特な歌声、キーボードpeppeの型にはまらないフレーズ、ギター小林壱誓の柔らかいコーラス、バンドを支える最年少、穴見真吾のベースライン。同級生3人と幼馴染で組まれ、お互いを知り尽くした4人がそれぞれの個性を出し合い、様々なカラーバリエーションを持った楽曲を表現し続けている。2013年の『閃光ライオット』で準グランプリを獲得。これまでに自主制作音源『ノンカテゴリ』『ラストプレゼント』『リアリズム』をライブ会場限定で発売(完売)。そして、2017年1月11日に初の全国流通盤となる1stミニアルバム『Nice To Meet You??』をタワーレコード限定でリリース。4月7日には初のワンマンライブをell.FITS ALLにて開催。

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