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INTERVIEW 旬のアーティストインタビュー

2017.1.5

さユりを導いた『フラレガイガール』のリアル感

「フラレガイガールとしてそこで生活している感覚で歌っています」

RADWIMPSの野田洋次郎がさユりの歌声に惚れ込んだことで実現した、今回のシングル『フラレガイガール』。野田洋次郎の詞の世界観とさユりの繊細な歌声がひとつになったラブソング。その楽曲と、歌うことで人と繋がれるかもしれないという思いから生まれた、さユり作詞作曲のカップリング曲『アノニマス』について話を訊いた。

取材・文 坪井

ー今作『フラレガイガール』は、RADWIMPSの野田洋次郎さん楽曲提供&プロデュースですが、野田さんとはどのようないきさつで出会ったんですか?

さユり: 初めてお会いしたのは2015年の12月でした。ちょうど私がレコーディングをしている時に、たまたま隣のスタジオにいらっしゃったんです。音楽を始めた14歳の頃からRADWIMPSの大ファンだったので、デビュー曲の『ミカヅキ』のCDを持って挨拶に行ったら、快く受け取っていただいて。曲も聴いてくださり、それからしばらくたってから「作った曲があるんだけど、自分が歌うのではなく、歌ってくれる人を探している」と私に声を掛けていただいてうれしかったです。

ー楽曲を初めて聴いた時の印象はいかがでした?

さユり: 優しい曲だなと思いました。歌詞がすっと入ってきて、泣きそうになるのをこらえながら聴いていました。

ー曲を聴いて泣きそうになったんですか?

さユり: はい。閉じ込めていた自分だけが知っている大事な記憶に、言葉と音を与えてくださったような感覚があって。だから、歌う時もその感覚で歌いました。

ーさユりさんは『フラレガイガール』ような歌詞は今まで書かれていないですよね

さユり: そうですね。歌詞に出てくるあなたとの距離感がすごく近いところは新鮮でした。「わたしをフッてんじゃないよバカ」って言葉はすごく真っ直ぐですよね。

ーその歌詞は完成したものを見られたんですか?

さユり: 最初は2番までありました。

ーそれ以降は野田さんと一緒に作られたんですか?

さユり: 一緒に作ってはないんですが、最後の部分が、最初の歌詞はもうちょっと愛おしい気持ちを告白するような終わり方だったんです。でも、『フラレガイガール』っていうタイトルは、ポジティブな気持ちも共存しているなと最初に思って。私も自分で歌ってきた曲はそこを大事にしているので、私が歌うならそのニュアンスを込めたいと思い、「“フラレガイ”のある感じをもう少し強く」というお願いをさせていただきました。

ーその最後は「次の涙も溜まった頃よ」と、失恋を振り切ったような言葉で終わっていて印象的ですね

さユり: 最後に「次の涙も溜まった頃よ」と涙を味方につけるというか、涙が溜まったから次へ進むという歌詞は、これからやってくる悲しみを受け止める強さがあるという表れだと思うので、すごく気に入っています。

ーリクエストされた最後の部分も含め、詞の内容はさユりさんご自身とリンクするところもありました?

さユり: 全体の心の揺らぎ具合は自分の記憶とピッタリ合いました。フラれた時の悲しい気持ちを歌う曲は多いと思うんですけど、実際はもっといろいろな感情が入り乱れ絡み合っていると思うんです。その全部を大事にする歌詞が自分とハマりました。

ーそういうご自身とリンクする部分があるからこそ、気持ちを歌に乗せやすいのかなと思います。歌い方などで気を付けた点はあります?

さユり: 頭で考えてこうしようというのはないですが、すごくリアルタイム感のある歌詞だと思うんです。歯磨き粉などすごく生活感のある言葉から、フラレガイガールは実際に生活していて、感情と戦っている感がすごく強いので、そこに潜り込むように歌いました。実際にフラレガイガールとしてそこで生活している感覚で歌っています。

ー歌詞はリアルな言葉が多く、さユりさんにとって挑戦でもあったと思います。それを歌で表現するのは大変でした?

さユり: 歌詞とメロディが最初からすごく素敵な世界を生みだしていたので、私がこの歌詞をどう表現しようというよりも、歌詞にあるメロディに導かれるような、優しく抱きしめられるような感覚もあって自然と歌えました。

ーそして、カップリングの『アノニマス』はさユりさん作詞作曲です。この曲は、どのようなきっかけで生まれたんですか?

さユり: 私はデビュー前から路上ライブをしてきたんですが、立ち止まって聴いて下さる人は街を歩いている人たちで、みんないろいろなことを考えていると思うんです。でもそれは見えないもので。路上で歌っていると、立ち止まった方から「会社へ行きたくないと思っていたけど歌を聴いて変わりました」「実は昨日嫌なことがあったけど歌を聴いて気分が晴れました」という内側のことを話してくれることがあったんです。それが見えたことで、私は大事なものを抱えている人たちに向けて歌ってるんだということが分かった。その内側の部分と繋がりたいなと思ったんです。私は今まで、どこにいても自分の居場所がないという感覚があった。でも、歌うことでいろいろな人と繋がれるかもしれない。その思いからこの曲を作りました。

ーサビ中に2回「アノニマス」という言葉が出てきますが、最初と2度目とでは声が違いますよね。最初が作られた声で、2回目がさユりさん自身の声で

さユり: 気付いていただけたのはすごくうれしいです。

ーその声もそうなんですが、この曲には2人のさユりさんがいるのかなと感じました

さユり: 私はいろいろな自分と活動しています。『アノニマス』のミュージックビデオでも“さユり”というキャラクターが3人出てきます。すごく後ろ向きな自分と、すごくエネルギーを持った自分。そういう多面性は常に自分の中にありますね。いろいろな自分がいるからこそ出来る曲があると思っています。

ーなるほど。そして、「応答してよ」という強めの言葉で終わっているところに曲の意味があるのかなと思うんです

さユり: 私には知りたいという感情が強くあって。何かしら私が歌ったこと生きたことに対して、返ってきてほしい思いが「応答してよ」という言葉の中にはあるし、自分が歌って自分に跳ね返ってくるだけじゃなく、聴いた人が聴いたことを受けてどこかに何かを放ってほしいと言う思いもその言葉にはあります。

ー『アノニマス』のミュージックビデオは道の真ん中で力強く叫んでいる姿が印象的です。先ほど路上で歌っていたとおしゃっていましたが、原点であるその場所を選ばれたのかなと思ったんですがいかがですか?

さユり: 撮影場所は新宿の南口なんですが、そこでよく路上ライブをしていました。デビュー曲の『ミカヅキ』のPVもそこで撮ったぐらい思い入れのある場所です。新宿はいろいろな人がたくさん出入りする駅で、いろいろな感情が渦巻いている。それが顕著に出ているなと思って好きなんです。

ー映像にもありましたが、裸足で路上ライブをしているんですね

さユり: そうですね。ずっと裸足で歌っていました。裸足だと汚れますが、汚れるとその場にいたという感覚がすごく残るし、自由な感じがするんです。

ーさユりさんの力強い声はその路上で培われたんですね。では最後に、2017年の抱負をお願いします

さユり: 今までもそうですが、これからも新しいものを作り上げていくことを繰り返していきたいです。恐れずいろいろなものに出会っていきたいですね。その中でたくさん曲を作っていきたいし、新しい歌もどんどん歌っていきたいです。

“酸欠少女”さユり 「フラレガイガール」MV

■リリース情報

『フラレガイガール』
2016.12.7発売
初回生産限定盤A(CD+DVD) 1600円(tax in)
初回生産限定盤B(CD-DVD) 1600円(tax in)
通常盤(CD) 1000円(tax in)

・初回限定盤A(CD収録曲)
1.フラレガイガール
2.アノニマス
3.プルースト -弾き語りver.-
4.ルラ

・初回限定盤A(DVD収録内容)
渋谷WWWワンマンライブ
「ミカヅキの航海」ライブダイジェスト映像(2016/4/23)

・初回限定盤B(CD収録曲)
1.フラレガイガール
2.アノニマス
3.ニーチェと君 -弾き語りver.-

・初回限定盤B(DVD収録内容)
アノニマスMV(フルレングスver.)

・通常盤(CD収録曲)
1.フラレガイガール
2.アノニマス
3.アノニマス -酸欠remix-

■オフィシャルHP
http://www.sayuri-web.com

■プロフィール
人と違う感性・価値観に、優越感と同じくらいのコンプレックスを抱く“酸欠時代”の象徴=「酸欠少女」として、アコギをかき鳴らしながら歌う、20歳の2.5次元パラレルシンガーソングライター。2015年8月にフジテレビ“ノイタミナ”アニメ『乱歩奇譚 Game of Laplace』EDの『ミカヅキ』でメジャーデビュー。2016年2月には、”ノイタミナ”アニメ「僕だけがいない街」EDの2ndシングル『それは小さな光のような』をリリース。同年6月に『るーららるーらーるららるーらー』を配信限定でリリースし、iTunesトップアルバム総合チャートで1位を獲得。注目度の高まる中、12月7日にRADWIMPS野田洋次郎、楽曲提供&プロデュースによる4thシングル『フラレガイガール』をリリースした。

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