1. HOME
  2. INTERVIEW
  3. Shout it Outが叫ぶ、青春のリアリティ。

INTERVIEW 旬のアーティストインタビュー

2016.7.16

Shout it Outが叫ぶ、青春のリアリティ。

「死にたいという言葉を超えるぐらい、生きるという言葉を吐いてやろう(山内)」

『未確認フェスティバル2015』でグランプリを獲得してから、ものすごいスピードでリリースとライヴを重ねてきたShout it Outが、早くもシングル『青春のすべて』でメジャーデビューを果たした。二十歳を目前にする彼らが、なぜこのタイトルの曲を作り、向き合ったのか。フロントマンの山内(Vo/Gt)と、地元愛知出身の細川(Dr)の2人に話を聞いた。

取材・文 坪井

ーまずはバンド結成からメジャーデビューまでのいきさつからお願いします

山内彰馬(Vo/Gt): 高校1年生の時に軽音楽部の仲間で結成し、大阪の堺市を中心にライブを重ねていました。そして、大阪の『十代白書-頂上決戦2014-』というコンテストで決勝まで行き、『閃光ライオット』では大阪大会セミファイナルを経験し、コンテスト名が『未確認フェスティバル』に変わった2015年にグランプリをいただきました。そして、昨年の12月にミニアルバム『Teenage』、今年の3月に『僕たちが歌う明日のこと』をリリースして、7月6日にシングル『青春のすべて』でメジャーデビューしました。

ー簡潔にまとめていただきありがとうございます。メンバーは山内さんを含む3人は大阪ですが、細川さんだけ愛知なんですよね。どのようにして出会ったんですか?

細川千弘(Dr): Shout it Outは、兄が所属するバンド(the unknown forecast)と何度か一緒にライブをしていたので、もともと兄伝いで間接的につながっていました。彼らが『未確認フェスティバル2015』で優勝した後、兄から彼らがドラマーを探しているとの話を聞いて、“Shout it Outに絶対に入りたい”と思ったんです。そして、兄から連絡先を聞き僕からアプローチしました。

ーそのアツい思いは何からくるものだったんですか?

細川: 僕はずっと同世代とバンドを組みたいと思っていました。ある時、彰馬の書いた曲を聴いて、唯一無二のものを感じたんです。特に歌詞の表現力に惹かれ、バンドに入りたい、このチャンスを絶対にものにしたいと思ってアプローチしました。

ー山内さんは細川さんからのアプローチをどう感じていたんですか?

山内: 「本気か?」と(笑)。彼の存在は知っていましたけど、名古屋に住んでいたので距離的に無理だろうと思っていました。でも、練習のたびに自費で夜行バスで大阪まで通ってくれて、その熱意が本物だとわかって、一緒にやることになったんです。彼が名古屋で可愛がってもらっていたAPOLLO BASEにライブへ行った時、スタッフさんから「彼はずっと同世代とバンドを組みたがっていた」という話を聞いて、彼で本当に良かったと思いました。

ーそれはどれぐらい前のことですか?

細川: 去年の10月が僕にとっての初ライブでした。
山内: 12月に正式加入を発表して、1月にリーダーに就任しました。いま彼はリーダーとして活動しています。

ー加入してすぐリーダーに就任したんですね。結成からメジャーデビューまで4年は早いと思います?遅いと思います?

山内: メジャーデビューに関しては、早いとも遅いとも思っていません。メジャーデビューしていないバンドがカッコ悪いと思わないし、デビューしているバンドが必ずしもカッコいいとは限らない。だから、自分たちにとって今はいい意味で通過点にしないといけないし、満足してはいけないと思っています。僕はあと3日(取材日は7月7日)で20歳になるんですが、7月6日に10代最後の作品となる『青春のすべて』でメジャーデビューできたのは一番いいタイミングだと思います。

ー青春って10代のイメージがあるので、本当にギリギリでしたね

山内: 曲を作る前はそう思っていました。曲を作り始める時に“青春”の意味をちゃんと考えたんです。多くの人が想像する青春は、爽やかな青空で友情や恋愛もあってキラキラしていると思います。でも青春をもっと深く掘り下げていくと、将来への不安やそこから生まれる憂鬱や葛藤の方が、19歳という年齢の青春に一番リアリティがあるなと思いました。晴れ渡る青空のような青春は、一度それを経験した人があの頃は良かったなと過去を振り返って言うものだと。だから、曇り空にスポットを当てた曲を作ったんです。

ー歌詞には「僕らの春はまだ青い」というフレーズが出てきます。これは、みなさんのキャッチフレーズでもあるんですよね

山内: そうです。オリジナル曲を作り始めた高校一年の頃から“僕らの春はまだまだ青い”が僕らのキャッチフレーズでした。『青春のすべて』はタイトルを先につけたんですが、歌詞にこの言葉を入れたいと思ったんです。19歳ラストということで、「僕らの春はまだまだは青くないな」と思いつつ、まだ青いとも言えるぞという意思表示で、「まだ」を一つ削って歌詞の中に入れました。

ーなるほど。これはバンドメンバー内で共有していることですか?

細川: そうですね。青春のイメージは晴れ渡る空よりも曇り空というのは、この曲の歌詞ができた時からメンバー内で共有しています。青春って僕も常に何かと戦って、悩みながら日々を過ごしてきました。彰馬がキラキラした青春とは、青春時代を過ごした大人が昔を振り返って言う言葉だと言っていましたが、確かにそうで、今だからこそ書ける青春の描写だと思いました。

山内: オリジナル曲を作り始めてからずっとなんですが、その時にしか歌えない歌を歌おうと思っています。過去にしがみつきもせず、だからと言って背伸びもせず、本当にリアルタイムで感じたことを書こうと思っているので、それが歌詞に表れていると思います。

ーそして今作の歌詞には「生きる」という言葉が4曲全てに入っています

山内: シングル『青春のすべて』は「生きる」をテーマに作りました。今までの曲は、自分の中にあるものを吐き出していたんですが、今回はもう少し深くまで行ってみようと思いました。曲を作る前に、意識的に同世代と話をしたりSNSをのぞいてみたんですが、みんなSNSに「死にたい」と気軽に書いていたんです。そして気軽に受け止めてしまう。悪い意味で身近になってしまっていると感じたので、今までよりも多くの人に聴いてもらえるメジャーデビューのタイミングで、身近になってしまった死ぬという言葉を超えるぐらい生きるという言葉を吐いてやろうと思ってテーマにしました。

ー「生きる」はメッセージでもあるんですね。そして今作のプロディースをSUPER BEAVERの柳沢亮太さんにお願いしたんですよね

山内: そうなんです。高校生の時にサーキットイベントで初めてSUPER BEAVERのライブを見たんですが、僕が抱いていたカッコいいバンド像が目の前で体現されていて衝撃を受けました。それからチケットを買ってライブに通うほど、SUPER BEAVERのファンになったんです。僕らはメジャーデビューするにあたって、自分たちのやりたいことができなくなるんじゃないかという不安があったんです。SUPER BEAVERは、今の僕らと同じ歳ぐらいで一度メジャーデビューして、色々あってメジャーを離れ、また自分たちの足で歩き始め、今カッコいい曲を作っている。自分たちが抱える不安と似たような経験をされた方なら、メジャーデビューでいい方向に導いてくれるかなと思ってダメ元でお願いしたら、快諾してくださったんです。

ー良かったですね。SUPER BEAVERの柳沢さんと一緒にやってみていかがでした?

山内: 柳沢さんは、何度も一緒にスタジオに入ってくださいました。僕が一番助けられたのは歌詞の部分。実は『青春のすべて』の歌詞にレコーディングの前日まで迷っていたんです。そこで柳沢さんに連絡したら「今から行くよ」と言ってくださり、レコーディング前日の夜にカフェで3時間ぐらい歌詞の相談にのっていただきました。僕らからしたら憧れのヒーローのような存在なんですが、目線を合わせてくださったので、メジャーデビュー作が今までで一番自分たちらしい作品になったと思います。柳沢亮太さんに、純度100%の自分たちを表現するための方法を教えていただきました。

ー柳沢さんから多くのもの得られたんですね

山内: 『青春のすべて』という作品をプロデュースしていただいたのではなく、僕たちの中ではShout it Outというバンドをレベルアップさせてくれた感覚の方が近いですね。
細川: イチ先輩ミュージシャンとしての背中を見せていただきました。例えば、レコーディングの際、現場の人に真っ先にあいさつに行くなど、たくさんのことを学びました。バンドマンとしてどうあるべきかという意識がみんな変わったと思います。

ー社会人としてのマナーも教えていただいたと。音作りに関して印象に残っていることはありますか?

細川: 今回4人全員で音を出してレコーディングしたんですが、柳沢さんが大事にしていたのは、4人だからこその音の塊をちゃんと音にするということ。僕はメトロノームとズレたらダメだと思っていたんですが、ズレるのも逆にグルーヴ感が出ていいというバンドマンならではのプロデュースをしていただいたのが良かったと思います。

ーその音の作り方は、そのままライブに直結しますね。そのライブですが、8月30日(火)にCLUB UPSETで行われます。タイトルが“虎の威を借り、狩られる狐-名古屋編-”。どういう意味ですか?

山内: “虎の威を借る狐”ということわざがあって、「自分より強い人に頼って威張る」という意味なんですけど、先輩の力を借りていろいろな人に見てもらう機会を作ってもらいつつ、メジャーデビューした僕たちが鼻を伸ばさないようにボコボコに狩られようという企画です。トラの威を借りつつ、狩られる僕ら(笑)。

ー(笑)。細川さんの地元でもある名古屋のお客さんはどんな印象ですか?

山内: 名古屋はすごく好きです。3月に11日連続で全国をまわった“「僕たちが歌う明日のこと」リリースツアー”があったんですけど、そのファイナルが名古屋で、自主企画としては初のソールドアウト公演になったんです。ファイナルだったのもあるとは思いますが、その名古屋公演が1番アツかったですね。彼にとっては故郷だし、バンドにとっても第2の故郷ぐらい思い入れのある土地です。
細川: 名古屋はもちろん僕の地元なので大好きなんですが、他の土地に比べて男性のお客さんが多い。なので盛り上がり方も違いますし、勢いもあるので本当にバンドにとっても大切な場所。もっともっと来たいです。

ーぜひ来てください!では最後に今後の目標を教えてください

山内: 『青春のすべて』でメジャーデビューしましたが、まだまだ若手です。僕たちには失うものが何もないので、メジャーシーンに突っ込んでいってかき乱してやろうと思っています。例え大きなステージにも立っても、今までと変わらず近い存在で歌を歌うバンドでいたい。聴いてくれる人に寄り添う音楽をやり続けたいのが目標ですね。
細川: そうですね。今まで通りというのはすごくあって、リスナーさんと一緒に成長できたと思うので、これからもリスナーさんと一緒に大きくなっていきたいと思います。

Shout it Out 「青春のすべて」ミュージックビデオ

■リリース情報

『青春のすべて』
Major Debut Single
2016.7.6発売
初回限定盤(CD+DVD) 1600円(tax in)
通常盤(CDのみ) 1200円(tax in)
※掲載は通常盤

■LIVE情報
Shout it Outワンマンライブ~一から~
8月1日(月) APOLLO BASE

Shout it Out presents 虎の威を借り、狩られる狐
東京編  8月03日(水) 新宿LOFT
名古屋編 8月30日(火) 池下CLUB UPSET
大阪編  8月31日(水) OSAKA MUSE

■オフィシャルHP
http://shoutitout.jp/

■プロフィール
大阪府堺市出身、平均年齢19歳のギターロックバンド。高校3年時の2014年に「十代白書-頂上決戦2014-」の決勝進出を皮切りに、大阪ミナミ・街中ロックフェス「見放題」、「閃光ライオット2014」大阪大会セミファイナルなど、大型イベント・コンテストに相次いで出演。2015年からは地元・大阪以外での活動も本格化させ、「未確認フェスティバル2015」で3254組の中からグランプリを獲得。その後、「イナズマロックフェス 2015」への出演、タワーレコード“FIRE STARTER”より数量限定リリースしたシングル『17歳』が、発売からわずか1ヵ月で完売するなど、一躍10代バンドを牽引する存在となり、同世代の音楽ファンを中心に支持を集める。同年10月に前ドラマーが脱退。同い年のドラマー細川千弘を迎え、Eggsレーベル第一弾アーティストとして2015年12月にミニアルバム『Teenage』をタワーレコード限定でリリース。2016年3月には、4曲入りEP『僕たちが歌う明日のこと』を全国流通盤でリリース。その勢いを引っ提げ、7月6日にポニーキャニオンよりシングル『青春のすべて』をリリースし、メジャーデビューを果たした。

  •  
  •  

< INTERVIEW 一覧へ戻る

他のインタビューを読む

▲トップへ戻る