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ライター ツボイ

2018.5.23

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SPECIAL OTHERS ACOUSTIC 2ndフルアルバム『Telepathy』インタビュー

「ルールじゃなくて、それぞれの少しのモラルで成立するみんなが楽しく入れる場所を提供したい(柳下)」

メジャーデビュー10周年イヤーの昨年、その総決算としてリリーしたコラボ作品第2弾の後にリリースされたのは、3年半ぶりとなるSPECIAL OTHERS ACOUSTICの2ndフルアルバム。前作よりもさらに幅広い楽曲が詰まった、ある意味バンドのイメージを覆す作品に仕上がっている。今作にはどのような思いが込められているのか。5月13日(日)に出演した『森、道、市場2018』の次の日に、柳下"DAYO"武史(Gt)と芹澤"REMI"優真(Key)の2人に話を訊いた。

ー昨日(5月13日)の『森、道、市場2018』はあいにくの雨でしたがいかがでした?

柳下"DAYO"武史(Gt): 雨でしたけどお客さんはエネルギッシュでした。最後まで楽しもう!という気持ちがすごく伝わってきて。

芹澤"REMI"優真(Key): 俺らは屋根のあるステージだったけど、屋根のないお客さんたちは大変だったと思います。でも、みんなそれを乗り越えていい顔していました。

ー雨が逆にテンションを上げたのかもしれないですね。そして、メジャーデビュー10周年イヤーだった昨年の3月に総決算としてコラボ盤をリリースされ、その次の作品が何とSPECIAL OTHERS ACUSTICの2ndアルバム。どうしてアコースティックでのリリースにされたんですか?

芹澤: アコースティックの2枚目を出したかったのと、単純にアコースティックの曲を作るのが楽しくて曲のストックがあったという極めて健全な理由です。

柳下: メンバーのテンションがアコースティックにあったというのもありますね。

芹澤: ファーストアルバムを作ってからずっとエレクトリックと並行してアコースティックもやっていた中で、今回作品ができたから世に出しただけです。2つのバンドは並列でずっと走ってるんですよ。

ーそのファーストアルバムの際は新人バンドという設定でしたが…

柳下: その設定は取り払いました(笑)。おじさんたちがいくら新人と言ってもフレッシュ感が出ないことが分かったので(笑)。でもその時は、SPECIAL OTHERSとは別物ですということを伝えたかったので、新人という設定そのものは良かったのかなと。今はそれを取り払いましたので、今後それに縛られることはないですね。

ー取り払った方が自由にやれそうでいいですよね。そして、今作『Telepathy』にはスペアザの曲が3曲収録されています。前作にも以前の曲が収録されていましたので、入れるのは自然の流れでした?

芹澤: とういうよりも、アコースティック楽器でエレクトリックを表現する上で、ただ原曲をなぞるだけではない面白さを体感してもらえたらなと。実際、昔の曲とはすごく違う曲になって、新しい魅力を出せたと思っていますし。

ー確かに『IDOL』などは原曲よりもキャッチーに感じました

芹澤: 実はアコースティック楽器って、エレクトリックよりも歌心を持った歌ものに近いような気持ちで聴いてもらえる曲になると思うんです。だから、歌のない曲が苦手な人もむしろ聴きやすく、キャッチーになっていると思います。

ーさらに、今回メジャーデビュー前にLeyonaさんと共作された曲『ローゼン』をセルフカバーされていますが、どうしてこのタイミングで入れようと?

柳下: この曲はアコースティックのライブの時、たまにアンコールで演奏していたんですよ。メロディが分かりやすく存在しているから、それをピアニカで吹こうというのがあって、それが今回形になったのと、作った当時からすごくいい曲だなと思っていたので、自分たちの作品に入れることでもっとこの曲の良さを広めたいというのがありました。

ーその今作『Telepathy』ですが、タイトルの“テレパシー”って考えや思いを送信、受信することなのかなと思ったのですが、どのような思いを込めて名付けられたんですか?

芹澤: “テレパシー”という言葉ってすごく納得できるんですよ。テレパシーって超能力なのか目に見えないオカルト的なものなのか分からないけど、言葉は知っていますよね。それに、実はテレパシーってみんな分かっているんです。例えば、音楽を聴いて感動する理由は何ですか?と聞かれても説明はできないですが、音楽を聴いたら感動することは知っている。それって、テレパシーという言葉で合点が行くんじゃないかと。そういう意味で我々はテレパシーを届けたり、受け取っているのではないかと思って名付けました。

柳下: テレパシーって、言葉を使わない何かを発信して受信もすると考えたら、インストバンドだからこそ付けられるタイトルなんじゃないかと思います。

ー確かに歌詞があるとその言葉の意味を直接受け取り理解しますから、それはテレパシーではないですね。見えない何かでお互い送受信するのがテレパシーなんですかね

芹澤: 双方向なものだと思います。ライブでも決して我々が全部を作っているのではなく、お客さんの声や動きも含めた全ての要素が合わさってライブになるから、参加している一部の人はテレパシーを発信する側でもあるんです。

柳下: そして我々もそれを受信していると。

芹澤: 会場に何万人いようが、その中の一人がそのライブを変えられるんです。変えてしまう、変えていけるとも言える。そういう意味ではライブに来ている一人一人が大事なんですよね。

ーなるほど。その意味が込められた作品ですが、グロッケンの音が印象的で、音はループしつつもピアニカやギターなどが重なり変化していくという展開に心地良さを感じました

柳下: 何かひとつのフレーズをずっと繰り返して他が関わってくる展開が俺たちはすごく好きなんです。同じ物なのに角度を変えると見え方がガラッと変わるのと一緒で、後ろで鳴っているコードが変わっただけで、同じメロディなのにさっきまで明るかったのが、今はちょっと切なく聴こえる。そういう展開がすごく好きですね。

ー何となくそこにはクラブミュージックの要素もある気がします。実際、9曲目の『Mirage』は踊れるダンサブルな曲だなと思いましたし

芹澤: 実はこの曲の原型はファーストを作る前からできていました。俺らは踊れるクラブミュージックとして成立するアコースティックを目指しているので、それを象徴するかのようなダンサブルな曲になっていると思います。“アコースティック=しっとりと落ち着いて聴く音楽”という概念じゃないものができていると思います。

柳下: エレクトリックの方でもできるような曲調をあえてアコースティックでやった感じです。あまりアコースティック編成で演奏しないタイプの曲だと思います。イントロはボッサっぽい雰囲気もあるんですけど、途中はちょっとプログレっぽい雰囲気やロック的な要素が入っている。でも、使っている楽器はアコースティックという、ちょっと変な感じを楽しんでもらえたらなと思います。

ーその感じをすごく楽しめる曲だと思います。そして最後は表題曲『Telepathy』です。この曲がアルバムタイトルに繋がっていると思うのですが、どのように生まれたんですか?

柳下: 曲を作っている途中でドラムの良太(宮原"TOYIN"良太)が鼻歌で…。

芹澤: 「宇宙を奏でるテレパシー」って楽器の部分に歌詞をつけて遊んでいたのを聴いて、「テレパシーってすげえじゃん!」と思ったところから、曲のタイトルを『Telepathy』にしようと。さらに、アルバムタイトルにもしたいという話をしました。

柳下: そのテレパシーという言葉にインスパイアされて、曲中でもテレパシーっぽいフレーズを入れようとなり、中盤にテレパシーコーナーが設けられています。

芹澤: ビビビッてね。

柳下: モールス信号のような。そんな遊び心も入れています。

ーそう思うと、今作はゆったり聴ける曲もあれば楽しい曲、踊れる曲もあって、振り幅が広いですね。いろんな人が楽しめそうです

芹澤: 本当にいろんな人に聴いてほしいですね。インストは苦手だという人はもちろん、クラブミュージックは好きだけどオーバーグラウンドのフィールドにいる人はちょっとと敬遠している人にも聴いてほしいし、洋楽しか聴かない人、J-POPしか聴かないという人にも聴いてほしい。全部の人たちが何かピンとくる要素が入っていると思うので。だから、毛嫌いせず、この際YouTubeでも店先で流れているのでもいいので、とりあえず俺たちの音楽に触れ合ってほしいです。10年以上やって来ていますが、まだまだいろんな人に知ってほしいんですよ。

ー「この音はスペアザだよね」という認識を持っている人は多いと思いますが…

芹澤: でもまだまだ届いていない人に届けたい気持ちがあります。たまに高速道路のサービスエリアで、この中に俺らの音楽を楽しんで聴いている人っているのかなと周りを見渡すんですが、何となくいない気がするんですよ。確かに、フジロックやサマソニ、ロッキンジャパンなどのフェスでは俺らの音楽を聴いてくれている人はいると思うんですが、サービスエリアでは全くピンと来なくて。

柳下: じゃあ、サービスエリアで配る?

芹澤: CDを?いいね〜(笑)。

ー(笑)。確かサービスエリアってCDコーナーありますよね?

芹澤: あれって日本国民の心を掴んでいるベストセレクションだと思うんですよ。日本の老若男女の心を掴んでいるものが並んでいる。だから、絶対に優れたCDが置いてあるはず。そこに入ったらすごいと思います。

柳下: 普通に選んで置かれていたとしたらすごく嬉しいですよね。

芹澤: 何を言わんとしているかと言うと、常にドアは開かれているということです。サービスエリアに置かれている音楽って、全ての人に対してウェルカムな音楽なんですよ。誰もがそこにいて、作法もなければ恥もない。本当にこの服装で行っていいのかな、この踊り方でいいのかな、踊っちゃいけないのかな、静かにしていてはいけないのかなというものを全て取っ払ったものにしたいという意思の表れでもあります。全ての人を大歓迎。泣いている人、騒いで笑っている人、真剣に見ている人など、全員がライブで100パーセント楽しめる、誰も恥をかかない空間を作りたいんですよ。

柳下: ルールじゃなくて、それぞれの少しのモラルで成立するみんなが楽しく入れる場所を提供したいですよね。

ーその場所が実現したら最高ですね。そして、今作の初回盤にはチェコ・プラハでの珍道中を収録したDVDが付属します。内容を触りだけ教えていただけますか?

芹澤: すごく面白い話をしているわけではないけど、景色が綺麗だからたぶん楽しいと思います。プラハへ旅行に行く人が事前に予習するために観るDVDだと思ってください(笑)。

柳下: プラハに興味ある人は是非(笑)。おまけで俺らが写ってるぐらいで思っていただければ(笑)。

ーおまけですか(笑)。さらに、5月26日(土)からツアーも始まります。名古屋は7月7日(土)の七夕! ボトムラインにて。どんなツアーにしたいですか?

柳下: 今回は能楽堂や美術館、前回もやった洞窟の中など面白い場所でやるので、まずはその場所自体を楽しんでもらいたいですね。そして、そこで聴けるSPECIAL OTHERS ACOUSTICの音楽を体感してもらえたらと思います。

芹澤: このツアーはその面白い場所と、音響のいい場所でダンスミュージックの側面を存分に味わえるスタイルのライブになります。だから名古屋では、ソリッドですごく踊れる音になると思います。アコースティック楽器でもダンスミュージックのアプローチがあることを、ぜひ体感してほしいですね。

柳下: あと、音源を聴くだけでは分からないことがライブでは伝わると思います。例えば、ギターは僕と(宮原)良太が足でバスドラとハットをやりながら弾く2本編成なんです。そういう音源だけでは分からない部分も楽しんでもらえればと思いますね。

芹澤: 普通のバンドスタイルとは違う楽器構成なので、音だけでは何の楽器なのか見た目の想像もつかないと思うんです。それを見るのも楽しいと思います。

柳下: 頑張ってオーバーダビングなしで録っていて、ライブで再現できるようなことしか録音していないので、おじさん4人がそれを一生懸命再現している姿を観にきてください。

ー本当にいろんな人に観てほしいと思います。では最後に、この作品を手に取る方々へメッセージをお願いします

柳下: ジャンルを超えたいろんな曲が入っています。アコースティック入門編としてもすごくいい1枚だと思うので、聴くだけでもいいので是非手に取ってください。

芹澤: このインタビューを読んだ人はきっと、どういう音楽なんだろう、どういう世界観のライブなんだろうと思っていると思います。でも、その感じは明日になると忘れちゃうので、今すぐ行動した方がいいと思います。後悔はさせないので。

柳下: 決めるのは今だ!

SPECIAL OTHERS ACOUSTIC『STEADY』 MUSIC VIDEO+特典DVD予告編

■リリース情報

『Telepathy』
2nd Full Album
2018.5.16 発売
初回限定盤(CD+DVD) 3,780(tax in)
通常盤(CD) 3,024(tax in)

■LIVE情報
SPECIAL OTHERS ACOUSTIC 2nd ALBUM『Telepathy』Release Tour 2018
5月26日(土) 新潟 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・能楽堂
5月27日(日) 長野 北野文芸座
6月01日(金) 長崎 長崎県美術館エントランスロビー
6月02日(土) 福岡 電気ビルみらいホール
6月07日(木) 宮城 darwin
6月09日(土) 山形 山形県郷土館「文翔館」
6月10日(日) 群馬 ながめ余興場
6月16日(土) 山口 周南RISING HALL
6月17日(日) 岡山 YEBISU YA PRO
6月22日(金) 北海道 札幌cube garden
6月23日(土) 北海道 旭川CASINO DRIVE
6月30日(土) 沖縄 ガンガラーの谷 ケイブカフェ
7月07日(土) 愛知 名古屋BOTTOM LINE
7月08日(日) 静岡 LiveHouse 浜松 窓枠
7月11日(水) 東京 LIQUIDROOM
7月15日(日) 大阪 服部緑地野外音楽堂
7月16日(月祝) 滋賀 サケデリック・スペース酒游舘(追加公演)
8月25日(土) 東京 上野恩賜公園野外ステージ(追加公演)

■オフィシャルWEB
http://www.jvcmusic.co.jp/specialothersacoustic/

■プロフィール
SPECIAL OTHERSのメンバーによるアコースティック・プロジェクト。いつもの楽器をアコースティック楽器に持ち替え、2014年にデビューアルバム『LIGHT』をリリースし、活動を開始。バンド名の通称は SPECIAL OTHERS ACOUSTICの頭文字をとって「S.O.A (ソー)」。2018年5月16日に2ndフルアルバム『Telepathy』をリリース。

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