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ライター ツボイ

2018.1.24

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シングル『僕と魚の物語』から始まるSwimyの新たなストーリー

「『僕と魚の物語』を作ったことで、自分の中でセーブしていた部分が外れたのかもしれない(Takumi)」

約1年ぶりとなるSwimyの新作『僕と魚の物語』には、NHK『みんなのうた』へ書き下ろした表題曲、ライブで盛り上がること間違いなしのハイテンションナンバー『しゅるる』、Swimyの武器である男女ツインボーカルを堪能できる『天使と悪魔の歌』の3曲が収録。それぞれが個性に溢れ、これからのSwimyに期待を抱かせる内容となっている。その楽曲が生まれた背景から、ドラムのみっけ脱退により3人編成となったことで、もたらされたバンドの変化まで3人に話を訊いた。

―平成のまおさんの髪、前回のインタビュー(2017年2月『絶絶ep』リリース時)から結構伸びましたね

平成のまお(Vo/Ba):そうなんですよ。そこから切らずにいたら、ここまで伸びました。1年で人はこれくらい髪が伸びるってことやな。

Takumi(Vo/Gt): なるほど(笑)。

―その時は4人でしたが、今回はみっけさん(Vo/Dr)脱退後3人となって初めての作品になります。制作にあたりこれまでとの違いはありました?

Takumi:レコーディングをする際に結構違いを感じました。僕がDTMで曲を作ってメンバーに聴かせる流れは3人になっても変わっていないんですが、4人の頃は、レコーディングをする時に演奏部分を若干アレンジしていましたが、今回はデモの延長線上にレコーディングがある感じでした。作り手として、3 人になって変わった部分はそこかなと思います。

平成のまお:これまではドラムとベースを一緒にレコーディングしていたんですが、今回はドラムがいなかったので一人でベースを弾きました。同じブースでドラムのグルーヴやバスドラを意識して弾いていたのが、耳から聴こえるリズムにベースを入れるみたいな作業やったのですごく不思議な感じでした。

タイキロイド(Gt/Cho):イツモハTakumiトギターノパートヲカンゼンニワケテ、Takumiガバッキングデボクガリードダッタンデスガ、『僕と魚の物語』デハ、デモノダンカイカラバッキングモリードモフレーズガキマッテイタノデリョウホウボクガヒイテ、Takumiガソウシキシャ・カントクミタイナカンジデシタ。アタラシイココロミデスゴクタノシカッタデスネ。

―3人になって皆さんそれぞれ新しい発見があったんですね。今回ドラムはどうされたんですか?

平成のまお:1曲だけ中畑大樹(Syrup16g)さんに叩いていただいて、そのバスドラやスネアの素材を使いました。残りの2曲はドラムのレコーディング無しで、オーケストラ音源などを組み合わせて作っていきました。

―それも新たな試みですね。また、Swimyはトリプルボーカルも武器でしたが、今回ツインになったことでどのような変化がありました?

Takumi:今までは3人で歌っていたので、Swimyで大切にしている合唱感を意識しなくても出ていたんですが、ツインになったことで歌のハモリや掛け合いなどを制作段階ですごく意識するようになりました。今回の作品の方が、より男女で歌っている感が強くなったと思います。

平成のまお:うん。でも、元々はツインボーカルで、その後みっけが加入して徐々にトリプルボーカルになっていったので、元に戻った感覚の方が大きいかも。だから、あまり違和感なくやれているのはあります。

Takumi:デモの延長線上にレコーディングがあると先ほど話しましたが、歌に関しても同じで、これまでデモの時にみっけが歌うことはあまりなくて、僕と平成のまおで歌いきっていました。それをレコーディングの時に「ここはみっけのパートにしよう」と変えていたところが、今回デモのままになったという感じですね。

―タイキロイドさんの出番が増えたんじゃないですか?

タイキロイド:コーラスガバクハツテキニフエマシタ。

―その3人体制最初の作品『僕と魚の物語』は、何とNHK『みんなのうた』。聴かせていただきましたが、“ザ・みんなのうた”だなと思いました

一同:そうですよね(笑)。

平成のまお:完全にそのためだけに書いた曲なので、“ザ・みんなのうた”という感じに仕上がっています。

―そもそも『みんなのうた』にどのようなイメージがありました?

平成のまお:よくよく調べたら『みんなのうた』じゃなかったんですけど、『およげ! たいやきくん』や『だんご3兄弟』、あと『おしりかじり虫』という曲のイメージでした。食べ物や動物、虫とかが出てくるみたいな。

タイキロイド:『みんなのうた』ノアニメーションハイシツトイウカチョットブキミデ、ポップスギルキョクガアマリナイインショウデスネ。

―『僕と魚の物語』はそれにぴったりハマると思います。お話をいただいてから書かれたそうですが、曲作りにおいて気をつけた点はありますか?

Takumi:子ども向けの番組なので、子どもが聴いて覚えやすく、印象に残るのは自分の中では当たり前で。それよりも、子どもたちと一緒に観る親世代の人たちが聴いても刺さるように、ちょっと懐かしいメロディラインというか歌謡曲のようなサウンドをすごく意識しました。

―そのデモを聴いてお二人はどう感じました?

平成のまお:なんか懐かしい、昔っぽいメロディだなとすぐに思いました。『およげ!たいやきくん』の現代版みたいな。小学生の頃によくテレビから流れていた曲を聴いている感覚になったので、そこらへんはさすがですね(笑)。

タイキロイド:コードシンコウナド、イママデノTakumiニハナカッタカンジノキョクダナト。コンナカンジノキョクモツクレルンダトイウインショウヲウケマシタ。サスガデスネ。

Takumi:なんじゃそりゃ(笑)。

―(笑)。題材はどこから生まれたんですか?

Takumi:このタイミングでしか魚の歌は歌えへんなぁと思って(笑)。バンドやっていて「魚の歌を作ろう」と思ったことは一度もなかったので、『みんなのうた』に曲を書くこのタイミングで、魚をテーマにするのはスッと出てきました。

―なるほど。最初何気なく聴いたら、最後お寿司になって食べられちゃうのかなと思ったんですけど、よくよく詞を読むと違うんですよね。魚を体験することで命のありがたみを知るという内容で

平成のまお:そうです。やっぱり食べられちゃうって捉える人もすごく多いので、そういう人からすれば残酷や怖いイメージになっちゃうんですよね。

Takumi:ミスリードじゃないですけど、ちょっとの勘違いを生んで怖いなというインパクトを残すのも狙いではあります。本来の歌詞には、他の生き物を経験して痛みを知って、いただく命のありがたさを知るっていうメッセージを込めています。

―『みんなのうた』ってそういう隠しメッセージがありますよね

Takumi:そうなんですよ。子どもの頃は、「最後に食べられて怖い物語だな」と思っていたけど、大人になって歌詞を読み解けるようになったら「実はこういう意味だったんだ」と気付ける曲になればいいなと思って。

―この曲を作ったことで、バンドとして得られたものもあったんじゃないですか?

Takumi:ありますね、本当に。

平成のまお:どう考えてもバンドサウンドじゃない曲なので、初めは「ライブでどう表現しよう?」となったんですが、3人でこの曲を表現できたら絶対に楽しいぞとなりました。この曲を作ったことで曲の幅も広がると思いましたし、どんな曲を作ってもSwimyになると思うようになりました。

Takumi:ライブでどうしようと思ったのは、バンドが鳴らすイメージがこの曲からあまり浮かばなかったからですけど、今のSwimyはドラムレスなので特殊なバンド形態。だから、今の僕らのスタイル的に『僕と魚の物語』のようなバンドサウンドでイメージできない曲の方が、ライブで表現するアイデアを練ったらマッチするんじゃないかと。そこから、自分たちが面白そう、鳴らしたい音を鳴らす楽曲をもっと増やすのもアリかなという考えになったので、振り切って1曲作って良かったと思います。

―確かにライブが想像できないです。逆に、2曲目の『しゅるる』はライブ映えする曲ですよね。テンションも高くて

平成のまお:ぶっちぎりのロックというか、今までにない感じの曲やもんね。

Takumi:今までこれだけ真っ直ぐに突っ走るサウンドや歌詞を書いてこなくて。ある意味『僕と魚の物語』を作ったことで、自分の中でセーブしていた部分が外れたのかもしれません。本当にこの曲は真っさらな気持ちで書けたので。これまでは、ライブで真っ直ぐな言葉を叫んだ方が伝わりやすいな、テンションも上がるだろうなと思っても、作り手になった瞬間、そんな真っ直ぐすぎる言葉はダサいなと思って書きませんでした。でも、ライブでの真っ直ぐな言葉こそお客さんに響くのは間違いなくて。だから、もう全部出し切ったれと歌詞を書きなぐったんです。『しゅるる』は『僕と魚の物語』の後に作ったんですけど、それができたのは、自分の中で変にセーブしていたところがなくなったからというのはありますね。

―その『しゅるる』を初めて聴いた時、お二人はどう感じました?

平成のまお:素直に新しくてカッコいいなと思ったし、サビでタオルをグルグル回している画がすぐに浮かびました。だからすごくワクワクして、早く出したいなって。結構気に入っています。

タイキロイド:ハジメテキイタトキ「オレメダテルナ」トオモイマシタ。

―メンバーが3人になったことで気持ちの面でも変化があったんじゃないですか?

Takumi:メンバーが3人になって結構変わったとは思います。自分を奮い立たせるじゃないですけど、ちょっとアツい人間になったのかな(笑)。

平成のまお:あー。でも、最近アッツい人間やで。

タイキロイド:アツイトオモウ。

Takumi:本当?

タイキロイド:リーダーカンガヨリツヨクナッタトオモウ。

Takumi:でも、自分が変わったから『しゅるる』が書けたというより、『僕と魚の物語』で枠が外れたことによって『しゅるる』の歌詞が書けて、その『しゅるる』で紡いだ言葉が自分の人間性に染み付いてきたというか。この曲を書いたことによって、自分自身もちょっと変わったのかなというのはあります。

―この曲を聴いてSwimyの新たな面を感じました。ある意味ターニングポイントになりそうですね

平成のまお:Takumi個人としてもターニングポイントじゃない?

Takumi:そうですね、それはあるかもしれないです。この曲を入れようって決めて良かったです。

―ということは、他にもいろいろな曲があったということですか?

タイキロイド:『しゅるる』ノヨウナマッスグデワカリヤスイアゲアゲノキョクヲイママデツクッテコナカッタノデ、ライブハタノシミダケドソコデエンソウシテイルエガウカバナクテイレルカナヤミマシタ。

平成のまお:ライブのことは考えたよね。このシングル3曲をライブで披露するとなった時に、『僕と魚の物語』はサビでワーっとなるような曲ではないし、3曲目の『天使と悪魔の歌』も盛り上がる曲というより聴かせる曲。ライブに来てくれたお客さんには、メロディをゆっくり聴いてもらう瞬間だけでなく、手を挙げたりタオルを回して楽しかったと思ってもらえる瞬間も作りたかったので、『しゅるる』を入れようとなりました。

―ライブのことも考えて入れたんですね。いまタイトルが出てきた3曲目の『天使と悪魔の歌』は昔からある曲ということですが、なぜこのタイミングで入れようと思われたんですか?

Takumi:インディーズの頃に作った曲なんですが、メンバーみんなが好きな曲だし、自分たちの軸にもなっていて、Swimyを表すのに一番ふさわしい楽曲。『僕と魚の物語』や『しゅるる』は、振り幅の広い挑戦した曲なので、“これがSwimyです”という名刺になるような1曲を入れたいと思っていて、それだったら『天使と悪魔の歌』だねと。今回3人になって初のリリースであり、新たな出発でもあるので、挑戦しつつも今まで培ってきたSwimyのイロも大事にしたくて『天使と悪魔の歌』を入れることにしました。

―コーラスワークなど、この曲こそSwimyのイメージです

Takumi:ありがとうございます。3曲目にしてようやくね(笑)。

平成のまお:安心してほしいのもありますね。1曲目で左向いたと思ったら、2曲目で右向いて、Swimyはどっちへ向かってるんやってなってるので、『天使と悪魔の歌』で前向いたみたいな(笑)。

Takumi:『あっちむいて』こっち向いてね。

―うまいこと言いましたね(笑)。ちなみに、再レコーディングしていますよね

平成のまお:はい。

Takumi:今まで寝かせておいて良かったなと思いました。デモ時点では、アレンジも含めかなり淡白なサウンドだったので、このタイミングでもう一回アレンジができたのは良かったですね。今だからこそできたことも多かったので。

―その当時と今とで特に変わった部分はどこになります?

平成のまお:一番変わったのはギターのリフですかね。

タイキロイド:ソモソモハジメハギターノリフガナカッタンデス。

平成のまお:ギターもベースもバッキングというか、ずっとルートを弾いていました。当時は、初めて掛け合いをする曲が作れたことに満足して、楽器に全く目を向けていなかったんですよ。今回リリースすることになって、こんなシンプルな楽器でいいのかと。ギターの出番もないし。そこで、耳に残るリフも入れようとなったんです。

タイキロイド:ケッコウコノリフムズカシクテ。モシカリニトウジコレヲヤッテイタトシタラ、タブンヒケナカッタ。ネカセテヨカッタ。

Takumi:本当にそうかもね。今でもギリギリやったもんな(笑)。

平成のまお:私はギターのことがあまり分からないんで、何も考えず欲しい音を言ったんです。それを二人が必死に弾いて再現してくれました。

―そうだったんですね。最後にこの新曲からスタートした2018年の目標をお願いします

タイキロイド:サンニンタイセイデノアタラシイフナデニナルノデ、コトシハドンドンブラッシュアップシテ、サンニンデシカデキナイオンガクヲツクッテイキタイトオモッテイマス。

平成のまお:今回の作品でバンドの枠を超えられた感覚があるので、ライブでもバンドの枠を超えたいですね。観にきた人が視覚的にも楽しめるようなライブ作りをもっと考えて、バンドのイメージからかけ離れるぐらいの存在になりたいなと思います。

Takumi:『僕と魚の物語』は「みんなのうた」向けに書いたので今までとは違うけど、Swimyやなっていう要素がちゃんとある。「こんなに振り切ったことをしても、Swimyの感じは残るんやな」と思ったので、これからぶっ飛んだことをし続けられるいいキッカケになったなと。だから、2018年はとんでもない曲を書きたい(笑)。“次”が全く想像つかない曲を作っていきたいと思います。

Swimy『天使と悪魔の歌』Music Video

■リリース情報

『僕と魚の物語』
2nd Single
1月10日発売
1,000円(tax in)

■LIVE情報
Swimy ツーマンshow!! L.O.L page-2 〜二重奏〜
3月03日(土) 京都 MUSE

Swimy ツーマンshow!! L.O.L page-2 〜独演会〜
3月23日(金) 渋谷 eggman

■オフィシャルWEB
http://www.swimy-web.com

■プロフィール
2011年に滋賀県で結成された男女混声のロックバンド。2016年3月TVアニメ『銀魂°』のエンディングテーマに起用された『あっちむいて』でメジャーデビュー。同年6月にミニアルバム『おひとりさま』を発売。2017年2月、TVアニメ『NARUTO-ナルト- 疾風伝』のエンディングテーマ『絶絶』を含む全6曲入りの『絶絶ep』を発売。2017年7月にみっけ(Vo/Dr)が脱退。以降、Takumi(Vo/ Gt)、平成のまお(Vo/Ba)、タイキロイド(Gt,/Cho)の3人体制で活動している。2018年1月10日、NHK「みんなのうた」のために書き下ろした『僕と魚の物語』をリリース。

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