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ライター ツボイ

2018.4.6

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アルバム『GOOD LUCK TRACK』には、いまの竹原ピストルのありのままが詰まっている。

「今回は僕らしいアルバムというか、竹原和生らしいアルバムだと思います」

昨年の『PEACE OUT』リリース後、名前を見聞きする日が増えた竹原ピストル。その彼が4月4日に世に届けるニューアルバム『GOOD LUCK TRACK』は、一言で言うと“あったかい”。飾らないありのままの言葉で背中を押してくれる歌詞と歌に、きっと共感したり勇気をもらえると思う。竹原ピストルが曲に込めた想いとは?本人に話を訊いた。

―昨年『PEACE OUT』をリリースされて以降、竹原さんをテレビなどで拝見する機会が増えました。お忙しい1年だったのではないでしょうか?

竹原ピストル: 頭の中だけという感じですね。年間200本以上のツアーをやっていた時期の方が忙しかったですけど、テレビに出させていただくようになってから、テレビの前日に明日何をするかと考えることが増えたので。

―テレビ番組やCMに出演され、弾き語りツアーで全国も回られていた中、いつ曲を書かれていたんですか?

竹原: ずっと書いていました。ツアー中にポンポン浮かんでくるままに書いていたものですから、曲は割と早い段階で決まりました。それを、去年のツアーの切れ目で録った感じでしたね。

―移動中やツアーの合間に浮かんだ曲を書き留められていたんですね。4月4日にリリースされるアルバム『GOOD LUCK TRACK』ですが、背中を押してくれるような応援歌が多く、今の時期にぴったりな内容とタイトルだなと思いました

竹原: 本当におっしゃる通りで、春にぴったりだと思っています。でも、春にリリースしようと決めてたわけではなかったですね。タイトルの『GOOD LUCK TRACK』というフレーズ自体も、アルバムのタイトルとして前から何となく考えていました。それとは別に曲を書き溜めていって、今回その曲の並びを見たら、旅立ちや戦いなどを応援する気持ちを込めた歌が多かったものですから、このアルバムのタイトルにしました。

―書き溜めていた曲に考えていたタイトルがマッチしたということですか?

竹原: 他にもいろいろなタイトルを考えていたんですけど、今回は『GOOD LUCK TRACK』だなって。

―ぴったりだと思います。さらに、今作は僕の中の竹原さんのイメージと少し違っていて、あたたかい感じを受けました。この一年で何か心境の変化があったのでしょうか?

竹原: 心境の変化そのものはないつもりですけど、前作の『PEACE OUT』が今までにないぐらい沢山の方に聴いていただいたものですから、自分自身での判断ではありますが、竹原ピストルってどういう歌を歌う歌うたいかというのは、前作までできっちり出すことができたんじゃないかと。だったら、“俺はこういう歌を歌うからこそ竹原ピストルなのだ”。というコンセプトめいた自分らしさで縛るのは取っ払って、純粋に浮かんでくるがままに作品を発表していこうと思って。その意味においては変わったですね。そして、それがこの先ずっと続いていくと思います。

―収録曲に関してですが、1曲目の『ぼくは限りない〜One for the show〜』はライブを大事にされている竹原さんらしい曲だなと思いました。ライブへ来てくれるお客さんへの感謝の曲という感じがします

竹原: とにかく、自分がどれだけライブを好きか、みなさんの前で歌うことがどれだけ楽しみだったのかをどうしても伝えたくて。

―前回のインタビューで竹原さんは、「お客さんはお金を払って観に来ている、それに対して僕は人生をかけて精一杯やらなければいけないんだ」とおっしゃっていましたが、その気持ちがあるからこそ生まれた曲だなと

竹原: 全くその通りですね。これまでも歌うたいを主人公としている歌は多い方だったと思うんですけど、そんな歌たちの中でこの曲は一番の自信作です。バッチリ自分の言いたいこと描写できたし、バカっぽいところも出ていてクスッとなる。いいバランスで出来ている曲だなとすごく気に入っています。まず一発目に聴いてもらって、2曲目どうぞみたいな曲ですね。

―完全にその流れだと思います。そして2曲目『Here we go!!』は卒業ソングですよね

竹原: 時々マネージャーとかにお題を頂戴と言うんですが、「じゃあ卒業で」と言われて書いたのがまさにこの曲で(笑)。あまりバチっとしたことを言うべきじゃないですけど、イメージは何となく高校を卒業した少年少女。これから新しい街へ行くんだという思いを浮かべて書きました。

―映像をイメージされて歌詞を書かれるんですね

竹原: やっぱり映像は浮かべますね。1曲1曲なんとなく画があって、それはライブでもちょっと混線してきます。お客さんを見て歌っているんですけど、映像が差し込んでくる。その方が体重が乗るような気がするんですよね。グッと入り込める感じ。聴いてくださっている人も、それぞれの映像がスパッと入ってきてくれたらいいなと思います。

―竹原さんが浮かべる映像と近い映像がリンクすると、より歌が心に染み入ると思います。『どーん!とやってこい、ダイスケ!』は映像ではなく実在する方ですよね

竹原: 途中からワンマンライブだのチケット2500円だのと出てきますからね(笑)。

―そこまでの前半部分は、ダイスケを例えば旅立つ友人の名前に変えると応援ソングとしてハマりがいいなと思いました

竹原: だけども、例えばダイスケという固有名詞を置かなかったり、歌うたいじみたワンマンライブや2500円という描写なしで純然たる応援歌として歌ってしまうと、自分の身の丈に合わないんですよ。万人に向けて「どーん!とやってこい」って言える器じゃないし、ダイスケぐらいだったら言っていいだろというただの先輩風で、でもそこを大事にしているところはあります。キチッと自分の身の丈に合ったダイスケとの関係性があるから成り立つ小ちゃいものの中で「どーん!」と歌って、そこにかすってくれるお客さんがいたらいいなと思って歌っています。

―背伸びするのではなく等身大でいいと

竹原: 等身大でいいんですよ。自分はそんなに大きい人間じゃないし、俺が言えると言ったらこれぐらいかなということを、全力で言えばひょっとしたら伝わるかもしれない。だからこの曲も、自分が誰かにとってのダイスケかもしれないし、自分にとってのダイスケがいるかもしれないというところで、かすってくれたらいいなと思います。

―同じく竹原さんとの関係性の中で成り立っていると思われる『本庄のド根性』という曲ですが、モデルの方がいますよね

竹原: モデルはぶっちゃけいます(笑)。こんなに意味のない曲をよく書けたなと自分でも感心していて。ただ後輩が先輩の試合を応援しているだけのシチュエーションですから(笑)。

―でも、こういう曲こそ竹原さんらしいと思います

竹原: 自分からするととっても僕らしい曲だし、今回は僕らしいアルバムというか、竹原和生らしいアルバムだと思いますね。

―その竹原和生さんらしいアルバムの中で『いくぜ!いくか!いこうよ!』は好きな曲のひとつです

竹原: うれしいです。この曲は建設会社のCMソングで、“建設会社で働いてる人と、建設会社の人が作った道を走るランナーの両方を応援できる曲”というお題をもらって書きました。これまでは、自分が書きたいことを浮かんでくるままにバッと書いて歌ってきましたけど、お題に沿ってひねり出す書き方も今回のアルバムからさせてもらってるんで、すごく楽しかったし新鮮だったですね。だから、好きだと言ってもらえると安心するというか、ポンッて浮かんだ曲じゃない曲でも気に入ってくださるのはうれしいです。

―歌詞に書かれていることは、お題だけに当てはまるものではないと思うんですよ

竹原: もらったバトンを誰かに渡すことって、割と普遍的なことだとは思います。自分も先輩ミュージシャンの方々の背中を追ってここまできたし、ひょっとしたら自分の背中を追っかけてくれる世代もいつか現れるかもしれない。そんなこともちょっと考えましたね。

―特に歳を重ねた人にグッとくる曲だと思います。もう1曲挙げさせていただきたいのですが、『オーバー・ザ・オーバー』はメロディが立っていて他と雰囲気の違う印象を持ちました

竹原: そうなんですよ。メロディって大事だなと思ったんです(笑)。いつもはバッと詞を書いて、この辺のコードでバッとやったらいいんじゃないみたいな。投げやりという意味ではなくて、それぐらいが自分はいいだろうと。この曲はそうじゃなく、結構メロディラインを頑張って考えてみたので(笑)。

―メロディをひねり出すのは大変でした?

竹原: メロディをこれまで考えたことなかったですもんね(笑)。この曲を作ったのはオーガスタキャンプの頃だったので、別の人の歌を歌ったり聴いたりしていて。それがちょっと作用したと思います。秦(基博)くんの曲のメロディラインって面白いな、この符割りは独特だよなと思ってた時期に作ったので、自分もメロディを考えてみようという気になったんじゃないですかね(笑)。

―なるほど(笑)。歌詞はどんなことをイメージされたんですか?

竹原: ズバリなんですけど、アスリートの姿ですね。オリンピック選手やパラリンピックの選手の姿を思い浮かべました。

―確かに歌詞からそれが読み取れます。歌詞といえば、すごく気になった曲が『ドライブトライブ〜初代機材車,二郎号に捧ぐ〜』。機材車との思い出の中に出てくる、各地方のイメージが面白いです。東海エリアの<ブラザー>って実際にいらっしゃるのですか?

竹原: 名古屋でお世話になっているライブバーのマスターに向けて『ブラザー』という曲を作ったので、内輪ネタ的に<ブラザー調子はどうだい?>にしました。問題は<紳士がいねーぞ 野蛮だ近畿>ですね(笑)。ここだけ気を付けていかないと。近畿エリアで曲を流さないか、ここで「ダジャレ先行の冗談である」と断言するかどっちかですね(笑)。

―(笑)。逆に愛情を感じましたけど…

竹原: そうそう、おっしゃる通り!それが言いたかったんです。愛情愛着込めてのこのフレーズ。とういことだけは絶対に書いてください(笑)。

―分かりました(笑)。この機材車そのものにもすごく愛着があったことが伝わってきます

竹原: この車で回っていた頃って、楽屋がないのは当たり前だったので、本番前ずっと車の中で過ごしたり、本当に部屋みたいに使っていたものですから、どうしても愛着があって。

―それがすごく伝わってきます。そして最後の『狼煙』ですが、まさかの朗読でちょっと驚きました

竹原: 朗読ですから中盤に入れづらいのもあって最後にしました。あと、CDをリピートで聴いてる場合、『狼煙』があってから1曲目の『ぼくは限りない〜One for the show〜』に繋がるのもいいなと思って。自分の野心みたいなものを語っているポエトリーリーディングではありますから、スタジオに入ってかしこまって<マイクチェックなし>とやるのもちょっと違うかなと。実際にお客さんの前でこのようなことを述べていたいつかがありましたを分かりやすくしたくて、ライブ音源とさせてもらったんです。

―確かにの朗読からは力強い意志を感じます。この朗読をどうして入れようと思われたんですか?

竹原: 『GOOD LUCK TRACK』のタイトルの通り、頑張れよという明るい曲が多かったから、『狼煙』を最後に入れなくてもまとまるとは思います。でも、ディレクターさんが絶対に入れたいと駄々をこねたから(笑)。じゃあ入れるんだったらライブ音源にしましょうと。決して仕方なしではないですよ(笑)。

―この朗読があることで作品が引き締まると思います

竹原: そうかもしれないです。もうライブでやることはないでしょう。狼煙をあげるのは一発でいいですから。収録させてもらったし、朗読でやることはないと思います。

―やるとしたらバンドセットか弾き語りですか?

竹原: そうですね。その形でやることはあると思います。

―それが観られるかもしれない弾き語りツアーが6月から年内にかけて行われます。47 都道府県を回られますが今回はホールが多いですね

竹原: どこで歌っても楽しいんですけど、ワンマンライブとなるとお客さんは座りの方が好きで。去年はおかげさまでオールスタンディングの会場が多かったですから、もっとのんびり途中で居眠りしちゃうぐらいの感じで聴いてほしいなと思ったので会場を大きくさせていただきました。

―今回は座ってじっくり聴くスタイルということですね。たくさん曲を聴けそうで楽しみです。最後に、今作を手に取ってくれる人へ向けてメッセージをお願いします

竹原: 今まで出した中で一番聴きやすいアルバムだと思っています。僕も力まずにポーンと書いた曲をポーンと録音した感じなので、すごくラクに楽しく聴いてほしいですね。あとは、酒飲んでる時に聴いたら気持ちいいだろうなという曲も意識的に入れてるので、それこそ飲みながらラクに聴いてほしいですね。

竹原ピストル 『ゴミ箱から、ブルース』(YouTube Ver.)

■リリース情報

『GOOD LUCK TRACK』
Album
2018.4.4 発売
初回限定盤(CD+DVD) 3,300円(+tax)
通常盤(CD) 2,900円(+tax)

■LIVE情報
全国弾き語りツアー”GOOD LUCK TRACK”
06月14日(木) 東京 NHKホール
06月22日(金) 大分 別府ビーコンプラザ フィルハーモニアホール
06月23日(土) 宮崎 都城市総合文化ホール 中ホール
06月25日(月) 熊本 くまもと森都心プラザホール
06月26日(火) 鹿児島 かごしま県民交流センター県民ホール
06月30日(土) 山梨 東京エレクトロン韮崎文化ホール 小ホール
07月02日(月) 香川 レクザムホール(香川県県民ホール) 小ホール
07月03日(火) 愛媛 松山市民会館 中ホール
07月05日(木) 徳島 あわぎんホール(徳島県郷土文化会館)
07月06日(金) 高知 高知県立県民文化ホール グリーンホール
07月07日(土) 佐賀 佐賀市文化会館 中ホール
07月25日(水) 石川 北國新聞 赤羽ホール
07月26日(木) 富山 富山県教育文化会館
07月29日(日) 神奈川 横浜ランドマークホール
08月15日(水) 千葉 市川市文化会館 小ホール
08月16日(木) 群馬 昌賢学園まえばしホール(前橋市民文化会館)
08月19日(日) 滋賀 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 中ホール
08月21日(火) 京都 ロームシアター京都 サウスホール
08月23日(木) 和歌山 和歌山市民会館 小ホール
08月25日(土) 三重 NTNシティホール(桑名市民会館) 大ホール
08月26日(日) 岐阜 岐阜市民会館 大ホール
08月28日(火) 静岡 静岡市民文化会館 中ホール
09月06日(木) 埼玉 さいたま市文化センター 大ホール
09月07日(金) 栃木 宇都宮市文化会館 小ホール
09月11日(火) 愛知 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
09月17日(月祝) 宮城 電力ホール
09月25日(火) 鹿児島 ROADHOUSE ASIVI
09月26日(水) 鹿児島 ROADHOUSE ASIVI
09月29日(土) 島根 島根県民会館 大ホール
09月30日(日) 山口 宇部市渡辺翁記念会館
10月02日(火) 新潟 りゅーとぴあ・劇場
10月05日(金) 北海道 小平町文化交流センター
10月06日(土) 北海道 道新ホール
10月08日(月祝) 北海道 わたすメロディーホール
10月11日(木) 秋田 秋田市文化会館 小ホール
10月12日(金) 山形 山形テルサ アプローズ
10月14日(日) 福島 郡山市民文化センター
10月18日(木) 福井 福井県民ホール
10月19日(金) 長野 長野市若里市民文化ホール
10月24日(水) 奈良 やまと郡山城ホール 小ホール
10月25日(木) 大阪 オリックス劇場
10月27日(土) 兵庫 新神戸オリエンタル劇場
10月28日(日) 鳥取 鳥取市民会館
11月01日(木) 茨城 ひたちなか市文化会館 小ホール
11月08日(木) 青森 八戸市公民館
11月09日(金) 岩手 岩手県民会館 中ホール
11月14日(水) 長崎 長崎市チトセピアホール
11月15日(木) 福岡 福岡国際会議場 メインホール
11月17日(土) 沖縄 ナムラホール
11月24日(土) 広島 JMSアステールプラザ
11月25日(日) 岡山 倉敷市芸文館
12月22日(土) 東京 日本武道館

■オフィシャルHP
http://www.office-augusta.com/pistol/

■プロフィール
1976年、千葉県生まれ。大学時代の1995年にボクシング部主将として全日本選手権に二度出場。1999年に野狐禅を結成。2003年にメジャーデビューし、6枚のシングルと4枚のアルバムを発表。2009年4月に野狐禅を解散、ソロ活動を開始する。シングル1枚、ミニアルバム1枚、アルバム4枚を発表、並行して年間250本のペースでライブ活動も行う。2014年、野狐禅デビュー時に所属していたオフィスオーガスタに復帰し、10月にスピードスターレコーズよりアルバム『BEST BOUT』をリリース。2015年11月にアルバム『youth』、2017年4月にアルバム『PEACE OUT』をリリースした。そして2018年4月4日、ニューアルバム『GOOD LUCK TRACK』をリリース。また、俳優としての顔も持ち、映画『永い言い訳』の演技が評価され「キネマ旬報」助演男優賞、「第40回日本アカデミー賞」優秀助演男優賞を受賞した。

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