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INTERVIEW 旬のアーティストインタビュー

2017.4.24

精一杯歌う竹原ピストルから伝わってくる本質

「とにかくライブやってるのが好きでしょうがない」

竹原ピストル自身が最高傑作と明言するアルバム『PEACE OUT』がリリースされた。全国を巡業する“ドサ回り”で見た、感じた思いを落とし込んだ楽曲が並ぶ今作は、現在の竹原を包み隠さず表現している。CMソングへの起用、TVドラマのエンディングテーマ担当、映画出演に優秀助演男優賞の受賞と、今注目を集める竹原ピストルに、作品からライブまで語ってもらった。

取材・文 坪井

—住友生命『1UP』CMソングに『よー、そこの若いの』が長期使用されたり、映画『永い言い訳』で優秀助演男優賞を受賞されるなど、いま竹原ピストルさんは注目されていると思うんですが、今の状況をご自身はどう思われています?

竹原ピストル:チームのみんなが同じ温度で「おっしゃー」って盛り上がっているのが楽しくてしょうがないですね。それがやれるのは、負けられない理由の一つになるので、ラジオやテレビ出たら、どうにか印象を残してやろうみたいな気持ちになれる。それは幸せなことだと思っています。

—その注目されているタイミングでリリースされた『PEACE OUT』ですが、一番の自信作だとブログに書かれていましたね

竹原:自信作や最高傑作とは、新しい作品を出すたびに思っていることですが、今までの作品は出している以上後悔もないけど、もうちょっとこうしたかったなというのが少なからず残るんです。でも、今回はそれもなく、いいものができたと手放しで喜べる感があります。

—リリースから1週間経ちます(インタビューは4月13日)が、周りからの反響はいかがですか?

竹原:今までで一番好評で、仲間からも褒められてうれしいですね。上手く言えないですけど、ずっとドサ回りを続けて来た中で、ずっと次のステージというかステップへ行くための区切りがどうしても欲しかったんです。おかげさまでCMや映画出演の機会をいただいたこともあり、ライブ活動の面では小さいお店にお客様が入りきれなくなってきました。これは次のステップへ行こうと思えることです。でも音源面では、毎回区切りをつけたいと思って出してはいるんですが、なかなかつけられなかった。それが今回の反省点なしの1枚で、今まで考えられないぐらい多くの人が手に取ってくださって、音源面においてもやっと次へ行けるなと。今回一区切りできたので、竹原ピストルらしい、らしくないという部分からちょっぴり離れて、歌を書く人間としていろいろなことをやっていきたいなと思っています。

—その区切りとなる今作は13曲収録されていますが、ライブでおなじみの曲『ドサ回り数え歌』が入っているなど、新旧の曲がバランス良く並んでいるなと思いました

竹原:今回のレコーディングはかなり前に始まり、リリースタイミングを探っていたことで、作り始めから出すまでの時間がすごくありました。だから、その間にできた新曲たちもバンバン入れることができ、しかもその新曲たちが結果的にアルバムの背骨となったのでラッキーだなと。今回はそういうタイミング的な幸運もあったと思います。

—その新曲の中で、一番新しい曲はどれになるんですか?

竹原:12曲目の『俺たちはまた旅に出た』ですね。あと『Forever Young』『ママさんそう言った〜Hokkaido days〜』もレコーディング中にできて、急遽入れた曲です。

—『Forever Young』は、TVドラマ『バイプレイヤーズ〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜』のエンディングテーマでしたが、曲はお話をいただく前からありました?

竹原:それが、曲ができた直後にお話をいただいたんですよ。厳密には書き下ろしではないけど、このドラマだったらぴったりだろうなという自信はありました。

—『Forever Young』は、歳を重ねた人だからこそ書ける歌詞だなと。竹原さんご自身がいま感じていることを書かれたのですか?

竹原:昨年の12月に40歳になって、俺も40歳なんだなと物思いに耽っていた時に書いた曲です。若い頃のようにというデータに引っ張られていたら、いま現在の自分がしおれてっちゃう気がしたから、年輪を重ねて変化はするかもしれないけど、その時その時でピカピカの新しいものを発信した方がいいだろうという気持ちですね。

—それがドラマとリンクしたんだと思います。『ママさんそう言った〜Hokkaido days〜』は、北海道にいるママさんたちへ向けた竹原さんからの手紙のような曲ですね

竹原:自分を育ててくれた人たちへの歌です。こんなに生意気ではなかったですけど(笑)。音楽活動を始めたばかりの頃は、誰々さんがこの街に歌いにやって来るという情報を聞いたら、その店へ行って「1曲でいいから前座をやらせてもらえませんか?」とお願いをしていました。プロフェッショナルの前に歌わせてもらうのは、ライブ活動ですごく大事にしていたことだったので。また、可愛がってくれたマスターやママさんの中には、「いいところ見せてこいよ」「勝ってこいよ」と言ってくれる人もいて、その時のことを思い出しつつ、時を経たけどいつか恩返ししたいという手紙みたいな曲になったと思います。

—ちなみにこの曲は、LL COOL Jの『Mama Said Knock You Out』の雰囲気がありますが、モチーフになっています?

竹原:そうです。思いっきりそこがモチーフになっています。『Mama Said Knock You Out』というタイトルしたかったんですけど、許可を取るのが大変という事情があって…。

—さすがにそうですよね。LL COOL Jを聴かれるんですね

竹原:ヒップホップが好きですから。LL COOL JやRUN D.M.C.、Public Enemyなど海外は有名な人しか知らないですけど、日本のヒップホップは詳しい方だと思います。名古屋だったら、TOKONA-XさんやG.CUEさん、AK-69さんですよね。

—知ってらっしゃいますね。その新しい曲の中に野狐禅の曲『ぐるぐる』も入っていますが、昔の曲を入れたのはどうしてですか?

竹原:これは純粋にライブでよく歌っていたからです。野狐禅を解散した後も3曲ぐらいはよく歌っていて、その中の一つがこれで。ライブでやってきたことをそのまま入れようというのはレコーディングする時にもあるので、その理由からですね。

—なるほど。歌詞についてお伺いします。竹原さんが実際に思ったこと経験したことを元に歌詞を書かれているんですか?

竹原:実際に触れたことのある喜怒哀楽、幸不幸など、自分の身に覚えのあることを素材にして歌詞を書くのは結構神経質なまでに気にしていると思います。言ったこともない、思ったこともないことや、いまいちピンときていないフレーズで歌っても歌った気にならないし、伝わらないと思っています。

—抽象的な描写ではなく、自分が触れたことや経験したリアルを題材にしなければ伝わらないということですね

竹原:抽象的な描写にして、ふわっと余韻が残るように変換するスキルを持てたならば、挑戦したいですね。そういう名曲も山ほどあるじゃないですか。具体的な描写はないけれど背景で色付けされているような曲や、なんか知らないけどすごく胸に迫ってくる歌詞というのは。ただ今は、それを書く実力がない。書けるなら書きたいですし、いつかは書けるだろうと思っていますが、現時点では自分が触れたことがあって、触れたものは何かまでちゃんと書かないことには伝えることができない。これは課題だとも思っています。

—課題なんですね。それをクリアした竹原さんの歌詞もみてみたいです。そして、一番新しい曲『俺たちはまた旅に出た』ですが、1曲目『ドサ回り数え歌』で始まりこの曲で作品が終わるのかなと

竹原:なるほど。そうかもしれません。最後の『マスター、ポーグスかけてくれ』は、完全に映画でいうエンドロールを意識して、また歌っている俺たちという画をイメージしたので、確かにこれで完結していると思います。

—『マスター、ポーグスかけてくれ』は余韻のような曲で、アイリッシュ民謡の曲調が気軽に聴けます。まさに旅に出た後の歌だなと

竹原:うん、まさにおっしゃる通りです。

—やっぱりそうだったんですね。そして、5月から全国弾き語りツアー“PEACE OUT”が始まりますが、日本全国を回り年間200本のライブをやられている竹原さんが、ライブをする上で特に力を注いでいることを教えてください

竹原:自分がどれだけライブが好きな人間なのか、あなたの前で歌うことをどんだけ楽しみにしてきて、どんだけ楽しいと思っているかだけはちゃんと滲み出て伝わっていたらいいなと思っています。与太話もすごく好きだし、お客さんの笑い声も聞きたいし、楽しんで帰ってほしいですね。俺はレパートリー曲を精一杯やる。金をとっている以上、人生をかけてやる。それが第一だと思って、結果として歌に込めたメッセージがなんらかの形で伝って、感動したと言っていただけたら、それはありがたい評価で。とにかくライブやっているのが好きでしょうがない。あんたらをどう楽しませようかと試行錯誤していることが好きというのが伝わってくれさえすればいいと思っています。

—お金を払って観に来てくれるお客さんに対して全力で応えたいということですね

竹原:恐ろしいことですよね。例えば、チケット代2000円を稼ぐのにどんだけ働かなければいけないのかと、ライブ前に考えるとめちゃくちゃ怖くて。緊張もする。そこは全力でやんなきゃダメですよね。その恐怖感がなくなったら終わりだと思っています。

—毎回その恐怖感を持ちながらライブに臨んでいるんですね。最後に、その竹原さんの歌を聴きに来る方々へメッセージをお願いします

竹原:歌の作風や見てくれで勝手に警戒されることが多いんですよ。怖そうだとか、面倒臭いことを言いだすんじゃないかとか。一切そういうのがない人間なので、ふらっと遊びに来てほしいですね。なんとかピストルっていうのが来てるらしいから観に行こうかぐらいの感じで来てくれたら、きっといいバランスでお返しできると思っているので…。あっ、長くなっちゃいました。じゃあ、「警戒するな」でお願いします(笑)。

竹原ピストルForever Young

■リリース情報

『PEACE OUT』
Album
2017.4.5発売
初回限定盤(CD+DVD) 3,300円(+tax)
通常盤(CD) 2,900円(+tax)

■LIVE情報
竹原ピストル 全国弾き語りツアー“PEACE OUT”
5月07日(日) 東京 東京キネマ倶楽部
5月10日(水) 滋賀 滋賀U★STONE
5月11日(木) 奈良 奈良NEVER LAND
5月16日(火) 兵庫 チキンジョージ
5月17日(水) 和歌山 OLDTIME
5月24日(水) 岐阜 柳ヶ瀬ants
5月25日(木) 三重 松坂M'AXA
5月27日(土) 静岡 浜松 窓枠
5月28日(日) 愛知 今池TOKUZO
6月01日(木) 青森 青森Quarter
6月02日(金) 秋田 秋田Club SWINDLE
6月04日(日) 岩手 盛岡Club Change WAVE
6月05日(月) 宮城 仙台 CLUB JUNK BOX
6月07日(水) 山形 山形ミュージック昭和Session
6月08日(木) 福島 郡山HIP SHOT JAPAN
6月11日(日) 鳥取 米子 AZTiC laughs
6月12日(月) 島根 出雲アポロ
6月14日(水) 岡山 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
6月15日(木) 広島 広島CLUB QUATTRO
6月18日(日) 山口 周南RISING HALL
6月20日(火) 京都 磔磔
6月21日(水) 大阪 umeda AKASO
7月03日(月) 岩手 久慈UNITY
7月04日(火) 岩手 宮古KLUB COUNTER ACTION MIYAKO
7月05日(水) 宮城 石巻BLUE RESISTANCE
7月12日(水) 神奈川 横浜B.B.STREET
7月13日(木) 埼玉 西川口Hearts
7月21日(金) 長野 長野CLUB JUNK BOX
7月23日(日) 新潟 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
7月25日(火) 福井 福井CHOP
7月26日(水) 石川 金沢AZ
7月28日(金) 富山 富山ソウルパワー
8月01日(火) 北海道 北見オニオンホール
8月02日(水) 北海道 帯広Rest
8月04日(金) 北海道 苫小牧ELLCUBE
8月05日(土) 北海道 函館club COCOA
8月09日(水) 山梨 甲府CONVICTION
8月15日(火) 千葉 千葉ANGA
8月16日(水) 群馬 高崎club FLEEZ
8月26日(土) 茨城 水戸NINETY EAST
8月27日(日) 栃木 宇都宮HELLO DOLLY
8月29日(火) 沖縄 宜野湾ヒューマンステージ
8月30日(水) 沖縄 桜坂セントラル
9月06日(水) 長崎 長崎DRUM Be-7
9月07日(木) 佐賀 佐賀GEILS
9月09日(土) 熊本 熊本B.9 V1
9月10日(日) 大分 DRUM Be-0
9月12日(火) 宮崎 宮崎SR BOX
9月13日(水) 鹿児島 鹿児島SR HALL
9月15日(金) 鹿児島 奄美ASIVI
9月26日(火) 愛媛 松山サロンキティ
9月27日(水) 高知 高知X-pt.
9月29日(金) 香川 高松DIME
9月30日(土) 徳島 徳島club GRINDHOUSE
12月08日(金) 愛知 名古屋DIAMOOND HALL
12月10日(日) 大阪 ZEPP Namba
12月12日(火) 福岡 IMSホール
12月14日(木) 北海道 札幌PENNY LANE24
12月22日(金) 東京 中野サンプラザ

■オフィシャルHP
http://www.office-augusta.com/pistol/

■プロフィール
1976年、千葉県生まれ。大学時代の1995年にボクシング部主将として全日本選手権に二度出場。1999年に野狐禅を結成。2003年にメジャーデビューし、6枚のシングルと4枚のアルバムを発表。2009年4月に野狐禅を解散、ソロ活動を開始する。シングル1枚、ミニアルバム1枚、アルバム4枚を発表、並行して年間250本のペースでライブ活動も行う。2014年、野狐禅デビュー時に所属していたオフィスオーガスタに復帰し、10月にスピードスターレコーズよりアルバム『BEST BOUT』をリリース。2015年11月にアルバム『youth』を発表。そして、2017年4月5日にアルバム『PEACE OUT』をリリースした。また、俳優としての顔も持地、映画「永い言い訳」の演技が評価され「第40回日本アカデミー賞」優秀助演男優賞を受賞した。

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