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ライター ワタナベ

2018.10.15

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THE CAMP Mini album 『LANDMARK』インタビュー

「今の思いをきちんと表現した物だけが生きていくんだなって改めて思いました。(イトウTHEキャンプ)」

力強い歌声で直球なロックミュージックを届ける名古屋出身バンド、THE CAMP。そんな彼らの4年ぶりとなるミニアルバム『LANDMARK』が10月17日にリリース。数々のメンバーチェンジを乗り越えたこの4年間、その時間とこれからを表現する今作についてメンバー全員に話を訊いた。

―4年ぶりの新譜『LANDMARK』リリースおめでとうございます。この4年間を振り返ってみて、いかがですか?

イトウTHEキャンプ(Vo/Gt): ありがとうございます。変化が激しかった期間でしたね。メンバーが抜けたり入ったりしたことや、やりたいこととやれることとのギャップなどを多く感じていました。でもこの4年間を経てそれらを受け入れてみたら意外とスムーズに曲が作れるような気がして、それが本当に自分たちに合った形なのかもしれないと思うようになりました。

ヨウヘイコバヤシ(Ba):本当に色々なことがあったね。4年間があったからではなく、この4年間ですごく大人になったなと思います。

―大人になったとは考え方が変わったということでしょうか?

コバヤシ: 単純に勢いだけでやらないようにしようってなりましたね(笑)。後悔するようになってしまったといいますか、ネガティブなイメージでの大人になってしまったなと。でも今回今までの作品集をアルバムという形で作ってみたところ、自分たちの過ごした4年間を振り返ることができて、大人になってしまったのも悪いことではないのかなと考えるようになりました。

―なるほど。ヤマグチさんはいかがですか?

ヤマグチリュウシ(Gt): バンドを始めた頃はコバヤシ君が言っていたように、勢いで行くぞ‼︎みたいな感じでやっていたんですが、まあそれはそれだったと思いますね。今は10年前の僕たちとは全く違う形になっていると思いますが、これはこれで僕はすごく好きなので、やってて良かったと思っています。今作は気持ちの面でも、レコーディングの面でも楽しく作れました。大人になったというのはそういう感じなのかな。。

―4年間で大人になったTHE CAMPが今のこのタイミングで新譜を出すことになったのは何か理由があったんですか?

イトウ: 出したいとはずっと言っていたんですが、メンバーが安定していなかった時間があったので、なかなか出せなかったんです。今の状況ならやれると思ったので取り掛かりました。今作は割とずっとやってきた曲をピックアップしたアルバムになっていて、いくつかの曲はもともと発表されていた曲ではあるんですが、このような流通盤に入るのはどれも初めてです。

―ではそのアルバムの曲についてお聞きしていきます。一曲目の『素晴らしい世界』。感情を表現するより、情景が見えるような言葉が並んでいて何気ない様子がすっと入ってくるような印象だったのですが、この曲を一曲目にしたのはなぜですか?

イトウ: 曲調的なニュアンスというか、どれも割と好きな曲ではあるけど一曲目にばっと聞いてもらえるならこれがいいと思い選びました。歌詞は情景というか映画とか小説とか物語とかに憧れるんだけど必ずしもそうならないことを表しています。

―”素晴らしい世界”とは憧れの存在ということですか?

イトウ: 憧れるほどの物ではないんです、本当は。皆本当は普通だよっていうイメージです。

コバヤシ: ドラマとか映画とかそっちの方が輝いて見えるけどそっちは思っているより普通だよっていう感じですよね。

―なるほど。続いて2曲目について伺います。『トラベル』は兄弟の電車旅行がテーマとのことですが?

イトウ: 僕が小学校に上がる時に弟と電車でおばあちゃんの家に行った時の曲です。僕は実家が広島で、家族が誰も近くにいないのでなかなか会う機会がなくて。でもふとしたタイミングで連絡を取ると、普段は思い出さないけれど自分の味方になってくれる人が離れていてもいるんだと感じて、昔あった近い距離は失われていないんだと思ったんです。その思いをこの曲で表現しました。

―ご自身の経験の曲だったんですね。お二人(コバヤシ、ヤマグチ)はこの曲を聴いて、共感しました?

コバヤシ: 僕は3兄弟の真ん中だったので、長男の気持ちは分からないですけど、人の良かった思い出って触れられるとすごく幸せですよね。楽しかった思い出を鮮明に覚えているってことは何か理由があるんだろうなって。漠然となんか良いなって思いながら演奏できる曲です。

ヤマグチ: この曲を初めて聴いたのってすごい前だよね。だから最初に聴いた時の印象って覚えてないけど、今だにライブのMCでイトウ君がその話をする。弟との思い出なんだなって思いながらやると、楽しく演奏できる曲ですね。僕もイトウ君の弟と会ったことあるし。

コバヤシ: THE CAMPの曲で一番優しい気持ちで演奏されているよね(笑)。

―一人っ子ですら何となく暖かい気持ちが分かるような雰囲気が歌詞からもメロディからも感じられます。その雰囲気から続いて始まる3曲目『ファンクラブ』は一気に曲調が変わりますね

イトウ: そうですね。この曲だけ僕ではなくコバヤシ君が作っています。

コバヤシ: 割と今までTHE CAMPがやってきた曲って『ファンクラブ』みたいな曲が多かったんですね。もちろん今後このような曲調をなくす訳ではないので、今作にもアップテンポな曲を入れました。タイトルの『ファンクラブ』は”ファンクラブ“と”ファンク”・“ラブ”というダジャレみたいな意味があります。ファンキーなテンションでアイドルとか憧れの存在に盲目になれるって良いよねってイメージです。

―オーディエンスが一緒に声を出せたりするところもあり、ライブも楽しそうです。こういう曲がアルバムの真ん中に入っているのはバランスがいいですね。そして4曲目『わるいやつ』。<悪い奴らがいるんだ>には何か対象があったんですか?

イトウ: 人間皆悪い部分を持っていると思うんですけど、どうしても周りが悪くて自分は悪くないって思ってしまう節があるじゃないですか。自分のことから逃げがちで、自分より悪い奴がどこかにいるだろうってことが唯一の希望になっているというような。

コバヤシ: 激暗いな!(笑)

―(笑)。自分こそがその悪い奴ってことですか。だから怒っているというか訴えているような曲に仕上がっているんですね。今作品の中では最もダークっぽいですし

イトウ: そうですね。言ったれ言ったれ‼︎って感じで作ったのでダークですね。訴えたいっていうニュアンスはすごく強いので、そのような気持ちやテンションで歌っています。

―コバヤシさんとヤマグチさんは、この曲を聴いた時どう思いました?

コバヤシ: サビの繰り返しからどうしてもそれが訴えたいんだろうなって思いましたね。ここまでストレートに決めつけみたいなことを歌うからには、訴えたいことがあるんだろうなと思ってサビを聴いた後、Aメロを遡ってまた読み直しました。頭からすっと入っていく感じというよりはサビが強すぎるくらい。ライブでもこの曲攻撃的だよね。

ヤマグチ: 楽曲がすごくシンプルで構成もわかりやすいんです。この曲を作った時ってアレンジも意外とすぐ決まったってイメージがあるんだよね。イトウ君がこういう感じにしたいって言ったのが分かりやすくて綺麗にハマりました。だからこそライブをやっていても分かりやすくて楽しいなあって思っています。

―怒っているとかではないという点で一応表現するには難しいニュアンスではあると思いますが

コバヤシ: 明らかな外敵に怒っているわけでもないっていうのがまたね。でも自分を責めるのに耐えきれんから、周りを責めるって気持ち分からんでもないよね。

ヤマグチ: 掘れば掘るほど本当に暗い話だよね(笑)。

―でも聴いている時は暗い印象がないので不思議ですよね。次の曲は今作のタイトルにもなっている『ランドマーク』ですが、サビの前後が静かになる展開になっていますね

イトウ: サビが転調しているのとテンポが全く違うので、そのような展開にしました。一応これがアルバムのタイトルになっているので、割と思い入れがある曲です。ランドマークって象徴という意味ですよね?僕たちのこの4年間を総称しているアルバムなので、それを無形の象徴としての名前をつけました。形はないけど曲があるというような。自分にとってこの曲がそうだし、誰かにとってもそうなればいいなという気持ちです。

―この曲でポイントとなる部分はどこになります?

イトウ: 最後の2行の<空と海と青、あの街のランドマークを 遠く離れていても思い出せるよ>かなと。色々な思い出も自分の物なら尚更いつでも思い出せるので。

―ランドマークは自分の心の中にあるというイメージですね。こういう曲を作るようになったっていうのもまた大人になったというところですかね。

イトウ: そうですね。

コバヤシ: これ結構びっくりしたよね。これが一番最近作った曲なのですが、今まででは絶対ない感じの曲なんです。

ヤマグチ: アレンジしている時にどうしよう、大丈夫⁉︎って感じだった。何を言ってるの?って感じだったんです、やっているうちにああそういうことねって分かってきたんですけど。本当に最初はびっくりした曲ですね。

コバヤシ: 長くバンドをやってきたので、自分たちで誰から言われたわけではないのに、THE CAMPってバンドはこういう風じゃないといけないみたいな勝手な強迫観念みたいなものがあったんです。そんな中で、曲の途中でほぼ止まってしまうという展開とかも潜在的にライブではウケないし違うでしょって思っていたんですが、今回この曲でそれをしてしまうならアレンジに関しても好きなようにしてもいいやと思って。一番気持ちいい感じにしようって作りました。

―今作では一番挑戦的な曲なんですね。今回意識して挑戦したんですか?

イトウ: 自分が曲を作る時にこういう曲を作るのが増えてきているので、どこかでそういうことに挑戦していかないといけないって思っていたんです。今の僕ら的には前衛的な要素が入っているけれどでも意味がわからないほど複雑なことをしているわけではないので、そのうち僕らの中でも当たり前になると思います。

―ある意味これが今後の一歩になるんですね。新しいことだけどやってみたら意外としっくりと来たということですよね

コバヤシ: 今回そのことに気づけましたね。最初はこれで大丈夫か分からなかったけれど、進めていくとしっくりきたので、色々読み取ろうと思ってきました。最終的にめっちゃええやんってなりましたね。

―THE CAMPのその新しい挑戦の後にラストとして収録されているのが『スーパースター』なんですが、この曲は以前会場盤でも収録して今回にも入れたということで、こちらの曲も思い入れが強いとは思いますが、いかがですか?

イトウ: ずっと歌っている曲なんですが聴いてくれる人が好きだと言ってくれているのが嬉しいので、いつでも歌いたい曲になっています。

―お米の曲ですよね。なぜお米がテーマなんですか?

イトウ: お米農家の先輩の引越しを手伝いに行った時の曲なんです。すごく好きなバンドの先輩が農家に帰るからそのバンドをやめるという引越しで、手伝いのお礼にお米をいただいて帰ったのですが、そのお米がすごく美味しくて。バンドマンとして好きだった先輩はお米を作る人としても素晴らしい存在だろうなと思ったんです。

―その方がスーパースターなんですね。でもどんな人が聴いても共感が持てる曲だと思います

イトウ: 自分にとってのスーパースターの人という意味もありますが、皆がスーパースターだという意味も込めています。

―聴いている人自身もスーパースターなのですね‼︎今作の中では一番明るい曲なのではないでしょうか。この曲はライブでも何回も演奏していると思うんですが、改めて今作に収録して思ったことはありますか?

コバヤシ: ずっと演奏していたからその話を知った上で弾いてはいましたが、以前のTHE CAMPのライブでは元気な曲が中心だったので、どうしてもこの曲をセトリに差し込むタイミングが難しくて、曲の重みを表現し切れていないなという思いが自分の中ではありました。しかし今のライブではアルバムの構成に近いようなセトリなので、ちゃんとその感情を乗せて表現できている気はしますね。

ヤマグチ: この曲はもう一人ギターがいた頃から何年もやっていて、抜けてからもやれそうだなってすぐに復活した曲だよね。極端にその頃から変えたわけでもないけれど、ずっと好きな曲です。コバヤシくんが言ったようにライブのセトリではこの曲を最後の一曲として演奏するんですけど、構成としてもすごく好きなだなって思っています。

コバヤシ: お米みたいな曲だね(笑)。噛んでると味が出てくるし、締めに食べるし。

―確かに長く愛される、まさにお米のような曲ですね(笑)。今作には変わらないTHE CAMPの定番曲『スーパースター』から『ランドマーク』のような新しい挑戦の曲まで収録されていますが、今後作ってみたい曲などはありますか?

イトウ: その時その時に考えていることをしっかりと形にして残していきたいですね。これまではこういう曲が喜ばれるのではないかとかにすごくとらわれた4年だったのですが、その頃に作った曲たちの中に『ランドマーク』を入れてみて、今の思いをきちんと表現した物だけが生きていくんだなって改めて思いました。今後もその都度思っていることを曲にしていきたいですね。

―思いがこもっている曲を作っていくということですね。今後のバンド活動でこうになりたいなどの目標はありますか?

イトウ: 自分のすごく好きな構成とかフレーズがあってライブがすごく楽しい!という気持ちに本気でなれる物を出したいと思っています。。

コバヤシ: こういうのがきっといいんだとか、こういうのが受け入れられるんだろうという考えにとらわれられず、自分たちが作った物をいいと思って自信持って届けたいです。けれど、受け入れられたいのも、より多くの人に聴いてもらいたいのも事実なので、ざっくり言えば人気者になりたいですね(笑)。

ヤマグチ: やり始めた時は多分あったんだと思います。こんなバンドになりたいとか、こういうライブをしたいとか、こういうギタリストになりたいとか。でも今は気持ちが落ち着いていて、シンプルにやっていて楽しい。気持ちが盛り上がるからバンドをやっていると思うので、特にライブ中とかは目標を特に考えていないかもしれないです。そういう面で考えると、“楽しいなってずっと思っていたい”というのが目標ですね。

―その楽しいなっていうのはこの続けてきた時間があったっていうのがあったからですか?

ヤマグチ: それが大きいですね。ずっとやってきて、一緒にいたから楽しい。

―楽しみながらバンドを続けていくTHE CAMPの今後が楽しみです。では最後に、今作を手にするファンの皆さんにメッセージをお願いします

イトウ: 1曲目から6曲目まで全部良いと思っている作品揃いなので、まずは一通り聴いてもらえれば良いかなと思っています。よろしくお願い致します。

THE CAMP 「素晴らしい世界」【MUSIC VIDEO】

■リリース情報

『LANDMARK』
mini album
2018.10.17発売
2,000円(+tax)

■LIVE情報
「LAND MARK」レコ発イベント
10月21日(日) 渋谷LUSH
11月28日(水) 大阪Pangea
12月21日(金) 愛知 CLUB ROCK’N’ROLL

■オフィシャルHP
http://web-thecamp.com

■プロフィール
2007年の結成の名古屋市出身バンド。幾度かのメンバーチェンジを経て、現在はイトウTHEキャンプ(Vo/Gt)、ヨウヘイコバヤシ(Ba)、ヤマグチリュウシ(Gt)の3人で活動している。最近ではRISING SUN ROCK FESTIVALなどのフェスからSAKAE-SPRING、でらロックフェスティバルなどのサーキットイベントにも出演。3人が織りなす90年代ジャパニーズロックとソウルを感じる音楽は、聴く者の心にストレートに響く。10月17日に4年ぶりとなるMini Album『LANDMARK』をリリース。

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