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INTERVIEW 旬のアーティストインタビュー

2017.7.21

シングル『孤独を繋いで』で表現したTHE BACK HORNの今のモード

「孤独という言葉はちゃんと一人一人違うということを肯定してくれる(山田将司)」

昨年10月リリースのシングル『With You』では亀田誠治を、そして今年2月22日リリースのシングル『あなたが待ってる』では宇多田ヒカルをプロデューサーに迎えたTHE BACK HORN。そして今回、久しぶりにメンバー4人で新曲『孤独を繋いで』を完成させた。その表題曲をはじめ、夏の楽曲が並んだカップリング2曲についてTHE BACK HORNのボーカル山田将司に話を訊いた。

取材・文 坪井

—亀田誠治さんと宇多田ヒカルさんのお二人それぞれのプロデュースによるシングル2枚が続いたので、4人で制作されたのは久しぶりじゃないですか?

山田将司(Vo):だいぶ久しぶりです。プロデューサーを入れて自分達的にも再確認したことが結構あったので、4人で今回はその経験を生かして作ろうということになりました。

—例えばどのような点を再確認されたんですか?

山田:「気持ちの部分がそのまま出た表現がTHE BACK HORNらしいから、このままでいいよ」とお二人とも言ってくれたんですが、それって自分たちでは分からないし、メンバー同士でそういうことを言わないですよね。特に最近はしっかりレコーディングすることを考えていて、勢いで出ちゃった表現が良かったというジャッジを自分たちでしづらくなっていたのかなと。そういうぽろっとこぼれ出たところを拾ってくれるのは、やっぱりプロデューサーさんの言葉でした。前回までの二作を作ってそれを信じることができたので、4人だけでレコーディングした時もそこを信じて作りました。

—なるほど。ちなみに今作に収録されている曲はいつ頃作られたんですか?

山田:今年の2月、3月ですね。『あなたが待ってる』がリリースされて、対バンツアーが始まった頃に作り始めました。

—その時点で今回はアッパーな曲でいこうという話になっていたんですか?

山田:そうですね。ライブ感のある曲をシングルにしようという話にはなっていました。他にも候補はいろいろあって、その中から選ばれたのが『孤独を繋いで』だったんです。

—その『孤独を繋いで』ですが、“孤独”ではなく、“孤独を繋ぐ”というところが、今のTHE BACK HORNのモードなのかなと思いました

山田:そうですね。昔はもっと孤独だけを歌っていたんですけど、そこからライブを重ねていくことでお客さんから力をもらい音楽を続けてこられました。これまで孤独を表現することでいろいろな人と繋がることができたから、それをもう一回歌にしたいなと。孤独という言葉はネガティブな要素だけではなく、ちゃんと一人一人違うということを肯定してくれるので、ちゃんと認め合って信じ合って繋がっていけたら本当に自由なことだし、素晴らしいことだなと思っています。

—孤独を感じるからこそ繋がれるのかなと

山田:人と繋がりたいと思ったり、周りの存在を把握するから孤独を感じるわけですよね。それは悪いことではなくて、その感じてしまったギャップをちゃんと認め合いながら繋がっていけたらなという気持ちはあります。

—今作では曲も作られていますが、メロディが生まれた時からライブ感のある曲になる予感はありました?

山田:家でアコギを弾いている時にメロディはできたんですが、その時はもっとテンポが遅かったですね。作っていくうちにどんどんテンポが上がっていき、そこからイントロのコーラス部分を足していって今のカタチになりました。

—まさにライブで聴くのが楽しみな曲に仕上がりましたよね

山田:そうなんです。お客さんが歌える部分もあるし、自分達のライブの後半の結構アッパーな曲のゾーンにいい感じに入っていくような気がするんですよね。一体感も半端ないし。

—確かにそう思います。作る際、そのイメージも持っていたんですか?

山田:ライブをイメージしながら作った曲だし、歌詞もお客さんをイメージして作ったところがあります。ライブって一人一人がどういう気持ちで来ているのかは分からなくても、音楽に何かを求めているのは間違いないと思うんです。それはお客さんだけじゃなく、自分達も音楽があったからここまで命を繋いで来られたので、そのお客さんとTHE BACK HORNの関係性を書いています。

—繋がっているというより繋がっていきたいという気持ちですね

山田:そうですね。俺はみんなと一緒と言われるのが嫌で、ハイタッチも「違うじゃん」みたいな(笑)。でも、その感情を認め合っていけたらなというのはあります。俺らもお客さんに対して、ライブを自由に感じてほしい気持ちはずっと持ち続けているし、実際に盛り上がっていこうぜというのはあるけど、お客さんに決まり事を作りたくないし、個の楽しみ方を尊重したいのはあります。

—これは絶対にライブで聴くべきですね。そして、菅波さんの曲『導火線』ですが、正直若い!と思いました

山田:(笑)。それはありますね。フレッシュな感じで、各々の青春時代の夏じゃないですか。

—この曲は菅波さんの夏のイメージ全快って感じですね

山田:自分の過去の彼女との思い出を思い出しながら書いたと言っていましたね(笑)。

—そうなんですね。『導火線』は夏ど真ん中の曲だとすると、次の曲『夏の残像』は夏の終わりの雰囲気があります

山田:この曲はレアな形で出来ました。ファンクラブイベントの公開楽曲制作企画で作ったんです。ステージ上で4人が曲を作っている様子をお客さんがイチから目撃できるという企画で、歌詞はマツ(松田晋二)が、お客さんのお悩み相談を元に膨らませて書いています。そして、俺が家で作ってきた曲をそのステージ上で初めて他の3人とお客さんに演奏し、その場でコード進行の確認や展開も決めて、ほぼその時に楽曲できました。

—メロディはどのようなことをイメージして作られたんですか?

山田:メロディはピアノで作ったんですけど、日本の夏祭りの夜や夏の終わりの雰囲気をイメージしました。公開楽曲制作のために作った曲だったので、サビも含め覚えやすいメロディにしなければいけないという、簡単なようで一番難しい敷居があったので何パターンも作りましたね。

—また違った苦労があったんですね。そこにのる松田さんの歌詞を見てどう感じました?

山田: (菅波)栄純の歌詞が油絵だとすると、マツの歌詞は水彩画っぽい感じがあるんです。淡い心や切ない感じを描くのが本当に上手いなと思いました。

—メロディにすごくハマっていると思います。カップリングの2曲は、同じ夏でも雰囲気が違いますね

山田:夏を意識してカップリングを固めたのは初めてかもしれないですね。14年前に『光の結晶』というシングルを出した時、夏っぽいパッケージにはしましたが、今作のように夏フェスでもやりたいし、夏に出すシングルだから夏っぽい感じでいこうと決めて作ったのは初めてかもしれないですね。

—来年で結成20年という今までの歴史の中で初めてなんですね。そして、9月に東名阪でTHE BACK HORN、9mmParabellum BulletとNothing’s Carved In Stoneの3バンドでスプリットツアー『Pyramid ACT』を開催されますが、激アツの3バンドですね

山田:アツいですよね。9mmは今まで結構一緒にやっていますし、Nothing’sもツアーを一緒に回ったことがあります。Nothing’sとバックホーンって、出している音は全然違うんですが、音楽に向けての熱量や人間的には近い感じがするんですよ。遠いようで近い不思議なつながりを感じるんですよね。

—そうなんですね。東名阪の3ヶ所で行われますが、会場ごとに仕掛けもあったりするんですか?

山田:各々がホストを務めます。9日(土)の大阪では9mmParabellum Bullet、13日(水)の名古屋はTHE BACK HORN、14日(木)の東京がNothing’s Carved In Stoneとなっています。

—会場ごとにホストが変わると、それぞれで景色も変わりそうで楽しみですね。さらに、11月3日(金祝)の名古屋を皮切りに『マニアックヘブン』も開催されます。今回はツアーなんですね

山田:今年はツアーで9ヶ所を回ります。これまで北海道や四国、北陸で『マニアックヘブン』をやったことがなかったので、今回実現したのはうれしいですね。展示物もあるので、サーカス団や旅の一座みたいな感じになりそうです(笑)。

—そこも含めて楽しみです。シングル曲やライブの定番曲を演奏しないだけに、曲の選考も大変じゃないですか?

山田:曲の選考はまだこれからですが、文字通りマニアックな曲しかやらないので、リハは俺らのバンドスコアが積み重なっています(笑)。各々がそれを見て思い出すところから始まるという(笑)。

—(笑)。それは観に行く側も予習が必要ですね

山田:なめてると全然楽しめないですよ(笑)。でも中には、ドラムのカウントだけで「ウォー」って何の曲か分かるすごい人もいるので、お客さんの反応も楽しみです。会場も発表になったので、各公演楽しみにしていてほしいですね。

—ぜひマニアックな会場を期待しています!では最後に、そのライブを楽しみにしているファンへ向けてメッセージをお願いします

山田:『孤独を繋いで』の歌詞にもありますが、何が起こるかわからない世の中で生きてまた必ず会おうという約束をみんなでできているから、続けられました。もちろんTHE BACK HORNの音楽がみなさんの力になってくれたらうれしいです。その約束を何回もして、ずっと音楽とともに生きていけたらなと思っています。ツアーでお会いしましょう!

THE BACK HORN 『孤独を繋いで』c/w導火線/夏の残像

■リリース情報

『孤独を繋いで』
26th Single
2017.7.5 発売
初回限定盤(CD+DVD) 2,000円(+tax)
通常盤(CD) 1,200円(+tax)

■LIVE情報
Pyramid ACT
9月09日(土) 大阪Zepp Osaka Bayside
9月13日(水) 愛知 DIAMOND HALL
9月14日(木) 東京Zepp Tokyo

マニアックヘブンツアー Vol.11
11月03日(金祝) 名古屋公演
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11月05日(日) 仙台公演
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11月10日(金) 福岡公演
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11月15日(水) 札幌公演
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11月26日(日) 大阪公演
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12月01日(金) 高松公演
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12月02日(土) 広島公演
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12月22日(金) 金沢公演
[GIG]金沢AZ(ホール)
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12月24日(日) 東京公演
[GIG]新木場STUDIO COAST
[GALLERY]新木場STUDIO COAST

■マニアックヘブン特設サイト
http://maniacheaven.com

■オフィシャルWEB
http://thebackhorn.com/

■プロフィール
1998年結成。“KYO-MEI”という言葉をテーマに、聞く人の心をふるわせる音楽を届けていくというバンドの意思を掲げている。FUJI ROCK FESTIVALやROCK IN JAPAN FESTIVAL等でのメインステージ出演をはじめ、近年のロックフェスティバルでは欠かせないライブバンドとしての地位を確立。そしてスペインや台湾ロックフェスティバルへの参加を皮切りに10数カ国で作品をリリースし海外にも進出。黒沢清監督映画『アカルイミライ』(2003年)主題歌『未来』や、紀里谷和明監督映画『CASSHERN』(2004年)挿入歌『レクイエム』など、そのオリジナリティ溢れる楽曲の世界観から映像作品やクリエイターとのコラボレーションも多数。2017年、第一弾シングルとして宇多田ヒカルとの共同プロデュース楽曲『あなたが待ってる』をリリース。そして、第二弾シングル『孤独を繋いで』を7月5日にリリースした。

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