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INTERVIEW 旬のアーティストインタビュー

2016.11.17

THE BACK HORNが『With You』に込めたファンへの想い

「聴いてくれているあなたと共に歩んでゆきたいという気持ちを込めて作りました(山田)」

シングルとしては久々のバラードとなる『With You』をリリースしたTHE BACK HORN。鍵盤やストリングスを取り入れ、亀田誠治をプロデューサーに迎えるなど、新たな試みにより生まれたまっすぐなラブソング。今作に込めた想いをフロントマン山田将司に聞きました。

取材・文 古田

―10月に24th Single『With You』がリリースされましたが、シングルとしては『美しい名前』から久しぶりのバラードですよね。いつごろ作られた曲なんですか

山田:そうですね。9年ぶりのバラードシングルです。作ったのは7月ぐらいかな、夏ですね。ツアーが終わってからすぐでした。

―では、ツアーの影響もあったり?

山田:今回の『With You』は菅波栄純(Gt)が作った曲なんですが、ツアーの影響はだいぶあると言っていましたね。前作『運命開花』を携えたツアーでお客さんと向き合ってライブをやって、すごく得たものもあるし、お互いいろんなものを交換し合えたと思います。そのツアーで感じた、まだまだこれからもずっと“共に歩んでゆこう”っていう気持ちを、このシンプルでわかりやすいメロディーと言葉で紡がれた『With You』にしたためました。

―ファンの方たちに向けた意味もあるんですね

山田:もちろんあります。“大切な人”に向けた曲です。ライブはみんなに向けて演っているけど、やっぱりそこにいる一人一人に向けて歌っている気持ちはちゃんとあるから。愛しているただ一人の恋人とだけの曲じゃなくて、聴いてくれているあなたと、共に歩んでゆきたいという気持ちを込めて作りました。

―なるほど。では、今回の楽曲に鍵盤やストリングスを取り入れたのは?

山田:鍵盤やストリングスがTHE BACK HORNの演奏に合いそうだなって話はメンバー同士で以前からしていたんです。11月からのホールツアーにストリングスと鍵盤を入れようっていう話が先にあって。そこにバラードシングルを作ろうって話が出たので、鍵盤とストリングスを入れるのに良いタイミングだなと。

―英語のタイトルも珍しいですよね

山田:実は、前作のアルバム『運命開花』のタイトルを決めるミーティングの時に、俺が『With You』っていうタイトル案を出していたんです。そのときは使われなかったんですが、栄純はいつか使いたいと思っていたみたいで。だから今回は『With You』ってタイトルが先にあって、言葉の意味をイメージしながら曲を作ったって言っていました。

―そうなんですね。それにしても歌詞もストレートで、こんなに幸せ感のある歌詞は珍しいですよね。結婚式ソングにも使われそうな

山田:珍しいですよね(笑)。自分も結婚式で余興を頼まれることが多いんですけど、あの曲演奏してよって言われてもTHE BACK HORNの曲って、なかなか結婚式で演奏できるような曲がなくて。やっとキタな!って。親戚とか酔っ払いのおじさん連中にも響かせられる曲が出来たなと思います。

―ボーカルとして表現する中で戸惑いなどありましたか

山田:今までのTHE BACK HORNは、暗さとか、悲しみとか、痛みとか内包して、でも一緒にいこうぜと鼓舞する曲が多かったんですよね。今回、日常的な言葉で綴られた歌詞を自分が歌うとなったときに、今までのTHE BACK HORNにはなかった表現だから、どんな風に見せようかなと考えていたんです。でも、お客さんもそうだし、メンバーもそうだし、自分の周りには大切な人がいるから、普通にそれを想って歌えばいいやって思って。どんな風に見せようとか変な考えは持たなくていいな、まっすぐ歌えばいいやっていう気持ちで歌いました。

―2曲目の「言葉にできなくて」の歌詞はもっと甘酸っぱい印象ですね

山田:そうですね。栄純の学生時代の実体験ですね。実際は成功しなかったみたいですけど(笑)。甘酸っぱい経験はありますからねー。俺もありましたし。このスカっぽい感じとか、テンポが速くなるパンクっぽい感じとか、楽曲的なアレンジもちょっと若さを漂わせていますよね。なんかフレッシュで。THE BACK HORNでも久しぶりな印象でしたね。ライブは結構盛り上がりそうだなと思います。

―今回に楽曲制作にはプロデューサーを迎えられたそうですが、亀田誠治さんにお願いしたのはなぜですか

山田:バンドを俯瞰して見てくれる人を入れたいね、という話は1~2年前からメンバーでしていました。今回はストリングスとか鍵盤のアレンジがあったり、メンバーが個人的に亀田さんのプロデュースしているアーティストさんが好きだったりってこともあって、亀田さんにお願いしてみようって話になりました。

―実際にやってみてどうでした?

山田:リズム録りのときの細かなミスって最近のレコーディングだといくらでも直すことが出来るじゃないですか。だけど、「そこは直さなくていいんだよ、そこが味だから。そこが君たちらしさだから」って亀田さんに言われたときに、結構細かいことを気にしていたんだなって気付かされましたね。自分の歌録りのときも、音程がちょっとずれていると「ずれてるとかじゃなくて、その雰囲気が良いんだから。それが山田くんっぽいし、それが良いんだよ」って。亀田さんが「いいね、いいね」って言ってくれることが自信になって、亀田さんが自分たちを大きく見てくれているように、自分たち自身ももっと自分たちを大きく見ていいんだなっていう気付きがありましたね。メンバー自身が見えなくなっていた、THE BACK HORNらしさを分かりやすく気付かせてくれました。

―それは今後にも影響がありそうですね

山田:あります、あります! 自分たちらしさって、ずっと分からないところはあったし。それに、これが自分たちらしいからこれでいこうって曲を作ると、どんどん幅が狭くなってしまうから、自分たちでも分からないフリして新しいことをしていたんです。そこをこのタイミングで気付かせてもらえたのはすごくいい機会でした。“THE BACK HORNらしさ”をよりはっきりと教えてもらえたので、それを今まで以上に堅いものとして胸の奥底にしまって今後もやっていけると思います。これを持っていればどこへ行っても大丈夫っていう感覚は、『With You』を作っているときにもありました。それを持って今後の幅も広げられると思います。

―同時発売されたDVD『TOUR DVD KYO-MEIツアー ~運命開花~』では、最終公演の様子が収録されていますよね

山田:新木場STUDIO COASTでの公演は、全35公演のツアーファイナルだったのでお客さんのテンションも熱かったです。観たら生で感じたくなるような映像になっています。

―ほかにも、ドキュメンタリーも収録されていますね。2月~6月に行われたツアーのすべての会場で撮影をされたそうですね。撮影総時間は1000時間にも及ぶとか

山田:そうなんですよ。それも栄純が自分でカメラを固定して撮ったり、マネージャーが撮ったりして、それを全部栄純が編集して。実際、ライブが終わって汗だくのままデータをパソコンに取り込んで、その間に着替えて、ホテルの部屋に帰って編集をしていましたね。オフショットもメンバーがカメラを回しているから、普通の映像監督さんじゃ撮れないようなタッチで。メンバーの普段見られないような表情もだいぶ撮れている貴重なドキュメントになっています。

―4月にはダイアモンドホールでの公演がありましたが、名古屋での様子も出てきますか

山田:オフショットが入っていますね。ツアー中、俺がインスタでライブ前に「○○の山田」っていう写真をあげていたんです。そのシリーズで、バナナを使った動物園風の写真を撮っている、くだらないのが入っています(笑)。

―楽しそうですね(笑)。11月からは全国5都市で開催する『「KYO-MEIホールツアー」〜月影のシンフォニー〜』がありますね。11月24日(木)には名古屋公演がありますが

山田:はい、鍵盤とストリングスが入った特別編成になっています。『With You』の初回盤特典DVDにライブ映像が入っているんですが、去年の4月に渋谷公会堂で鍵盤とストリングスを入れた一夜限りのライブ公演をしていて、それを今回ツアーにして5都市まわります。『With You』ももちろん演奏しますけど、既存の曲たちも鍵盤とストリングスを入れてリアレンジします。壮大な曲から疾走感のある曲、結構ダークな曲にも鍵盤とストリングスを入れるので、よりわくわくドキドキできると思いますよ。曲の雰囲気も変わって、映像がより浮かびやすくなるというか、頭の中でイメージしやすくなると思います。

―では最後に、今作『With You』を聴いてライブに来てくれる東海エリアのファンへ向けてメッセージをお願いします

山田:名古屋は人生で初めてラジオのレギュラー番組をやらせてもらったという初体験の場所です。俺も年を重ねるごとに名古屋にちゃんと心が開けてきているような感じもあるし、お客さんもライブ会場で心を開いてきてくれているのが本当に伝わるし、それは本当にとてもうれしくて。この『With You』じゃないですけど、まだまだ20年、25年ずっと一緒にお互いに音楽に助けてもらいながら生きていきましょう!

THE BACK HORN‐With You MV

■リリース情報

『With You』
24th Single
2016.10.19発売
初回限定盤(CD+DVD) 2000円(+tax)
通常盤(CDのみ) 1200円(+tax)


『KYO-MEIツアー ~運命開花~』
Tour DVD
2016.10.19発売
完全生産限定版 4600円(+tax)

■LIVE情報
「KYO-MEIホールツアー」~月影のシンフォニー~

11月11日(金) 大阪 NHK大阪ホール
11月18日(金) 福岡 福岡国際会議場メインホール
11月24日(木) 愛知 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
11月27日(日) 宮城 仙台電力ホール
12月08日(木) 東京 中野サンプラザホール

マニアックヘブンVol.10

12月23日(金祝)  東京 キネマ倶楽部 ※GIGのみ
12月24日(土)  東京 キネマ倶楽部 ※ギャラリーのみ
12月23日(日)  東京 キネマ倶楽部 ※GIGのみ

■オフィシャルHP
http://thebackhorn.com/

■プロフィール
1998年結成。“KYO-MEI”という言葉をテーマに、聞く人の心をふるわせる音楽を届けていくというバンドの意思を掲げている。FUJI ROCK FESTIVALやROCK IN JAPAN FESTIVAL等でのメインステージ出演をはじめ、近年のロックフェスティバルでは欠かせないライブバンドとしての地位を確立。そしてスペインや台湾ロックフェスティバルへの参加を皮切りに10数カ国で作品をリリースし海外にも進出。黒沢清監督映画『アカルイミライ』(2003年)主題歌「未来」や、紀里谷和明監督映画『CASSHERN』(2004年)挿入歌「レクイエム」など、そのオリジナリティ溢れる楽曲の世界観から映像作品やクリエイターとのコラボレーションも多数。2016年11月からはストリングス編成を交えた初のホールツアー「KYO-MEIホールツアー」~月影のシンフォニー~がスタート。

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