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INTERVIEW 旬のアーティストインタビュー

2016.12.5

The Skateboard kidsが『NEWTOPIA』でシーンを切り拓く

「本当に必要な音が必要な分だけ入っていた方が、アートとして美しいと思う(日置)」

名古屋在住の現役大学生4人で結成したThe Skateboard Kids(スケートボードキッズ)。彼らが初となるアルバム『NEWTOPIA』を11月23日にリリースした。シューゲイザー的な浮遊感やドリーミーな幸福感をまといながらも、決して妥協のない美しい音像を持った7曲が収録されている。音作りへのこだわりや情熱が詰め込まれた今作についてメンバー全員に話を聞いた。

取材・文 坪井

ーまずは、The Skateboard Kidsがどのように始まったのかから教えてください

日置逸人(Vo/Gt/Syn): 自分の好きなことを楽しくできるバンドがしたいと思って、大学が一緒だった花井くんに声を掛けました。当時のベースを含め、同じマンションに住んでいたので、週2、3回集まって曲を作って簡単に録ったのが始まりですね。録ったらライブもやりたいねという流れになって、ドラムを探そうと。でも、僕らの求めるドラムは流行りの8ビートとは違っていたので難航しました。それでも、たまたま見たメンバー募集サイトで田保くんを見つけ、実際にスタジオに入って「この人だ!」と、フィーリングで決めてメンバーに加入してもらいました。ベースは何度か変わり、大学の友達の岡くんに落ち着いて今に至ります。

ー最初は日置くんと花井くんの2人で曲を作っていますが、2人は音楽の趣味が同じだったんですか?

花井淳巨(Gt/Cho): 最初に話をしたきっかけはSPANK PAGEだったよね。

日置: そうだね。SPANK PAGEはお互いに好きだったので意気投合するのも早かったと思います。僕は他にも北欧のアンビエントやUSインディーがすごく好きでした。花井くんはそういった音楽を聴いていなかったので、無理やりCDを貸して、洗脳していったんです(笑)。そうしたら、急にAureoleというバンドが好きだと言いだして。

花井: たまたまYouTubeでAureoleのMVを見たんですよ。曲を聴いた時に「これだ!」と思って好きになりました。

日置: Aureoleは僕もその時に知ったんですが、それからかなり趣味が近くなりました。

ー田保くんはどんな音楽を聴いていました?

田保友規(Dr): 中学の頃はSchool Food Punishmentが好きでした。今はドラムですが、最初に手を出したのはギターで、その頃はメタルのコピーをしていたんです(笑)。高校の音楽の授業でドラムを叩く機会があって、面白いなと思ってドラムを始めました。それから、ロックやジャズ、アンビエントを聴くようになった感じですね。

ー最初はギターで、さらにメタルとは今の雰囲気からはイメージできないですね。
岡くんはどうですか?

岡 大樹(Ba): 中学生の頃はBUMP OF CHICKENが好きで、ベースを始めたのもその頃だったのでよく聴いていました。高校、大学と年齢を重ねるに連れてだんだん洋楽を受け入れる体になっていって(笑)。それから、ポストロックや北欧インディーを聴くようになりました。

ーなるほど。入口はみんな違うけれど、今では同じ音楽を聴くようになったんだね。その
The Skateboard Kidsがリリースする初のミニアルバム『NEWTOPIA』は、ギターの浮遊感やループが心地良く、自然と体が揺れます。曲はどのように作っているんですか?

日置: 作曲はみんなでスタジオに入って、セッションしながらゼロから作っています。詞は僕が書いています。

ー楽器それぞれの音がしっかり耳に入ってくるので、音を重ねずシンプルに作られている印象です

日置: それはテーマでもあります。いらない音はとにかく入れない。いるかいらないか迷ったら入れません。本当に必要な音が必要な分だけ入っていた方が、アートとして美しいと思うんです。もちろんライブで再現する以上、必要だと思ったら入れますが、今回はいらないと思ったので一切重ねていません。フレーズとしてのギター1本、シンセ1本に、ドラムとベースだけです。そこはすっきりさせて、しっかり一つ一つのバランスをきれいに取ることは意識しています。無駄なものを入れて厚みを増すのではなく、どんどん削いで必要な音だけでどれだけ鳴らせるかを考えています。

ー足すのではなく引くと。それだけに、楽器それぞれでこだわりも生まれると思います。そこで、それぞれその観点からお気に入りの1曲を教えてください

日置: 僕は『1994』ですね。生まれた瞬間を想像して作ったんですが、みんなでセッションしたら5分ぐらいで今の状態の曲が出来たんです。細かいことをあまり考えず、その時のテンションでできた感じが気持ち良かった。『1994』は僕らが生まれた年のことで、テーマも作る前に想像していたので、歌詞もスラスラ書けました。作った時間が一番短い割に、ループの感じやギターのディレイが一番面白い曲だと思います。

ー『1994』は間奏のギターと、間奏から終盤にかけて目立ってくるドラムが印象的です

田保: あえてベースとずらしたりバチッと合わせたりを、セッションしながら作っていきました。単純に楽しかったですね。

花井: 間奏のギターはいろいろ試しました。結果、いい感じになったと思います。

日置: 目立ち過ぎないけれど、目立たない事もないという絶妙な感じが出ていると思います。

ーそのサウンドに乗ってくる歌声は流れるようで、どこか洋楽っぽい感じですね

日置: 日本語はリズムがタテだと思うので、言葉が聴き取れる範囲でどれだけ滑らかにできるかを考えています。僕の中では、母音をいい感じに揃えるところに落ち着いたので、あまりパッパしないように歌っています。言葉よりも先にメロディが入ってきて、その後に言葉が付いてくるイメージですね。

ーそういう考えの元で歌っていたんですね。息の抜き方も絶妙で滑らかです。花井くんはどの曲がお気に入りですか?

花井: 僕は『Dieving』です。普段はどれだけ音を抜くかを考えているんですが、この曲は逆にかなりギターを弾いています。レコーディングの時も、toeの美濃さんからアドバイスをいただきながら弾きましたので、かなり試行錯誤しました。

ーこの曲は他と雰囲気が違います。真ん中に置いているのも、アルバムを通して聴くことを考えて意味があるのかなと思いますが…

日置: 今回初めてアルバムを制作したので、主観で似ている曲がないようにしました。僕らが好きなthattaというサイケバンドに影響を受けて、自分たちの曲にもサイケの要素を取り入れているんですが、この曲は、あからさまにサイケをやってみようと思って作りました。また、激しくてもラウドっぽくなるのではなく、ヨコノリになるように作りました。

ーあくまでイメージはヨコノリだと。続いて岡くんはどうですか?

岡: 僕は1曲目の『Laundry Lighting』が一番気に入っています。単純に好きなベースラインが弾けているんです(笑)。ルート弾きのループしているようなフレーズの中に、ちょっとしたスパイスを加える表現ができたので好きですね。それに、今作の中でも結構踊れる曲だと思います。

ー確かにシティポップ感があって、自然と体がヨコに揺れる曲だと思います

日置: この曲はヨコノリで踊らせたいと思って作りました。弾いているのはタテなんですが、お酒を片手に小刻みにステップを踏めるような感じです(笑)。

ーなるほど(笑)。では最後に田保くんお願いします

田保:『Bonfire』ですね。この曲では、ドラムをわらみたいなスティックで叩いています。下からずっしり支えるイメージの中、所々ばれないように変拍子も入れています。

日置: その変拍子がポイントです。普通に聴いていたら拍子が変わったことに気付かないと思うんですが、実はコロコロ変わっています。それを自然に出来たところが良かったですね。

ー気付かないところにこそ、こだわりがあると。では挙がらなかった曲について。2曲目の『Somewhere』は、開かれた感じのポップな曲。1曲目の『Laundry Lighting』が夜だとすると、この曲は朝で優しい印象です

日置: 今作の中で唯一昨年作った曲です。引っ越しをして一人暮らしを始めた頃、朝に窓を開けてベランダから外を見ることにハマっていて(笑)。その清々しさを出せたと思います。曲はセッションしながら作るので、そもそもその日の気分が反映されやすいのかなと。この曲の時は楽しい気分だったから、明るい感じの曲になったと思います。

花井: 俺もギターいっぱいディレイかけちゃったし(笑)。浮遊感を出せた感じですね。

ーこの曲に限らず、全体的にギターやシンセの浮遊感はありますよね

日置: ベースとドラムはタイトにキメて、ギターとシンセで浮遊感を出しています。その間にボーカルが入るのがきれいなバランスだと思っているので、この曲は上手くハマったと思います。

ー最終曲『Coastal Hill』は壮大で広がりを感じる曲ですが、どのようなことをイメージして作ったんですか?

日置: この曲は、ここから何かが始まっていくイメージで作りました。最後の曲としてアルバムが綺麗に完結するように、収録曲が出そろったタイミングで大幅にアレンジを変えたんです。その結果、この曲からバンドが始まっていくイメージになったと思います。

ーその7曲ですが、タイトルの『NEWTOPIA』は造語ですよね?由来を教えてください

日置: 確かにタイトルは造語です(笑)。これは僕の一存で決めました。単純に「UTOPIA」の“U”を“NEW”に変えただけです。「UTOPIA」は「理想郷」という意味なんですが、それを僕らの新しい理想郷として7曲で表現したので『NEWTOPIA』にしました。

ーなるほど。タイトルには、自分たちだけの理想郷という意味があると。そして、来年1月9日(月)に鶴舞のKD japonでワンマンライブを行いますね

日置: KD japonでワンマンをしたかったんですよ。ここは全て生音なので、いま僕らのやっていることが表現しやすいのかなと思います。

ー今の自分たちの音楽を表現しやすいハコなんですね。では最後に、今後の目標をお願いします

花井: 名古屋のこのシーンといったらThe Skateboard Kidsだと言われるようになりたいですね。

日置: 東京で活動していて、名古屋になかなか来られない好きなバンドたちを僕らが呼べるようになりたいですね。

岡: シーンに食い込んでいきたいですね。

田保: 東京ではシーンに食い込み、名古屋ではシーンを作っていきたいです。

日置: そうだね。それに、僕らの新しい引き出しを開け、今回とは違うテーマで来年アルバムをリリースしたいなと思っています。

The Skateboard Kids 2016.11.23「NEWTOPIA」Album trailer

■リリース情報

『NEWTOPIA』
1st Mini Album
2016.11.23発売
1667円(+tax)

■LIVE情報
『NEWTOPIA』Release ONE MAN LIVE

2017年
1月9日(月) 鶴舞 KD japon

■オフィシャルHP
http://theskateboardkids.tumblr.com/

■プロフィール
2015年2月の結成直後にデモ集『Champaul』をリリース。同年8月にはCD&カセットテープ&配信(Bandcamp)の3形態にてデモ集『Spiritus』をリリース。会場限定カセットテープは完売し、配信では海外からのオーダーも受け、収録曲『Somewhere』はアメリカのラジオ(DKFM)にてオンエアされるなどの反響を得る。2016年3月に限定盤カセットテープ『BONFIRE』をリリース。そして、11月23日に初のアルバム『NEWTOPIA』をリリースした。

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