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INTERVIEW 旬のアーティストインタビュー

2016.8.23

the unknown forecastが突き詰める独自の表現

「自分が感動したいし、感動を共有したいんだろうな(幡野)」

このインタビューが行われたのは8月3日(水)。ドラムの伊藤優太が脱退するライブの3日前だ。そのタイミングで、伊藤を含めたメンバー4人最後の作品となる2ndシングル『雑草』について、メンバー全員にインタビュー。

取材・文 坪井

ー前作のミニアルバム『I am music for』から約半年振りだね。2ndシングル『雑草』の構想はいつ頃からあったの?

幡野友暉(Vo/Gt): 『雑草』は『I am music for』のレコーディングを始める3日ぐらい前にデモができたんです。メンバーの間で「いい感じだよね」となったんですが…。

岡村耕介(Gt): 今から制作していたら間に合わないので次の機会にしようとなりました。

幡野: 曲の構想自体は前作の時にありましたね。

ータイミング的にギリギリだったから前作のミニアルバムには入らなかったと

幡野: それもありましたけど、曲調的にも『雑草』が入ったら作品のバランスが悪くなるというのもありました。だから次回にすることにしたんです。

伊藤優太(Dr): デモの段階でカッコ良かったんですけど、『I am music for』に入れるのはちょっと違うかなと。

ーその『雑草』はそれから順調に曲ができていったの?

幡野: 絶対に良くなるだろうなとは思っていんですが、歌詞がなかなか書けなかったんです。3ヵ月間ぐらいずっと書き続けていました。

ー結構苦しんで生みだしたんだね

幡野: 最初は今のような詞を書きたいと思っていたんですが、時間が経つに連れて表現を上手くしたいという色気が出てきちゃうんです。真っ直ぐな思いだったはずなのに、自分でどんどんイロをつけていくことで、最初の瞬発力がなくなっていくんです。結局一周して、最終的には最初に戻るという…。でも、遠回りしたことは絶対に必要な作業だし、遠回りしたことで歌に対する思い入れもすごく強くなるし、たくさん言葉を出した中から俺はこの言葉を選んだんだと自信を持って言えますね。

ー確かに。『雑草』はどこからインスピレーションを受けたの?

幡野: 僕は歩くのが好きでよくプラプラ歩いているんですが、ちょうど春先ぐらいに曲のことを考えながら歩いていたら、土手にタンポポが咲いていて、その隣には雑草が生えていたんです。その時に、どうして人は雑草じゃなくてタンポポの方が好きなんだろうと思って。そんなことを考えながら歩いていたら、キレイだとすり込まれた情報だけでそう思っているんじゃないか、桜も同じなんじゃないかと思ったんです。咲いている桜を見上げているけれど、足元にいる雑草だって同じ植物だよなと思ってから、歌詞が書けるようになりました。

ーそもそも雑草ってどんなイメージ?

幡野: 日陰の存在ですね。どうしてアイツばかりいい思いをするんだろう、どうして僕だけ怒られるんだろうなど、誰にでも日陰の部分ってあると思うんですよ。

ーなるほど。他のメンバーは完成した歌詞を読んでどう思った?

岡村: すごく悩んでいたのも苦戦していたことも知っていました。スタジオで僕のリードギターが録り終わって、後は歌入れだけという時でもまだ歌詞が完成していなかったので、先にミックスをしてもらっていたんです。その間に頑張って書いていました。そして2時間後、清々しい顔で現れて(笑)。歌詞を見たらすごく良かったので、延ばして本当に良かったなと思いました。

幡野: おかむーが延ばしてくれていたその2時間でキター!! ってなりました(笑)。

細川雅弘(Ba): 歌詞が出来た時は感動しました。本当に苦しんでいたし、悩みながら書いていたので、どうなるんだろうなと思いながら完成までの過程を見ていました。最初は、いい歌詞だけどしっくりこない感じだったんですが、最後の出来上がりを見たらすごくまとまっていて、すごくいい詞だなと思いました。

幡野: すごく気に入っている1番のAメロを、最後まで薄めずに書けるのかがテーマでした。なかなか上手くいかなかったんですが、最終的には本当に純度の高い歌詞になったと思います。

細川: 時期もいいですよね。イントロが何か夏っぽいんです。最近ミュージックビデオの撮影もしたんですが、緑の生い茂っている感じがピッタリなんですよ。

幡野: 確かに。今回はドローンを使って撮影しているんですよ。

ーそのミュージックビデオも必見だね。伊藤くんは歌詞を見てどう感じた?

伊藤: 詞を見てすごいなと思ったんですが、幡野はこれをどのように歌うんだろうと興味があったんです。だから、幡野のレコーディングが終わって曲を聴いた時にむちゃくちゃ感動しました。

幡野: うれしい…。

伊藤: 幡野は難しそうな言葉を使うことが多いんですが、それでもメロディにピッタリ合うのがすごいなと思いながら聴いています。

ー幡野くんは言葉選びにこだわっているよね

幡野: メロディにどれだけ合うか、母音がどう入るのかを歌詞を書くときにいつも考えちゃうんですよ。

ー声も独特だしね

細川: コーラスも結構てこずりますね。

幡野: 歌うのは難しいよね、たぶん。

細川: みんなでコーラスのレッスンに行っているんですが、先生から「幡野のコーラスはちょっと難しいよね」と言われるんです。クセのある歌い方だから、そこに寄せていかなければならないんだけど、幡野の歌い方に寄せるのは難しいよねと(笑)。「このバンドの場合は普通とはちょっと違うんじゃない」って言われて、なるほどなって思いました。

ーそのコーラスが利いているカップリングの『ひとのせいにする』も『雑草』と同じタイミングで出来た曲?

幡野: もっと前ですね。『携帯電話』と同じぐらいだったから3年ぐらい前です。この曲も今回かたちにしようとなって制作しました。

ーどうしてこのタイミングで?

岡村: この曲を入れたいなぁ、面白そうじゃんって幡野が言ってて。

幡野: そうだっけ? 完全に忘れてた(笑)。『雑草』と曲調が対になるから面白そうだなと思ったんです。『雑草』のサビは抽象的なんですが、『ひとのせいにする』はかなり具体的なんですよ。

ー具体的とは?

幡野: ひとのせいにすることの出来ない人が自殺しやすいという話を聞いたことがあって、日本人は責任感が強いから自殺する人が世界でも多い方なんです。それってすごく悲しいことだなと思って、だから人のせいにしてもいいんだよという曲を書きたかったんです。そこで、「お前はいつも人のせいにする」と1番ではお前のことを歌い、2番に入ると「なんでお前のことで俺が悩まなければいけないんだ、それは全部お前のせいだ」となり、「結局俺もいつも人のせいにしている」と。だから最終的に、「俺もお前も人のせいにするし、みんな人のせいにするんだから、人のせいにしてもいいんだよ」と。

岡村: そして、楽になろうよという。

幡野: そう。そういう歌なんです。チャランポランそうな歌だけど、テーマは深くて、自殺防止の歌だと思うんですよね。

細川: 1番最後の「人のせいにして笑えばいいんだよ」から、「俺もお前も人のせいにする」までコーラスが入っているんですが、そこが『ひとのせいにする』というタイトルなのに温かみがあるんです。ここで救われる感がすごくあって好きなんですが、最後に「でもやっぱりお前が人のせいにしてる!」で落とされるみたいな(笑)。

岡村: 最後のところはめちゃめちゃ大事(笑)。

ーこの曲は、the unknown forecastという曲だと思う。こういうメッセージの伝え方が多いよね

幡野: 全然違うところから切り込んでくる曲は刺さらないと思っているので、身近なところから入るようにしています。ツイッターが流行っているいま、Aメロから聴いてはくれないかもしれないけれど、最初から聴いてくれる人を大事にしたいので、導入を大事にしています。いい歌詞を書く人は最初の2行がいいし、どこを切っても何を主張したいのかが分かる詞がいい歌詞だと思うんです。

ーなるほど。今作も含め、アンノウンは他とは違う独自性があってこれからも楽しみだね

幡野: 僕はその人の1番になりたいと思っています。今ツイッターでバンド名をたくさん羅列して、このバンドが好きですと自分を飾る時代だと思うんですが、このバンドしか好きじゃないみたいな一つになりたいですね。自分たちの表現をどんどん突き詰めていって、自分たちにしか出来ないことをしたいと思っています。自分が感動したいし、お客さんを感動させたいですね。感動を共有したいんだろうなと思います。

【MV】雑草 / the unknown forecast

■リリース情報

『雑草』
2nd Single
2016.7.26発売
※ライブ会場・名古屋市内のタワーレコード・iTunes配信
500円(tax in)

■LIVE情報
the unknown forecast 自主企画LIVE
12月3日(土)  名古屋 Electric Lady Land

■オフィシャルHP
http://theunknownforecast.jimdo.com/

■プロフィール
幡野友暉(Vo/Gt)、岡村耕介(Gt)、細川雅弘(Ba)からなる、名古屋を拠点に活動するギターロックバンド・the unknown forecast(アンノウン・フォーキャスト)=予測不能。ボーカル幡野の独特な世界界観の歌詞に加え、彼にしか表現できない歌声、メロディアスかつエネルギッシュでこだわり抜いたサウンドで、the unknown forecastは確立される。2013年4月に初の全国流通盤『オークション』を発売。2015年3月に名古屋CLUB UPSETにて行われたバンド史上初のワンマンLIVEはSOLD OUT。その後も『Treasure05X』に出演するなど精力的に活動。また、現在MID-FMで毎週土曜22時~23時ON AIR中の番組「Indies Collection」内でのコーナー「はたのの部屋」を担当。2016年7月26日に2nd Single『雑草』をリリース。そして、2016年8月6日(土)にDr伊藤優太が脱退した。

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