1. HOME
  2. INTERVIEW
  3. Xmas Eileenが『DIS IS LOVE』で魅せたスタイルの深化

INTERVIEW 旬のアーティストインタビュー

2017.10.12

Xmas Eileenが『DIS IS LOVE』で魅せたスタイルの深化

「今回メッセージ性の強い歌詞が多かったので、“愛をディスる”というのが合うかなと思ったんです。(ギター)」

10月18日に2ndアルバム『DIS IS LOVE』をリリースするXmas Eileen。よりメッセージ性の強い歌詞に、ダンサブルから広がりのある壮大なサウンドまで幅広い楽曲10曲が収録された今作は、これまで以上にエモーショナルな作品に仕上がっている。そのアルバムについて、Vo.右とギターの2人に話を訊いた。

取材・文 坪井

ーまずは、10月18日にリリースされる2ndアルバム『DIS IS LOVE』のタイトルについてお聞きしたいのですが、“DIS”はあまり良い意味ではないですよね。なぜあえてこの言葉を選ばれたんですか?

Vo.右: Xmas Eileenの曲名やアルバムタイトルなどのネーミングは、これまで全部僕が考えてきたんですけど、今回だけは彼(Gt.)が付けました。

ギター:タイトルに“LOVE”を入れたいというのだけあって、『○○ LOVE』や『LOVE ○○』などいろいろな案がありました。その中で『DIS IS LOVE』にしたのは、“LOVE”と“DIS”は表と裏のような対極にあるものだと思うんですけど、表裏一体って言うじゃないですか。そういう意味で、今回メッセージ性の強い歌詞が多かったので、“愛をディスる”というのが合うかなと思ったんです。あと、パッと見た時にどういう意味なんだろうと思わせたいのもありました。ラジオで聴いただけなら「この愛」というタイトルだと思うかもしれないんですけど、CDが並んでいるのを見たら、「こっちなんだ」となるのが面白いかなと思ってこのタイトルにしました。

ー今作はタイトルにあるLOVEの通りいろいろな愛が描かれていて、中には結構突っ込んだ内容の歌詞もありますよね。特に『Candy Smile』のテーマは重いなと。何かきっかけがあってこの曲は生まれたんですか?

Vo.右:この曲に関しては特定の何かがきっかけになったというより、そういうニュースを見て自分が思うことを書きました。でも、これはミュージックなので、説教くさくならない程度に留めています。あとは聴いた人の受け取り方次第にしたつもりです。

ー捉え方は聴き手に委ねるということですね。収録曲が前後しますが、1曲目の『Timer』は<ボクの中のTimerが切れてしまうから>という言葉が印象的で、切迫感を感じます

Vo.右:人は前に進むしかできないことをテーマに書きました。進ませないとタイマーが切れてしまうというシンプルな歌詞になっています。実はこの曲、途中まで全く違う歌詞だったんですよ。レコーディングしている時に電話があって、モンストアニメ『消えゆく宇宙編』の主題歌に決まったんです。その時、未来に向かっていくような表現をしてほしいと言われたので、歌詞を全部ボツにしてもう一回やり直したんです(笑)。でも不思議なもので、この曲は初めからこの歌詞だったかのようになっていて、ボツになった前の歌詞を覚えてないんですよ。この曲は運命的な曲だなと思いますね。

ギター:レコーディングスタジオに差し入れを持って行ったら、いなかったですから(笑)。日程が変わったって。

ー(笑)。この曲を含め最初の2曲からガラッと雰囲気の変わる3曲目の『パーセンテージ』は、壮大で今までにない曲だなと思いました。この曲はどのように生まれたんですか?

Vo.右:この曲はHIDEというコンポーザーが提示してきて、こういうのをうちのバンドでやったら面白いかなと思って作りました。すごくいい曲で、かなり気に入っています。この曲ができたことにより、いろいろな部分で足し算・引き算できるようになる気がしますね。

ギター:これまでは短く切ることが多かったんですけど、この曲は壮大な音の使い方というか、伸ばして伸ばしてというあまりやっていなかった感じになっています。

Vo.右:全曲に言えるんですけど、特にサビだけを切り取っても「はっ」とするものにしたいなというのはあったので、この曲のサビはすごく考えましたね。

ーそのサビ後のという言葉も結構耳に入ってきます

Vo.右:<手招きしてるから>で終わって、最後どうする?と考えて2秒ぐらいで出てきた歌詞だと思います(笑)。これしかないみたいな。

ギター:その言葉もあってか、僕は完全に東京オリンピックへ向けての曲だと思ったんですけど。

Vo.右:そうなん?(笑)。

ギター:壮大だし、アスリートっぽい感じの曲だなと思ったんですよ。

Vo.右:なるほど。今回コンポーザーの2人とは、タイアップが欲しいとか何かのエンディングに決まりたいとかは抜きにして、全曲CMソングや映画のエンディングになるような曲を意識して作ろうという話をしました。2人は結構細かい音まで意識して作っていましたよ。それに、ボーカルも2人いるので、例えばまずVo.左に歌わせて次に俺が歌うという型みたいなものがあったんですけど、今回は聴かせるために楽曲を優先させようとなり、それを一回外してみたんです。

ギター:そもそもこのアルバムって、サビにいくまでが早いんですよ。そういうのも計算して作っているなと思いましたね。

ー確かに早いです。1曲の秒数も短いですよね

Vo.右:そうですね。アルバム自体10曲で40分もないと思います。

ギター:だからレコーディングが楽だったんですかね。

Vo.右:いやいや、全然楽じゃなかったけど(笑)。

ギター:ギターを弾いていても、なんかいつもより短いなと思って。

ーギターで言うと、『Tell Me All Your Lies』のギターがすごく好きです。特にギターソロの部分がカッコいい

ギター:「ここを空けといたよ」と言われたので。

Vo.右:ここにギターをブッ込んでほしいと思ったところは空けておくんです。後はご自由に、と。だから僕も出来上がるまでどんなギターソロが入るのか知らなくて、聴いたら「うわっ、今の時代にこんなんやるんだ!」と(笑)。

ギター:今時やらないようなことをやってやろうと思って、中学の頃に聴いたメタルチックな音を思い出しながら作りました(笑)。

Vo.右:最初ダサっと思ったけどね(笑)。

ギター: (笑)。あえてだから。

Vo.右:俺のセンスにはないけど、気に入ってますよ。

ギター:最近のロックバンドってあまりギターソロをやらないですよね。やってもサビのメロディをオクターブ上で弾くぐらいなので、見とけよと。意味なく5本のギターを弾いて、どれが一番合うか試したりもしましたね。時間の無駄でしたけど(笑)。

Vo.右:ギターソロ以外のフレーズはめちゃくちゃオシャレなのに、なんでそこだけそんなダッサいのって(笑)。でも、それがすごくいいなと思って。

ギター:だから、あえて!(笑)。

ー(笑)。次の曲『世界の全て』は、タイトルに反してちょっと閉塞感のある歌詞になっているなと思いました

Vo.右:今回はサウンドも開けていて、歌詞のテーマも壮大になってきたので、6曲目ぐらいでレンジの狭い曲を歌おうと。俺、道路、昔の思い出、未来への願望という狭い世界観で終わっていて、その曲に『世界の全て』という壮大なタイトルを付けたら面白いなと思ったんです。人間って本当は自分の狭い範囲ぐらいが世界の全てで、地球の裏側がどうなっているかまで考えないじゃないですか。今日仕事へ行くのダルいなぐらいだと思うので、そういうのを歌にしたいなと。

ーその曲と反対にあるような次の曲『Long Highway』は、実は今の自分と重なる部分があって勇気付けられました

Vo.右:そうなんですね。うれしいです。

ギター:この歌詞のタイトルなんですが、僕も最近本当の意味を知ったんです。どうぞ。

Vo.右:はい。この曲は、すごく珍しいタイトルだねと言われたんですよ。でも僕は「Long Highwayってめちゃくちゃベタでしょ」って言ったら、「Long Wayなら分かる」と言われて。僕は完全にLong Wayの概念で書いていたので、そう言われると、「なんで高速道路(Long Highway)なんだろう?」と。僕らはまだまだのバンドなので、移動も車中心なんですよ。だからずっと高速を走ってる。高速道路が長すぎて、たぶん自分の中で勝手に“道=高速道路”になってたと思うんですよ。それで、自然に『Long Highway』となったのかなと思います。高速道路の朝方ってすごくキレイなんですよ。ツアーを回って帰って来る時の高速道路に陽が差してくる景色がすごくキレイで大好きなんです。しんどくなかったらあの景色は絶対に見れないんですよ。ぼけっと見てしまうので。しんどかったけど、めっちゃキレイというのを歌で表現できたらいいなと思って書きました。

ーその感じ出ています。さらに、疾走感のあるサウンドで最後の曲っぽい感じもあります

ギター:ギターは一番複雑なことをした気がします。疾走感をどうやって出そうかと。高速道路なので(笑)。最後すごくキレイに終わる曲なので好きな曲ですね。

Vo.右:歌詞の最後が<素晴らしい日々を歩め終わりの日まで>ですからね。

ーすごく前向きになれる歌詞だと思います。そして次の曲『Radio』は、かなりEDM感のある曲になっていますね

Vo.右:ライブやイベントを観にいった後、Vo.左とパフォーマーさんの3人でよく答え合わせをするんですけど、それをした上でこの曲は「イェーイ!」じゃない感じの歌詞を乗せた方が面白いんじゃないかと。あまりEDMでこういうアプローチの歌詞を見たことがないし、僕らパーティーピーポーじゃないですよという感じの曲にしたいなと思って作りました。

ギター:何と言っても、サビが<最低な時代>ですからね。

Vo.右:サビ、ヤバいでしょ(笑)。

ギター:斬新ですよね。

ー確かに斬新です(笑)。しかも曲の中でサウンドが変化していきますよね

ギター:僕もレコーディング前に曲を聴いた時、「こんな曲でいいの?」って思って(笑)。歌も入っていなかった状態でレコーディングしたので、録った後、Vo.右に電話して「これで終わっていいの?ギターもこれだけでいい?」って。そうしたら、「全然大丈夫」だと。

Vo.右:僕の頭の中にはちゃんと構図があったので。

ギター:でもトラックだけレコーディングした時、「マジでこんなんでいいの?」って何回も言いましたから(笑)。歌が入った後に聴いたら、<最低な時代>って言ってるから、「歌詞もこれでいいの?」って(笑)。でも最後まで聴いたら、確かにこれは新しいなと。『Radio』っていろいろなバンドが使ってるタイトルじゃないですか。僕らのバンドでこのタイトルでこの曲、確かに俺らにしかできんなと。ギターも小学生ぐらいの子でもできるんじゃないか程度のことしかやっていないですから、本当に録りながら考えさせられる一曲でした(笑)。ボーカル陣のすごさをこの曲から感じましたね。

Vo.右:(笑)。

ーある意味引き出しが増えた曲なんですね。そして次の曲『A World where birds can’t survive』はバラードですが、メッセージ性がある曲だなと。<生きるコトだけ諦めないで>ってなかなか言えない言葉ですね

Vo.右:やっぱり音楽をやらせてもらっている以上、普段言えないことを言わないといけないなと。なかなか言えないことも歌にすれば照れずに言えるという武器をいただいているので、ちゃんと言いたいことを言おうというのはあります。『A World where birds can’t survive』は、“鳥が生きにくい世界”という意味なんですけど、生きにくい世界でもがんばってくださいというシンプルな歌です。最後の箸休めぐらいな感じで聴いてもらえたら。

ーそうなんですね。そして最後はシングル曲『99.9』ですが、あえて最後に置いたんですか?

Vo.右:特に意図したわけではないんですが、最後はバッとアゲて終わろうとなった時、それに一番相応しい曲ということで決まりました。シングルだからというのは意識せず、並べてみて単純にこの曲の使い勝手がココだなという感じですね。

ーなるほど。この10曲のCDに初回限定盤にはBOOKとプレイパスで見られるコント映像等も付くという豪華な仕様になっています。BOOKはパフォーマーさんの書き下ろしなんですよね

Vo.右:結構サブストーリーの多いバンドなので、それを面白おかしく出せたらいいなと思って。パフォーマーさんが小説家顔負けの文章で書いてくれたので、やっぱり彼はすごいなと思いましたね。メンバーそれぞれの能力を最大限に引き出せる作品にしたかったので、そういう意味では、彼は音源には何の役にも立ってないんですが(笑)、ここでこう来るかと。本当に面白いバンドだなと思います。

ーそんなみなさんの出会いから結成までのストーリーが書かれているんですよね

Vo.右:彼がストーリーテラーとなり、僕とみんながどう出会ったかというところと、バンドを結成する経緯を書いていますね。最近ファンクラブも作ってもらったので、ファンクラブの中では一番初めの曲ができた時の話もすごく面白いので、それを見せられたらいいなと思いますね。

ー広がりがありますね。さらに今回はコント映像もあるんですよね

Vo.右:コント映像はうちの放送作家さんが…。

ギター:無茶振りで、コントを撮るぞとなったので、至急、学校のセットを借りて撮影しました。

Vo.右:マジのセットを借りたんですよ。

ギター:僕らもお笑いの分かる国から来ている以上、やるならどこに出しても恥ずかしくないものを作りたかったので。パフォーマーさんが先生で僕らが生徒という設定でやろうとなったので、ネタを考えようと家にパフォーマーさんを呼んだんですけど、何も考えずカレーだけ食べて帰りましたね(笑)。でも撮ってみたら、意外と普段プロモーションに行かないメンバーが活躍してくれたんですよ。こいつ普段こんな面白いことできるんだという新しい発見がありました。絶対に普段やらないことをやっているので、ぜひ見てほしいですね。

ーすごく見たいです。初回盤はかなり豪華な内容になっていますね

Vo.右:そうなんですよ。すごく豪華にしていただいて感謝しています。

ギター:8,000円ぐらい取ってもいいんじゃないかなと。

Vo.右: (笑)。

ギター:本当に真剣にコントに臨んだので、ぜひ見てほしいですね。

ーファンなら絶対に見なきゃいけないですね。そして11月1日の京都MUSEからツアーも始まります。どういうツアーにしたいですか?

ギター:このアルバムを聴いて初めて来るお客さんもきっと多いと思うので、その人たちをどれだけ楽しませるかと、今まで来てる人は楽しみ方が分かっていると思うんですけど、その人たちをもっと楽しませたいですね。パフォーマーさんがいま漫画を読みながら必死に考えていると思います(笑)。

ーパフォーマーさんのアイデアを含め楽しみにしています(笑)。では最後に、この作品を手に取ってくれる方へメッセージをお願いします

Vo.右:またここでインタビューしてもらえるバンドでい続けられるように頑張って、またここに帰って来るのでこれからもよろしくお願いします。

ギター:今回で僕ら3回目ですよね。ありがとうございます。普段はあんまり自分たちで作ったものって聴かないんですよね。でもこれは結構聴くんですよ。良くも悪くも聴き流せて、全く邪魔にならない。それっていいアルバムだからかなと。この10曲は自信がすごくありますので、是非みなさん聴いてください。

Xmas Eileen 『Candy Smile』(SPECIAL EDIT)

■リリース情報

『DIS IS LOVE』
2nd Album
2017.10.18 発売
初回限定盤(CD+BOOK) 3,500円(+tax) ※トールサイズ仕様
通常盤(CD) 3,000円(+tax)

■LIVE情報
“DIS IS LOVE” TOUR 2017
11月01日(水) 京都 KYOTO MUSE ※ワンマン
11月03日(金祝) 熊本 熊本B.9 V2
11月04日(土) 福岡 DRUM Be-1
11月10日(金) 兵庫 神戸VARIT.
11月11日(土) 香川 DIME
11月16日(木) 宮城 仙台MACANA
11月17日(金) 岩手 Club Change WAVE
11月19日(日) 北海道 札幌KRAPS HALL
11月23日(木祝) 富山 Soul Power
11月24日(金) 石川 金沢EIGHT HALL
11月30日(木) 愛知 名古屋CLUB QUATTRO
12月08日(金) 岡山 IMAGE
12月09日(土) 広島 広島セカンド・クラッチ
12月22日(金) 大阪 BIGCAT

Xmas Eileen 『ONLY HOLY NIGHT 2017』
12月25日(月) 東京 ZeppDiverCity TOKYO

■オフィシャルWEB
http://xmaseileen.com

■プロフィール
爆音で跳んで、笑って、踊って、泣いて、歌う、超・エンターテイメントバンド
人の心の弱さ、人を想う気持ち、前に踏み出す勇気を日本語で表現。ストリートを遊び尽くした独自の五感で、ジャパニーズロックサウンドを世に提示。ステージメンバーはツインボーカル、パフォーマー、ギター、ドラム、DJの6人全員がNO NAME(名前なし)。さらにコンポーザー、映像、アートワークを手掛けるメンバーを含んだクリエイティブチームとして活動。
2014年ライブデビューを皮切りに、大型フェス出演などでロックファンの間で話題になる。2016年8月に1stアルバム『ONLY THE BEGINNING』でメジャーデビュー。そして、2017年10月に2ndアルバム『DIS IS LOVE』をリリース。

  •  
  •  

< INTERVIEW 一覧へ戻る

他のインタビューを読む

▲トップへ戻る