1. トップ
  2. インタビュー
  3. Yogee New Wavesがメジャー最初の作品で表現したものとは

ライター ツボイ

2018.3.13

496 good

Yogee New Wavesがメジャー最初の作品で表現したものとは

「求め合う感覚はどこか春の陽気に似ている(角舘)」

以前から大型フェスやイベントに出演していたYogee New Wavesだが、実は3月14日にリリースされるe.p.『SPRING CAVE e.p.』がメジャーデビュー作。既に人気の高い彼らがメジャー最初の作品で表現したものとは。フロントマンである角舘健悟(Vo/Gt)に話を訊いた。

―3月14日リリースの『SPRING CAVE e.p.』でメジャーデビューされますが、そもそもメジャーは意識されていました?

角舘健悟(Vo/Gt): インディーズの時に1200人キャパのライブハウスでライブができたので、インディーズでもできるんだなと思ったのと同時に、もっといろんな人に聴いてもらいたいなとも思いました。そのために、メジャーの力を借りるのは必然なのかなと。

―確かにより多くの人に知ってもらうためにはメジャーの方がいいと思いますが、最近ではインディーズとメジャーの垣根って昔ほどないと思うんですよ

角舘: 確かにインディーズというブランド自体が少し崩壊してきた感覚はありますね。

―バンド名のYogee New Wavesですが、“ニューウェイブ”と入っているのでバンドの音楽性を勘違いされたこともあったんじゃないですか?

角舘: 過去にバンド名からポストパンク寄りに思われたことはありましたね(笑)。ニューウェイブというジャンルは今の時代からするとオールドウェーブであって、現代におけるニューウェイブって何なんだろう?と考えたことがきっかけで、バンド名は生まれました。

―そうだったんですね。皆さんの音楽は、はっぴいえんどの流れを汲んでいると紹介されることが多いと思います。実際に影響を受けたアーティストをお聞きしてもいいですか?

角舘: 僕はフィッシュマンズが大好きで、そこに強く影響を受けたと思っています。歌詞に関しては松任谷由実さんですね。はっぴいえんどは、メディアの方々から言われて、「本当にそうなのかな?」って聴き直した感じです(笑)。

―(笑)。松任谷由実さんの歌詞に影響されたのはちょっと意外でした

角舘: でも、あまり松任谷さんの歌詞を読まないようにしています。読むと思いっきり引っ張られるので。それぐらい影響を受けていると思います。

―そんなに影響を受けているんですね。メジャー作品となる今作を制作するにあたり、今までと気持ちの面で違いはありました?

角舘: インディーズの時に1200人キャパでライブして、大学1、2年生の頃の鬱屈とした自分ではダメなんだなと。その頃の自分があまり好きじゃないのもあって、今回は人間的に成長できたらいいなと思いつつ、曲も一緒に進化していったらいいなとざっくり考えたのはあります。

―その作品ですが、『Intro』から『Bluemin’ Days』への流れが今作のタイトルにもある春を感じてすごくいいなと思いました

角舘: 『Intro』は1曲目に『Bluemin’ Days』があることを理解していたので、その前にワンクッション置きたいと思って作りました。今作『SPRING CAVE e.p.』にはコンセプトもあって、“CAVE”は“洞窟”という意味なので直訳すると“春の洞窟”になります。作品を作るなど何かクリエイションする瞬間は、陽の当たらないところで起きていると思って、そこから架空の洞窟を考えついたんです。陽が入らないのに謎の養分を吸って咲く花のある洞窟があって、それは“SPRING CAVE”と呼ばれているというおとぎ話です。そして、自分の部屋やメンバーと練習している陽の当たらないスタジオを、“SPRING CAVE”と名付けて作品作りしようと。『Intro』は、その自分の部屋でやっているような音。ちょっと洞窟的で春の陽気を感じる瞬間を表現しました。

―そこから『Bluemin’ Days』へと繋がっていきますが、この曲は春の雰囲気があるだけでなく情景が見える分かりやすい歌詞だと感じました。その歌詞が生れた背景をお聞きしてもいいですか?

角舘: 僕がナレーションをやらせていただいている『セブンルール』というフジテレビの番組のインコマーシャル用に曲を書き下ろしてほしいと言われたのが始まりでした。花王さんとのコラボレーションだったんですけど、女性が細胞から活性化していく感じを曲にしてほしいと言われて。最初はどうしようと思ったんですけど、“細胞から活性化する”を噛み砕いていったら、新しい自分を見つける、違いに気付いて新しい考え方を思い付いた瞬間というのが、それに近いんじゃないかなと。そう思ったら頭の中に音が鳴って、曲のイントロとサビができたんです。

―そのイントロとサビの雰囲気から音像がガラッと変わる<いのる>の部分ですが、神々しい感じは最初から考えられていたんですか?

角舘: 赤色の感情しかないから、もうちょっとオレンジに寄せたいなと。いわゆる中間色にするにはどうしたらいいんだろうと考えた時に、ここで一回記憶を飛ばすじゃないですが、白昼夢のような体験をこの出来事にさせてあげたいなと思ったんです。

―なるほど。この曲に限らないですが、角舘さんの書く歌詞はポエムの方の詩のような感じがします

角舘: それは意識しています。朗読しても詩として読み解けたらいいなと思って歌詞を書いています。

―だから歌詞から情景が見えるのかもしれないですね。次の『Boyish』は別れの歌なのかなと思ったんですが…

角舘: この曲は、自分と波長の合うものに出合うことの素晴らしさを歌いました。俺だったらギターですね。<あなた>の部分を自分の好きなものに変えたらきっとしっくりくるんじゃないですか。

―あー確かにしっくりきました(笑)。この曲に限らず、Yogee New Wavesが奏でるギターの音はすごく心地良いいです。そこは意識して音作りされています?

角舘: そうですね。特にクリーントーンのギターの音がすごく好きで、昔からそういう音楽を聴いてきたような感じもしますね。

―次の曲『PRISM HEART』に関しては、語るようなギターだなと

角舘: ごもっともです。この曲はリフというかサビがないんです。サビの代わりにギターがひたすら旋律を奏でるだけ。先にギターのフレーズが生まれたんですが、その時にこれだけでいいなと思ったんです。フレーズ自体がすごくブルース的でいろんな感情を含んでいるなと思ったので。それから、この音をちゃんと考えてあげて歌詞を書こうと思いました。

―音ありきで歌詞を書かれたんですね

角舘: 言葉って日本語をメインに使ってますけど、元々は感情じゃないですか。だからギターで喋る奴がいてもいいはずなんですよね。音楽は感情表現の一種の芸術だから、リフに感情と言葉が入った感じです。

―そう考えると、みなさんにとってギターの音色は主役なのかもしれないですね。そして『Summer of love』はSinking time ver.となっていますが、このバージョンをいれた意図をお聞きしてもいいですか?

角舘: “シンキング”という言葉だけで捉えると考え込むという意味もあるんですが、実は“T”ではなく“S”になっていて、“Sinking”には“沈み込む”という意味があるんです。SPRING CAVEに沈み込んでいる時の俺らというか、もうちょっと深層世界に入り込んでいるような音にしたかったのはあります。

―だから単調なサウンドになっているんですね

角舘: この曲にはバンドアレンジもあるんですけど、今回のe.p.にはこのアレンジがいいかなと思って。実は、自宅でギターもベースも俺一人で弾いて録りました(笑)。カセットMTRと言われているTEAC 244というレアアイテムがあるんですけど、それを使ってレコーディングしました。

―まさに一人の世界だったんですね

角舘: そういう時こそメンバーに向かっている言葉が出てきたりするんですかね。分からないですけど(笑)。

―意味深ですね(笑)。そして最終曲、『Ride on Wave』のリミックスですが、原曲から結構変わっていて新たなYogee New Wavesを感じました

角舘: そうなんです。Sweet Williamというトラックメーカーの方にリミックスしていただいたんですけど、俺らが『Ride on Wave』で表現した、語りかけているような言葉をすごく理解してくれている感覚がありました。彼がリミックスすることによって、言葉を配した意識より下の部分で通じ合えているような感覚に陥ったし、カッコいいなと思いました。

―カッコいい、すごく分かります。そもそも、どうして今回リミックスを入れようと思われたんですか?

角舘: リミックス文化自体が結構好きなんですよ。ただ、自分たちはバンドで、Sweet Williamはラッパーなどのバックでトラックを作るトラックメーカー。だから、好きだけど共存するのは難しいんだろうなと。一緒に作品を作ったとしてもドラムがいなくなったりしますから。その代わりにできることがリミックスだと思うんですよね。

―確かに。今後も楽しみにしています。その今作の初回限定盤にはインディーズからの軌跡に迫ったドキュメンタリーやMV3本が入っているなど豪華。ドキュメンタリーは皆さんの素が見られそうですね

角舘: そうですね(笑)。ドキュメンタリーは、メジャーにいくまでの1年間が凝縮されています。ぜひ夜ご飯でも食べながら観てほしいですね(笑)。

―ながらでOKなんですね(笑)。さらに、3月から始まるツアーは台湾の台北からですが、アジアスタートなんですね

角舘: アジアが熱いというか、日本の音楽に対してラブコールをすごく送ってくれている現状があるんですよ。

―そうなんですね。日本とはお客さんの雰囲気も違います?

角舘: 全然違いますね。圧倒的にピュアというか、楽しまなくちゃ!みたいな感じがひしひしと伝わるのですごく嬉しいですね。

―アジア熱いですね。そして日本へ戻ってきて、名古屋はダイアモンドホール。実は昨年クアトロでライブを拝見しました。CDで聴くイメージをぶっ壊すぐらい熱いライブでびっくりしました

角舘: 笑。ライブは楽しいですし、メンバーみんな男の子ですからね。

―さらに、今年も岐阜で開催されるフェスOUR FAVORITE THINGSに出られます。連続出演ですよね

角舘: そうなんです。主催の方だけでなく、そのお母さんも妹さんも俺らのことを好きらしくて。その二人が俺らのラジオ番組に手紙を書くという謎の関係で(笑)。今では、このフェスに出ないと夏フェスが始まった感じがしないですね。今回で4年連続、楽しみです。

―今年もライブやイベントでたくさんYogee New Wavesが観られそうですね。では最後に、今作『SPRING CAVE e.p.』を手に取るファンへ向けて一言お願いします

角舘: 今作は春の陽気のような作品になったなと思っていて、人が求めて人が求められてという、求め合う感覚はどこか春の陽気に似ているなという作品です。

Yogee New Waves / Documentary『YOG of Bros.』(Official Trailer)

■リリース情報

『SPRING CAVE e.p.』
3rd e.p.
2018.3.14 発売
初回限定盤(CD+DVD) 2,300円(+tax)
通常盤(CD) 1,500円(+tax)

■LIVE情報
Bluemin’ Days TOUR 2018
3月21日(水) 台湾 台北
3月22日(木) 台湾 高雄
3月23日(金) 香港
3月25日(日) タイ バンコク
3月30日(金) 北海道 札幌ペニーレーン24
4月01日(日) 宮城 仙台Darwin
4月07日(土) 福岡 BEAT STATION
4月08日(日) 岡山 YEBISU YA PRO
4月12日(木) 大阪 BIG CAT
4月14日(土) 愛知 DIAMOND HALL
4月20日(金) 東京 新木場COAST
4月30日(月) 沖縄 output

■プロフィール
2013年に活動開始。2014年4月にデビューe.p.『CLIMAX NIGHT e.p.』を全国流通でリリース。その後『FUJI ROCKFESTIVAL』《Rookie A GoGo》に出演。9 月に1stアルバム『PARAISO』をリリースし、年間ベストディスクとして各メディアで取り上げられる。2015年2月に初のアナログ7inch『Fantasic Show』を発表。12月には2nd e.p.『SUNSET TOWN e.p.』をリリース。2017年1月に矢澤(Ba)が脱退し、竹村(Gt)、上野(Ba)が正式メンバーとして加入。再び4人編成となり始動。5月17日に2ndアルバム『WAVES』をリリースし、CDショップ大賞2018前期のノミネート作品に選出。リリースツアーは全国8都市でワンマンを決行し各地ソールドアウト。夏には、FUJI ROCK FESTIVAL、ROCK IN JAPAN、頂FES、CIRCLE、森道市場、SWEET LOVE SHOWER、WILD BUNCHなど、全国の大型野外フェスに多数出演。11月から全国公開の映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』の主題歌に『SAYONARAMATA』が起用される。2018年3月14日にメジャーデビューe.p.『SPRING CAVE e.p.』をリリース。3月からはアジア3ヶ国(台湾、香港、タイ)を含めた全12箇所のリリースツアーも開催。

■オフィシャルWEB
http://yogeenewwaves.tokyo

関連キーワード

RANKING

RECOMMENDED

KEY WORD

WRITER


トップへ