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LIVE REPORT ライブレポート

2017.1.23

ドリームポップバンドがみせた、夢の架け橋

alfabeto ワンマンライブ
2016.12.17(土) @ell.FITS ALL

名古屋発ドリームポップバンドalfabetoが、キャリア最大規模でのワンマンライブをell.FITS ALLにて開催した。会場に続く階段には今日までの道筋を振り返るように写真が飾られ、沢山のオーディエンスが期待に胸を膨らませながら開場時間を心待ちに過ごしていた。

ブルーのライトが会場を照らし出し、スペーシーなSEと共にオンステージした櫻井 光(Vo/Gt)、三輪敏大(Ba/Vo)、北川敦也(Gt)、榊原達裕(Dr)の4人。フラッシュが瞬く中、ノスタルジックな雰囲気がライブハウスを包み込み、写真の中から飛び出したような学生服に身を包んだ彼らをみて、オーディエンスもパッと表情を輝かせる。櫻井が「alfabetoのワンマンライブにようこそ!今日という日にこの場所を選んでくれてありがとう。全力で行きます」と告げ、『パラレル』の澄み切ったフレーズが流れ出すと、破顔した彼らにつられるように笑顔が広がっていく。「ありのままの僕らでいるから、ありのままのあなたでいて下さい」と叫んだ櫻井は真っ直ぐな眼差しでフロアを見つめ、純粋にその場を楽しむ彼らの姿に自然と心が浮き立っていくのを感じた。

カラフルなライトがライブハウスを染め上げた『Pixie』、そして榊原の繰り出す、飛び跳ねるようなビートが会場を踊らせた『百鬼夜行』と立て続けに曲を届け、「改めて…ワンマンライブへようこそ!こんなに沢山の人が来てくれて、感謝の気持ちで一杯です」と興奮で頬を上気させるメンバー。“口下手だから曲をやりたい!”と照れたように告げ、リリースしてからLIVEで披露される機会が少なかった『8mm』を奏で出すと、大切な記憶を辿るような美しいメロディーに沢山のオーディエンスが聴き惚れた。

元々バランスのとれたバンドだとは感じていたが、声の力でグルーヴ自体を前に引っ張っていくような櫻井と、フロアの隅々まで意識を配るオーディエンス想いの三輪。2人の声に表情を付ける北川のギターと、根本をしっかりと支える榊原のドラム。4つのピースが阿吽の呼吸で合わさっていくのを様々な楽曲で体感すると、お互いの魅力を増幅させながら進んできたバンドだということがしっかりと伝わってくる。だからこそ、ここまで色鮮やかな楽曲が多数生まれたのだろうし、オーディエンスから様々な表情を引き出せるのだろう。

中々聞けない楽曲や、スペシャルな企画を楽しめるのもワンマンライブの醍醐味。それぞれがパートを取り替えて(北川がメインボーカルを務めるというサプライズも!)わちゃわちゃとした雰囲気のなか『ロマンスの神様』をカバーすると、辿々しさもあり、新たな魅力もありの演奏にフロアは笑いの耐えない和やかな雰囲気で満たされた。

「とんだ茶番に付き合ってくれてありがとうございます!」と朗らかに告げた三輪が、「みなさん、写真って好きですか?」と問いかける。彼は今住んでいる家をバックにおじいちゃんが写っている写真を見て、心が温まった経験があるという。“写真の中のあなたには笑っていてほしい。自分は照れ屋で笑えないけれど、その写真を見たあなたを大切に思う人の心が温まると思うから”と話した上で、「僕にとっては、今日来てくれたあなたが大切な人なんで。そういう想いを込めて歌いたいと思います」と『泳ぐ魚』を披露。この場所に来られなかったオーディエンスにも届くようにと歌う姿には、いつも支えてくれる人に対する深い感謝の気持ちがにじむ。「これからもどうかどうか、alfabetoをよろしくお願いします」と彼が告げると、フロアからは沢山の拍手が送られた。

クルクルと回転するタオルが疾走感を増幅させた『When you sleep』を経て、「こうやってLIVEをしていて思うのは、歌って本当に良いもんだなって…」と話す櫻井。“誰かを思って歌うことは苦しさも伴うが、最後には楽しく在りたい”と言葉を続け、「この曲も、寒い日に星空を待ちながら書いた曲。いつか見える星空を思い浮かべながら聴いてください」と『星待ち』へ。一言ずつ呟いていくようなボーカリゼーションに、親しい友達の告白を聞いているような錯覚を覚える。ライブハウスという閉ざされた空間が、ぐっとステージとフロアの距離を近付けた瞬間だった。

2016年の活動を振り返る和気あいあいとした時間を過ごしつつ、「楽しい時間はあっという間って感じです」と話し出した櫻井。音楽だけじゃなくて、昔、楽しかったことも思い出すという彼は、“楽しい気持ち”を大切にしながら歌を歌っているのだという。「楽しいと思ったことに嘘はつきたくないし、今日来てくれた人も、それに共感してくれたんだと思う。今日の想い出もいつか曲に出来たら」と伝えて『サテライト』を演奏し、「今日という1日が終わって、また退屈な日常に戻ったとしても君の顔を思い出せるように」と『Hello』で再開を誓う。《ハローハローハロー》と呼びかけるコーラスが、今日の余韻とともに耳の中で響き続けていくように思えた。

アンコールでは、北川がリーダーとして「色んな困難があってこの日を迎えられたことを奇跡のように思います」と告げ、榊原も「ワンマンだからとか抜きにして、1つのイベントを成功できたのは来てくれた人のおかげ」と真っ直ぐな感謝を口にする。記憶の中でキラキラした1ページになるようにと『トワイライト ドリーム インビジブル パレード』、『プラネタリウム』を披露して終わりを迎えた今回のワンマンライブ。盛り上げ隊長的な一面はもちろんだが、彼らがファンに慕われている本当の理由は、自分の友達に対するのと同じような親しみを込めてオーディエンスと関係を気付いているからではないだろうか。短い間でも人柄が伝わってくる、温かな想いの残るLIVEをみて、そんなことを考えた。

文/渡辺真綾 写真/前田達也(tatsuyamaedaphoto.tumblr.com)

■セットリスト
1.パラレル
2.Pixie
3.百鬼夜行
4.8mm
5.木曜に
6.ウラノス
7.ロマンスの神様
8.泳ぐ魚
9.When you sleep
10.星待ち
11.サテライト
12.Hello
(encore)
13.トワイライト ドリーム インビジブル パレード
14.プラネタリウム

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