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LIVE REPORT ライブレポート

2016.10.14

:(コロン)でなんかいられない! 走り抜けた旅の集大成

all that jaz: 1st Full Album 「Dialog」Release Tour FINAL
“:(コロン)でなんかいられない2016夏の終わり(ファイナル)ワンマン編“
@APOLLO BASE

名古屋ギターロック界の代表格バンドall that jaz:。6年振りとなるフルアルバム『Dialog』をリリースして7月から始まったツアーが、約2か月半にも及ぶ旅路を経て、10月1日(土)に最終日を迎えた。全国各地で仲間達と切磋琢磨を繰り返し、1回りも2回りも大きくなった4人がワンマンライブでAPPOLO BASEに帰ってきた。

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大西崇泰(Vo/Gt)、松島 穣(Gt)、江口健一郎 (Ba)、植野康幸 (Dr)が1人ずつ登場し、僅かな静寂がフロアを包む。静かにアカペラで『たとえば手紙を書いたなら』を歌い始めると、視線は一気に大西に集まり、all that jaz:の作りだす世界に惹きつけられる。一言一言を噛み締めるように歌う姿や、満面の笑みで演奏する彼らの姿から、今日という日を迎えられた嬉しさが伝わってきた。
『Innocence』、『生きる』と松島の全身で音を表現するギターサウンドと、歌詞を口ずさみながら付いてこいと言っているような、後ろにいるオーディエンスまで引っ張っていくようなベースラインがフロアを盛り上げる。「ツアーファイナル、来てくれてありがとうございます。今日ステージに出てみると多くの人が温かい笑顔で迎えてくれてほっとした」と大西が感謝の言葉と安堵の声を示した。

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もう1度バンドを、音楽をやりたいとメンバーに思ってほしいと思った曲、『Re:quest』。語りかける歌詞が心に強く突き刺さる。これから歩んでいく道筋のような真っ直ぐな光が彼らを照らすなかで『鼓動』を立て続けに披露し、会場は和やかな雰囲気に包まれる。「アポロベイスのみなさん楽しんでますか?もっともっと楽しみましょう!」と江口が慣れないMCで笑いを誘いながら話を進める。その江口が指示した両手を左右に振る振り付けが加えられた『明日待ち』、荒々しい演奏と、目まぐるしく変わる照明が激しさを加速させた『D.I.P』を放つと、「サイコ―かよ!!」と大西も一体感のある光景に満足気な様子だった。
興奮が冷めやらぬまま、大西が1人1人にこのツアーでの思い出を尋ねていく。遠征先での仲間との打ち上げの話や移動中の話を、時々オーディエンスと言葉を交わしながらそれぞれがそれぞれの思い出を話していった。

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後半戦、『花、芽吹く』でスタートすると、先ほどまでの緩慢な空気だったフロアに煌びやか音が降り注ぐ。楽しませようと意識しすぎてか少し硬さの見られた前半とは一転、緊張も解け笑顔が見られ、リラックスしているように思えた。
『Photograph』や『810』など新旧織り交ぜた楽曲で現在の最大限を魅せる4人。『或る夜の彼方』では途中演奏を止めて大西が松島に歌詞を確認する場面も。それだけ大切で思い入れのある歌詞だからこそ<いつか君に届くように…>と真っ直ぐな声でオーディエンスを引っ張っていく。
「あっという間。すげー楽しい。あなたはまだ満足しているか分からないので、最後までぶっ飛ばします!」と、『走馬燈』、『螺旋、月に舞う』を投下。真っ直ぐ伸びる力強い拳。歌いながら何度も自身の胸を叩き、目の前のオーディエンスに訴えかける。一心不乱に演奏する4人の背からは強い光が差し込み人の影が現れていた。

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「ワンマンやってよかったぁ」と大西の心の声がこぼれると、今度は自身の思いを歌ではなく、言葉で届ける。もっと前に行きたい。明るい未来が欲しい。自分は夢を見せられるような存在でありたい。バンド、歌をこれからも続けたい。だからこそ、どんな形でもいいから応援してほしい。と、嘘や飾り気のない素直な言葉は胸にすっと溶け込み、後押ししたくなる。『命の証明』では何度も枯れそうなほどに声を張り上げ、前に前に言葉を放つ。今日という日が終わってほしくない。けれど前に進むにはここで足踏みしていられない。そんな強い覚悟が感じ取れた。「あなたが迷ってるとき、この歌聴きにきてよ!俺がこの歌を歌うから!」一体この一言でどれだけの心が救われたのだろうか。その言葉を受け取ったサインのように拍手がフロアを包んだ。

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アンコールではこのツアーがいかに自身の為になって、多くの人に支えられてできたものかを涙ぐみながら吐露。語りかけるようなシンプルな単語を連ねて、1日を振り返るように笑みを浮かべ、『小さな世界』、『ひかりのありか』が歌われる。「誰かの光になりたい」と述べた通り、想像力を精一杯使って生み出された曲には大西の優しく手を取って引っ張ってくれるような歌声を含みながら、聴いている人の心に確かな光を灯していた。

ここまで大勢の人を虜にするのは、困難や苦悩があっても何度も立ち上がり、真っ直ぐ歌い続ける姿や、喜びや悲しみをいつでも共有できる空間が彼らの作り出すライブには存在しているからだと今日確信した。

文/伊藤成美 写真/ナツミ(http://natsumi-live.tumblr.com/)

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■セットリスト
1.たとえば手紙を書いたなら
2.Innocence
3.生きる
4.Re:quest
5.鼓動
6.ソングライト
7.明日待ち
8.D.I.P
9.花、芽吹く
10.『Photograph』
11.810
12.リビドー
13.或る夜の彼方
14.走馬燈
15.螺旋、月に舞う。
16.命の証明
(encore)
17.小さな世界
18.ひかりのありか

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