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LIVE REPORT ライブレポート

2017.9.11

BACK LIFT
真っ白なキャンバスと共に再スタートを

BACK LIFT
BLANKS TOUR 名古屋編
2017.7.21(金) @NAGOYA CLUB QUATTRO

結成10周年を迎え、ついにメジャーデビューを果たしたBACK LIFT。彼らが5月24日にリリースしたメジャー初のミニアルバム『BLANKS』のリリースツアー、BLANKS TOUR 2017のファイナルが2017年7月21日(金)に地元名古屋にて開催された。共演はBrian the Sun。本レポートでは、なんとも異色な2バンドによるツアーファイナルの模様をお届けする。

赤いライトの中、 “やってやりますよ”とでも言うかのような表情を見せながらステージに姿を現したのはBrian the Sun。自然と湧くように起こった手拍子に包まれ、白山治輝(Ba/Cho)、田中駿汰(Dr/Cho)、森良太(Vo/Gt)、小川真司(Gt/Cho)が順に定位置へと着くと、目を眩ますようなライトがステージを照らし力強い田中のドラムを合図にライブがスタート。

1曲目の『Sister』で徐々に体をあたためていくように、オーディエンスは思い思いに体を揺らす。優しさと力強さが共存しているような彼らの音楽は、まるでライブハウスを包み込んでいるようであった。その後『キャラメルパンケーキ』、『Sunny side up』と続き、森が「しゃちほこしゃちほこ!」と楽しそうに話し始める。「BACK LIFTが僕らをツアーの最後に呼んだ理由!今まさに出来上がった真ん中の溝を!ジャンルの壁を!埋めるためなんですよ!」このときフロアの真ん中にはぽっかりと空間ができ、ジャンルの壁というものが目に見える形で浮かび上がっていたのである。「僕たちは煽らないですけど、一生懸命歌いますので、耳だけ傾けてください!」と森が力強く言葉を放ち、『隼』へ。前の3曲とは違い、ものすごい勢いでオーディエンスに食らいついていく。小川のギターが唸り、白山が跳ね、フロアから挙げられる拳も自然と増えていった。

最後の曲『13月の夜明け』が始まる頃にはライブハウスはBrian the Sunの色に染められ、オーディエンスの心とステージとの距離はぐっと近づいていた。さっきまでの溝が嘘かのように。音を搔き鳴らし清々しい表情でBACK LIFTへバトンを繋いだ。

白い霞につつまれたステージに音が鳴り響くと、“待ってました”と言わんばかりに手拍子が鳴り響く。その手拍子に呼ばれるように、深谷‘YU-PON’雄基(Gt/Cho)、都築‘HEAVIN’史生(Dr/Cho)、小林‘KICHIKU’辰也(Vo/Ba)が嬉しそうな表情を見せながら順に登場した。全員が定位置に着きHEAVINがドラムを鳴らすとオーディエンスはステージに向け拳を突き上げ、KICHIKUの「頭から楽しんでいけよ!」という言葉を合図に一気に彼らの音楽の中へと飛び込んで行く。最初の『clear』から走り、跳ね、ぶつかり、ライブハウスの熱量は爆発するように急上昇。この日、この時を待っていたのだと言うようにオーディエンスの表情はキラキラと輝いていた。続く『SUMMER DAY』では、夏らしいオレンジと緑のライトがステージを照らし、フロアはどんどん激しさを増していく。まるで彼らの音楽がオーディエンスの体の中で流れ突き動かしているかのように。「全員が楽しむこと!心の底から楽しんでくれ!」とKICHIKUが叫ぶ。ライブハウスは最高の遊び場であると改めて感じさせてくれるような、アツいライブ。BACK LIFTが創り出す空間は“楽しい”が溢れる空間であった。

『LIFTING ME UP』では更に激しさを増し、フロアに負けじとYU-PONがステージを自由に動き回り、ステージギリギリまで身を乗り出せば、フロアはモッシュとダイブの嵐。これ以上上がってよいのだろうかというほどライブハウスの熱量は上がり、その熱量に応えるようにHEAVINが激しく強いドラムを響かせる。フロアもステージもアツく、心と心でぶつかり合っているようなライブだ。

おもむろにKICHIKUとYU-PONだけをあたたかい光が照らすと、YU-PONのギターが鳴り、フロアから湧くように声があがる。『with you all the time』の優しくそして力強い音楽がオーディエンスを包み込み、KICHIKUが「歌ってくれ!」と投げかける。すると、フロアから大切な誰かへと想いを馳せる優しくそして力強い声が響き渡った。その声を喜ぶのと同時に少し寂しそうな表情を見せたHEAVIN。「ツアー終わるの寂しいね」ぽろりと心の言葉をこぼす。その言葉に続くようにKICHIKUが話し始めた。今回Brian the Sunをツアーの最後に呼んだ理由、出会いとは奇跡であること、そして、これからもずっとバンドをやっていきたいということ。そのために、一度真っ白に戻して再スタートできるようにと奏でられた『White』は、BACK LIFTというキャンバスに描かれた華やかな色を、たくさんの苦悩や失敗からできた汚れや傷を、優しく落としていくようであった。「ありがとうございました!」とKICHIKUが大きく叫び、始まった最後の曲、『Don’t worry be alright』。フロアからは手拍子が溢れ、オーディエンスは“まだ終わってほしくない”と願うように、ステージに釘付けになっているようであった。しかし、あっという間に本編は幕を閉じてしまった。

よくあるような手拍子ではなく、「アンコール!」「KICHIKU!」「深谷!」と、思い思いに言葉を叫ぶオーディエンス。少し煽るようなその声に呼ばれ、KICHIKU、YU-PON、HEAVINがニヤニヤしながらステージに戻ってきた。KICHIKUが「出し尽くす準備は出来てんのか!!!」と、フロアに噛み付くと“待ってました”と言わんばかりにたくさんの拳が突き上げられた。『I NEED』、『ALWAYS』、『THE LINK』と3曲続けて演奏し、ライブは最高潮のまま終わりを迎えたかと思いきや、“彼らの音楽をまだ浴びていたい”と願う声がライブハウスに響き、彼らをまたステージ上へと引っ張ってきたのである。最後の曲『GO OVER』で、さっきはまだ最高潮ではなく通過点であったのだと気付かされるほど、熱量はさらに上がり、正真正銘、最高潮でツアーファイナルを締めくくった。

彼らのMajor Debut Mini Albumのタイトルであり、今回のツアーの名前にもなっている“BLANKS”という言葉は“余白”や“未完成”を意味する。10周年を迎え、メジャーデビューを果たし、輝かしく華やかなこの時に、彼らは自分たちのキャンバスを真っ白に戻した。そして、10周年という節目に再スタートを切り、彼らは真っ白なキャンバスにまた色を付けていく。それは決して華やかな色だけではないかもしれないし、とても華やかな色かもしれない。しかし、10年後も20年後も彼らのキャンバスはきっと完成しないだろう。終わりなんてないのだから。
彼らのキャンバスはいつまでも未完成のまま。

文/hono 写真/BACK LIFT:ヤオタケシ、Brian the Sun:前田達也

◼セットリスト
—Brian the Sun
01.Sister
02.キャラメルパンケーキ
03.Sunny side up
04.隼
05.Maybe
06.光
07.HEROES
08.パトスとエートス
09.13月の夜明け

—BACK LIFT
01.Clear
02.LOOK UP TOGETHER
03.Bitter
04.HUNGRY
05.ONE BRIGHT DAY
06.LIFTING ME UP
07.Show Me Your Roots
08.You’re A Fool
09.LOVING
10.SAVE YOU
11.This is myself
12.sign
13.morning
14.with you all the time
15.White
16.NEVER SAY DIE
17.Don’t worry be alright
(encore)
18.I NEED
19.ALWAYS
20.THE LINK
(w encore)
21.GO OVER

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