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ライター T-Friends

2017.7.7

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cinema staff「熱源」Release tour『高機動熱源体』

2017.6.2(金) @名古屋BOTTOM LINE

冷めない熱を心に宿そう

6thアルバム『熱源』がリリースされて半月ほどが経過した6月2日(金)、名古屋BOTTOM LINEにてcinema staffの凱旋ライブが行われた。早い時間からグッズを身に纏い会場の外に列をなすファン。「今日のライブは何を歌うのだろう」とわくわくしながら話す様子から、彼らのライブを心待ちにしていることが窺えた。

開演時間を少し回った頃、「待ってました!」と「おかえり!」の気持ちが交錯した拍手の中、4人が姿を現す。アルバム同様、オープニングを飾ったのは『熱源』。辻友貴(Gt)が静寂した空間にギターを一掻きする。それを始まりの合図として、久野洋平(Dr)から奏でられる心地よいドラムでライブがスタート。飯田瑞規(Vo/Gt)の伸びのある歌声と鳴り響くサウンドに身体を預け、思い思いに全身で音を感じるオーディエンス。三島想平(Ba)もステージから身を乗り出しフロアに近づけば、辻がその光景を見てニヤリと口元を綻ばせる。「名古屋ボトムラインへようこそ!俺たちが4つの高機動熱源体。岐阜県、cinema staff始めます。」と三島が高らかに宣言。

オーディエンスの歓声が止まないままに放たれた『返して』、イントロでフロアから歓声が起こった『チェンジアップ』とアップチューンなタイトルを立て続けに投下。序盤から全力疾走、アドレナリン全開で突き進む彼ら。それでもよろけたり転んだりせず、むしろ余裕や安定感が窺える。それは、この日まで積み重ねてきたcinema staffとしての歴史や経験、メンバー間から生まれる絶妙な間や呼吸から生まれたものではないかと感じられた。
『souvenir』では、目を瞑ってしまうほどの眩い照明が4人を包みこみ、見る者を幻想的な物語の世界へと連れてゆく。徐々に加速してゆくサウンドと比例して気迫あるプレイを見せる姿に息を飲む。

本公演にメンバーの家族も来ていたことから、それぞれの家族の話で盛り上がったMCを経て、仲のよさを感じさせる和気藹々とした雰囲気そのままに『el golazo』のキャッチ―なギターフレーズが鳴り響く。飯田に合わせてクラップする様子など、先ほどまでの魅せる“かっこいいcinema staff”から一転し、一緒にライブを作り上げてゆく楽しい空間が広がってゆく。

「ワンマンっていいね。」と久野がしみじみと呟くと、他のメンバーも大きく頷く。飯田はたっぷりと普段できない曲ができる嬉しさに加えて、ワンマンが楽しいと思える年齢にようやくなってきたという。「来ている人が自分たちしか見に来ていないのが嬉しい。けれど、それだけ責任がある。今日はワンマンの期待に応えることができ、いい顔が見られて幸せ者です!」と三島も感謝を述べ、「残りわずかになってきました…」と神妙な面持ちで伝えると、フロアからぽつり、ぽつりと残念がる声が。「100点満点中40点だったな。東京の方がよかったなぁー」という三島の厳しい採点(笑)。再度オーディエンスに問いかけると100点満点の「えー!!」という声に慢心の笑みを浮かべて『pulse』のイントロへなだれ込む。

体全体で表現される攻撃的なサウンドに奮い立たされるまま、力強い拳が熱を帯びたフロアを埋め尽くす。そしてお馴染みのリズムを久野が鳴らせば『theme of us』で愛ある空間を作り出す。リズムに合わせて響くクラップにそっと手を差し伸べるような飯田の優しい歌声が乗る。

こうやって毎年CDをリリースできて、ツアーができる環境が続いているのは幸せなこと。改めてスタッフやオーディエスが支えてくれたからこそできていることだという。紆余曲折あった1年だったが、すごくナチュラルに作った、4人のいい所が出たアルバム『熱源』。このアルバムのリリースによってやっと思い描いていたことが実現して、さらに先へ行けると確信したそうだ。「決して歩みが早いバンドではないけれど、止まることはないし、歩み続けるのでこれからも応援よろしくお願いします。俺たちが岐阜県から来ましたcinema staffです!」と三島が叫び『僕たち』へ。飯田の奏でるイントロに3人の音色が加わると限りない音という光を含んで1人1人の胸の奥に深く響き渡る。何も言わなくても自然とハンドクラップが沸いたり、拳が伸びる姿にcinema staffとオーディエンスとの強い絆を感じさせられた。最後まで全員が一心不乱に音を轟かせ、確かな熱を灯しステージを後にした。

鳴り止まない拍手の中、再びステージに表れた4人。辻が熱気と歓喜が入り乱れるフロアに飛び込むなど、余力を出し切るパフォーマンスを魅せた『西南西の虹』。cinema staffとオーディエンス。互いに対する強い思いから生み出された多幸感に満ち溢れたアクトだった。

ライブでしか味わうことのできないリアルなサウンド、曲とリンクして表情を変えてゆく照明。それらの全てが合致したときに見える4人の姿。月並みな言葉ではあるが本当にかっこよかった。ライブ中、飯田が『熱源』についてツアー中だけでなく、この先もずっと聴いてほしいと話していた。“熱源=心”。ライブは終わってしまっても再生ボタンを押せば、1人1人の心にまた、熱が灯る。

文/伊藤成美 写真/ヤオタケシ

■セットリスト
01.熱源
02.返して
03.AMK HOLLIC
04.チェンジアップ
05.souvenir
06.drama
07.火傷
08.希望の残骸
09.el golazo
10.diggin’
11.優しくしないで
12.メ―ヴェの帰還
13.波動
14.salvage me
15.pulse
16.エゴ
17.theme of us
18.僕たち
(encore)
19.西南西の虹

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