1. HOME
  2. LIVE REPORT
  3. Half time Old
    リベンジ、そして、明日へむけた第一歩

LIVE REPORT ライブレポート

2017.7.19

Half time Old
リベンジ、そして、明日へむけた第一歩

Half time Old「人生の使い方」TOUR〜Final Seriesワンマン〜
2017.4.15(土) @ell.SIZE

2016年12月7日、自身初となるフルアルバム『人生の使い方』をリリースしたHalf time Old。リリースに伴い、2016年12月16日を皮切りに計12箇所をまわるツアーが開催された。各地では彼らを祝う為、多くのオーディエンスがライブハウスへと足を運び、たくさんの仲間とたくさんのオーディエンスに囲まれてこのリリースツアーを駆け抜けて来たに違いない。そんな彼らのツアーファイナルが行われたのは地元名古屋のell.SIZE。1年前ソールドアウトしなかったこの場所で行われた、笑顔溢れるワンマンライブの模様をお届けする。

明るくポップな音楽と共に登場した彼ら。音楽に合わせて自然と起こった手拍子に嬉しそうな表情を見せながら、阪西暢(Dr)、小鹿雄一朗(Gt)、鬼頭大晴(Vo/Gt)の順に姿を現し、いつも通りの位置に着くとすぐに楽器を手にする。“もう待ちきれない”とでも言うかのように。4人が目を、そして心を合わせると一気に音を鳴らし、その瞬間ライブハウスは彼らの色で染められた。

「Half time Oldです、よろしくお願いします」と挨拶を交わすと、「一足はやく夏をell.SIZEに呼びましょう!」と、カラフルなライトとともに『前略、8月2日より』を奏でる。阪西が楽しさを爆発させたように叫びながらドラムを叩き、小鹿がフロアギリギリまで近づきギターを掻き鳴らせば、フロアも感じるままに体を揺らし全身で彼らの音楽を楽しむ。1曲目から熱量は急上昇。ステージにもフロアにも笑顔が溢れ“今日という日が最高になる”そんな前兆がキラキラとライブハウスを包んでいた。

大切な人との距離感がわからない人の為に作ったという『アンチヒーロー』。手拍子をしたり、「ロック!ソング!ダンス!」と、とびっきりの笑顔と共に声を合わせ、ステージの上だけでなく今この場にいる全員で音楽を作っていく。さらに『ミスサンデー』、『ミズワリ』と続き、「ついにやってきました!ファイナルワンマンへようこそ!1年前はできなかったけど、無事ソールドしました!ガンガンついてきて下さい!!!」と、阪西が嬉しそうな笑顔を見せながら口を開いた。そんな阪西をみて、笑みをこぼした鬼頭がゆっくりとフロアに向けて語りかける。「今日まであなたに会いたいと思っていたわけですよ、今日あなたに会えてよかった」“ステージ上にいるバンドマン”と“フロアにいるオーディエンス”という曖昧な関係なんかではなく、“私”と“あなた”。そんな一人一人の心に向けられた言葉であった。それに続くように始まった『magnet』は、フロアから“私も会いたかったよ”という気持ちが溢れているようだった。続く『ウェイバーモンキー』で「楽しいなあ!最高だなあ!踊ろうぜ名古屋!!!」と、鬼頭が感情を爆発させ声を荒げると、赤と青のミステリアスなライトの中、フロアからもそれに応えるようにたくさんの手が挙がる。

「ワンマンだから昔の曲もやりますよ」と、自分たちだけに与えられた時間を喜ぶように笑顔を見せ、『Mr.パトリオット』へ。小鹿が唸るようなギターを鳴らし、サポートの竹内浩太郎のどっしりとしたベースが曲を支える。ゾクゾクするような彼らの音にオーディエンスの心はぐっと掴まれていた。アットホームな雰囲気の中演奏されたのは『CHERRYDANCER』。この曲の中では、鬼頭がメンバーを1人ずつ紹介するコーナーも設けられ、サポートである竹内から始まり、阪西、小鹿、と順に紹介をする鬼頭の顔には照れくさそうに笑みが溢れる。「素敵なメンバーを紹介したいと思います!」という鬼頭の言葉からも分かるよう、彼らが互いを尊重し合い、互いを大事にしているからこそ、優しく時に強い、そんな彼ららしい音楽を奏でることができるのであろう。

たくさんのオーディエンスに囲まれ、そして素敵なメンバーに囲まれた鬼頭の口からでた言葉は「ひとりが怖い」。そんな思いもよらぬ言葉であった。今、こうしてたくさんの人々に囲まれているからこその“ひとり”に対する怖さ。『おひとりさま』は、ひとりぼっちの曲だが、彼らが音を鳴らせば誰も1人にしない音楽が彼らとオーディエンスを優しく包み込んでいた。決して1人じゃないと言うように。

中盤、1番の盛り上がりをみせたのは『化石になればいい』。この曲はピアノがないとできない曲。「こういう時しかできないから!」と、鬼頭に紹介されサポートの翔揮が登場。ピアノの跳ねるような音がオーディエンスの心を踊らせ、そこに鬼頭の優しい声が重なる。マイクを手に持ち、オーディエンス一人一人と目を合わせながら歌う鬼頭は、まるで歌を通して対話をしているように感じられた。

2011年9月にHalf time Oldが結成され、2017年4月15日にワンマンライブを行うまでの軌跡をたどるように過去を振り返る。懐かしむように。そして、忘れないように。『a.o』はまさにそんな曲だ。鬼頭だけを照らすように光が射し、フロアの視線は彼に釘付けとなる。あたたかく優しい音が重なるにつれ、どんどんステージを照らす光が増えていき、まるで彼らの明るい未来を照らしているようであった。

「本当にどうもありがとうございます」気付けば、最後の曲。彼らが最後に選んだのは、色々な試練を超えてきたからこそ歌うことのできる、奏でることのできる音楽。『嵐の中で貴方に向けた歌』。「心から貴方に。負けんじゃねーぞ!名古屋!!」と鬼頭が叫び、力強く、そして激しくも、どこかあたたかい音楽が溢れる。その音楽に応えるように、フロアからたくさんの拳がステージに向け突き上げられた。3人が阪西の周りに集まり掻き鳴らすように音を重ね本編は終了。

彼らがステージから捌けると、すぐにフロアからは彼らの音楽を求めるあたたかい手拍子が鳴り響く。阪西を先頭に、小鹿、鬼頭と順に姿を現し、「曲数が増えたからやれない曲が増えちゃって。今日ここに置いていくつもりでやります」との言葉から始まった『照らす明かりへ』『雨上がりの空に』と続き、「終わっちゃうなぁ、楽しかったなぁ」と鬼頭が心の声をぽろっとこぼす。深く息を吸い込み、「思い残すことのないようにね!!シューティングスター!!」と輝くような声で叫ぶ。宇宙を思わせるような青いライトの中、星のようにキラキラした笑顔がステージにもフロアにも無数に輝いていた。ステージに向け挙げられた手の数はこの日1番。誰もが“楽しい”という感情で溢れているような幸せな空間であった。“やり残したことはない”とでも言うかのように清々しい表情で楽器を置いた彼らを鳴り止むことのない拍手が包み込み、幕を閉じた。

1年前、同場所でソールドアウトしなかった彼らのワンマンライブ。何にも代えがたい悔しさを胸にここまでやってきたことだろう。そして、1年後の2017年4月15日、リベンジのワンマンライブで彼らの前に広がっていたものは、彼らがこの1年間求めてきた光景であり、また、通過点と言えるものであったのではなかろうか。この日が彼らの背中を押し、明日への一歩を踏み出させる。

“夢のない話はよそう 明日に光を見よう”

彼らがこれから目にしていく光景はきっともっと素晴らしく、彼らの未来という名の明日は星のようにキラキラと輝いていく。

文/hono 写真/ナツミ(http://natsumi-live.tumblr.com/)

■セットリスト
01.前略、8月2日より
02.アンチヒーロー
03.ミスサンデー
04.ミズワリ
05.Magnet
06.ウェイバーモンキー
07.Mr.パトリオット
08.CERRYDANCER
09.おひとりさま
10.大人になって
11.すべて
12.Igottafeeling
13.化石になればいい
14.怪獣のお勉強
15.幸福病
16.a.o
17.21世紀にも鐘は鳴る
18.嵐の中で貴方に向けた歌
(encore)
19.照らす明かりへ
20.雨上がりの空に
21.シューティングスター

  •  
  •  

< LIVE 一覧へ戻る

他のライブレポを読む

▲トップへ戻る