1. トップ
  2. ライブレポ
  3. Half time Old『and DIAS』リリース“エンジンよかかれ”TOUR FINALワンマン @名古屋ell.SIZE

ライター T-Friends

2016.4.7

1,025 good

Half time Old『and DIAS』リリース“エンジンよかかれ”TOUR FINALワンマン @名古屋ell.SIZE

3月31日に名古屋のバンド、Half time Oldが初めてのワンマンライブを行った。バンドにとって初めてのワンマンライブは一度きり。最初で最後の初ワンマンはバンドにとっても大切な記念日で、両手を上げて登場した3人の笑顔にも今日を楽しみにしてきた気持ちが存分に溢れている。

鬼頭 大晴(Vo/Gt)が「みなさん、エンジンがかかる準備は出来てますかー!」と叫ぶと、始まったのは夏の情景が次々に浮かぶ『前略、8月2日より』。鮮やかな黄色にステージが染まって、カラフルな音像に心を踊らせたオーディエンスが笑顔で次々と手を上げていく。続く『Mr.パトリオット』では、阪西 暢(Dr)が力一杯ドラムを叩き、思わず一緒に口ずさみながらステージを見つめる姿も。曲中、「さっきから歌ってくれてる人も居るけど、サビ歌えますか!」と叫ぶ鬼頭の声に手を引かれるように、4人のアカペラとオーディエンスの声が響きあった。曲の持っている世界観をステージ上に表現するように、ころころと雰囲気を変えていく4人。『パノラマ模型』では、爽やかなギターに乗せて、物語の主人公の様に歌う姿が印象的だった。

「改めまして、こんばんは。名古屋のHalf time Oldといいます。宜しくお願いします!ワンマンですよ。初めてのワンマン。みんな味方だもんね。」と鬼頭が話すと、笑顔でフロアを見渡すメンバー。ワンマンだからこその、アットホームな雰囲気が流れている。そのまま1,2,3,4!とにぎやかにカウントすると、アラビアンな雰囲気を纏う『シンガー』を披露。Gt.小鹿 雄一朗の変幻自在に音色を変えるギターが耳を惹く『ジョン・タイター』、『MISTY』と続き、『帰ろうよ』では夕焼けを思わせる橙の光の中、懐かしさを覚える景色を描き出していく。

曲中、阪西の機材が倒れるトラブルがあり、「あぶなかったー!」と苦笑しつつも「僕らの曲にはアゲアゲの曲もあったり、シリアスな曲もあったり、偏ってないじゃないですか。でも、どんな曲も良いなって思ったから来てくれたんですよね?」という問い掛けに歓声があがり、鬼頭が「ずっと歌いたかった曲を歌います。『すべて』という曲を」と話すと、嬉しげなざわめきが起こった。力強く、伸び伸びと広がっていく声に、静かに聞き入るオーディエンス。やりきった!というようにギターを軽く掲げた鬼頭は充実感たっぷりの笑顔だ。

ステージが暗転すると、何が起こるのか興味津々でステージを見つめるフロア。照明が付くと、ステージにはアコースティックセットが登場。「あんまりこういうアコースティックってやったことなかったんだけど…」と話し出した鬼頭が、「しっとりした曲続いたけどね。もっとしっとりしましょう」と続けると、アコギとカホンの音が柔らかく混じり合った『世渡り坊主』が流れ出した。癖のある声音が、細かいディテールまではっきりと聞こえてきて、とても贅沢な空間が広がっていく。鬼頭はフロアを見渡して「予想以上にしっとりするね」と笑って呟き、次に披露された『Here's something for you』にまつわることを話し始めた。小さな子へのプレゼントを選ぶ母親の姿を見て、美しいと思ったことを曲にしたのだという。穏やかな表情で歌う姿をじっと見つめるフロア。1音ずつ、丁寧に奏でられていく音が瑞々しく響いていた。

ここでサポートベースとして、3人の音を支えている、“うっちー”さんの紹介を挟むと、阪西が「後半戦始まりますが、皆さん行きますよ!」と煽り、続く鬼頭が「ちょっとしんみりしちゃったけど、エンジンかけて行こうぜ名古屋!」と叫ぶと原色のライトが煌びやかに彩る中、『ウェイバーモンキー』の狂騒的な音の渦へ。真夜中の街を駆け抜けていくような疾走感あるギターに、力強い歌声が合わさってフロアのテンションを一気に上げていく。「もっといこう!もっと!」の声につられるように阪西がOiコールを始めると、そのままのテンションで『High heel girl』、『You Ray』とアッパーな曲が続いた。曲中、鬼頭が1人ずつメンバーに振ってソロを始める一面もあり、「素敵なメンバーでしょ?」と話す声から本当に楽しんでバンドをしていることが伝わってくる。ハイテンションにLIVEを楽しんだフロアを見て、「名古屋って本当に最高なんですー!」と叫ぶと、改めてオーディエンスは歓声を上げた。

熱が冷めやらぬままステージを見つめるオーディエンスに、「本当に楽しいね。またみんなでやれるように頑張りましょう」と話し出した鬼頭。「こういう日があると、普通の毎日がすごく詰まらなく思えてしまって。でも、こんな日に紛れた平凡な日を忘れないようにしましょう」そう言葉を続けると、ミディアムテンポの新曲を奏で出す。過ぎていく日々をなぞるような、等身大の言葉が素直にオーディエンスまで届いていた。「残り2曲、魂をこめて歌います」そんな言葉のあと演奏されたのは『21世紀にも鐘は鳴る』。サビで一斉に手が上がり、曲が孕んでいる全てを引っ括めて肯定してしまうような圧倒的なスケールをもって、ライブハウスを明るく照らしていく。

「あと1曲で終わってしまいます」と話し出すと、ツアーを回る中で関わった人に感謝を述べ、暖かい拍手を巻き起こした鬼頭。不意にじっとフロアを見つめると、「音楽を続けることを選んで、ワガママな生き方をしてきてさ。でも僕はそれを後悔していなくて。やりたいことを真っ直ぐ出来る人は良いけど、なかなか出来ない人も居ると思うんですよ」と口を開いた。「出来ないことを、人のせいにしたくて仕方ない。でも、やりたいこと続けてたら見てくれる人がきっと居るから。」感情の動きに合わせるように、徐々に力強くなっていくギター。嘘のない言葉を伝えようとする口調はどこまでも真っ直ぐで、力強い。鬼頭は、そのまま強い口調で「周りの目を気にするなよ!周りの目を気にして何も出来ないような詰まらない大人になるんじゃねーぞ!これから何があっても、負けんじゃねーぞ名古屋!」と背中を押すように言い切り、最後にオーディエンスを鼓舞するように『嵐の中で貴方に向けた歌』を歌うと、ステージを後にした。

直ぐに起こったアンコールでステージに戻り、緊張が解けたのか、ゆったりした雰囲気の中『I gotta feeling』、『ハウスダスト』を演奏して、“ハロー”の大合唱を巻き起こした彼ら。最後に記念写真を撮り、初めてのワンマンは大成功のうちに幕を下ろした。最初から最後まで、時に優しく、時に厳しくオーディエンスに何かを伝えようとし続けていたHalf time Oid。“また何か深く悩むようなら、この場所に来て歌おう”というフレーズが象徴するように、彼らのLIVEは、何かにつまずいた時にもう一度立ち上がるためのスタートラインになりうるような、暖かい希望に満ちていた。楽しんでいるうちに、気付いたら胸のつかえが取れている、そんな彼らのLIVEは、これからどれだけの人の居場所になっていくのだろうか。Half time Oldの歩んでいく未来は沢山の人の希望と合わさって、眩しいほどに輝いている。

文/渡辺 真綾 撮影/前田達也(tatsuyamaedaphoto.tumblr.com)

■セットリスト

(SE)
01. 前略、8月2日より
02. Mr,パトリオット
03. パノラマ模型
(MC)
04. シンガー
05. ジョン・タイター
06. MISTY
07. かえろうよ
(MC)
08. すべて
(SE) アコースティックゾーン
09. 世渡り坊主
10. Here's something for you
(MC)
11. ウェイバー・モンキー
12. High heel girl
13. YouRay
(MC)
14. 新曲(バラード)
15. 21世紀にも鐘は鳴る
(MC)
16. 嵐の中で貴方に向けた歌

(encore)
17. I gotta feeling
18. ハウスダスト

関連キーワード

RANKING

RECOMMENDED

KEY WORD

WRITER


トップへ