1. トップ
  2. ライブレポ
  3. ヒステリックパニック ワンマンツアー「秋の竹城」ツアーファイナル

ライター T-Friends

2016.12.2

946 good

ヒステリックパニック ワンマンツアー「秋の竹城」ツアーファイナル

2016.10.29(土) @Diamond Hall

相思相愛の関係が魅せた、幸福な地獄絵図

名古屋のパンク・ラウドシーンが現在かなりの盛り上がりを見せているということは周知の事実になりつつあるが、その中でもヒステリックパニックの作り出す熱狂は一味違うように思える。ポップで過激な女の子のTシャツを着たオーディエンスが集まる先にあるのは、喜怒哀楽の全てが閉じ込められた熱狂空間。ダイアモンドホールという大きな舞台すら、今の彼らには物足りないように思えた。

照明が落ちると同時に地割れのような歓声が響き、Tack朗(Gt/Vo)、やっち(Dr)、$EIGO(Gt/Cho)、おかっち(Ba)の4人が満面の笑みでクラップを放つ。一挙一足がフロアの期待を煽る中、最後にとも(Vo)が「ツアーファイナル、俺たちの地元。愛する地元、名古屋ダイアモンドホールへようこそ。君たちと最高の夜を作りたい!」と高らかに宣言し、ぎりぎりまで張り詰めた興奮を解き放つようにオープニングナンバーへ。怒涛の勢いで曲を投下し続けるメンバーに、追随するように反応速度を上げるフロア。相思相愛の関係が初っ端から凄まじい熱気を生み出している。

「大好きな先輩を見に来てた場所」だと、ともも言っていたが、「俺たちは必ず今日を伝説の夜にするので、皆さんはその伝説の目撃者になって下さい」と話す姿は名前が挙がった先輩達に負けず劣らずの堂々としたもの。“ここには仲間しかいないから、頭を空っぽにして遊ぼうぜ!”という言葉にしがらみを取っ払われたオーディエンスは、音楽の元に集った仲間を相手に、ダイブ・モッシュ・STEP…と素直な表情で大好きな音を楽しんでいた。

Tack朗のハイテンションなOiコールが突き抜けた『Purple Haze』、サビで巨大なサークルを作り上げた『ライジングさん』などエネルギーに満ちた楽曲をフルスロットルで次々と披露し、「ダイアモンドホール、楽しんでますか?怪我してませんか?」とフロアを気遣ったとも。“大丈夫!”との応えを確認すると、改めてダイアモンドホールでワンマンを出来た喜びを爆発させる。それぞれがツアーの思い出を楽しげに口にし、「今日みたこの光景が、ライブハウスの地獄絵図が、君たちの網膜に焼き付いて忘れないように」と『Holograph』を奏で始める。ずぶずぶと過去の思い出に潜り込んでいくように演奏を重ね、フロアもそんなステージから届く音を真剣に受け止めていた。

咆哮が轟いた『Black Sheep』からLIVEは怒涛の後半戦へ。“自分たちに出来ることはCDを買ってくれることやLIVEに来てくれたことに感謝を伝えることぐらい”だと、少し自嘲気味に呟いたともの言葉から披露された『しぐなる』では、心の最深部を曝け出すように生身の自分でフロアと真正面からぶつかり、続く『うそつき。』でも一連托生という言葉すら浮かぶほどに深く強く目の前のオーディエンスと結びついていく。彼らのLIVEで不思議と自分の傷が癒えるような感覚を覚えるのは、自身を投影出来るほど身近に、メンバーの想いを感じることが出来るからこそなのだろう。

Tack朗と$EIGOが華々しくハイトーンを放ち、全員を巻き込んでいくように「こっからだぞ、名古屋!」とともが叫ぶ。高速で確信的にメロディーを奏で、『でんでんひすぱっしょん』では、高まりを抑えきれないクラウドサーファーが続出するシーンも。大暴れで楽しみたい人も、後ろでゆっくり楽しみたい人も等しく遊べるようにと魔法の言葉“もえもえきゅん!”で会場を1つにし、『ねこ地獄』では肉球をつけたともがシュールな光景を生み出す中、幸福な地獄絵図を作り上げて見せた。

猛烈な勢いでラストまで駆け抜け、「本当に帰ってこられる場所があって良かったなと思える1日でした。最後、ここに集まった全員と歌いたい。歌ってくれますか?」と口にしたとも。「歌えー!」と叫んだ彼に続いて大シンガロングが巻き起こり、リアルな手触りを伴った別れの歌が感動的な光景を生み出していく。最後の最後に「本当に本当にありがとうございました。そして、これからもよろしく」と告げたとも。“名古屋”のバンドであることを誇るように繰り返す姿を前に、沢山の「ありがとう」が飛び交っていた。

アンコールでは地元のワンマンならではの演出も。初披露となる『The New Beginning』でパーソナリティーのねねさんを巻き込んでのドタバタ劇を繰り広げた彼ら。そして、2ndフルアルバム『ノイジー・マイノリティー』のリードトラック、『シンデレラ・シンドローム』と、『Identity~人生ゲーム』を立て続けにドロップ。「いつか来るお別れまで、俺たちと馬鹿やって遊んでください」と全力のスクリームでライブハウスを揺さぶる。まるで嵐のように激烈な3曲で、変わらないまま進化を続ける彼らのワンマンライブは幕を下ろした。

年明け直ぐにはZEPP Nagoyaでの公演も決まっている彼ら。“大人のお金で遊んでくるわ!”と朗らかに宣言したヒスパニの快進撃から、これからも目が離せない。

文/渡辺 真綾 写真/Kaochi

■セットリスト
01.Adrenaline
02.エクストリームおっぱいダイナマイト8000
03.Brain Dead
04.憂&哀
05.Purple Haze
06.般若
07.世界の尾張
08.ライジングさん
09.Holograph
10.Black Sheep
11.しぐなる
12.うそつき。
13.ファッキンホット
14.なんてったってラウドル
15.でんでんひすぱっしょん
16.ねこ地獄
17.TeaR
18.おわかれかい
(encore)
~The New Beginning~
19.シンデレラ・シンドローム
20.Identity~人生ゲーム
21.WiLL

関連キーワード

RANKING

RECOMMENDED

KEY WORD

WRITER


トップへ