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LIVE REPORT ライブレポート

2016.9.14

音楽を愛する想いが生んだ、奇跡の一夜。

LASTGASP Road to the Last Resort @APOLLO BASE

LASTGASPが「the Last resort 2016」という主催フェスを今年も開催することを発表したのは先日のこと。彼らはそのフェスに向けて、全国各地のライブハウスで先輩・後輩問わず、本当に格好良いと思える強豪バンドと凌ぎを削ってきた。「Road to the Last resort TOUR 2016」と名付けられたツアーも、遂に最終日。ここでは故郷に錦を飾るかのように、強くしなやかに成長して帰ってきた4人が創り出した1日の模様を余すことなくお届けする。

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舞台裏から気合いの篭った声が響き、浮き足立った会場をヒートアップさせてゆくー。トップバッターを飾ったのは、But by Fall。パッとステージに飛び出してきた4人は、ヒーローがポーズを決めるように高々と拳を突き上げ、Kenta(Vo/Gt)が「初っ端からぶち上げて行こうぜ!」と煽るのを合図にイントロからヘドバンの嵐を巻き起こす。

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『One More Time』でオーディエンスとの距離をぐっと詰めてみせ、続く『The Reckless』ではまるでフロアもメンバーに組み込まれていたかのような掛け合いで楽曲を展開。ライブハウスの隅々まで意識を巡らせ、きっちり全員を快楽の渦へと巻き込んでしまえるのは彼らの大きな武器だろう。LASTGASPに呼んでくれたことへの感謝を告げると、「楽しい時間はあっという間に過ぎちゃうから。まだまだ始まったばかりだけど楽しんでいきましょう!」とKazuya(Gt/Vo)が話し、爆発力はそのままに一気にエンディングへ。パンキッシュな音に乗せて駆け抜けたフィナーレは、華々しく登場した彼らに相応しいものだった。

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突如としてソリッドな音を掻き鳴らしたのは、ANGRY FROG REBIRTH。U(Vo)不在の中でのLIVEとなった今公演だが、声を振り絞るように叫びながらも、演奏を続ける彼らは常にベストを更新するような濃度でオーディエンスに音を届けていく。そこには一切の甘えもなく、鬼気迫るステージングには身震いしてしまうほどだ。『LOVE YOU』、シンガロングが会場を包み込んだ『U&I』など、LIVEでの鉄板アンセムを立て続けに披露した彼ら。

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少し落ち着いた雰囲気の中、池田 直樹(Vo/Gt)が「僕たちは本当は5人でやってるバンドでして。今日はボーカルがいません」と口を開く。バラバラの意思を持った人間がバンドをすること。普通に行われているそれらの行為は奇跡みたいなことなんだと語り、「もしお前達がLASTGASPを大好きなら、ずっと応援してやって下さい。それが未来へ繋がっていくと思います」と真摯な口調で言葉を締めくくると、フロアから拍手が贈られた。最後の音が鳴り終わると「負けんなよ!」とオーディエンスからの激励が飛ぶ。バンドが続く。そんな“奇跡”が再び彼らに訪れることを心から願いたい。

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続いて登場したのはSHIT HAPPENING。「愛のある空間を作っていきましょう」と告げた小野崎 建太(Vo/Gt)の声を皮切りに、『Promise』『透明人間』と疾駆するビートを駆使してボルテージを引き上げていく。梅田 貴之(Dr/Cho)が投げたスティックが壁に張り付くミラクルで和気藹々とはしゃぐ無邪気な一面を覗かせつつ、一度演奏を始めるとフロアに襲い掛かるのはエネルギーを撒き散らす激しい音流。迎え撃つように何度も拳が突き上がり、気付けば誰もが汗だくになって全身で音を浴びている状態に。そんなフロアを見てメンバーも「最高じゃん!」と屈託のない笑顔を見せた。

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「実は俺らに与えられたのは25分っていうとても短い時間で…」と話し出した小野崎。LASTGASPへの想いを伝えようと試みたが、伝えきれないものだったと言葉は続く。好きなことに向き合う難しさに触れ、「奇跡みたいに、好きなことに向き合ってたら、LASTGASPに出会ってこのステージに立てました」と締めくくると、音を通じて心を通わせるように『Train』を奏で、最後のステージへとバトンを繋いだ。

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トリを飾るのは百戦錬磨の戦いを経たLASTGASP。不敵な笑みを浮かべた岡田 勇希(Vo/Gt)がステージに立った瞬間、沸き上がる大歓声。彼らを待ちわびていたオーディエンスの興奮がライブハウス中に広がり、鼓動が高鳴っていく。「LASTGASPです!最強に楽しむ準備は出来ていますか⁉︎」との誘い文句から、フロアを狂騒空間へとエスコート。自信に満ちた音でスタートを告げる歌、『GO』を放つ姿は以前と比べても堂々としたものだ。

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『Determination』を演奏すると、気負いなく和やかな雰囲気で話し出した岡田。「楽しいって要素、生きる上でとっても大事だと思ってます。今日は楽しくやって帰りましょう」と告げると、『Sweet』の星の瞬きに似た音でライブハウスを満たし、心地の良いひと時を演出する。鼓舞するようなビートが身体を揺らした『Believer』を挟み、ツアーを振り返るメンバーの表情の明るさが、過ごしてきた日々を物語っているようだ。そんな暖かい雰囲気の中、岡田は「今日、特に素敵だったな…」と優しい笑顔で呟くと、「このツアーは色んなことがありました」と話し出す。小さなことでイライラして泣いた日もあったが、そんな中にも楽しい要素があって、そのハッピーな瞬間を逃さないように1つずつに立ち向かっていこうと思ったと告げ、「楽しいことが出来るように、俺らも頑張るよ。楽しいって思える音楽が出来るようにもっと頑張るから」と集まったオーディエンスに宣言した岡田。明日を共に戦うパワーを込めて最後に奏でられたのは『ALIVE』だ。最後まで剥き出しの心でフロアにぶつかり、彼らの熱演は終わりを迎えた。

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アンコールが終わっても鳴り止まない拍手が、何よりも今日のLIVEを象徴していたように思う。バンドを続けること、音楽を愛し続けること。簡単な事ではないし、上手くいくこと自体が奇跡なのかもしれない。ただ、様々な想いが重なって、奇跡が合わさった先にこんな1日があるからこそ、次の奇跡に向かって戦いを続ける覚悟を持つことが出来るのではないだろうか。過去を振り返った時、LASTGASPの道のりは決して容易いものではなかっただろう。様々な挫折と向き合って開けた運命が、沢山の想いと共に輝きを増していく。その先をこれからも共に見ていたいと思う。

文/渡辺 真綾 写真/前田達也(tatsuyamaedaphoto.tumblr.com)

■セットリスト
-But by Fall
1.One More Time
2.The Reckless
3.Welcome to My Broken Heart
4.Hallelujah
5.I Want

-ANGRY FROG REBIRTH
1.SUNDAY SILENCE
2.Bright foot
3.LOVE YOU
4.60億の翼
5.U & I
6.EMILY

-SHIT HAPPNING
1.Promise
2.透明人間
3.Howling
4.Mind Strip
5.Second Life
6.Train

-LASTGASP
1. GO
2. Determination
3. Sweet
4.Believer
5.ALIVE
(encore)
6.You just wait

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