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LIVE REPORT ライブレポート

2016.12.16

未来に向けた両者譲らぬ熱き戦い

ミソパニッククーデター ~最後の聖戦~
2016.11.25(金) @名古屋SPADE BOX

9月に発売したアルバムを引き下げ、バンド史上初となるツーマンツアーを行ったミソッカス。各地で切磋琢磨を繰り返し、1回りも2回りも大きくなった彼らがツアー最終日、ドラマチックアラスカを地元名古屋に迎え入れ、冬の寒さに負けない熱きライブをSPADE BOXで行った。

10月よりサワヤナギマサタカ(Gt)、タケムラカズキ(Ba)がメンバーに加入し、新たスタートを切ったドラマチックアラスカ。メンバー加入後、名古屋でライブを行うのはこの日が初めて。オーディエンスは緊張と期待が混ざったような面持ちでステージを見つめていた。

ニシバタアツシ(Dr)の軽快なドラムサウンドが徐々に緊張感を解いてゆき、ヒジカタナオト(Vo/Gt)がステージに飛び出てくると、『人間ロック』でライブがスタート。体を大きく揺らしながら演奏し、身振りを加えながら歌う姿に迷いは一切なく、むしろ今の自分たちを見てくれとでも言っているような堂々たる姿に、次第とヒジカタの創り出す世界観に惹かれていく。

見事なコール&レスポンスでフロアを十分に温めると、なだれ込むように『無理無理無理』、『和心』を立て続けに披露。これぞロックンロール!と言わんばかりの熱のこもったサウンドに加え、フロアに響き渡るリバーブや点滅を繰り返す照明、強弱のある伸びやかな歌声がオーディエンスの心を刺激する。「初めましての方が多いと思いますが、ドラマチックアラスカです。」と改めて自己紹介をすると、「親愛なるミソッカスに愛を込めまして…」とミソッカスの楽曲『アメリカと中国と静岡』をカバー。驚きにも似た「おぉ~!」という歓声が広がり、フロアはさらなる盛り上がりをみせる。本家に劣らない演奏に、終わると自然と温かな拍手に包まれた。ツーマンだからこそ、両者互いに尊敬しあえる関係であるからこそ実現できることであり、ミソッカスというバンドを愛していることが彼らとの出会いや、思い出を話す様子からも直に伝わってきた。

そして、メンバーが先日入れ替わったが、それでも支えてくれるファンやスタッフのありがたみを改めて感じ、これからも変わらず突き進むので応援してほしい。と話すと、一つ息を置いて「新しい世界を始めます」と放ち歌われた『世界の始まり』。何度でも立ち上がり新しい世界を作って行くことを訴える前向きな歌詞が、まさに今、新たなメンバーで次なるステージに向かう4人の姿と非常にリンクしていた。

最後に自分たちがこの世界で1番を取りに行くことを誓い『TEPPEN』を披露。疾走感あるギターサウンド、波打つベース、猛然と鳴り響くドラムの音には野心が見え、それらと重なる真っ直ぐと力強い歌声からは、強く硬い決意のようなものが見受けられた。この4人なら必ずテッペンを取ってくれる。大丈夫。そう思わせてくれるパフォーマンスだった。

ドラマチックアラスカの熱量冷めぬままお馴染みのSEが流れると、緊張と期待が交錯したような顔もちでミソッカスのメンバーが1人1人ステージに登場。「帰ってきました~!」とデストロイはるきち(Vo/Gt)の声を合図に『盗賊と賞金稼ぎ』、『HITSUJI SAVE ME』と序盤から新しいアルバムの中でもアップチューンな楽曲を立て続けに投下。無数に広がる拳と波打つハンドクラップでたちまちダンスフロアへと変貌させ、フロアのボルテージを一気に加速させる。

ツアーを振り返る5人は、口を揃えて「楽しかった!」と各地での思い出を語る。その話から、今回さまざまなジャンルのバンドと共演できたからこそ1つ1つがより濃密なものとなり、お互い刺激しあえたツアーだったのではないかと感じた。
はるきちがギターを握り直し、歌詞を書いているときに悩みなどのマイナスを文字にすることで迷いや躊躇いが消え、バンドとしての方向性が見えてきた。そして自分が文字にして悩みが消えたように、この曲を聴いて悩みが吹っ飛んでくれたら嬉しい。と告げ歌われた『七つの迷路』では、まさに<出口>は悩みの突破口であり、ふっと優しく背中を押し上げてくれるような歌声は<新しいドア>に導いてくれるようだった。

ライブはあっという間に終盤戦。これまでたくさんの曲を出してきたが、昔も今の曲も大好きだからこそ大切にしていきたいと話し、今は再スタートの意味を込めて、そしていつの日か武道館で1曲目にやりたいと『パパパ』をドロップ。瞬間、悲鳴にも似た歓声と、高く真っ直ぐ伸びる拳が再びフロアに広がっていく。伸びる無数手の平の隙間から見える5人のアグレッシヴなライブパフォーマンスに胸が熱くなった。

昔の曲、何度も披露している曲も全く色褪せることなく、むしろ見るたびに進化を遂げ“今”のミソッカスで正面からぶつかってくるサウンドに飽きなど一切ない。それは本編最後の曲『ワルイトモダチ』も同様。ラストスパートをかけるような、これでもか!というほどの攻撃的なアンサンブルを轟かすと、フロア一体からは割れんばかりの大きな拍手が沸き起こり熱狂のまま本編が終了した。

アンコールでは、SPADE BOXが他のライブハウスよりも揺れることに気づいたはるきちが「もっとジャンプして床抜く?」と笑いを誘って最後に『擦り切れた靴とロケット』を披露。全員でジャンプし、時には歌詞を口ずさみながら、この日だけではなく今回のツアー全てを振り返るようにフロアを見渡しながら笑顔で演奏する5人。その目の奥には次なる道のりをも見据えているように感じた。 “ロックバンド”の型にはまらず歌謡、メタル、グランジ、スカなどあらゆるジャンルを散りばめられたミソッカスのライブは、まさに“七変化”という言葉がぴったり。そこに、オーディエンスのシンガロングやクラップが曲のスパイスとなり、ライブでしか感じることのできない味となる。ミソッカスとオーディエンスとで作りあげる空間は、楽しいの一言に尽きる。改めてそう思った。

文/伊藤成美 写真/ナツミ(http://natsumi-live.tumblr.com/)

■セットリスト
―ドラマチックアラスカ
1.人間ロック
2.無理無理無理
3.和心
4.アメリカと中国と静岡(ミソッカスカバー)
5.Aのテーマ
6.怠惰故
7.ニホンノカブキ
8.河原町駅
9.世界の始まり
10.TEPPEN

―ミソッカス
1.盗賊と賞金稼ぎ
2.HITSUJI SAVE ME
3.マッドシュリンプス
4.夏のイリュージョン
5.深き森のワルツ
6.ム○ンライト伝説
7.ブルーライトディスコ
8.七色の迷路
9.ピエロ・ミゼラブル
10.ゴーストシップラブストーリー
11.パパパ
12.i wanna be a ハンサム
13.ワルイトモダチ
(encore)
14.アメリカと中国と静岡
15.擦り切れた靴とロケット

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