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LIVE REPORT ライブレポート

2016.7.12

それぞれにとっての確かな答え

Qaijff 2nd Mini Album「Life is Wonderful」release tour “Wonderful Live”@SPADE BOX

Qaijffが自身の名刺代わりになるような名作、『Life is Wonderful』をリリースしたのは4月のこと。リリース以来、全国各地でのインストアイベントツアーやリリースツアー、東京でのワンマンライブを経て、何周りも大きく成長した彼らが地元名古屋へ帰ってきた。当日はソールドアウト。会場の隅から隅まで埋め尽くしたオーディエンスは、期待で胸をはちきれそうにしながら開演の時を今か今かと待っている。

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ドラマチックなSEが流れ、大きな拍手で迎え入れられた森 彩乃(Vo/Pf)、内田 旭彦(Ba/Cho/Pro)、三輪 幸宏(Dr)の3人。三輪が始まりの合図を響かせるようにダイナミックにドラムを鳴らすと、音の粒がキラキラと輝きながら一気に溢れだし、『Wonderful Life』でLIVEは開幕。桜を思わせる照明が華を添える中、1人1人を祝福するような森の歌声がフロアを駆け回り、根底からリズムを支える内田のベースはどこまでもしなやかに響く。そして、《行こう》と呼びかける声に次々と上がっていく手のひら。ワンマンライブということでオーディエンスにも特別な想いがあったのだろう、とびきりの笑顔で歌を届ける3人に惹かれるように、フロアのオーディエンスの表情も輝いている。

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鼓舞するように音が高みへと駆け上っていった『未完成ワールド』、『光を探しに』と、ニューアルバムから数曲を披露し、「ついにやって来ました、ツアーファイナル。名古屋、お待たせしました。Qaijffです!最高なLIVEはたくさんあったと思うけど、過去最高、過去最強、そしてNo.1のワンダフルなLIVEにしましょう。よろしくお願いします!」と笑顔で気合いを口にした森。続く『モンスター』では内田との美しいコーラスワークでオーディエンスを魅了し、ビビッドカラーの光が照らす中、突き抜けるような声で『虹を探していた』を歌うなど、新旧織り交ぜた楽曲群で3人が様々な景色を作り出す。森が「声を聞かせて下さい、名古屋!」と煽れば、ステージで鳴っている音にも負けない音量でメロディーを返すフロア。思わず身体が震えるほどのパワフルな声を聞いたメンバーの顔には、とても嬉しそうな笑顔が浮かぶ。

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煌めきが充満していくようなサウンドから、どことなく気だるげな声色で聞かせた『ソングフォーミー』を挟んで、心地よい音の余韻が身体を包み込む中、「どうもありがとうございます」と口を開いた森。「結成当初の曲だったり、CDになっていない曲が出来るのもワンマンならでは。いろんな人がいるから、知らない曲もあると思うけど…良いっしょ!」とはっちゃけたテンションで言い切ると、3人はスタッフも含めて、彼らのチーム感が伝わってくるような打ち解けた雰囲気で和気あいあいと話し出す。長すぎるインストアツアータイトルを三輪に無茶振りで歌わせる茶目っ気に溢れた一面を覗かせつつ、気付けば内田の手にはベースではなくアコースティックギターが。ツアーの中で、内田の奏でるアコギがかなり好評だったことを踏まえ、「今日も特別に、内田がアコギを弾いて1曲やりたいと思います」という森の言葉から、和やかな雰囲気のなか新曲『ヨルヲマッテ』を披露した。雨の日の情景と夜の静けさを閉じ込めたようなこの曲は、柔らかなアコギの音色と相まって、心が鎮まっていくような静謐な雰囲気を内包した1曲。曲が作り出したムードを引き継ぐように、披露されたのはリアレンジ版の『escapism』。フロアはメンバー紹介での、短くも確かな演奏技術が光るソロに耳を奪われつつ、横ノリのリズムに乗って心地良さげに身体を揺らしていく。視線を重ねながら深く繋がっていくグルーヴ感を駆使して数曲披露すると、不意に暗くなったステージ。そう、彼らのLIVEではお馴染みとなったYU! YU! YUKIHIROの登場だ!辿々しく物販紹介をしてオーディエンスに励まされながらも、盛り上げ隊長としてしっかり会場を盛り上げたYUKIHIRO。特別にバンドverでいつものC&Rをした会場の温度は、熱気に包まれ上昇していた。

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後半戦は、一気にバンドサウンドへと雪崩れ込んだ『ニューワールド』でスタート。「いくよ!」と森が叫ぶと、たぎる想いをぶつけるように拳を突き上げるオーディエンス。強い真っ白なライトに照らし出されたステージに地鳴りのような音が響くと、アンサンブルが暴走するかのごとく蠢き出す。内田に煽られたオーディエンスがOiコールを巻き起こすと、そのまま音の奔流は歓声と共に『organism』の渦巻くようなイントロへと繋がっていった。前へ前へと転がり続けるメロディーに、前のめりになって聞き入るフロア。全ての音が鳴り終わると、盛大な拍手が巻き起こる。「名古屋、本当に最高です!」と興奮を隠しきれない口調で話し出した内田。東京のワンマンを経て、東京も最高だと思っていたが、やっぱり名古屋が最高だと話す口ぶりは本当に楽しそうで、本人も心からこの場を楽しんでいることが伝わってくる。「いつ誰に何があるか分かんないから。限られた時間、生きている限りは一緒に素晴らしい時間を過ごしたいと思います」と森が口にすると、過ぎていく時間を、精一杯輝き切るように『グッドナイター』を披露した3人。様々な想いが詰め込まれた歌を、星屑のような音粒と森の伸びやかな声が寄り添うように彩って、その場だけの景色をオーディエンスの脳裏に映し出していく。「もう終わりが近いです。最後、盛り上がって行けますか!」と森が呼びかけると、『クロスハッチング』でオーディエンスと視線を重ねながら、パッと光が射すような音像でライブハウスを鮮やかに照らし出し、畳み掛けるようにQaijffの新しいスーパーアンセム、『Don't Stop The Music』へ。“待ってました!”とばかりに出せる限りの声を出して、3人と音をぶつけ合うフロア。沸き起こる声は、彼らを鼓舞しているはずのバンド自体をも、未来へ送り出してしまうほどの暖かい愛情とパワーで満ち溢れている。思わずアンプの上に立ち上がってギリギリまでフロアに近づこうとする内田。際限なく強くなっていくオーディエンスの声に、この場にいられることで抱いていた幸福感を表出しているように思えた。爆発的なエネルギーを全て受け止めると、晴れやかな笑顔を浮かべたメンバー。「最高です、名古屋!ありがとう!」と叫ぶ森の姿にも、曲終わりに思わず派手に飛び跳ねてステージに転がる内田の姿にも、どうしようもなく嬉しいんだという感情がみなぎっている。

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フロアを丁寧に見つめると、「最高に最強にワンダフルです。ありがとう!」と開演時の言葉をなぞらえるように話し始めた森。沢山のイベントが被っている中で、自分たちのLIVEを選んでくれたオーディエンスに改めて感謝の想いを伝えると、フロアからは温かい拍手が。「今日はこうして、みんなのおかげで最高に幸せな気持ちになれるんだけど…」と話し、「自分の中で選択に悩む瞬間が絶対にあると思ってて、答えは分かんないと思う。でも、今日ここにあなた達が来るっていう選択が1つの答えだし、Qaijffがバンドを続けて、ここに立っていることも1つの答え」だと、今まで選択を繰り返して歩んできた道のりを確かめるように言葉を繋げた森。過去から繋がった答えの一つが、この愛情で満たされたライブハウスであることは、とても感慨深いものがあったに違いない。不意に言葉を詰まらせると、感極まって思わず涙を零す一面も。オーディエンスの温かな声に背中を押されるように涙を拭うと、「またライブハウスで必ず会って、答え合わせをしましょう。ラスト1曲、ありがとうございました。名古屋のQaijffでした!」としっかりと前を向いて言葉を締めくくり、それぞれにとって、最高の1日であったことを歌声で証明するように『Re:answer』を歌い上げ、熱演の幕を降ろした。

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すぐに巻き起こったアンコールで、12月にシングルのリリースとリリースイベントとして、12月22日にもう一度今回と同じSPADE BOXにてワンマンをすることを発表したQaijff。「バンドが続くのも当たり前じゃないけど、皆さんに未来を見せたいし、期待してほしいという想いを込めて付けました」という言葉と共に発表されたワンマンのタイトルは、“for the future ××”。「皆さんを想像以上の場所に連れて行こうと思っています」と力強く言い切った内田の言葉が象徴しているように、直後に披露された『UNIVERSE』という新曲は、未来をしっかりと見据えて、再び歩き出そうとしているQaijffの今をギュッと濃縮したような、思わず胸が高鳴る仕上がり。最後に『meaning of me』を演奏すると、「ありがとう!」と叫び、手を繋いでオーディエンスに向け感謝を込めてお辞儀をした3人。ラストの記念撮影まで、楽し気な笑顔を残して、彼らはステージを後にした。

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ただ、彼らの鳴らす音が好きだという、ピュアな想いを持ち寄って集まったオーディエンス。沢山の選択肢が広がる中で、それぞれが選んでようやく実現した光景を目に出来るのは、LIVEが日常的に行われている現場だと忘れがちだが、実は奇跡のようなこと。真っ直ぐに輝きを増す彼らには、もうその奇跡を起こせるだけの力があるのだろう。“次の答え合わせの日には、きっと今よりももっと成熟した彼らと出会える”そう確信出来る、どこまでも晴れやかなLIVEだった。

文/渡辺 真綾 写真/前田達也(tatsuyamaedaphoto.tumblr.com)

■セットリスト
1.Wonderful Life
2.未完成ワールド
3.光を探しに
4.モンスター
5.虹を探していた
6.change
7.セピア
8.ソングフォーミー
9.ヨルヲマッテ(新曲)
10.escapism
11.along the coast
12.future
13.ニューワールド
14.organism
15.グッドナイター
16.クロスハッチング
17.Don't Stop The Music
18.Re:Answer
(EN)
19.UNIVERSE(新曲)
20.meaning of me

LIVE終了後、メンバーから。

終わりは始まり。2016年7月2日、またここから次の未来への良いスタートが切れました。何のために生きてるのか、何のために音楽やってるのか、何のためにバンドやってるのか、理由や答えに迷ったりすることもあるけれど、「ああ、この瞬間のためだ」って思えるライブを、わたしたちは毎回更新していきたいと思います。だから、これからの未来に期待していてね。 ライフイズワンダフル!(森)

涙を流しながら拳と声を上げる満員のフロアを見て、俺はこんな景色をずっと見たかったんだと直感的に思いました。みんなそれぞれ生活の中で、悩みも迷いがあるからこそ、俺らは音楽で繋がり合えるんだなぁと思います。『Life is Wonderful』というアルバムは正にそんな作品。これからもそんな感じで繋がっていけたらいいなと思ってます。(内田)

過去に何度もワンマンライブはやっているけれど、今回ほどフロアとの意識的な距離が近く感じられた日はなかった。ステージの上にいる僕が、お客さんの熱量に圧倒され、声援に救われ、真っ直ぐに僕らの曲と向き合ってくれて涙ぐむ姿に心を打たれました。今回のような日を何度も何度も作っていけたら、僕らはきっと間違っていなかったんだと思えます。あの場にいたすべての人に感謝しています。ありがとうございました。僕らはこれからも仲間を増やして、前へ前へと進んでいきます。(三輪)

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写真/齋藤佑樹

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