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LIVE REPORT ライブレポート

2017.1.27

“次”を見据えた終わりと始まり

RED DOG「My Favorite Song is RED DOG 2016」
2016.12.27(火) @APOLLO BASE

2016年の「TANK! the AUDITION 2016」に優勝し、「TREASURE05X 2016」の蒲郡ラグーナビーチ公演でオープニングアクトとしてステージに立つなど、間違いなく飛躍の1年となったRED DOG。その1年の集大成を示すにふさわしい地元名古屋での初ワンマン。彼らだけではなく、オーディエンスも緊張でどこか落ち着かない様子。そんな雰囲気を和ませるかのように開演前にはゲストDJ、DJかっちゃんが会場を盛り上げていた。

開演時刻ぴったりに暗転すると、4人の姿を現すかのように真っ直ぐのびた4本の光が会場に放たれる。RED DOGと大きく書かれた横断幕を背に、水野友紀也(Gt)、平出真也(Dr)が自身のバンド名が記されたタオルを掲げ登場し、続いて岡田尚也(Vo/Gt)、西川友規(Ba)が現れると割れんばかりの手拍子が鳴り響く。そして4人はドラムを中心に円陣を組み、各々がこれからの時間への決意を固める。

『PERFECT SUMMER』でライブの始まりを告げると、「楽しんでいこうね!」という岡田の声に答えるように力強い拳が上がるのを見て、緊張の糸が解けたのか自然と笑顔がこぼれた4人は、この日を待ち侘びでいたといわんばかりのダイナミックな演奏を魅せる。軽快なドラミングからフロアにハンドクラップを沸かせ、西川の巧妙なタッピングが加わると、さらに岡田がオーディエンスのたったひとつの武器は声と話し、ステージ前方をアリーナ、後方をスタンドと見立てたコール&レスポンスも加わった『Miss You Baby』へ。西川の煽りは衰えることなく加速し、サビでは掲げられた無数の手がジャンプによって大きく揺れていた。

改めてこの日来てくれたオーディエンスに感謝の言葉を1人ずつ順に述べると、今日でまた次が始まる。今日は一区切りつける日とし、今大切にしているものがあったり、その大切なものが失っている人がいたら曲が力になると岡田の放つ優しい声に誘われ『逢いたくて』へ。岡田のみにスポットが当たり、ギター1本でサビを弾き語る。言葉の一つ一つを大切に歌いあげてオーディエンスとの距離をさらに近づけると、「名古屋会いたかったぜー!」の一声で一気にバンドサウンドを開放。以前よりも厚みが増したサウンドと、力強さも加わった柔らかな歌声が、このツアー中に曲が成長していることを物語っていた。

疾走感と青臭さが混ざり合う『スカイウェイブ』、<リスペクト>の声がフロアにこだまする『感情リスペクト』とアッパーな楽曲を立て続けに投下。そして湯気立つ会場を割くように繊細なギターとシンバルの音で雰囲気を一変させたのは、『言葉にならない愛の歌』。時々静寂を含みながら儚くもしっかりとしたサウンドと、嘘も偽りもない透き通る岡田の歌声が絶妙に絡み合う。オーディエンスはぴたりと動きを止め、彼の歌声に寄り添うようにじっと耳を傾け、演奏が終わると大きな拍手がフロアを包み込んだ。

余韻に浸ること数秒、西川と水野がマイクを持ち、突如言葉の掛け合いを始めると、フリースタイルダンジョンよろしく、ゆうきvsゆきやのラップバトルがスタート!お互い譲らない言葉のバトルが会場を沸かせ、見事なフロウと韻には拍手が起きていた。バトルの結果はこの日集まったオーディエンスの拍手で決定。大差(!?)で水野に軍配が上がり、笑いと歓声のラップバトルは終了した。

後半戦、『WINNER』、『BRAVE』でハンドクラップ、シンガロングを畳み掛け、再び会場に熱気を戻すと、『DISTANCE』では「全部ここにぶつけてください!」との岡田の言葉通り、フロアから自然と伸びた拳には日頃の喜びや悲しみ全てを含んでいるように思えた。そして、その思いを機動力へと変換させ演奏する様子は、まさに共にライブを作り上げていた。

「みんなの前で思ったことを直接伝えたい。みんなの辛い状況に救いの手を差し伸べてあげたい。」と話した『アイリス』。右から左へゆっくりと視線を動かし、時には目を瞑り思い馳せるように目の前の“あなた”へ向けて歌を届ける。そしてその思いを受けとったサインかのように徐々に拳がフロアを埋める。最後の1音を惜みなく出し切ると、演奏前に「歌だけはあげられる」と話していた通り、“歌”という最高のプレゼントを置いて4人はステージを後にした。

アンコールでは水野がピアノ、西川がアコースティックギターと普段では見られないレアな編成に。なんでも水野はこの日のためにピアノを猛特訓したらしい。岡田が初めてライブを行った日のことを思い出しながら、この3年間で環境が少しずつ変化したことを話す。そして、自分の気持ちを歌うのに精一杯だったけれど、初めて他人の気持ちを書いてあげようと愛犬を思い作った曲、『ハイド~君の唄~』を披露。煌びやかなピアノの伴奏にそっと、優しい歌声が重なり合い、アコーステックならではの温かみのあるサウンドによって歌詞の情景がより鮮明に浮かびあがる。

「この空間がずっと続けばいいのにな」と4人が口を揃えて「あっという間!」という通り、ラップバトル、アコーステックなどさまざまなことにチャレンジしたこの時間は一瞬のように感じた。ワンマンのシメではなく、3年間の活動の締めくくりとし、岡田が初めて作った曲、『ハルカ』でまた次のステージへ。RED DOGが好きな人しかいないこの空間に大合唱が沸き起こる。

若さ漲る純粋無垢な4人の姿には、夢や希望といった前向きな言葉がぴったりだ。この日駆け付けたオーディエンスの応援を力にし、RED DOGはまた、ここから始まる。

文/伊藤成美 写真/前田達也

―ワンマンライブを終えて

ワンマンライブを終えて、一つまた大きな自信をつける事ができたと思います。RED DOGがまたここから新しい一歩を踏み出していく為に必ず通らなければいけない壁の一つでもあったので、2016年という大きな節目の年に初めてのワンマンライブを終える事ができて良かったです。今後、2017年からのRED DOGは今までの経験と知識を盛大に活かしたバンドになっていきたいと思います。
おかでぃー(Vo/Gt)

初めてのワンマンがとても楽しみでした。曲数もいつもの3倍あるのに、始まるとあっという間で。次のワンマンでは質と動員を伸ばしてやりたいです!
ゆうき(Ba)

ライブの演出、構成を自分達だけで作り上げるワンマンライブが初めてで、好きなように楽しいことを盛り込めたので楽しかったです。ラップとピアノは初めての試みでしたが、上手くいって良かったです。集大成でもあるのと同時に新しいことを始められたワンマンライブになったと思います。
ゆきや(Gt)

初のワンマンライブを終えて、まず僕らと僕らを見に来たお客さんしかいないことが新鮮で、とてもあたたかい空間で本当に幸せな時間でした。去年はとても濃い年で、ワンマンで2016年の集大成を見せることができたかなと思います。しかし、課題がたくさんあるのを痛感したので今年も努力を続けていきたいです。
しんや(Dr)

■セットリスト
1.PERFECT SUMMER
2.Human
3.Miss You Baby
4.長電話
5.逢いたくて
6.スカイウェイブ
7.感情リスペクト
8.言葉にならない愛の歌
<ゆうきvsゆきやラップバトル>
9.WINNER
10.BRAVE
11.Clap Clap Clap
12.DISTANCE
13.アイリス
(encore)
14.ハイド~君の歌~(special version)
15.ハルカ

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