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ライター T-Friends

2017.1.11

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the unknown forecast presents“23:59:59”

2016.12.3(土) @Electric Lady Land

過去から未来へ、想いを繋ぐ23:59:59 前編

23:59:59-レイジマエ-。この言葉に万感の思いを託し、新生the unknown forecastが自主企画を開催した。2つ返事でこの企画に力を貸したのは、彼らが今まで縁を繋いで来た先輩/盟友たち。地元や県外に関わらず集合したバンドが熱演を繰り広げる姿は、既に脱退した伊藤優太(ex Dr)を含む4人がどれだけの人に愛されてきたかを証明するようだった。

オンタイムで照明が消え、笑顔でステージに飛び込んできたのはLUCCI。三浦弦太(Vo/Gt)が前のめりに開幕を告げ、飾らない歌声を響かせる『Q&A』から1日がスタート。以前よりもぐっと粒立ちの良くなった音が、楽しげにステージで飛び跳ねている。
メロディーに乗せて「体揺らして、心躍らせて」と告げると、少し頼りない等身大のラブソング『愛は真心、恋は下心』を披露。浮き立つようなリズムに乗せてフロアも笑顔で身体を揺らしていた。

unknownとは2回目の対バンだというLUCCI。1度目は自分たちの企画で、次がこの企画だったと三浦が柔らかい笑顔を浮かべながら話し、「今日は誘ってもらって本当に嬉しかった」と告げると、少し浮ついたフロアに音を馴染ませるように『ミサンガ』を歌いだす。1つずつ、音が鳴る度にしっとりと空気を彩っていく4人。些細な息遣いで壊れてしまいそうな、繊細な静けさの中でオーディエンスも大切に曲を受け止めていく。

年明けに発売される新譜から、甘酸っぱいメロディーが眩しい『ボーイフレンド』、そして最後には「unknownまで全力で歌わせて下さい!」と『FROG』を演奏した彼ら。大舞台が映えるようになったLUCCIの、オープニングに相応しい渾身のステージだった。

悲鳴のようなギターの音を合図に、滋賀が生んだスーパーロックバンドWOMCADOLEが登場。樋口侑希(Vo/Gt)が『ドア』『夜明け前に』と序盤から声を張り上げ、時にはマイクの向きを変えて言葉を投じる。フロアの端から端まで使う4人のアグレッシブな演奏はE.L.Lの広いステージで映えていた。

「壁があっても一緒にぶち壊しましょう。どうですか?1人じゃどうしようもなくて逃げ出したくなってもオレ達が戦う道具になってあげる。だから戦おうぜ。オレ達と一緒に生きてくれますか?」と樋口の口から放たれる熱い等身大の言葉に共感するかのようにフロアに無数の拳が伸びる。その答えに思わず樋口がにやりと笑う。
『アルク』では4人が激しく掻き鳴らす熱い演奏に、WOMCADOLEが“音楽”という武器で高い壁も一緒に壊してくれるような気がした。「オレ達はロックなんてできない。スーパーロックなんだよ!」と叫ぶ樋口の瞳に嘘など一切ない。

『綺麗な空はある日突然に』では、途中ギターを置き、マイクを両手で強く握りしめ歌うと、今度はそのマイクをオーディエンスへ向ける。共に歌い、真っ直ぐに樋口を見つめるオーディエンスからは、“4人とアルク(歩く)”。そんな意志を感じ取れた。

抜群の音抜けでリハーサルからフロアを魅了したAge Factory。音が鳴った瞬間にぐっと耳を惹きつけられる芳醇な音色と共に、清水エイスケ(Vo/Gt)がゆらりと声を紡ぎ始める。まるで白昼夢を見ているかのような空間に、身を溶かすようにして魅了されるオーディエンス。酔いを誘う浮遊感の強いサウンドが広がっていく様は、波が広がっていくのにも似た心地いいもの。

『Yellow』で蕾が開くように音が柔らかく解けたかと思えば、『金木犀』では一転して激情に身を委ねるようなプレイを刻む。夏空のように一瞬で変わっていくサウンドスケープに、誰もが息を潜めて憑かれるようにステージを見つめていた。

ハンドマイクで芯のある感情を炸裂させた『Puke』を届け、歌っている時とは別人のような気安さで話し出した清水。幡野の歌い癖について「最後皆さんはあれでしょ?幡野の癖を浴びるために待ってるんでしょ?」と冗談交じりに口にし、事前に彼がカバーしていた『さらば街よ』を歌い出す。大切な故郷を想って作られた唄は、どこまでも優しく目の前の景色を滲ませていく。美しい想い出を覗かせるように曲を奏で、ラストに届けたのは『My end』。祈りを吐き出すように紡がれた言葉は、目の前の1人ずつを包み込むような響きを帯びていた。

リハーサルから本番さながらのパフォーマンスを披露してくれたのは、名古屋のピアノポップバンドQaijff。メンバーそれぞれが所定の位置に着くと、森彩乃(Vo/Pf)にスポットが当たり、the unknown forecastの楽曲『E』のサビを歌い出す。流れるようなピアノの音色と、森の澄んだ歌声にオーディエンスはたちまちQaijffの世界観に引き込まれる。『snow traveler』では、雪が降るように優しく、煌めきを放つピアノの音色がフロア中に降り注ぎ、どこか幻想的な雰囲気に。

ファンにはお馴染みのYU!YU! YUKIHIROによるコール&レスポンスで大きな笑いと共に会場をさらに盛り上げると、続く『Don’t Stop The Music』では、響き渡るオーディエンスの歌声に「やるじゃん!」と満足気な森と、マイクをフロアの方へ向け1人1人の歌声を確認するように耳を傾ける内田旭彦 (Ba/Cho/Prog)。Qaijffの楽曲は表情豊かなあらゆる色を見せてくれる。そして、それを象徴するかのように色とりどりの照明が3人を艶やかに照らし出す。

最後に披露したのは、そっと手を差し伸べてくれる曲になればいいと思って作ったという『good morning』。すっと心に届く温もりを含んだ言葉と、優しく手を取るように歌う森の声とが絡み合い、きゅっと胸が締め付けられるように熱くなる。そして3人は深々と一礼し、惜しみない拍手を背にステージを後にした。

後編へつづく

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