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LIVE REPORT ライブレポート

2017.1.11

過去から未来へ、想いを繋ぐ23:59:59 後編

ノリの良い楽曲でリハーサルから場を沸かせていたのは、ミソッカス。「名古屋ー!Welcome to ミソッカス showー!ミソッカスがELLにやってきたぞー!」と開幕早々にデストロイはるきち(Vo/Gt)がシャウトを決め、賑やかに踊り出したグルーヴに合わせ、“大人しくしてる方が難しい!”と言わんばかりにフロアも身体を揺らしていく。

弾けたテンションの軸にあるのは、オーディエンスの耳を掴んで離さないグッドメロディー。《ハローハローハロー》と歌い上げる『アメリカと中国と静岡』では、ノブリル(Gt/Cho)とブルマン藤井(Ba/Cho)もフロアに乗り出して周囲の心をがっちりと掴んでいた。

MCでは「今日の出演者の中で1番付き合いが長いと思います」と話すはるきち。気心が知れた関係だからこその空気感で幡野をいじると、再び不敵な笑顔で『ム◯ンライト伝説』、『ゴーストシップラブストーリー』とキラーチューンを連発していく。「ずっと幡野が素直にパーソナルな気持ちを歌にしているのを羨ましく思っていた」というはるきちがようやく本音を綴れたとコミカルに叫んだ『i wanna be a ハンサム』、ラストに火薬を投げ込んだかのような盛り上がりを見せた『切り札はハートのエース』と、徹底して盛り上げ番長としての役割を果たしたミソッカス。パーティーのような空気の中にも、unknownに対する深い愛情がうかがえるアクトだった。

4人が目を合わせ、松本 大(Vo/Gt)が小さく手を上げると「最高の時間を作りにきました!」と『キャラバン』で幕が上がったLAMP IN TERREN。彼らの舞台の幕開けにふさわしい煌びやかなサウンドに酔いしれると、続く『林檎の理』では、降り注ぐハンドクラップに加え、松本のジャンプに合わせて共に飛び、体を自由に揺らす。オーディエンスの緊張は徐々に解かれていく。

ドラムを中心に4人が集まり、少しの静寂。静かに『緑閃光』の繊細なイントロが聴こえ、サビに向けて盛大さが増すサウンドと松本のエモーショナルな歌声によって、バンド名の通り温もりを含んだ微かな会場に光が灯る。そしてその灯がふっと消えると、暗闇のなか松本が深々と頭を下げた。

自分自身を見失いそうになった時、オーディエンスが迷わないよう自分たちが光になれないかとの思いから作られた『heartbeat』。鼓動の音にも聴こえる川口大喜(Dr)の刻むビートにギター、ベースの音色が徐々に重なり完成されるアンサンブルは心地良く、歌う前にラブソングだったりするから恥ずかしいと照れ笑いしていた松本も途中、身振りを交えながら目の前のオーディエンスに向けて思いを伝える。松本の放った光がしっかりと届いたのであろう。割れんばかりの拍手に包まれ4人はthe unknown forecastへと最後のバトンを繋いだ。

期待と高揚感が入り混じった静けさの中、1人ずつ現れたthe unknown forecast。幡野友暉(Vo/Gt)が覚悟を決めたように息を吸い、『はたち』からLIVEがスタート。「お待たせしました。23:59:59へようこそ。名古屋のthe unknown forecastです」と一言呟き、何度も大事な場面を彩ってきた『E』へ。視線を合わせながら細川雅弘(Ba)と岡村耕介(Gt)が音を織り成し、オーディエンスに寄り添うように幡野の言葉が響き渡っていく。幡野のイメージになるだけ近い音を出そうと演奏にのめり込む2人を見て、3人が培ってきたチーム力をひしひしと感じた。

ヒステリックな絶唱をみせた『携帯電話』を挟み、「23:59:59へようこそ」とイベントに込めた想いについて話し出した幡野。「今日を始まりの日にしたくてこの名前をつけました」と話す声には、身を削るような覚悟が滲む。伊藤が抜けた後、もうバンドを続けたら駄目だと強く思ったけれど、3人でスタジオに入った時に浮かんだオーディエンスの存在が、そんな考えを打ち消してくれたのだと話し、「あなたがいるから今日があります。これは俺たちの絶望の歌だったけど、今は希望の歌です」と『雑草』を歌い出す。最大の試練を乗り越えた今の3人だからこそ、ひたむきな姿を描いた同曲が強い説得力を持って打ち鳴らされていた。

今日のために作ったという『レイジマエ』、『命の屍』をエネルギッシュに演奏し、この場に居合わせたオーディエンスや共演バンドに感謝の意を告げた幡野。いつまでバンドが出来るかなんて確約は無いし、命を削って歌っても届かない人が居るのは承知の上で、彼は「あなたが聞いてくれたら、もう他に何も要らない」と呟く。そんな彼らが最後に届けたのは、音楽で真摯に“あなた”と話したいと願う『l am music』。全員と本音で向き合うように歌を重ねた彼らに、フロアからは惜しみない拍手が贈られた。

この日のステージで最初に届けられたのは、《卑怯に生きるより 死ぬことを選べ》という高潔なまでの真面目さを端的に表した言葉だった。悲壮なほどの覚悟を経て未来に進むことを誓った、the unknown forecast。そのひたむきさで切り開いていく先にあるのは、茨の道かもしれない。それでも、“そんな彼らの音楽に賭けてみたい”と、アンコール『さなぎの唄』で高らかに未来への思いを鳴らす姿を見て強く感じた。3人の行く先に希望の光が溢れていることを、願ってやまない。

文/伊藤成美(WOMCADOLE、Qaijff、LAMP IN TERREN)・渡辺真綾(LUCCI、Age Factory、ミソッカス、the unknown forecast)
写真/ナツミ(LUCCI、WOMCADOLE、Age Factory、Qaijff、the unknown forecast)・前田達也(ミソッカス、LAMP IN TERREN)

■セットリスト
―LUCCI
1.Q&A
2.愛は真心、恋は下心
3.ミサンガ
4.夏の終わり
5.ボーイフレンド
6.FROG

―WOMCADOLE
1.ドア
2.夜明け前に
3.オモチャの兵隊
4.ワンダー
5.アルク
6.綺麗な空はある日突然に

―Age Factory
1.真空から
2.Yellow
3.金木犀
4.Puke
5.さらば街よ
6.My end

―Qaijff
1. Wonderful Life
2.未完成ワールド
3. snow traveler
4. Don’t Stop The Music
5. organism
6. good morning

―ミソッカス
1.パパパ
2.アメリカと中国と静岡
3.ム◯ンライト伝説
4.マッドシュリンプス
5.ゴーストシップラブストーリー
6.i wanna be a ハンサム
7.切り札はハートのエース

―LAMP IN TERREN
1.キャラバン
2.林檎の理
3.innocence
4.緑閃光
5.pellucid
6.heartbeat

―the unknown forecast
1.はたち
2.E
3.携帯電話
4.雑草
5.レイジマエ
6.命の屍
7.I am music
(encore)
8.さなぎの唄

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