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ライター T-Friends

2016.12.3

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新名古屋大戦

2016.11.1(火) @APOLLO BASE

これからの名古屋を牽引する原石たちが輝く夜

名古屋の音楽シーンを今後牽引していく存在となるであろう、postman・RED DOG・バンドハラスメントという3バンドが一堂に会するイベント「新名古屋大戦」がアポロベイスで開催された。肌寒い季節にも関わらず開場前から長い列ができ、期待度の高さが伺える。キラキラした笑顔は、どれだけ今日を楽しみにしてきたかを如実に表しているようだった。

ゆっくりと幕が落ち、ライトブルーのステージに登場したpostman。個性を溶け合わせるように呼吸を整え、寺本颯輝(Vo/Gt)の「postman、始めます」という一声で演奏が始まる。急成長を遂げた少年達は、気付けば大きなステージが堂々と映えるまでになった。迷いを消し去るようにフロアを見据えて歌を届ける寺本は、他を受け入れる余地を残しながらも説得力を増し、楽器隊の演奏からは感情がダイレクトに伝わってくる。実はこのLIVEを最後に活動休止することを発表している彼ら。否が応でも入る気合を放出させるように屈指のダンスチューン『自問と自尊』、『両手じゃ余る程』を立て続けに奏で、着実にフロアを巻き込みながら高揚感を強めていく。

シンガロングに「完璧です」と嬉しげな笑顔で応え、続く『逢真時』では透明な夜を映し出すような音色で、繊細なストーリーを紡ぎ出していた。リリースとそれに伴うツアーを大歓声の中で発表すると、特別な夜に贈られたのは新しい作品から“出逢い”について描いた『正夢』。ドラマチックなフレーズが耳を惹くこの曲は、一期一会のLIVEという場にとても良く似合う。

この一年は、嬉しいことも悲しいことも沢山あったが、自分達だけでは叶わないこの景色を観られることがとても嬉しいと話していた寺本。「必ずまた会いましょう」と契りを交わして演奏された『魔法が解けるまで』には、ここまで味わってきた様々な想いが閉じ込められているような気がした。成長した彼らがどんな魔法をかけるのかを楽しみに待っていたい。

続いて登場したのは、TREASURE05Xの出演でも話題を集めた新星RED DOG。うずうずした表情でステージに飛び出してきた4人が顔を突き合わせて音を鳴らすと、直ぐに巻き起こる大歓声。フロアのトーンが明るくなるほどの求心力をもって掻き鳴らすのは、目の前の「あんた」だけの為に歌われる感情的なメロディーだ。感情を解き放つような音は、それだけでフロアの興奮具合を引き上げてしまう。前のめりなツービートを炸裂させてモッシュを巻き起こしたかと思うと、天真爛漫なプレイでフロアをジャンプの渦に巻き込んだメンバー。

今回共演する2バンドは長くバンドを続けていなかったら出会えなかった、特別にライバル心を抱いている格好良いバンドだと岡田尚也(Vo/Gt)も話していたが、突き抜けたハングリー精神を燃やす彼らだからこそ、負けたくない想いも人一倍強かったのではないだろうか。

当日リリースされた新曲『感情リスペクト』では、音にのってオーディエンスとの距離をゼロにするかのように動く姿が印象的だった。後ろまで楽しめているかを確かめ、「このバンドを始めてもうすぐ3年目になります」と話し出す岡田。何度もツアーを回った今年を本当に濃いものだったと振り返り、「この不思議な空間をもっと大切にしたい」とワンマンライブを開催することを発表。オーディエンスからの歓声を受け、「ここからまた最前線へ走ってくからさ」と告げると、その言葉を証明するように『WINNER』、そして『スカイウェイブ』を奏でる。向かい風を追い風に変えてしまうようなアクトは、今の彼らの勢いを表しているように思えた。

テクノめいたSEと共に、トリを務めるバンドハラスメントが登場。「俺らの背中、押してくれませんか?その代わり、俺らが何倍も大きな力でお前たちの背中を押してやるからさ!最初から最後まで、力貸して下さい!」と、共にLIVEを作るフロアへ井深(Vo)が呼びかけ、パワフルなサウンドと甘やかな声が溶け合った『君がいて』、ハンドマイクの強みをフルに活かした『現実ハラスメント』とのっけから手加減なしで次々と曲をドロップ。気高い獣が吠えているかのようなボーカリゼーションには、ただただ圧倒されるばかりだ。

MCでは面白おかしく場を盛り上げる意外な一面を覗かせつつ、『ゲラゲラ』では井深自らオーディエンスの輪の中に飛び込み、巨大なサークルを作り上げるシーンも。「皆さん、今日はここに何しに来ましたか?」と煽ると、ハードコアの硬質な美しさを感じさせる『BRING ME DOWN』で大ジャンプを巻き起こし、LIVEの現場ならではの壮観を生み出していた。

今でこそシーンで注目されている彼らだが、最初はたった3人のお客さんの前でLIVEをするような日々が続いていたという。馬鹿にされながらも進んでこられたのは皆のお陰だと感謝を伝え、「今、この場で約束します。どこにいても俺らは、俺らの目標を叶えるために全力で突き進みます!」と言い切った井深。強い口調からは覚悟が滲むように感じた。オーディエンスもメンバーの一員になったかのようなシンガロングと共にLIVEを締めくくった彼ら。自分たちが戦う姿を見せることで、誰かの背中を押していく頼もしいアクトだった。

改めて感じるが、今の名古屋のバンドシーンの勢いは並々ならぬものがある。それはきっと、先輩から後輩、そしてバンドからオーディエンスへとしっかりバトンが渡っているからだろう。今回出演していた3バンドは、まだまだ様々な可能性を秘めた、言わば才能の原石たち。紆余曲折ありながらも、彼らはこれから沢山の想いをオーディエンスに繋いでいくはずだ。そこから生まれるストーリーが心底楽しみになるような、輝かしい一夜だった。

文/渡辺 真綾 写真/ナツミ(http://natsumi-live.tumblr.com/)

■セットリスト
―postman
1.Moongaze
2.明日ニナレバ
3.自問と自尊
4.両手じゃ余る程
5.逢真時
6.正夢 (新曲)
7.Mr.Memorable
8.魔法が解けるまで

―RED DOG
1.BRAVE
2.DISTANCE
3.Miss You Baby
4.逢いたくて
5.Clap Clap Clap
6.感情リスペクト
7.WINNER
8.スカイウェイブ

―バンドハラスメント
1.君がいて
2.現実ハラスメント
3.アリバイパリナイ
4.ゲラゲラ
5.BRING ME DOWN
6.君と野獣

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