1. トップ
  2. ライブレポ
  3. the unknown forecast TOUR 2016 "I am music for you" FINAL ONEMAN LIVE @名古屋CLUB QUATTRO

ライター T-Friends

2016.4.1

1,343 good

the unknown forecast TOUR 2016 "I am music for you" FINAL ONEMAN LIVE @名古屋CLUB QUATTRO

the unknown forecastが3月26日(土)、名古屋CLUB QUATTROにて、2月3日(水)にリリースされた3rd Mini Album『I am music for』のリリースツアーファイナルとなるワンマンライブを行った。開演前から彼らにとって初めての名古屋CLUB QUATTROでのワンマンライブという特別な1日を楽しもうと沢山の人が集まり、フロアはオーディエンスの放つ期待感でほんのりと熱を帯びている。

開演時間を少し過ぎた頃、丁寧に1人ずつお辞儀をしながらステージへと現れた4人。幡野 友暉(Vo)がゆっくりと手を上げてSEを止め、痛いほどの静寂が訪れると、ぽつりぽつりと言葉を確かめるように『I am music』を奏でだす。大きな会場にも関わらず、1対1で向かい合う様に言葉を届けていく姿をオーディエンスは一心に見つめている。そして、「3月26日、the unknown forecastワンマンライブ、名古屋CLUB QUATTRO」と静かに語る。音が終わりに近づく余韻の中、「お待たせしました。名古屋のthe unknown forecastです」と噛みしめるように話し、『E』の柔らかなフレーズを奏で出した。岡村 耕介(Gt)はステージのギリギリまで乗り出して、笑顔で口ずさみながら、観客を煽るようにギターを鳴らし、根底を支える細川 雅弘(Ba)のしなやかなベースと伊藤 優太(Dr)の安定感のあるドラムが絡まり合ってグルーブが高まっていく。「行こうぜ」の声に呼応する様に次々と手が挙がり、それを見つめるメンバーの顔も嬉し気だ。

『24分の1の行方』の後、「3月26日、来てくれて有難う御座います」と感謝を述べた伊藤が話し出したのは、まさかの記念グッズについて。なんとこのグッズ、前日に届いてやばいと焦りながら手作りされたものだという。そのまま、「そんなだからゆとり世代って言われるんじゃないでしょうか」と『ゆとりばんざい!』のコーラスになだれ込み、メンバー紹介を挟みつつ、“ゆとり世代”の胸中をコミカルに描いていく。そこから一転して、シリアスな空気を孕んだ『七転抜刀侍』、『生類憐みの令』と過去作から立て続けに演奏してみせた。

不意に静まったフロアに向けて「『circle』という曲を聴いてください」と幡野が呟くと、水滴が弾けるようなギターの音色が蒼い光の中で切なく響き出す。水面に音が染み入るように幡野の声がフロアに届いて、徐々に力強さを増していき、オーディエンスはゆったりと聞き入っていた。重々しいサウンドで心に深く痛く響くラブソング『奴隷』で魅了すると、唐突に「Yeah!」とはっちゃけた声で細川が叫び、そのまま調子よくフロアを煽ると、「今からスーパーダンシングタイム始まりますけど大丈夫ですか!」と問いかける頃にはフロアのテンションも再び急上昇。幡野の「本日、地球上でやってるLIVEの中で1番踊れる曲やります」という宣言通り、披露されたのは『ずちたち』。「今日はワンマンなんだから、僕の言うこと聞けますよね?」と挑発するようにフロアに投げかけると、オーディエンスは力一杯のハンドクラップでそれに応えた。“踊れる”音楽では無いと彼らは話すが、気持ちが弾むとそんなことはどうでも良くなって、鳴っている音楽に身を任せて思わず身体を揺らしたくなるものだ。沢山の人が楽しくて堪らないという風に思い思いに踊っていた。そのまま鉄板曲を惜しみなく演奏して、アルバム曲から、『YUTORI say die』。曲間にリアルなアナウンスを使い、楽曲の持つ重苦しさを濃密に紡ぎだしていく。

土砂降りの雨音がクアトロを包み込む中、奏で出したのは『Sunny?』。声が切なさを帯びて響いて、熱の籠ったフロアにノスタルジックな時が流れる。最後の一音が鳴り終わると、幡野は「11年前に初めて、音楽って格好良いなと思いました」と言葉を探しながら、ゆっくりと話し出した。初めて音楽を辞めたいと思った時のこと、それでも仲間が居たから続けてこれたということ。そしてCLUB UPSETで「クアトロでワンマンをする」と宣言した時のこと。丁寧に語られる言葉を一言も漏らさぬようにとオーディエンスはじっとステージを見つめている。そのまま幡野は「俺は貴方のことが分かるよなんて言えません。けど、10年前、あなたはここに居ることを想像できましたか?先のことなんて分からないけど、1つ言えるのは“先のことなんて分からないなら、今を生きて生きて、生き抜くしか無い”んじゃないかって。俺は今を生きて生きて生き抜いて、またあなたの前で歌を歌いたい」と最後までフロアの一人一人に語りかけるように言葉を繋いだ。

そして、ツアーを回って沢山の想いを背負った中で「聴いて欲しい曲があります」と紹介されたのは『冒険譚』。柔らかいピアノの音が、これから広がっていく未来を祝福するように鳴り響いて、太くしなやかに成長したバンドの音を優しく彩っていく。曲が終わって、深々と頭を下げると、オーディエンスから暖かい拍手が贈られた。「今日は本当にどうも有難う。今日でツアーが終わるのは不思議な感じです」と集まった人の顔を見渡しながら再び口を開いた幡野。「こんなに俺たちのために大勢の人が集まってくれるのは誇らしいし、とても嬉しいです」と素直な喜びを細川が口にすると、「本当に僕も同じ思いで。言葉にすると軽くなってしまうから嫌なんだけど、全国にunknownの音楽を聴きたいって言ってくれる人が思った以上に居て、その人たちの笑顔をみたら、そして来てくれる人の笑顔をみたら辞められないです。本当に楽しい時間をどうも有難う(伊藤)」「もちろんこれが終わりでは無いので、新しいスタートに立ったみたいな。もっと上を目指して頑張りたいと思います。有難う御座いました、本当に。皆さんに感謝しています(岡村)」と順にはにかみながらも感謝を口にするメンバー達。

最後に幡野が「こんな感じなんですよね、俺たち。こんな感じでいつもバンドやってるんです。仲間達と一緒に音楽を鳴らせて、あなたがこうやって見てくれて、凄く幸せな気持ちです。今日も、どれ位人が来るかとか全然分からなくて、ここに立つまで本当に怖かった。でも、ネットとかであーだこーだ言うんじゃなくて、俺はここに来てくれるあなたの為だけに歌いたいと思いました。残り2曲だけど、精一杯歌って帰ります」と話し、祈るように『さなぎの唄』を歌い上げた。「1年前、ここでワンマンするって宣言したあの日から、今までずっと何を話そうか考えていました。けど、伝えたいことは全部歌の中に詰まってました。出逢ってくれてどうも有難う」と幡野がフロアを真っ直ぐに見つめて話し、最後に披露されたのが『I am music』。
―やっとこの唄が歌える―
曲間に幡野は吐き出すようにそう呟き、最後の一滴まで想いを詰め込むように唄って、4人はステージを降りた。

“君に選ばれるのをずっと待っていたんだよ、僕らだけの話をしよう”。聴き手に向けて真っ直ぐに放たれる言葉の数々を、彼らは沢山の人に届けようとするのではなく、“貴方”に届ける為に唄にしてきた。その全ては、聴いてくれる貴方に出逢うため。これからどれだけの人がunknownの音楽と出逢えるのかは分からないが、旅を続けて、強くなった彼らは、これからも色んな人の想いを、代わりに歌にして鳴らしていくのだろう。さなぎが蝶になって羽ばたくように、彼らの歌が沢山の人に口ずさまれる希望の灯火になる日は、もうすぐそこまで近づいている。

文/渡辺 真綾 撮影/→SATOMIN← (http://xx308xx.com/)

■セットリスト
01.I am music(=introduction)
02.E
03.24分の1の行方
(MC)
04.ゆとりばんざい!
05.七転抜刀侍
06.生類憐みの令
(MC)
07.circle
08.奴隷
(MC)
09.ずちたち
10.命の屍
11.携帯電話
12.YUTORI say die
SE(rain)
13.Sunny?
(MC)
14.冒険譚
(MC)
15.さなぎの唄
(MC)
16.I am music
(Encore)
17.はたち

関連キーワード

RANKING

RECOMMENDED

KEY WORD

WRITER


トップへ